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「涼宮ハルヒの失踪」(2022/01/03 (月) 15:43:03) の最新版変更点
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<h1 style="font-weight:normal;font-size:larger;margin:-.5em 0px 0px;color:#FF0000;">
</h1>
<p>文字サイズ小でうまく表示されると思います</p>
<p>何故安価なのかは>>33</p>
<p> </p>
<hr /><h1 style="font-weight:normal;font-size:larger;margin:-.5em 0px 0px;color:#FF0000;"></h1>
<dl class="thread"><dt>33 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
12:56:28.24 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>いいわけ保守<br /><br />
なあハルヒ、このスレは本来SS投下をする為にあるんであって安価とかはまずいんじゃないのか?<br />
投下が来た時の邪魔になるし、住人も良くは思ってないと思うぞ?<br />
「そんな事はどうでもいいの! いい、キョン。この場合一番重要なのはプリンが生き残る事、それだけよ。<br />
そりゃああたしだって、本当は投下を期待してF5押しながら支援カキコしてたいわよ。でも今は規制のせいで<br />
住人が殆どいないじゃない!」<br />
そりゃあ、まあそうだが。<br />
「明日になればきっと誰かが戻ってくる、あたしはそう信じてるもの! だから私は意地でもここを存続させる<br />
から邪魔しないで!」<br />
……なあ、ハルヒ。お前、なんでそんなにプリンの存続にこだわるんだ。<br />
「え?」<br />
別に今もアナルは生きてるんだし、規制されてる人が帰ってきてからスレを立ててもいいだろ?<br />
「……だって」<br />
ん。<br />
「だって……ここがなかったら、あたしとキョンのSS書いた人が投下してくれないかもしれないじゃない」<br />
なんだ、声が小さくてよく聞こえな「うるさい!! バカキョン! いいから存続させるの! いいわね!」<br /><br /></dd>
<dt>1 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
09:12:27.95 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> </dd>
<dt>8 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
09:48:25.98 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>適当にはじめてしまおう<br /><br />
何事もない日常が喜び。<br />
ハルヒに振り回され続けてきた俺は、たまに本気でそう思う事がある。<br />
でもまあ、ここまで退屈だと逆に何か起こってくれないかね? なんて思うのは<br />
贅沢なのだろうか。<br />
せっかくの休日だというのに今日は何の予定もなく、朝から何度も確認しみても<br />
携帯の電源は入っているのに着信はない。<br />
これは神様が俺に休憩しろとでも言っているどうろうか? <br />
だとしたらその余暇を楽しむ何かまで準備して欲しかったってのは、望み過ぎ<br />
なんだろうな。 <br /></dd>
<dt>10 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
09:55:41.85 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 出かけるあてなどないのだが、とりあえず着替えてだけおくか。<br />
クローゼットの中の私服は、我ながらレパートリーが少ない。ああそうだ、買い物<br />
に行くなんてものいいかもしれないな。<br />
結局、着なれたいつもの服装に着替えた俺は――<br /><br /><a href="http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1221351147/11" target="_blank"><font color="#0000FF">>>11</font></a> 反応なければ適当にいきます<br />
1 誰か誘ってみるか 相手指定可<br />
2 今日は一人で行動しよう<br /><br /></dd>
<dt>11 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:06:50.18 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>適当~<br /><br />
誰か誘ってみようか? そう思って携帯を開いてはみたが何となくその気にならない。<br />
たまには一人で出かけてみるか。<br />
俺は開いたばかりの携帯を閉じてポケットに入れると、自分の部屋を後にした。<br /><br /><br />
休日だというのに、街に溢れかえっているのはスーツや事務服に身を包んだ人ばかり<br />
だというのはどうなのかね? 週に一度は魂の安息日があってもいいと俺は思うぞ。<br />
そんな上から目線で、実際にファーストフードの2階席から歩道を見下ろしながら<br />
簡単な朝食を済ませる。<br /><br /></dd>
<dt>12 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:13:39.95 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 一人だと相手を選んで店を決めたりしなくていいから気楽でいいな。<br />
いつもの休日なら、気忙しく食べ終えて移動するだけの食事なのだが今日は違う。<br />
多少冷えて適温になったコーヒーをゆっくりと飲みつつ、俺はゆったりとした時間を<br />
楽しむ事にした。そういえばマックのコーヒーはおかわり実はできるらしいが、本当<br />
なんだろうか? <br />
こんな小さなコップにおかわりってきついだろ、頼む方も持ってくる方も。<br />
時間は……10時か。<br />
手元のレシートで会計時間を見るとまだ20分しか経っていない。 <br /></dd>
<dt>14 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:21:21.40 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> やれやれ、気忙しいのは俺も一緒か。<br />
嘘をついても仕方ない、早くもこののんびりとした時間に俺は退屈しはじめていた。<br />
あてもなくぶらつくのもいいが、どうせなら何か――ああ、今日は服を買うんだったな。<br />
空になったゴミが満載のトレーを片付けるついでに、俺は店にあったフリーペーパーを<br />
一部もってきた。<br />
今日の俺にはそれほど資金に余裕があるわけでもないし、何軒も店を回る気力もない。<br />
よさそうな店が無いかページをめくっていくと、まあ俺でもなんとか手が出そうな店が<br />
数軒見つかる。<br /><br />
それは<br />
>>↓<br />
1 駅裏のアーケードにできた個人経営の店だった<br />
2 最近人気のブランド物を扱う専門店だった</dd>
<dt>15 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(dion軍)</font></a>:2008/09/14(日)
10:24:47.67 ID:/F2MYmMC0</dt>
<dd>1<br /><br /></dd>
<dt>16 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:29:22.74 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>「あっれー? キョン君じゃないか!」<br />
駅裏のアーケードの一角、つい先日できたばかりらしいその個人経営の店の前で、俺は<br />
やけに元気な先輩と出会った。額によくわからないインドちっく? なバンダナを巻いて<br />
笑っているのは言うまでもなく鶴屋さんである。<br />
「おんや? あれ?<br />
何故だろう、鶴屋さんは俺を見つけて駆け寄ってきた途端、何かを探すようにオーバー<br />
リアクションで俺を起点にぐるぐると回っている。<br />
どうかしたんですか?<br />
「どうかもなにかも、キョン君。君、一人なのかい?<br />
ええ、今日は一人です。<br />
俺の返答がよほどショックだったんだろうか、鶴屋さんの笑顔が一瞬固まる。<br /><br /></dd>
<dt>17 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:35:41.93 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>「え、あ。あっははー! その、うん。なんだ。人生は長いぞ少年!」<br />
突然俺を抱きしめて、鶴屋さんは意味のわからん事をいいながら背中をばんばんと叩いて<br />
きた。<br />
え? あのどうしたんですか?<br />
「まあハルニャンは気まぐれな所もあったりするからさー、ちょろっと離れる事があっても<br />
元通りになる時は磁石みたいにばちーんって一瞬だよ!」<br />
あの、鶴屋さん。<br /><br />
>>↓<br />
1 よくわからないが誤解を解こう<br />
2 まあいいか、このままにしておこう<br /></dd>
<dt>18 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(神奈川県)</font></a>:2008/09/14(日)
10:36:54.51 ID:RpStx02Y0</dt>
<dd>1 <br /></dd>
<dt>20 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
10:46:14.02 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> よくわからないが誤解を解こう<br />
ハルヒとは別に何もないですよ。今日はたまたま一人で買い物に来ただけなんです。<br />
「へ? ……あ、そうだったんだ。ごっめんねー!」<br />
とか言いながら俺の頭をぐりぐりと撫でる鶴屋さんを見て、うちの妹が大人になったら<br />
こんな感じになるんだろうか? と俺はシャミセンいじりに邁進する我が家の暴君の十数年後を<br />
想像してみた。<br />
「で、キョン君はあたしのお店の記念すべき最初のお客さんになってくれるのかな?」<br />
へ? あなたのお店?<br />
「あれー? 知ってて来てくれたんじゃなかったのかい? 本日12時オープンのファッション<br />
雑貨『なまらすて』をよろしくぅ!」<br />
持ってきていたフリーペーパーを見てみると、確かに店の連絡先の所に鶴屋という文字がある。<br />
実は高校生向きファッションショップというカテゴリーと、駅から近いという理由だけで選んだ<br />
んだけどな。 <br /></dd>
<dt>22 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
10:54:37.56 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> なまら……すて、北海道の訛りなのか外国の挨拶なのかそのどちらもなのかよくわからない<br />
名前だ。だが店の名前が意味不明なのに対して、店の商品は実にわかりやすい品揃えだった。<br />
高校生向きと言うだけあって、俺でも簡単に手が出る値段の商品がそれほど広くない店内に<br />
空間を意識しながら展示してある。<br />
「開店までまだ1時間あるけどキョン君なら入っちゃってもいいにょろよ?」<br />
それは、その有難い申し出だ。だがいいんだろうか?<br />
「いいんだって、だって私店長さんなんだもんね!」<br />
俺の返事を聞く気はないのだろう、さっそく俺の腕を掴んで鶴屋さんは店内へと案内というか<br />
拉致してくれた。<br />
流石は鶴屋さんといった所だろうか。店内に並んだ商品はどれもはずれがなく、適当に買って<br />
帰っても後悔はしない様に見える。<br />
「さーて、じゃあキョン君に似合いそうなのは……と」<br />
どうやら一緒に服を選んでくれるつもりのようだ、<br /><br />
>>↓<br />
1 せっかくだが一人で選ぼう<br />
2 ここはプロに任せよう<br /><br /></dd>
<dt>23 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
11:06:31.83 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>2<br /><br /></dd>
<dt>24 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
