「ティアマト」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ティアマト」(2020/03/17 (火) 00:39:09) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<p>「涼宮ハルヒの第三次ティアマト」<br /> 宇宙暦794年、帝国暦485年末、銀河帝国に於いて新たな侵攻作戦が決定された。<br /> 「それでは、陛下の在位30周年式典に華を添える為に、出征せよと言われるのか」<br /> 近来では珍しい事に、フリードリヒ4世の統治は在位30年の長きになる。<br /> しかし内政面での功績は全く無いと言っても良く、対外的な軍事上の勝利で国民の目を欺く・・・・のは為政者の常套手段であった。<br /> 「しかしな、司令長官。昨今叛徒(同盟)どもの軍事攻勢が相次いでいるのも事実だ。先般もイゼルローン要塞に6度目の攻撃をかけてきておるではないか」?<br /> 「それは撃退しておるし、それに先立ってヴァンフリート星域まで進出し叛徒どもの前進基地を叩いているではないか」。<br /> 「しかし、2年前にはイゼルローンに肉薄されているし、その前にはアルレスハイムで大敗を喫している。<br /> 「別に敬だけの責任を問うておるわけではない。我らは同じ責任を有しているのだ」。<br /> 「ここらで、叛乱軍に手痛い打撃をくれてやり、実績を上げねばならぬ時期に来ている・・・・という訳だ」<br /> ミュッケンベルガーに不満があろうと、決定が覆るわけでもない。<br /> 年が明けて帝国暦485年、帝国軍は35400隻からなる遠征艦隊を皇帝臨御の元出撃させようとしていた。無論出征を歓迎する者も多い。<br /> 他ならぬラインハルト自身も出征そのものは賛成だった。<br /> 「中将に昇進してようやく1個艦隊を指揮する身になったとたんこの出征とは運気が巡って来ているな。」<br /> 「ミュッケンベルガーを見ろ。堂々たるものだ」<br /> 「@@」キルヒアイスの驚愕<br /> 「ただし堂々たるだけだ」。<br /> 「やれやれ」キルヒアイス少佐はキョン同様苦労が絶えませんw<br />  <br />  「帝国軍侵攻近し」の報は、フェザーンを経由して、既に同盟の知るところとなっていた。同盟軍は直ちに、イゼルローン回廊の外縁部の辺境地帯に哨戒艦隊を緊急展開した。しかし、ここで1つの問題が起きてしまう。<br /> 輸送船配備のミスから、辺境地区でエネルギー・生活物資の不足が深刻化してしまう。軍では対応できず、近くの政府から民間船100隻が雇われ物資の運搬に従事する事となった。<br /> 「もちろん護衛はつけます。巡航艦と駆逐艦合わせて10隻を手配しました」。<br /> 「それはよいが、敵軍の侵攻を前に貴重な軍用艦船をみすみす敵の餌食とせぬように配慮せよ」。護衛を止めろと命令した訳ではないが、ロボスの訓令が護衛艦の義務感を著しく削いだ事は事実で、ほとんどの艦が危険星域の手前で引き返してしまった。<br /> 「護衛の艦が引き上げていきます」。<br /> 「だから、軍人と言うのは度し難いのだ。軍とは民間人を守る為にあるのではないのか、それを自らの安全の為に護衛を放棄するとは本末転等も甚だしい」。<br /> 「我らも引き返しますか」?<br /> 「我々は、誇り高き商人だ。請け負った仕事には責任を持つ。軍人どもとは心意気が違うのだ」。<br /> それでも1隻だけ巡航艦が残っていた。それは「グランド・カナル」という名の巡航艦だった。他の艦がロボス元帥の訓令に過剰に反応し、護衛を放棄し引き返す中、最初の命令を律儀に守り、船団に同行していたのである。<br /> 3日目に獲物を求め徘徊していた、帝国軍巡航艦2隻と遭遇してしまう。<br /> 戦闘力の拮抗している巡航艦同士の戦闘である。その上数の上でも1対2<br /> 最初から戦闘の帰結は明らかであった。そこで「グランド・カナル」は時間を稼ぎ民間船が離脱する時間を必至に稼いだのである。それは戦闘ではなく虐殺であった。<br /> 1隻が撃沈、1隻が拿捕されたが、残りの半数は目的地に到着し、残りの半数も無事安全宙域まで逃げ延びる事が出来た。「グランド・カナル」が救ったのは民間人の生命だけではなかった。同盟軍の名誉もであった。軍は艦長以下全乗員を2階級特進及び自由戦史勲章授与を発表した。