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「お題「マフラー」」(2008/11/28 (金) 10:13:12) の最新版変更点
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<ul><li><a title="目次 (2h)" href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5160.html">目次</a></li>
</ul><hr />
「はぁ…」<br /><br />
こんにちは、朝比奈みくるです。<br /><br />
最近めっきり寒くなって来たのでSOS団の部室にも暖房が設置されました。<br /><br />
「みくる!今日も部活かいっ?」<br /><br />
あ、鶴屋さん。<br /><br />
「寒くなってきたから風邪を引かないように気をつけるんだよ!んじゃあね!」<br />
「はい、また明日」<br /><br />
鶴屋さん、マフラー付けてて暖かそうでした。<br />
部室は暖かいとはいえ、外は寒いですし、そろそろ手袋とマフラーが欲しいなぁ。<br /><br />
といっても既に手元にはあるんですが、別の色のも少しだけ興味がありますし。<br /><br />
「うん、編んでみようかな」<br /><br />
手編みのマフラー。<br />
久しぶりにやってみたかったんです。<br />
あ、前にやったのがいつかは禁則事項ですよ?<br /><br />
そうと決まれば早速部室で編もうっと。<br /><br />
「こんにちはぁ」<br />
「………」<br /><br />
長門さんだけですか。<br />
相変わらず早いですね。<br /><br />
よし、メイド服に着替えて、長門さんにお茶を淹れて、と。<br /><br />
「はい、どうぞ」<br />
「…ありがとう」<br />
「あれ?暖房付けてなかったんですか?」<br /><br />
寒かったらいつでも付けて良いんですよ?<br /><br />
「…私には寒いという概念がない。体温管理は自在にできる」<br />
「そうなんですかぁ…」<br /><br />
そう言ったきり、長門さんは黙々と本を読み続ける。<br />
…私もマフラーを編み始めることにしましょう。<br /><br />
毛糸どこにやったかなぁ…あ、あった。<br />
色は…水色にしてみよっと。<br /><br />
暖房を付けてその前に椅子を置いて、静かに編み始める。ひたすらな単純作業なんですが、楽しいんですよね、こういうのって。<br /><br />
「…と、かけまちがえちゃった」<br /><br />
どうやって直すんでしたっけ…<br />
少しずつ戻して…あ、ほどけちゃった。<br />
うーん、やり直しですね。<br /><br />
「………」<br />
「あれ?どうかしましたか長門さん」<br /><br />
本から顔をあげてじっ…とこっちを見てます。<br />
私の顔に何か付いてるんでしょうか…<br /><br />
「…それは何?」<br />
「へ?」<br /><br />
長門さんがほどけて一本に戻ってしまった糸に指をさしている。<br /><br />
「えと…毛糸ですけど」<br />
「…そうでは無い、毛糸を使ってあなたは何を作ろうとしていたかを聞いた」<br />
「あぁ、マフラーを編んでたんです」<br /><br />
ほら、と言って私が既に持っていた真っ白なマフラーを取り出す。<br />
「…マフラー」<br /><br />
…マフラー知りませんか?<br /><br />
「…知らない」<br />
「えと、こうやって使うんですよ」<br /><br />
自分の首に巻いてみせる。<br /><br />
「…何故?」<br />
「何故って…首が冷たい時とかに暖める為にですよ」<br />
「…そう」<br /><br />
そのまま本の続きに入ろうとしたようですが、チラチラ白いマフラーを見てますね。<br /><br />
「長門さんも巻いてみますか?」<br />
「…いいの?」<br />
「いいですよ。はい」<br /><br />
ち、ちょっと、振り回して遊ばないでください!<br /><br />
「じっとしてくださいよ。こうやって付けるんです…うん、できました」<br />
「…フカフカ」<br /><br />
「暖かいでしょう?」<br />
「…私には暖かいという概念が無い」<br /><br />
…そうですか。<br /><br />
「…ただ、私という個体は落ち着く、と感じている」<br />
「ふふっ、良かったらそれ、あげますよ」<br />
「…ありがとう」<br /><br />
無表情のままですけど、気に入ってくれてるのかなぁ?<br /><br />
「…フカフカ」<br /><br />
…でも、少なくとも嬉しそうです。<br /><br />
おわり