11:14:29.82 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> ここはプロに任せよう。俺のセンスがどれ程のものかくらいわかってるさ。<br />
「キョン君は無理にかっこつけた服よりも、ポイントでセンスが光る服の方が合ってると思うん<br />
だよね」<br />
俺と服とを交互に見ながら、鶴屋さんは駄菓子でも買うかのような勢いで服を集めていく。<br />
あの、それもしかして全部。<br />
「もっちろん試着してもらうよ! さあさあ、とりあえずこれとこれで着てみて! こっちを<br />
上に着るんだからね?」<br />
試着室になかば押し込まれるようにして閉じ込められた俺は、まあ仕方ないかとため息をついて<br />
見つくろってもらった服に着替え始めた。<br />
――これが、俺か。そうか。<br />
数分後、全身が写る鏡の前に居たのは俺が見てもそれなりに見える外見の男だった。さっきまで<br />
の、延滞したビデオを返しに行く途中にしかみえない男はもうここには居ない。<br />
服で印象が変わるなんて無いって思ってたが、選ぶ人によってはあるんだな。<br />
「もーいーかいっ?」<br />
あ、はいどうぞ。<br />
「御拝けーん……おー! さっすがあたし、完璧じゃないかー!」<br />
俺もびっくりしました。<br /><br /></dd>
<dt>25 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
11:21:18.14 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 次に着せようと持ってきていた服をあっさりと投げ捨てて、鶴屋さんは俺を試着室から引っぱり<br />
出すってああ、待って下さい! 靴を履いてないんです!<br />
「いやー、素材は悪くないと思ってたけどこれは予想以上。カツオがマグロになっちゃったねー!」<br />
それってどっちが上なんでしょうか。<br />
ちなみに外国だと、どっちもツナだったりするらしいですよ?<br />
「ねえ、キョン君。これから一緒にどこかへお出かけしないかい?」<br />
ええ?! って貴女はこのお店の店長さんなんでしょう?<br />
「大丈夫だって! 初日だからバイトさん雇ってるし問題無いっさ!」<br />
って、その<br /><br />
>>↓<br />
1 やっぱりまずいですよ<br />
2 まあいいか<br /><br /></dd>
<dt>26 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(新潟・東北)</font>:2008/09/14(日)
11:24:41.39 ID:3wOPtLBVO</dt>
<dd>2でお願いします<br /><br /></dd>
<dt>27 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
11:38:07.56 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> まあいいか、たまにはハルヒ達以外の人と遊んだっていいだろ?<br />
俺は大人しく頷き、それを見た鶴屋さんは向日葵の様な笑顔を浮かべた。<br /><br /><br />
「みくるから色々聞いてはいるんだけど、キョン君はどんな所で遊ぶのが好きなのかな?」<br />
そう言われると、どことかは無いですね。<br />
ティーンズ雑誌の表紙を飾ってもおかしくないレベル、つまりは道行く人の誰もしも振り返るような<br />
外見の鶴屋さんと二人っきりで歩くのは、普段の俺ならご遠慮したい。<br />
だが今の俺ならば、そんなに自分を卑下しなくてもすむはずだ。多分。<br />
「あっれー? キョン君元気ないくないかい?」<br />
鶴屋さんは、呼吸が感じられる程近くで覗き込んでくる。<br />
思わずのけぞった俺の胸に指をあてながら、<br />
「あたしが選んだ服を着てるのにそんな自信なさげな顔じゃだめさー? さあ笑って! ね!」<br /><br /><br />
今更なんだけど鶴屋さんの喋りがよくわからない;<br />
誰か鶴屋さんのセリフが多いSS知ってる人いないかい?<br /><br /></dd>
<dt>28 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
11:48:14.40 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> そう言って俺の頬をひっぱる鶴屋さんの顔に、何か言葉以上の感情があるような違和感を感じる。<br />
……あ、そうか。鶴屋さんは俺に気を使ってくれてるんだな。言葉の所々に感じるニュアンスと、時折<br />
俺の顔を見つめてくる仕草が気になってはいたんだ。<br />
鶴屋さんは多分、俺がSOS団の誰か。まあ、多分ハルヒとの間で喧嘩でもしてると思ってるんだろう。<br />
そう思うのも無理もない程に、俺の行動にはSOS団の誰かが関わっていたからな。<br />
ようやく俺に笑顔が戻ったのを見て、鶴屋さんは満足げに頬をつまんでいた指を離す。<br />
「さ! 今日は記念すべきキョン君とあたしの初デートだよ! 気合い入れてエスコートして、彼女の<br />
ハートをがっつりお持ち帰りしちゃってね?」<br />
えっと、それはどこから突っ込めばいいんですか?<br />
……反応なし。おかしいな、俺の反論はどうやら鶴屋さんには聞こえない様だぞ。なんて便利な耳だ。<br />
さて、とりあえず歩道で立っていても仕方ない。どこかへ行くとするか……。<br /><br />
>>↓<br />
1 公園でいいかな? <br />
2 図書館に行ってみよう<br />
3 休みだけど学校に行ってみようか<br /><br /></dd>
<dt>29 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
11:52:34.81 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>1 <br /></dd>
<dt>34 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
13:04:28.27 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>言い訳書いてる暇がどこにあったのかと<br /><br />
休日の公園は騒がしい街とはうって変わって、子供連れの主婦が数人しか見えない。<br />
俺の隣を歩く鶴屋さんは絡んでくる子供の相手をしたり、やれ空に浮かぶ雲の形が何に似ているだのと<br />
はしゃいでいる。<br />
いいね、これこそまさに安息日ってやつだ。<br />
俺は俺でそんな彼女の姿を目を細めながら眺めつつ、のんびりとした時間を楽しんでいた。が。<br />
「ねーキョン君さ。……みくるが秘密を打ち明けた公園にあたしを連れてきて、どうしちゃうつもりなのかなー?」<br />
平穏な時間はあっさりと終わった。<br />
って今のはマジなんですか? まさか朝比奈さんは鶴屋さんに全部話してしまっているとか?<br />
<br />
>>↓<br />
1 鶴屋さんも、朝比奈さんが未来人だって事知ってるんですか?<br />
2 俺には、その。何の事だかさっぱりです<br /><br /></dd>
<dt>35 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font></a>:2008/09/14(日)
13:09:22.03 ID:UndwICEDO</dt>
<dd>2で<br /><br /><br />
つか爆睡かましてたらアナルが落ちてたorz<br /><br /></dd>
<dt>36 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
13:23:16.93 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 俺には、その。何の事だかさっぱりです。<br />
いくら朝比奈さんがうっかりさんでも、禁則事項に関わるような事を口を滑らせるとは思えない。俺は冷や汗を<br />
かきながら鶴屋さんに嘘をついた。<br />
しばらくの凝視の後。<br />
「……そっかー。そうだよね、うん。ごめんごめん! ちょっとさ、みくるの様子が変だったから気になっててね」<br />
え、朝比奈さんがですか?<br />
疑う様だった鶴屋さんの眼差しが消える。<br />
「みくるからキョン君の話を聞いてた時にね? この公園でキョン君に何か大切な事をお話したって所までは教えて<br />
くれたんだけど、それ以上先はどー頑張っても教えてくれなかったのさ~」<br />
……朝比奈さん、そこまで話したら誰でも気になると思いますよ?<br />
「それで、もしかして君が何かみくるといけないお話でもしちゃったのかなって思ってね~。……ねえキョン君」<br />
はい。<br />
「みくるはさ~、なんていうかぼんやりさんでおっちょこちょいで目が離せない所ばっかり目立っちゃうけど、<br />
本当は色々溜めこんじゃう娘なのさ。だけど人には言えない性格なのか、言えない内容なのかわかんないけど、<br />
自分だけで頑張っちゃっててね~……そんなみくるもさ、キョン君には話せる事が多いみたいだから助けになって<br />
あげて欲しいな?」<br />
最後の方は寂しそうな声で、鶴屋さんはそう言った。 <br /></dd>
<dt>39 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
13:39:38.67 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 俺にできる事なら。<br />
もちろんこれは俺の本音だ。心のオアシスでもあり部室の天使でもある朝比奈さんの手助けになるなら、頼まれる<br />
までもなくなんだってするだろう。<br />
パッと笑顔になる鶴屋さん。<br />
「よろしく頼んだよ!」<br />
そう言って鶴屋さんは背伸びをすると――冷たく柔らかい何かが触れる――素早く俺の頬にそっと触れるキスをした。<br />
な、な。え?<br />
驚く俺とは対照的に、鶴屋さんは平然とした顔で自分のポケットで振動していた携帯を取り出して何やら確認をしている。<br />
そして急に顔をしかめて<br />
「えー! そんなぁ~……残念だけどキョン君、あたし今すぐお店に戻らなくちゃいけなくなっちゃったよ。在庫が<br />
尽きちゃって大変なんだって」<br />
ええ? ってああ、俺の事は気にしないでいいですよ。<br />
ところでさっきのはいったい、ってここは聞くべきなのか?<br />
「ほんっとごめんよ? この埋め合わせは絶対するからー……絶対するからねー!」<br />
手を合わせて謝ったかと思うと、すぐさま走り出し、何度も振り返りながら鶴屋さんは去って行った。<br />
鶴屋さんの姿が見えなくなった所で、そっと自分の頬に触れてみる。<br />
……どうやら、さっきの白昼夢の類ではないらしい。<br />
一人公園に取り残された俺は、自分でも意味のわからない溜息をつきつつ家路についた。<br />
なんていうか、ハルヒとは別の意味で台風みたいな人だな。<br /></dd>
<dt>42 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
13:58:13.27 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> その日、久しぶりに自室のクローゼットに新しい服が追加された。並べてみると、そこだけ自分の服じゃないみたいで<br />
なんだか変な感じがするな。<br />
次の休日が待ち遠しいなんていつ以来の感情なのかわからない、俺はその日の出来事を思い出しながら眠りについた。<br />
――翌日、いつもなら気だるい通学路も普段の20%増し程度の元気で登り終え、平均より10分程早く教室に入った<br />
俺の目に入ったのは机にのびているハルヒだった。<br />
めずらしいな、あいつにしては。<br />
俺が席についてもハルヒは動こうとしない、流石にここまでくると気になってくる。<br />
おい、大丈夫か?<br />
俺の声に数秒遅れて、ハルヒがゆっくりと顔を上げる。<br />
「……ああ、キョン。いつ来たの?」<br />
今さっきだ。<br />
「そ」<br />
再び机との同化作業に戻るハルヒ。<br />
ハルヒ、体の調子が悪いのか? 保健室に行くならついて行ってやるが。<br />
「いい。……昨日、親戚が1歳になった赤ちゃんを見せに来たんだけどね。その相手をしてて本気で疲れてるだけ」<br />
そりゃあ……大変だったな。<br />
お前の相手をしている俺達の大変さが少しはわかったか? なんて本音は言わないでやるよ。なんせ俺は充実した<br />
休日だったからな。<br />
「キョンは」<br />
ん?<br />
「キョンは昨日何してたの?」<br />
ああ、俺か。<br />
……さて、ここで鶴屋さんの名前を出すべきか……<br /><br />
じゃあ安価で<br />
>>↓<br />
1 やめておこう。昨日は買い物して終わったよ。<br />
2 まあいいか。昨日は鶴屋さんの店で買い物してきた。<br />
3 たまには驚かせてやるか。昨日は鶴屋さんとデートだったんだ。<br /><br /></dd>
<dt>43 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(神奈川県)</font></a>:2008/09/14(日)
13:59:47.34 ID:npWD+ams0</dt>
<dd>3<br /><br /></dd>
<dt>44 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(dion軍)</font></a>:2008/09/14(日)
14:09:56.12 ID:/F2MYmMC0</dt>
<dd>古泉君スタンバイ<br /><br /></dd>
<dt>45 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:11:50.23 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> たまには驚かせてやるか。<br />
昨日は鶴屋さんとデートだったんだ。<br />
「はあ?!」<br />
でかい声をだしつつ即座に体を起こすハルヒ。<br />
おでこ、真赤だぞ。<br />
「えっあっ……ちょっとキョン。今のって本当なの?」<br />
前髪でおでこを隠しながらハルヒは睨んでいる。<br />
嘘か本当かと聞かれれば……本当なんだが、まあ古泉の気苦労を増やすのも悪い気がする。あいつに恨みがある訳でも<br />
ないしな。<br />
冗談だ。昨日買い物してたら偶然あってな、服を選んでもらったんだ。それだけさ。<br />
「……あ、あんまり変な事言わないでよ。でもまあ、よくよく考えてみれば鶴屋さんがあんたみたいなのとデートする<br />
なんて地球が逆回転を始めるよりありえない事よね。一瞬でも信じたあたしがどうかしてたわ」<br />
そうかい。<br />
ずいぶん安くなっちまったな、地球。<br /><br /></dd>
<dt>46 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:21:37.98 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> これでこの件は終了。<br />
だったらよかったんだけどなー。それから時間は進み今は昼休み、どこかへでかけていくハルヒを見送り、のんびりと<br />
弁当を広げていた俺の携帯が振動をはじめた。相手は……古泉?<br />
箸を置いて、なんとなくその場で話すのを躊躇った俺は廊下に出てから受話ボタンを押した。<br />
もしもし。<br />
「何があったんですか?」<br />
主語がないぞ、古泉。それにそれは俺のセリフだ。<br />
「すみません、ですが答えて下さい。涼宮さんに何かしましたか?」<br />
何かって……特に思い当たらないが。<br />
「実は、ついさっきいつになく巨大な閉鎖空間が発生しました。これは涼宮さんにいきなり大きなストレスがかかったと<br />
しか考えられません」<br />
落ち着けって、まあやばいのはわかった。でも俺はここ数時間ハルヒの頭を叩いたりもしなかったぞ?叩かれはしたが。<br />
それに授業中だったから特に何かあったとは思えん。<br />
「確かにそうですね……、ちなみに、貴方の言う物理的な理由では涼宮さんにストレスがかかる事は殆どありません。<br />
ありえるとしたら……そうですね、貴方が涼宮さんの目の前で誰かとキスをする、そんな状況を見れば今のような閉鎖空間も<br />
発生しえるでしょう」<br />
古泉、ここは学校だぞ? そんな事がある訳……あ。<br />
「ど、どうしました?」 <br /></dd>
<dt>49 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:35:38.75 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> あ、いや。実は昨日、俺は鶴屋さんと買い物をしてたんだが。<br />
「はい」<br />
そこでキスされたんだ。<br />
「……」<br />
痛いほどの沈黙が流れる。<br />
で、でも、あれは不可抗力だったし昨日の事なんだから今回は関係ないだろ? それに俺はハルヒには、買い物中に<br />
鶴屋さんと会ったとしか言ってないぞ。<br />
「事実はともかくとして、もしも涼宮さんがその事を鶴屋さんに確認に行ったら」<br />
古泉の言葉に、俺が想像した鶴屋さんのリアクションのどれもが、あっさりキスの一件まで伝えてしまう姿だった。<br />
「すみません、僕は機関の仕事に戻ります。すみませんが涼宮さんの事をお願いします!」<br />
おい待て古泉! お願いするったってな? ――ええい、切れてやがる。<br />
別に俺はハルヒと付き合ってる訳じゃないのに、そこまで気をまわさなくちゃいけない理由ってのはなんなんだろうな?<br />
ああそうか、世界崩壊の危機だったな。……笑えねー。<br />
ともかくだ、ここは<br /><br />
>>↓<br />
1 ハルヒを探そう<br />
2 長門に相談しよう<br />
3 朝比奈さんに話をしてみよう<br /><br /></dd>
<dt>50 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
14:37:16.58 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>1 <br /></dd>
<dt>52 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:46:21.17 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> ともかくだ、ここはハルヒを探そう。<br />
鶴屋さんとハルヒが会ったっていうのが本当なら、多分2年の教室の近くに居るはずだ。<br />
生徒で溢れかえる昼休みの廊下を、俺は世界を救うべく全力で走っていた。<br />
そこら中から感じる奇異の視線。<br />
そうだな、俺もこんな変なのが居たら目で追うだろうよ。<br />
ついでに言えば入学したばっかりの頃のハルヒはこんな視線をいつも受けてたんだろうな。<br />
幸運にも教師に見つかる前に、俺は2年の教室まで辿り着いた。<br />
えっと、鶴屋さんは……しまったあの人が何組なのか俺は知らないじゃないか?<br />
朝比奈さんに電話した方が確実なんだろうが、ともかく今は時間が惜しい。俺は順番に教室の中を覗き込みながら<br />
ハルヒの姿を探していった。<br />
そんな不審行為を繰り返していると、<br />
「あっれー? キョン君じゃないかー」<br />
廊下を歩いて来たのはまさに渦中の人、鶴屋さんだった。 <br /></dd>
<dt>54 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:55:44.12 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd><a href="http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1221351147/53" target="_blank"><font color="#0000FF">>>53</font></a> 本当に言ってねー <br /><br /><br />
鶴屋さん、ハルヒがここに来ませんでしたか? っていうか何か話しませんでした?<br />
「ハルニャン? きたよー、昨日キョン君とチューしちゃったーって言ったらめがっさ怒って何処かへ行っちゃったにょろ」<br />
――世界が停止したかと思った。……古泉、最悪な方向にビンゴだぞ。<br />
急な運動による胃痛と、止まらない頭痛に思わず頭を抱える。<br />
あーくそう! なんで朝、俺はあいつにあんな事を言ってしまったんだ? そんな事言うつもりはなかったのに!<br />
「ちょっと大丈夫かい? 顔色が真っ青だよ?」<br />
ええまあ、これくらいなんてことないんです。はい。<br />
これから起きるかもしれない事を考えれば、俺の体調不良なんて1ジンバブエドルと等価なんです。<br />
それで、ハルヒはどこへ?<br />
「あっちだよ。でもどこに行くかは聞いてなかったな~」<br />
ともかく今は動くしかない、俺は疲れた体に鞭打って再び廊下を走りだした。そして間もなく階段の踊り場に辿り着く、<br />
ハルヒは上か? 下か?<br /><br />
1 上<br />
2 下<br />
3 一人では探しきれない、誰かに助けを頼もう<br /><br /></dd>
<dt>55 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
15:05:18.49 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>上 <br /></dd>
<dt>59 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
15:18:34.75 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>書き手が一人の間はこれでもいいかもね<br /><br />
上に行ってみよう、なんとなくハルヒと言えば高い所にいるイメージがある。それに一度降りて上がるよりは、先に<br />
上がって降りた方が体的にも楽だろう。<br />
これで重労働は最後だと気合いを入れて階段を上った先には、ああそうだ、そういえばここだったんだな。<br />
あの日、部活を作る事を思いついたハルヒに拉致されてきた屋上への扉があった。<br />
鍵は……開いている。<br />
勢いのままに扉を開けたそこには……、誰も居なかった。<br />
一応ぐるりと回ってはみたが、広い校舎の屋根部分に簡単な柵がついているだけで誰の姿も隠れる場所も見当たらない。<br />
くそっはずれか?<br />
「おーい、キョン」<br />
誰かの声が下から聞こえてくる。この声は、<br />
「お前そんな所でなにやってんだ?」<br />
グランドから叫んでいたのは谷口の奴だった。隣には国木田の姿も見える。<br />
おい! ハルヒを見なかったか?<br />
「涼宮? 涼宮ならさっき部室棟の方に歩いてたぞー? っていうかお前午後の授業さぼるつもりか?」<br />
「キョンー。僕の机の上に置いてあったお弁当はキョンの机の中に入れておいたからねー」<br />
二人の声を最後まで聞く事無く、俺は本日何回目かの全力疾走を自分の足に命じた。 <br /></dd>
<dt>62 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
15:37:36.41 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>じゃあとりあえず16:00で一回切れる様にごまかします 30分程の用事もあるし<br />
詳しい言い訳は<a href="http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1221351147/33" target="_blank"><font color="#0000FF">>>33</font></a> <br /><br />
俺の選択のどこに間違いがあったのか、それともそもそも俺の選択など何の意味ももたないのか。<br />
昼休みが終わる鐘が鳴って静まり返った廊下を俺は必死に走っていた。<br />
授業中のクラスの近くを通るのはなるべく避けながら、ともかく部室棟へと急ぐ。<br />
中庭から見えるグランドでは谷口達がサッカーに興じているのが見える。<br />
ああくそっ! いったい俺は何をやってるんだろうなーもー!<br />
部室棟の中は当たり前だが静まり返っている、俺の階段をかけのぼる音だけが大きく響き、ようやく部室の前まで<br />
辿り着いた時は、今度は俺の荒い息だけが響いていた。<br />
頼むぜハルヒ、ここに居てくれよ? <br />
会った所でなんて言えばいいかなんてわからないが、会わなけりゃアウトな事だけはわかる。<br />
息を飲みながらドアノブに手をかけ、ゆっくりと回す。<br />
扉の向こう、部室の中に居たのは……<br /><br />
1 よかった、ハルヒがそこに居た。<br />
2 古泉、なんでお前がここに?<br />
3 長門、お前だけか。<br />
4 すみません、間違えました。俺を見つめるいくつかの不審な目、間違ってコンピューター研の扉を開けていたらしい。 <br /></dd>
<dt>65 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
15:47:07.84 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>2 </dd>
<dt>68 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
15:56:34.43 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 古泉、なんでお前がここに?<br />
部室の中に居たのはハルヒではなく古泉だった。<br />
「貴方こそどうして、涼宮さんを探していたのではないんですか?」<br />
探して辿り着いたのがここなんだ。で、お前は?<br />
「閉鎖空間の発生地点がここなんです、僕は外の状況を確認するために一度出てきた所なんですが……まさか、もしかして?」<br />
古泉は驚いた顔で部室の窓を見つめる、……嫌な予感がする、しかもそれが的中してしまうような……。<br />
まさか、ハルヒは。<br />
俺の言葉に頷く古泉。<br />
「どうやら、涼宮さんは自分で作った閉鎖空間の中へ入ってしまったようですね」<br />
悪い予感ってのはなんでこう当たるんだろうな、誰か教えてくれよ。<br />
「神人は広範囲に分散して現れていますが、万一涼宮さんが遭遇してしまったら終わりです。すみませんが……」<br />
わかってるよ、俺も行けばいいんだろ?<br />
「申し訳ありません」<br />
今回は俺の不注意が原因みたいなもんだ、気にしなくていい。<br />
</dd>
<dt>74 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
16:40:11.76 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> なんだろう、ここ。<br />
気がついた時、あたしは不思議な場所に居た。<br />
そこは見た目はあたしのSOS団の部室なのに、一切音が無く窓の外は色が無い灰色の世界が広がっている。<br />
この場所にあたしは……うん、きっとそう。ここに私は来た事がある。<br />
ともかく誰か居ないか探さないと。<br /></dd>
<dt>77 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
16:59:05.25 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> まるで気圧の違う場所に入ったかの様な違和感。<br />
「もういいですよ」<br />
目を開いた時、そこにあったのは数秒前と変わらぬ部室の風景。そして窓の外に広がる灰色の世界だった。<br />
今の所、窓の向こうに青白く光り輝く巨人の姿は見えない。<br />
「学校の傍の神人は閉鎖空間の発生した時に退治しました。ですが、神人が再び現れないとも限りませんので<br />
急いで涼宮さんを探しましょう」<br />
……そうだ、簡単な方法があるじゃないか!<br />
「え?」<br />
俺は窓を開けて中庭を見回す、そこにハルヒの姿は見えない。が<br />
ハルヒー!<br />
俺の声が静まりかえった校舎の隅まで響いていく、ええいもう一度だ!<br />
ハルヒどこだー!<br />
再び響き渡る声に、返ってくる返事はなかった。<br />
「……これは、盲点でした。確かに大声で呼べば早いですよね」<br />
でもダメみたいだな、もう遠くに行ってしまってるのか?<br />
「いえ。涼宮さんの反応がここで感じられる以上、少なくとも学校の敷地内に居る筈です」<br />
なるほど<br /><br />
>>↓<br />
1 もう少しここで呼びかけてみるか<br />
2 二手に別れて探しに行こう<br />
3 僕となるべく離れないでください。神人が出現した時に僕が居なければ危険です。<br /><br /></dd>
<dt>78 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
17:01:20.54 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>2<br /><br /></dd>
<dt>79 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
17:12:29.31 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> なるほど、二手に別れて探しに行こう。ハルヒが学校から出てしまったら探しきれなくなる。<br />
「了解です。何かあったら古典的ですが大声を出してください、すぐに駆けつけます」<br />
ああ、その時は頼むぜ。<br />
とりあえず古泉はまず部室棟を探し、終わったら本館の上階を。俺は本館の1,2階を探す事になった。<br />
<br />
静かな本館の中、俺の歩く足音だけが廊下に響く。<br />
途中までハルヒ出て来いよーなどと叫んでいた俺だが、今はそれにも疲れ、とにかく教室という教室を順番に<br />
調べて回っていた。<br />
ハルヒが何故出てこないのか? まあ理由は色々考えられる。<br />
例えば、あいつがこの世界で寝ているとか気を失っているとかそんな理由で俺の声が聞こえなかった。まあ、<br />
これならいいんだ。これなら。<br />
問題なのは、俺の声が聞こえたけど出てこなかった……つまり理由はわからないが俺達から逃げていたら?<br />
そうなったらちょっと厳しいかくれんぼになるぞ、なんせ範囲は無制限なんだ、。<br /><br /></dd>
<dt>80 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
17:20:14.76 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 職員室を見た後、1階の各教室を順番に回ってきたが成果0。古泉の声も聞こえてはこない。<br />
いったいハルヒは何処にいるんだ?<br />
とりあえず足は止めないが、俺はあいつが行きそうな場所を考えてみる事にした。<br />
あいつが一人で行きそうな場所か……あ、そういえば校舎内をくまなく探した事があるって前に言ってたな。<br />
それだけで全ての場所が候補になるってのはきついぜ。<br />
でもまあ予測だけでも立てるとすれば、だ。<br /><br />
>>↓<br />
1 あいつは屋上で何か投げてなかったか?<br />
2 プールのふちに立ってるのを見た事がある気がする。<br />
3 あ、音楽室はどうだ。前にピアノを弾いてた様な。<br /><br /></dd>
<dt>81 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
17:25:59.37 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>3 </dd>
<dt>89 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
18:21:06.58 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> あ、音楽室はどうだ。前にピアノを弾いてた様な。<br />
1,2階の捜索を終えていた俺は、とりあえず音楽室へと向かった。<br /><br /><br />
「ねえキョン、なんだかすごい1年生がピアノの演奏してるんだって。見に行かない?」<br />
そう国木田が聞いて来たのは入学式が終わって数週間後の昼休みの事だった。ちなみにそれはハルヒが<br />
ありとあらゆる部活に仮入部を繰り返してはどこにも入部しないという意味不明の行動に勤しんでいた時<br />
でもある。<br />
だから俺はそのピアノを弾いてる凄い1年ってのもハルヒの事だろうと思い、行くのを躊躇っていたの<br />
だが――あいつがピアノを弾く姿ってのは想像できないな――怖いもの見たさ、って奴だろう。<br />
弁当を食い終えて重くなっていた腰を上げていた。<br />
人だかりのできた音楽室の入口、開いたままの分厚い扉の中から聞こえてくるピアノの音。<br />
俺が人垣の隙間から背を伸ばして見たのは……<br />
あいかわらず上手いな。<br />
俺の言葉と同時にピアノの音が止む。<br />
あの時と同じ音楽室の分厚い扉の向こう、防音になった部屋の中で一心不乱でピアノを弾くハルヒの姿がそこにあった。 <br /></dd>
<dt>99 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
19:10:49.37 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> どうやら見つけたみたいですね。<br />
本館の中を歩いていた時、そのピアノの音は聞こえてきた。それと同時に不安定だった涼宮さんの気配も<br />
一瞬強くなり、また小さくなる。<br />
なるほど、音楽室でしたか。これは盲点でした。<br />
この建物に居る人の気配は僕と彼、そして涼宮さんだけ。となれば涼宮さんと一緒にいるのは彼しかいない。<br />
何とか事態は解決に向かいそうですね――そう思って一息ついた古泉を待っていたかのように、グランドの中央に<br />
神人はその姿を現した。<br /><br /><br />
「……キョン」<br />
どうやら本気で弾いていたらしく、ハルヒの息はあがっている。<br />
なるほどね、気を失っていたのでも俺達から逃げていたのでもない。本当に声が聞こえない所に居たとは<br />
予想外だったよ。<br />
だが見つけたのはいいが、これからどうすればいいんだ?<br />
「ねえ……」<br />
そこまで口にして、ハルヒは黙ってしまった。ただでさえ物音がしない防音室の中に、痛い程の沈黙が広がる。<br />
かといって俺から口を開こうにも、なんて言っていいのかわからないんだが。<br /></dd>
<dt>101 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
19:11:29.53 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> これは……僕ひとりでは厳しいかもしれません。<br />
グランドの上に現れた神人はサイズは小さいものの全部で3体、通常であれば能力者4人以上で対応するのが<br />
セオリー。だが今はそんな事を言っている時間はない、もしも涼宮さんに万一の事があれば文字通り全ては終わって<br />
しまうのだから。<br />
赤い光が浸み出して光の球体が体を包み込む。<br />
頼みましたよ? 近くの教室の窓から飛び出した僕は、一番近くに居た神人の左腕を切断しながら舞い上がった。<br /><br /><br />
パサリと何か紙をめくる音がする、見ればハルヒは楽譜を取り換えてピアノの上に置く所だった。<br />
……さて、何を聴かせてもらえるんだろうね?<br />
壁際に置かれた椅子を一つ取り、ハルヒが見える位置に置いて座ると流れるように音が溢れ出した。<br />
俺にはピアノ曲なんてもののタイトルはわからないが、ハルヒが弾いたのは優しいメロディーだって事はわかる。<br />
その曲に聞き惚れつつハルヒを見てみれば……楽譜の意味あんのか? ハルヒは俺の顔を見ながらピアノを弾いて<br />
いた。時折目を伏せたり、また見開いて見つめてきたりと表情を変えるハルヒに合わせるように、曲もまた変化して<br />
いく。<br /><br /></dd>
<dt>102 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
19:12:09.77 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> これは……いったいどういう事なんでしょうね。<br />
神人を引き付けながら空中を浮かんでいた古泉が見たのは、突然静かになった神人達の姿だった。<br />
これまでに数多くの閉鎖空間に入ってきたけれど、こんな事は初めてだ。<br />
驚きつつも念のために距離を置いたまま様子を伺っていると、神人達の光量が緩やかに衰えていきやがてそのまま<br />
消え去ってしまった。<br />
「そんな? ありえない?」<br />
神人は涼宮さんのストレスが無意識の中で実体化した物のはず、それが自然消滅するなんて事があるはずが……。<br /></dd>
<dt>103 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
19:12:44.86 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> ……ん、何か冷たい物が頬に……。<br />
おぼろげな意識の中でそう感じた次の瞬間。<br />
「起きなさい!」<br />
俺の脳天に叩きつけられる何か。衝撃と共に目に入ってくる光景は……。<br />
部室か。<br />
「あんたまだ寝ぼけてるの? 岡部がめちゃくちゃ怒ってるんだからさっさと来なさい!」<br />
座った俺の隣でハルヒが怒鳴ってる……って事は、そう言う事か。<br />
「古泉君は先に行ったわよ。いい、あたしはちゃんと起こしたからね? まったく、古泉君と二人で部室で寝てる<br />
なんてあんた達なにしてたのよ?」<br />
そうかい、そいつは悪かった。<br />
でもお前のおでこが赤いのはなんでなんだろうな。<br />
まだ意識ははっきりしないが、なんとなくどうなったかはわかるさ。つまり古泉はハルヒも含めて俺達3人が<br />
この部室で寝ていた事にしたって事だろう。そしてハルヒだけを起こしてやれば誤魔化せるって事か。<br />
俺は世界の存続を祝いつつ、力の入らない体に活を入れようと腕をのばした。<br />
あくびをしつつ、ふと気がつく。<br />
ハルヒ。<br />
「何よ。急がないと怒られるだけじゃ済まなくなるわよ?」<br />
お前、何か俺にいたずらしたか? 何か頬が濡れてるみたいなんだが。<br />
急にハルヒが俺に背を向けて扉に向かって走っていく、っておいハルヒ?<br />
「しっ知らない!」<br />
バタン! ……そう言い残してハルヒは部室から出て行ってしまった。<br />
……なんなんだ? あいつは。<br /><br />
涼宮ハルヒの失踪 終わり<br /><br />
<a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5125.html">その他の作品</a></dd>
</dl>
<h1 style="font-weight:normal;font-size:larger;margin:-0.5em 0px 0px;color:#FF0000;">
</h1>
<p>文字サイズ小でうまく表示されると思います</p>
<p>何故安価なのかは>>33</p>
<p> </p>
<hr />
<h1 style="font-weight:normal;font-size:larger;margin:-0.5em 0px 0px;color:#FF0000;">
</h1>
<dl class="thread">
<dt>33 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
12:56:28.24 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>いいわけ保守<br />
<br />
なあハルヒ、このスレは本来SS投下をする為にあるんであって安価とかはまずいんじゃないのか?<br />
投下が来た時の邪魔になるし、住人も良くは思ってないと思うぞ?<br />
「そんな事はどうでもいいの! いい、キョン。この場合一番重要なのはプリンが生き残る事、それだけよ。<br />
そりゃああたしだって、本当は投下を期待してF5押しながら支援カキコしてたいわよ。でも今は規制のせいで<br />
住人が殆どいないじゃない!」<br />
そりゃあ、まあそうだが。<br />
「明日になればきっと誰かが戻ってくる、あたしはそう信じてるもの! だから私は意地でもここを存続させる<br />
から邪魔しないで!」<br />
……なあ、ハルヒ。お前、なんでそんなにプリンの存続にこだわるんだ。<br />
「え?」<br />
別に今もアナルは生きてるんだし、規制されてる人が帰ってきてからスレを立ててもいいだろ?<br />
「……だって」<br />
ん。<br />
「だって……ここがなかったら、あたしとキョンのSS書いた人が投下してくれないかもしれないじゃない」<br />
なんだ、声が小さくてよく聞こえな「うるさい!! バカキョン! いいから存続させるの! いいわね!」<br />
</dd>
<dt>1 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
09:12:27.95 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> </dd>
<dt>8 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
09:48:25.98 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>適当にはじめてしまおう<br />
<br />
何事もない日常が喜び。<br />
ハルヒに振り回され続けてきた俺は、たまに本気でそう思う事がある。<br />
でもまあ、ここまで退屈だと逆に何か起こってくれないかね? なんて思うのは<br />
贅沢なのだろうか。<br />
せっかくの休日だというのに今日は何の予定もなく、朝から何度も確認しみても<br />
携帯の電源は入っているのに着信はない。<br />
これは神様が俺に休憩しろとでも言っているどうろうか? <br />
だとしたらその余暇を楽しむ何かまで準備して欲しかったってのは、望み過ぎ<br />
なんだろうな。 </dd>
<dt>10 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
09:55:41.85 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 出かけるあてなどないのだが、とりあえず着替えてだけおくか。<br />
クローゼットの中の私服は、我ながらレパートリーが少ない。ああそうだ、買い物<br />
に行くなんてものいいかもしれないな。<br />
結局、着なれたいつもの服装に着替えた俺は――<br />
<br />
<a href="http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1221351147/11" target="_blank" rel="noreferrer noopener"><font color="#0000FF">>>11</font></a> 反応なければ適当にいきます<br />
1 誰か誘ってみるか 相手指定可<br />
2 今日は一人で行動しよう<br />
</dd>
<dt>11 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:06:50.18 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>適当~<br />
<br />
誰か誘ってみようか? そう思って携帯を開いてはみたが何となくその気にならない。<br />
たまには一人で出かけてみるか。<br />
俺は開いたばかりの携帯を閉じてポケットに入れると、自分の部屋を後にした。<br />
<br />
<br />
休日だというのに、街に溢れかえっているのはスーツや事務服に身を包んだ人ばかり<br />
だというのはどうなのかね? 週に一度は魂の安息日があってもいいと俺は思うぞ。<br />
そんな上から目線で、実際にファーストフードの2階席から歩道を見下ろしながら<br />
簡単な朝食を済ませる。<br />
</dd>
<dt>12 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:13:39.95 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 一人だと相手を選んで店を決めたりしなくていいから気楽でいいな。<br />
いつもの休日なら、気忙しく食べ終えて移動するだけの食事なのだが今日は違う。<br />
多少冷えて適温になったコーヒーをゆっくりと飲みつつ、俺はゆったりとした時間を<br />
楽しむ事にした。そういえばマックのコーヒーはおかわり実はできるらしいが、本当<br />
なんだろうか? <br />
こんな小さなコップにおかわりってきついだろ、頼む方も持ってくる方も。<br />
時間は……10時か。<br />
手元のレシートで会計時間を見るとまだ20分しか経っていない。 </dd>
<dt>14 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:21:21.40 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> やれやれ、気忙しいのは俺も一緒か。<br />
嘘をついても仕方ない、早くもこののんびりとした時間に俺は退屈しはじめていた。<br />
あてもなくぶらつくのもいいが、どうせなら何か――ああ、今日は服を買うんだったな。<br />
空になったゴミが満載のトレーを片付けるついでに、俺は店にあったフリーペーパーを<br />
一部もってきた。<br />
今日の俺にはそれほど資金に余裕があるわけでもないし、何軒も店を回る気力もない。<br />
よさそうな店が無いかページをめくっていくと、まあ俺でもなんとか手が出そうな店が<br />
数軒見つかる。<br />
<br />
それは<br />
>>↓<br />
1 駅裏のアーケードにできた個人経営の店だった<br />
2 最近人気のブランド物を扱う専門店だった</dd>
<dt>15 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(dion軍)</font></a>:2008/09/14(日)
10:24:47.67 ID:/F2MYmMC0</dt>
<dd>1<br />
</dd>
<dt>16 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:29:22.74 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>「あっれー? キョン君じゃないか!」<br />
駅裏のアーケードの一角、つい先日できたばかりらしいその個人経営の店の前で、俺は<br />
やけに元気な先輩と出会った。額によくわからないインドちっく? なバンダナを巻いて<br />
笑っているのは言うまでもなく鶴屋さんである。<br />
「おんや? あれ?<br />
何故だろう、鶴屋さんは俺を見つけて駆け寄ってきた途端、何かを探すようにオーバー<br />
リアクションで俺を起点にぐるぐると回っている。<br />
どうかしたんですか?<br />
「どうかもなにかも、キョン君。君、一人なのかい?<br />
ええ、今日は一人です。<br />
俺の返答がよほどショックだったんだろうか、鶴屋さんの笑顔が一瞬固まる。<br />
</dd>
<dt>17 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font></a>:2008/09/14(日)
10:35:41.93 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>「え、あ。あっははー! その、うん。なんだ。人生は長いぞ少年!」<br />
突然俺を抱きしめて、鶴屋さんは意味のわからん事をいいながら背中をばんばんと叩いて<br />
きた。<br />
え? あのどうしたんですか?<br />
「まあハルニャンは気まぐれな所もあったりするからさー、ちょろっと離れる事があっても<br />
元通りになる時は磁石みたいにばちーんって一瞬だよ!」<br />
あの、鶴屋さん。<br />
<br />
>>↓<br />
1 よくわからないが誤解を解こう<br />
2 まあいいか、このままにしておこう</dd>
<dt>18 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(神奈川県)</font></a>:2008/09/14(日)
10:36:54.51 ID:RpStx02Y0</dt>
<dd>1 </dd>
<dt>20 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
10:46:14.02 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> よくわからないが誤解を解こう<br />
ハルヒとは別に何もないですよ。今日はたまたま一人で買い物に来ただけなんです。<br />
「へ? ……あ、そうだったんだ。ごっめんねー!」<br />
とか言いながら俺の頭をぐりぐりと撫でる鶴屋さんを見て、うちの妹が大人になったら<br />
こんな感じになるんだろうか? と俺はシャミセンいじりに邁進する我が家の暴君の十数年後を<br />
想像してみた。<br />
「で、キョン君はあたしのお店の記念すべき最初のお客さんになってくれるのかな?」<br />
へ? あなたのお店?<br />
「あれー? 知ってて来てくれたんじゃなかったのかい? 本日12時オープンのファッション<br />
雑貨『なまらすて』をよろしくぅ!」<br />
持ってきていたフリーペーパーを見てみると、確かに店の連絡先の所に鶴屋という文字がある。<br />
実は高校生向きファッションショップというカテゴリーと、駅から近いという理由だけで選んだ<br />
んだけどな。 </dd>
<dt>22 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
10:54:37.56 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> なまら……すて、北海道の訛りなのか外国の挨拶なのかそのどちらもなのかよくわからない<br />
名前だ。だが店の名前が意味不明なのに対して、店の商品は実にわかりやすい品揃えだった。<br />
高校生向きと言うだけあって、俺でも簡単に手が出る値段の商品がそれほど広くない店内に<br />
空間を意識しながら展示してある。<br />
「開店までまだ1時間あるけどキョン君なら入っちゃってもいいにょろよ?」<br />
それは、その有難い申し出だ。だがいいんだろうか?<br />
「いいんだって、だって私店長さんなんだもんね!」<br />
俺の返事を聞く気はないのだろう、さっそく俺の腕を掴んで鶴屋さんは店内へと案内というか<br />
拉致してくれた。<br />
流石は鶴屋さんといった所だろうか。店内に並んだ商品はどれもはずれがなく、適当に買って<br />
帰っても後悔はしない様に見える。<br />
「さーて、じゃあキョン君に似合いそうなのは……と」<br />
どうやら一緒に服を選んでくれるつもりのようだ、<br />
<br />
>>↓<br />
1 せっかくだが一人で選ぼう<br />
2 ここはプロに任せよう<br />
</dd>
<dt>23 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
11:06:31.83 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>2<br />
</dd>
<dt>24 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
11:14:29.82 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> ここはプロに任せよう。俺のセンスがどれ程のものかくらいわかってるさ。<br />
「キョン君は無理にかっこつけた服よりも、ポイントでセンスが光る服の方が合ってると思うん<br />
だよね」<br />
俺と服とを交互に見ながら、鶴屋さんは駄菓子でも買うかのような勢いで服を集めていく。<br />
あの、それもしかして全部。<br />
「もっちろん試着してもらうよ! さあさあ、とりあえずこれとこれで着てみて! こっちを<br />
上に着るんだからね?」<br />
試着室になかば押し込まれるようにして閉じ込められた俺は、まあ仕方ないかとため息をついて<br />
見つくろってもらった服に着替え始めた。<br />
――これが、俺か。そうか。<br />
数分後、全身が写る鏡の前に居たのは俺が見てもそれなりに見える外見の男だった。さっきまで<br />
の、延滞したビデオを返しに行く途中にしかみえない男はもうここには居ない。<br />
服で印象が変わるなんて無いって思ってたが、選ぶ人によってはあるんだな。<br />
「もーいーかいっ?」<br />
あ、はいどうぞ。<br />
「御拝けーん……おー! さっすがあたし、完璧じゃないかー!」<br />
俺もびっくりしました。<br />
</dd>
<dt>25 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
11:21:18.14 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 次に着せようと持ってきていた服をあっさりと投げ捨てて、鶴屋さんは俺を試着室から引っぱり<br />
出すってああ、待って下さい! 靴を履いてないんです!<br />
「いやー、素材は悪くないと思ってたけどこれは予想以上。カツオがマグロになっちゃったねー!」<br />
それってどっちが上なんでしょうか。<br />
ちなみに外国だと、どっちもツナだったりするらしいですよ?<br />
「ねえ、キョン君。これから一緒にどこかへお出かけしないかい?」<br />
ええ?! って貴女はこのお店の店長さんなんでしょう?<br />
「大丈夫だって! 初日だからバイトさん雇ってるし問題無いっさ!」<br />
って、その<br />
<br />
>>↓<br />
1 やっぱりまずいですよ<br />
2 まあいいか<br />
</dd>
<dt>26 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(新潟・東北)</font>:2008/09/14(日)
11:24:41.39 ID:3wOPtLBVO</dt>
<dd>2でお願いします<br />
</dd>
<dt>27 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
11:38:07.56 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> まあいいか、たまにはハルヒ達以外の人と遊んだっていいだろ?<br />
俺は大人しく頷き、それを見た鶴屋さんは向日葵の様な笑顔を浮かべた。<br />
<br />
<br />
「みくるから色々聞いてはいるんだけど、キョン君はどんな所で遊ぶのが好きなのかな?」<br />
そう言われると、どことかは無いですね。<br />
ティーンズ雑誌の表紙を飾ってもおかしくないレベル、つまりは道行く人の誰もしも振り返るような<br />
外見の鶴屋さんと二人っきりで歩くのは、普段の俺ならご遠慮したい。<br />
だが今の俺ならば、そんなに自分を卑下しなくてもすむはずだ。多分。<br />
「あっれー? キョン君元気ないくないかい?」<br />
鶴屋さんは、呼吸が感じられる程近くで覗き込んでくる。<br />
思わずのけぞった俺の胸に指をあてながら、<br />
「あたしが選んだ服を着てるのにそんな自信なさげな顔じゃだめさー? さあ笑って! ね!」<br />
<br />
<br />
今更なんだけど鶴屋さんの喋りがよくわからない;<br />
誰か鶴屋さんのセリフが多いSS知ってる人いないかい?<br />
</dd>
<dt>28 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
11:48:14.40 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> そう言って俺の頬をひっぱる鶴屋さんの顔に、何か言葉以上の感情があるような違和感を感じる。<br />
……あ、そうか。鶴屋さんは俺に気を使ってくれてるんだな。言葉の所々に感じるニュアンスと、時折<br />
俺の顔を見つめてくる仕草が気になってはいたんだ。<br />
鶴屋さんは多分、俺がSOS団の誰か。まあ、多分ハルヒとの間で喧嘩でもしてると思ってるんだろう。<br />
そう思うのも無理もない程に、俺の行動にはSOS団の誰かが関わっていたからな。<br />
ようやく俺に笑顔が戻ったのを見て、鶴屋さんは満足げに頬をつまんでいた指を離す。<br />
「さ! 今日は記念すべきキョン君とあたしの初デートだよ! 気合い入れてエスコートして、彼女の<br />
ハートをがっつりお持ち帰りしちゃってね?」<br />
えっと、それはどこから突っ込めばいいんですか?<br />
……反応なし。おかしいな、俺の反論はどうやら鶴屋さんには聞こえない様だぞ。なんて便利な耳だ。<br />
さて、とりあえず歩道で立っていても仕方ない。どこかへ行くとするか……。<br />
<br />
>>↓<br />
1 公園でいいかな? <br />
2 図書館に行ってみよう<br />
3 休みだけど学校に行ってみようか<br />
</dd>
<dt>29 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
11:52:34.81 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>1 </dd>
<dt>34 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
13:04:28.27 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>言い訳書いてる暇がどこにあったのかと<br />
<br />
休日の公園は騒がしい街とはうって変わって、子供連れの主婦が数人しか見えない。<br />
俺の隣を歩く鶴屋さんは絡んでくる子供の相手をしたり、やれ空に浮かぶ雲の形が何に似ているだのと<br />
はしゃいでいる。<br />
いいね、これこそまさに安息日ってやつだ。<br />
俺は俺でそんな彼女の姿を目を細めながら眺めつつ、のんびりとした時間を楽しんでいた。が。<br />
「ねーキョン君さ。……みくるが秘密を打ち明けた公園にあたしを連れてきて、どうしちゃうつもりなのかなー?」<br />
平穏な時間はあっさりと終わった。<br />
って今のはマジなんですか? まさか朝比奈さんは鶴屋さんに全部話してしまっているとか?<br />
<br />
>>↓<br />
1 鶴屋さんも、朝比奈さんが未来人だって事知ってるんですか?<br />
2 俺には、その。何の事だかさっぱりです<br />
</dd>
<dt>35 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font></a>:2008/09/14(日)
13:09:22.03 ID:UndwICEDO</dt>
<dd>2で<br />
<br />
<br />
つか爆睡かましてたらアナルが落ちてたorz<br />
</dd>
<dt>36 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
13:23:16.93 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 俺には、その。何の事だかさっぱりです。<br />
いくら朝比奈さんがうっかりさんでも、禁則事項に関わるような事を口を滑らせるとは思えない。俺は冷や汗を<br />
かきながら鶴屋さんに嘘をついた。<br />
しばらくの凝視の後。<br />
「……そっかー。そうだよね、うん。ごめんごめん! ちょっとさ、みくるの様子が変だったから気になっててね」<br />
え、朝比奈さんがですか?<br />
疑う様だった鶴屋さんの眼差しが消える。<br />
「みくるからキョン君の話を聞いてた時にね? この公園でキョン君に何か大切な事をお話したって所までは教えて<br />
くれたんだけど、それ以上先はどー頑張っても教えてくれなかったのさ~」<br />
……朝比奈さん、そこまで話したら誰でも気になると思いますよ?<br />
「それで、もしかして君が何かみくるといけないお話でもしちゃったのかなって思ってね~。……ねえキョン君」<br />
はい。<br />
「みくるはさ~、なんていうかぼんやりさんでおっちょこちょいで目が離せない所ばっかり目立っちゃうけど、<br />
本当は色々溜めこんじゃう娘なのさ。だけど人には言えない性格なのか、言えない内容なのかわかんないけど、<br />
自分だけで頑張っちゃっててね~……そんなみくるもさ、キョン君には話せる事が多いみたいだから助けになって<br />
あげて欲しいな?」<br />
最後の方は寂しそうな声で、鶴屋さんはそう言った。 </dd>
<dt>39 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
13:39:38.67 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 俺にできる事なら。<br />
もちろんこれは俺の本音だ。心のオアシスでもあり部室の天使でもある朝比奈さんの手助けになるなら、頼まれる<br />
までもなくなんだってするだろう。<br />
パッと笑顔になる鶴屋さん。<br />
「よろしく頼んだよ!」<br />
そう言って鶴屋さんは背伸びをすると――冷たく柔らかい何かが触れる――素早く俺の頬にそっと触れるキスをした。<br />
な、な。え?<br />
驚く俺とは対照的に、鶴屋さんは平然とした顔で自分のポケットで振動していた携帯を取り出して何やら確認をしている。<br />
そして急に顔をしかめて<br />
「えー! そんなぁ~……残念だけどキョン君、あたし今すぐお店に戻らなくちゃいけなくなっちゃったよ。在庫が<br />
尽きちゃって大変なんだって」<br />
ええ? ってああ、俺の事は気にしないでいいですよ。<br />
ところでさっきのはいったい、ってここは聞くべきなのか?<br />
「ほんっとごめんよ? この埋め合わせは絶対するからー……絶対するからねー!」<br />
手を合わせて謝ったかと思うと、すぐさま走り出し、何度も振り返りながら鶴屋さんは去って行った。<br />
鶴屋さんの姿が見えなくなった所で、そっと自分の頬に触れてみる。<br />
……どうやら、さっきの白昼夢の類ではないらしい。<br />
一人公園に取り残された俺は、自分でも意味のわからない溜息をつきつつ家路についた。<br />
なんていうか、ハルヒとは別の意味で台風みたいな人だな。</dd>
<dt>42 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
13:58:13.27 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> その日、久しぶりに自室のクローゼットに新しい服が追加された。並べてみると、そこだけ自分の服じゃないみたいで<br />
なんだか変な感じがするな。<br />
次の休日が待ち遠しいなんていつ以来の感情なのかわからない、俺はその日の出来事を思い出しながら眠りについた。<br />
――翌日、いつもなら気だるい通学路も普段の20%増し程度の元気で登り終え、平均より10分程早く教室に入った<br />
俺の目に入ったのは机にのびているハルヒだった。<br />
めずらしいな、あいつにしては。<br />
俺が席についてもハルヒは動こうとしない、流石にここまでくると気になってくる。<br />
おい、大丈夫か?<br />
俺の声に数秒遅れて、ハルヒがゆっくりと顔を上げる。<br />
「……ああ、キョン。いつ来たの?」<br />
今さっきだ。<br />
「そ」<br />
再び机との同化作業に戻るハルヒ。<br />
ハルヒ、体の調子が悪いのか? 保健室に行くならついて行ってやるが。<br />
「いい。……昨日、親戚が1歳になった赤ちゃんを見せに来たんだけどね。その相手をしてて本気で疲れてるだけ」<br />
そりゃあ……大変だったな。<br />
お前の相手をしている俺達の大変さが少しはわかったか? なんて本音は言わないでやるよ。なんせ俺は充実した<br />
休日だったからな。<br />
「キョンは」<br />
ん?<br />
「キョンは昨日何してたの?」<br />
ああ、俺か。<br />
……さて、ここで鶴屋さんの名前を出すべきか……<br />
<br />
じゃあ安価で<br />
>>↓<br />
1 やめておこう。昨日は買い物して終わったよ。<br />
2 まあいいか。昨日は鶴屋さんの店で買い物してきた。<br />
3 たまには驚かせてやるか。昨日は鶴屋さんとデートだったんだ。<br />
</dd>
<dt>43 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(神奈川県)</font></a>:2008/09/14(日)
13:59:47.34 ID:npWD+ams0</dt>
<dd>3<br />
</dd>
<dt>44 :<a href="mailto:sage"><font color="#0000FF"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(dion軍)</font></a>:2008/09/14(日)
14:09:56.12 ID:/F2MYmMC0</dt>
<dd>古泉君スタンバイ<br />
</dd>
<dt>45 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:11:50.23 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> たまには驚かせてやるか。<br />
昨日は鶴屋さんとデートだったんだ。<br />
「はあ?!」<br />
でかい声をだしつつ即座に体を起こすハルヒ。<br />
おでこ、真赤だぞ。<br />
「えっあっ……ちょっとキョン。今のって本当なの?」<br />
前髪でおでこを隠しながらハルヒは睨んでいる。<br />
嘘か本当かと聞かれれば……本当なんだが、まあ古泉の気苦労を増やすのも悪い気がする。あいつに恨みがある訳でも<br />
ないしな。<br />
冗談だ。昨日買い物してたら偶然あってな、服を選んでもらったんだ。それだけさ。<br />
「……あ、あんまり変な事言わないでよ。でもまあ、よくよく考えてみれば鶴屋さんがあんたみたいなのとデートする<br />
なんて地球が逆回転を始めるよりありえない事よね。一瞬でも信じたあたしがどうかしてたわ」<br />
そうかい。<br />
ずいぶん安くなっちまったな、地球。<br />
</dd>
<dt>46 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:21:37.98 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> これでこの件は終了。<br />
だったらよかったんだけどなー。それから時間は進み今は昼休み、どこかへでかけていくハルヒを見送り、のんびりと<br />
弁当を広げていた俺の携帯が振動をはじめた。相手は……古泉?<br />
箸を置いて、なんとなくその場で話すのを躊躇った俺は廊下に出てから受話ボタンを押した。<br />
もしもし。<br />
「何があったんですか?」<br />
主語がないぞ、古泉。それにそれは俺のセリフだ。<br />
「すみません、ですが答えて下さい。涼宮さんに何かしましたか?」<br />
何かって……特に思い当たらないが。<br />
「実は、ついさっきいつになく巨大な閉鎖空間が発生しました。これは涼宮さんにいきなり大きなストレスがかかったと<br />
しか考えられません」<br />
落ち着けって、まあやばいのはわかった。でも俺はここ数時間ハルヒの頭を叩いたりもしなかったぞ?叩かれはしたが。<br />
それに授業中だったから特に何かあったとは思えん。<br />
「確かにそうですね……、ちなみに、貴方の言う物理的な理由では涼宮さんにストレスがかかる事は殆どありません。<br />
ありえるとしたら……そうですね、貴方が涼宮さんの目の前で誰かとキスをする、そんな状況を見れば今のような閉鎖空間も<br />
発生しえるでしょう」<br />
古泉、ここは学校だぞ? そんな事がある訳……あ。<br />
「ど、どうしました?」 </dd>
<dt>49 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:35:38.75 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> あ、いや。実は昨日、俺は鶴屋さんと買い物をしてたんだが。<br />
「はい」<br />
そこでキスされたんだ。<br />
「……」<br />
痛いほどの沈黙が流れる。<br />
で、でも、あれは不可抗力だったし昨日の事なんだから今回は関係ないだろ? それに俺はハルヒには、買い物中に<br />
鶴屋さんと会ったとしか言ってないぞ。<br />
「事実はともかくとして、もしも涼宮さんがその事を鶴屋さんに確認に行ったら」<br />
古泉の言葉に、俺が想像した鶴屋さんのリアクションのどれもが、あっさりキスの一件まで伝えてしまう姿だった。<br />
「すみません、僕は機関の仕事に戻ります。すみませんが涼宮さんの事をお願いします!」<br />
おい待て古泉! お願いするったってな? ――ええい、切れてやがる。<br />
別に俺はハルヒと付き合ってる訳じゃないのに、そこまで気をまわさなくちゃいけない理由ってのはなんなんだろうな?<br />
ああそうか、世界崩壊の危機だったな。……笑えねー。<br />
ともかくだ、ここは<br />
<br />
>>↓<br />
1 ハルヒを探そう<br />
2 長門に相談しよう<br />
3 朝比奈さんに話をしてみよう<br />
</dd>
<dt>50 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
14:37:16.58 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>1 </dd>
<dt>52 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:46:21.17 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> ともかくだ、ここはハルヒを探そう。<br />
鶴屋さんとハルヒが会ったっていうのが本当なら、多分2年の教室の近くに居るはずだ。<br />
生徒で溢れかえる昼休みの廊下を、俺は世界を救うべく全力で走っていた。<br />
そこら中から感じる奇異の視線。<br />
そうだな、俺もこんな変なのが居たら目で追うだろうよ。<br />
ついでに言えば入学したばっかりの頃のハルヒはこんな視線をいつも受けてたんだろうな。<br />
幸運にも教師に見つかる前に、俺は2年の教室まで辿り着いた。<br />
えっと、鶴屋さんは……しまったあの人が何組なのか俺は知らないじゃないか?<br />
朝比奈さんに電話した方が確実なんだろうが、ともかく今は時間が惜しい。俺は順番に教室の中を覗き込みながら<br />
ハルヒの姿を探していった。<br />
そんな不審行為を繰り返していると、<br />
「あっれー? キョン君じゃないかー」<br />
廊下を歩いて来たのはまさに渦中の人、鶴屋さんだった。 </dd>
<dt>54 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
14:55:44.12 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd><a href="http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1221351147/53" target="_blank" rel="noreferrer noopener"><font color="#0000FF">>>53</font></a> 本当に言ってねー <br />
<br />
<br />
鶴屋さん、ハルヒがここに来ませんでしたか? っていうか何か話しませんでした?<br />
「ハルニャン? きたよー、昨日キョン君とチューしちゃったーって言ったらめがっさ怒って何処かへ行っちゃったにょろ」<br />
――世界が停止したかと思った。……古泉、最悪な方向にビンゴだぞ。<br />
急な運動による胃痛と、止まらない頭痛に思わず頭を抱える。<br />
あーくそう! なんで朝、俺はあいつにあんな事を言ってしまったんだ? そんな事言うつもりはなかったのに!<br />
「ちょっと大丈夫かい? 顔色が真っ青だよ?」<br />
ええまあ、これくらいなんてことないんです。はい。<br />
これから起きるかもしれない事を考えれば、俺の体調不良なんて1ジンバブエドルと等価なんです。<br />
それで、ハルヒはどこへ?<br />
「あっちだよ。でもどこに行くかは聞いてなかったな~」<br />
ともかく今は動くしかない、俺は疲れた体に鞭打って再び廊下を走りだした。そして間もなく階段の踊り場に辿り着く、<br />
ハルヒは上か? 下か?<br />
<br />
1 上<br />
2 下<br />
3 一人では探しきれない、誰かに助けを頼もう<br />
</dd>
<dt>55 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
15:05:18.49 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>上 </dd>
<dt>59 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
15:18:34.75 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>書き手が一人の間はこれでもいいかもね<br />
<br />
上に行ってみよう、なんとなくハルヒと言えば高い所にいるイメージがある。それに一度降りて上がるよりは、先に<br />
上がって降りた方が体的にも楽だろう。<br />
これで重労働は最後だと気合いを入れて階段を上った先には、ああそうだ、そういえばここだったんだな。<br />
あの日、部活を作る事を思いついたハルヒに拉致されてきた屋上への扉があった。<br />
鍵は……開いている。<br />
勢いのままに扉を開けたそこには……、誰も居なかった。<br />
一応ぐるりと回ってはみたが、広い校舎の屋根部分に簡単な柵がついているだけで誰の姿も隠れる場所も見当たらない。<br />
くそっはずれか?<br />
「おーい、キョン」<br />
誰かの声が下から聞こえてくる。この声は、<br />
「お前そんな所でなにやってんだ?」<br />
グランドから叫んでいたのは谷口の奴だった。隣には国木田の姿も見える。<br />
おい! ハルヒを見なかったか?<br />
「涼宮? 涼宮ならさっき部室棟の方に歩いてたぞー? っていうかお前午後の授業さぼるつもりか?」<br />
「キョンー。僕の机の上に置いてあったお弁当はキョンの机の中に入れておいたからねー」<br />
二人の声を最後まで聞く事無く、俺は本日何回目かの全力疾走を自分の足に命じた。 </dd>
<dt>62 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
15:37:36.41 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd>じゃあとりあえず16:00で一回切れる様にごまかします 30分程の用事もあるし<br />
詳しい言い訳は<a href="http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1221351147/33" target="_blank" rel="noreferrer noopener"><font color="#0000FF">>>33</font></a> <br />
<br />
俺の選択のどこに間違いがあったのか、それともそもそも俺の選択など何の意味ももたないのか。<br />
昼休みが終わる鐘が鳴って静まり返った廊下を俺は必死に走っていた。<br />
授業中のクラスの近くを通るのはなるべく避けながら、ともかく部室棟へと急ぐ。<br />
中庭から見えるグランドでは谷口達がサッカーに興じているのが見える。<br />
ああくそっ! いったい俺は何をやってるんだろうなーもー!<br />
部室棟の中は当たり前だが静まり返っている、俺の階段をかけのぼる音だけが大きく響き、ようやく部室の前まで<br />
辿り着いた時は、今度は俺の荒い息だけが響いていた。<br />
頼むぜハルヒ、ここに居てくれよ? <br />
会った所でなんて言えばいいかなんてわからないが、会わなけりゃアウトな事だけはわかる。<br />
息を飲みながらドアノブに手をかけ、ゆっくりと回す。<br />
扉の向こう、部室の中に居たのは……<br />
<br />
1 よかった、ハルヒがそこに居た。<br />
2 古泉、なんでお前がここに?<br />
3 長門、お前だけか。<br />
4 すみません、間違えました。俺を見つめるいくつかの不審な目、間違ってコンピューター研の扉を開けていたらしい。 </dd>
<dt>65 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
15:47:07.84 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>2 </dd>
<dt>68 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
15:56:34.43 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 古泉、なんでお前がここに?<br />
部室の中に居たのはハルヒではなく古泉だった。<br />
「貴方こそどうして、涼宮さんを探していたのではないんですか?」<br />
探して辿り着いたのがここなんだ。で、お前は?<br />
「閉鎖空間の発生地点がここなんです、僕は外の状況を確認するために一度出てきた所なんですが……まさか、もしかして?」<br />
古泉は驚いた顔で部室の窓を見つめる、……嫌な予感がする、しかもそれが的中してしまうような……。<br />
まさか、ハルヒは。<br />
俺の言葉に頷く古泉。<br />
「どうやら、涼宮さんは自分で作った閉鎖空間の中へ入ってしまったようですね」<br />
悪い予感ってのはなんでこう当たるんだろうな、誰か教えてくれよ。<br />
「神人は広範囲に分散して現れていますが、万一涼宮さんが遭遇してしまったら終わりです。すみませんが……」<br />
わかってるよ、俺も行けばいいんだろ?<br />
「申し訳ありません」<br />
今回は俺の不注意が原因みたいなもんだ、気にしなくていい。<br />
</dd>
<dt>74 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
16:40:11.76 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> なんだろう、ここ。<br />
気がついた時、あたしは不思議な場所に居た。<br />
そこは見た目はあたしのSOS団の部室なのに、一切音が無く窓の外は色が無い灰色の世界が広がっている。<br />
この場所にあたしは……うん、きっとそう。ここに私は来た事がある。<br />
ともかく誰か居ないか探さないと。</dd>
<dt>77 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
16:59:05.25 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> まるで気圧の違う場所に入ったかの様な違和感。<br />
「もういいですよ」<br />
目を開いた時、そこにあったのは数秒前と変わらぬ部室の風景。そして窓の外に広がる灰色の世界だった。<br />
今の所、窓の向こうに青白く光り輝く巨人の姿は見えない。<br />
「学校の傍の神人は閉鎖空間の発生した時に退治しました。ですが、神人が再び現れないとも限りませんので<br />
急いで涼宮さんを探しましょう」<br />
……そうだ、簡単な方法があるじゃないか!<br />
「え?」<br />
俺は窓を開けて中庭を見回す、そこにハルヒの姿は見えない。が<br />
ハルヒー!<br />
俺の声が静まりかえった校舎の隅まで響いていく、ええいもう一度だ!<br />
ハルヒどこだー!<br />
再び響き渡る声に、返ってくる返事はなかった。<br />
「……これは、盲点でした。確かに大声で呼べば早いですよね」<br />
でもダメみたいだな、もう遠くに行ってしまってるのか?<br />
「いえ。涼宮さんの反応がここで感じられる以上、少なくとも学校の敷地内に居る筈です」<br />
なるほど<br />
<br />
>>↓<br />
1 もう少しここで呼びかけてみるか<br />
2 二手に別れて探しに行こう<br />
3 僕となるべく離れないでください。神人が出現した時に僕が居なければ危険です。<br />
</dd>
<dt>78 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
17:01:20.54 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>2<br />
</dd>
<dt>79 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
17:12:29.31 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> なるほど、二手に別れて探しに行こう。ハルヒが学校から出てしまったら探しきれなくなる。<br />
「了解です。何かあったら古典的ですが大声を出してください、すぐに駆けつけます」<br />
ああ、その時は頼むぜ。<br />
とりあえず古泉はまず部室棟を探し、終わったら本館の上階を。俺は本館の1,2階を探す事になった。<br />
<br />
静かな本館の中、俺の歩く足音だけが廊下に響く。<br />
途中までハルヒ出て来いよーなどと叫んでいた俺だが、今はそれにも疲れ、とにかく教室という教室を順番に<br />
調べて回っていた。<br />
ハルヒが何故出てこないのか? まあ理由は色々考えられる。<br />
例えば、あいつがこの世界で寝ているとか気を失っているとかそんな理由で俺の声が聞こえなかった。まあ、<br />
これならいいんだ。これなら。<br />
問題なのは、俺の声が聞こえたけど出てこなかった……つまり理由はわからないが俺達から逃げていたら?<br />
そうなったらちょっと厳しいかくれんぼになるぞ、なんせ範囲は無制限なんだ、。<br />
</dd>
<dt>80 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
17:20:14.76 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> 職員室を見た後、1階の各教室を順番に回ってきたが成果0。古泉の声も聞こえてはこない。<br />
いったいハルヒは何処にいるんだ?<br />
とりあえず足は止めないが、俺はあいつが行きそうな場所を考えてみる事にした。<br />
あいつが一人で行きそうな場所か……あ、そういえば校舎内をくまなく探した事があるって前に言ってたな。<br />
それだけで全ての場所が候補になるってのはきついぜ。<br />
でもまあ予測だけでも立てるとすれば、だ。<br />
<br />
>>↓<br />
1 あいつは屋上で何か投げてなかったか?<br />
2 プールのふちに立ってるのを見た事がある気がする。<br />
3 あ、音楽室はどうだ。前にピアノを弾いてた様な。<br />
</dd>
<dt>81 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(コネチカット州)</font>:2008/09/14(日)
17:25:59.37 ID:neBvtuvmO</dt>
<dd>3 </dd>
<dt>89 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
18:21:06.58 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> あ、音楽室はどうだ。前にピアノを弾いてた様な。<br />
1,2階の捜索を終えていた俺は、とりあえず音楽室へと向かった。<br />
<br />
<br />
「ねえキョン、なんだかすごい1年生がピアノの演奏してるんだって。見に行かない?」<br />
そう国木田が聞いて来たのは入学式が終わって数週間後の昼休みの事だった。ちなみにそれはハルヒが<br />
ありとあらゆる部活に仮入部を繰り返してはどこにも入部しないという意味不明の行動に勤しんでいた時<br />
でもある。<br />
だから俺はそのピアノを弾いてる凄い1年ってのもハルヒの事だろうと思い、行くのを躊躇っていたの<br />
だが――あいつがピアノを弾く姿ってのは想像できないな――怖いもの見たさ、って奴だろう。<br />
弁当を食い終えて重くなっていた腰を上げていた。<br />
人だかりのできた音楽室の入口、開いたままの分厚い扉の中から聞こえてくるピアノの音。<br />
俺が人垣の隙間から背を伸ばして見たのは……<br />
あいかわらず上手いな。<br />
俺の言葉と同時にピアノの音が止む。<br />
あの時と同じ音楽室の分厚い扉の向こう、防音になった部屋の中で一心不乱でピアノを弾くハルヒの姿がそこにあった。 </dd>
<dt>99 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
19:10:49.37 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> どうやら見つけたみたいですね。<br />
本館の中を歩いていた時、そのピアノの音は聞こえてきた。それと同時に不安定だった涼宮さんの気配も<br />
一瞬強くなり、また小さくなる。<br />
なるほど、音楽室でしたか。これは盲点でした。<br />
この建物に居る人の気配は僕と彼、そして涼宮さんだけ。となれば涼宮さんと一緒にいるのは彼しかいない。<br />
何とか事態は解決に向かいそうですね――そう思って一息ついた古泉を待っていたかのように、グランドの中央に<br />
神人はその姿を現した。<br />
<br />
<br />
「……キョン」<br />
どうやら本気で弾いていたらしく、ハルヒの息はあがっている。<br />
なるほどね、気を失っていたのでも俺達から逃げていたのでもない。本当に声が聞こえない所に居たとは<br />
予想外だったよ。<br />
だが見つけたのはいいが、これからどうすればいいんだ?<br />
「ねえ……」<br />
そこまで口にして、ハルヒは黙ってしまった。ただでさえ物音がしない防音室の中に、痛い程の沈黙が広がる。<br />
かといって俺から口を開こうにも、なんて言っていいのかわからないんだが。</dd>
<dt>101 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
19:11:29.53 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> これは……僕ひとりでは厳しいかもしれません。<br />
グランドの上に現れた神人はサイズは小さいものの全部で3体、通常であれば能力者4人以上で対応するのが<br />
セオリー。だが今はそんな事を言っている時間はない、もしも涼宮さんに万一の事があれば文字通り全ては終わって<br />
しまうのだから。<br />
赤い光が浸み出して光の球体が体を包み込む。<br />
頼みましたよ? 近くの教室の窓から飛び出した僕は、一番近くに居た神人の左腕を切断しながら舞い上がった。<br />
<br />
<br />
パサリと何か紙をめくる音がする、見ればハルヒは楽譜を取り換えてピアノの上に置く所だった。<br />
……さて、何を聴かせてもらえるんだろうね?<br />
壁際に置かれた椅子を一つ取り、ハルヒが見える位置に置いて座ると流れるように音が溢れ出した。<br />
俺にはピアノ曲なんてもののタイトルはわからないが、ハルヒが弾いたのは優しいメロディーだって事はわかる。<br />
その曲に聞き惚れつつハルヒを見てみれば……楽譜の意味あんのか? ハルヒは俺の顔を見ながらピアノを弾いて<br />
いた。時折目を伏せたり、また見開いて見つめてきたりと表情を変えるハルヒに合わせるように、曲もまた変化して<br />
いく。<br />
</dd>
<dt>102 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
19:12:09.77 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> これは……いったいどういう事なんでしょうね。<br />
神人を引き付けながら空中を浮かんでいた古泉が見たのは、突然静かになった神人達の姿だった。<br />
これまでに数多くの閉鎖空間に入ってきたけれど、こんな事は初めてだ。<br />
驚きつつも念のために距離を置いたまま様子を伺っていると、神人達の光量が緩やかに衰えていきやがてそのまま<br />
消え去ってしまった。<br />
「そんな? ありえない?」<br />
神人は涼宮さんのストレスが無意識の中で実体化した物のはず、それが自然消滅するなんて事があるはずが……。</dd>
<dt>103 :<font color="#008000"><strong>以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします</strong>(東京都)</font>:2008/09/14(日)
19:12:44.86 ID:uEJYG+Qk0</dt>
<dd> ……ん、何か冷たい物が頬に……。<br />
おぼろげな意識の中でそう感じた次の瞬間。<br />
「起きなさい!」<br />
俺の脳天に叩きつけられる何か。衝撃と共に目に入ってくる光景は……。<br />
部室か。<br />
「あんたまだ寝ぼけてるの? 岡部がめちゃくちゃ怒ってるんだからさっさと来なさい!」<br />
座った俺の隣でハルヒが怒鳴ってる……って事は、そう言う事か。<br />
「古泉君は先に行ったわよ。いい、あたしはちゃんと起こしたからね? まったく、古泉君と二人で部室で寝てる<br />
なんてあんた達なにしてたのよ?」<br />
そうかい、そいつは悪かった。<br />
でもお前のおでこが赤いのはなんでなんだろうな。<br />
まだ意識ははっきりしないが、なんとなくどうなったかはわかるさ。つまり古泉はハルヒも含めて俺達3人が<br />
この部室で寝ていた事にしたって事だろう。そしてハルヒだけを起こしてやれば誤魔化せるって事か。<br />
俺は世界の存続を祝いつつ、力の入らない体に活を入れようと腕をのばした。<br />
あくびをしつつ、ふと気がつく。<br />
ハルヒ。<br />
「何よ。急がないと怒られるだけじゃ済まなくなるわよ?」<br />
お前、何か俺にいたずらしたか? 何か頬が濡れてるみたいなんだが。<br />
急にハルヒが俺に背を向けて扉に向かって走っていく、っておいハルヒ?<br />
「しっ知らない!」<br />
バタン! ……そう言い残してハルヒは部室から出て行ってしまった。<br />
……なんなんだ? あいつは。<br />
<br />
涼宮ハルヒの失踪 終わり<br />
<br />
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