訓令を出した司令部や護衛を放棄した他の艦への非難を避けようとした感は否めない。</p> <p> 「涼宮提督、今回のグランド・カナルへの勲章授与をどう思いますか」。<br /> 「司令部が護衛の艦を惜しんだのではないか、との非難もありますが」?<br /> 「それは、軍事を知らない素人の発言よ。決戦の際、1隻でも多く戦力を揃えなければならないわ。1隻の犠牲で他の9隻が無傷だったのだから、ロボス元帥の訓令は的を得たものよ」。<br /> 「彼らの犠牲は無駄ではないと」?<br /> 「当然よ、物資は行き渡り、士気も高上したわ。帝国の侵攻を許さず、同盟の同盟の影響を進捗させる、それが戦死した乗員に対する慰霊の道よ。」<br /> 「今回第11艦隊を指揮する事になられましたが、初めて1個艦隊を指揮する今の感想は?」<br /> 「32歳で中将というのは、あのブルース・アッシュビー提督の並ぶ記録ですが」?<br /> 「アッシュビー提督の再来との声も多いですね」。<br /> 「アッシュビー提督に例えられるとは光栄ね。今回、私の立てた、独創的艦隊戦術で帝国軍を宇宙の星屑に変えてやるわ」。<br /> 「おおーっ」。どよめく報道陣、すると後ろを別の軍人が<br /> 「あっ、ヤン准将、一言お願いします」。<br /> 「今回のグランド・カナルは、民間人の生命を救ったという点でかつてエルファシルの英雄と呼ばれた閣下と同じだと思いますが彼らへの勲章の授与をどう思いますか」。<br /> 「グランド・カナルには100個の勲章より、1隻の味方艦が必要だったと思いますよ」。<br /> 「取材は、正規の窓口を通すように、それ以外のコメントは記事にしないように」。<br /> 「准将閣下はこちらへ」。<br /> ヤンは先年の、ヴァンフリート星域での戦闘や、第6次イゼルローン攻撃でいくつかの功績を上げ、准将に昇進していた。27歳の准将は依然マスコミの英雄であったが、その言動は軍首脳はからは異端であり、常に疎外されていた。<br /> 「ふん、士官学校では落ちこぼれだったのに、運良く少し功績をあげただけなのに目障りだわ。」</p>
<p>「涼宮ハルヒの第三次ティアマト」<br /> 宇宙暦794年、帝国暦485年末、銀河帝国に於いて新たな侵攻作戦が決定された。<br /> 「それでは、陛下の在位30周年式典に華を添える為に、出征せよと言われるのか」<br /> 近来では珍しい事に、フリードリヒ4世の統治は在位30年の長きになる。<br /> しかし内政面での功績は全く無いと言っても良く、対外的な軍事上の勝利で国民の目を欺く・・・・のは為政者の常套手段であった。<br /> 「しかしな、司令長官。昨今叛徒(同盟)どもの軍事攻勢が相次いでいるのも事実だ。先般もイゼルローン要塞に6度目の攻撃をかけてきておるではないか」?<br /> 「それは撃退しておるし、それに先立ってヴァンフリート星域まで進出し叛徒どもの前進基地を叩いているではないか」。<br /> 「しかし、2年前にはイゼルローンに肉薄されているし、その前にはアルレスハイムで大敗を喫している。<br /> 「別に敬だけの責任を問うておるわけではない。我らは同じ責任を有しているのだ」。<br /> 「ここらで、叛乱軍に手痛い打撃をくれてやり、実績を上げねばならぬ時期に来ている・・・・という訳だ」<br /> ミュッケンベルガーに不満があろうと、決定が覆るわけでもない。<br /> 年が明けて帝国暦485年、帝国軍は35400隻からなる遠征艦隊を皇帝臨御の元出撃させようとしていた。無論出征を歓迎する者も多い。<br /> 他ならぬラインハルト自身も出征そのものは賛成だった。<br /> 「中将に昇進してようやく1個艦隊を指揮する身になったとたんこの出征とは運気が巡って来ているな。」<br /> 「ミュッケンベルガーを見ろ。堂々たるものだ」<br /> 「@@」キルヒアイスの驚愕<br /> 「ただし堂々たるだけだ」。<br /> 「やれやれ」キルヒアイス少佐はキョン同様苦労が絶えませんw<br />  <br />  「帝国軍侵攻近し」の報は、フェザーンを経由して、既に同盟の知るところとなっていた。同盟軍は直ちに、イゼルローン回廊の外縁部の辺境地帯に哨戒艦隊を緊急展開した。しかし、ここで1つの問題が起きてしまう。<br /> 輸送船配備のミスから、辺境地区でエネルギー・生活物資の不足が深刻化してしまう。軍では対応できず、近くの政府から民間船100隻が雇われ物資の運搬に従事する事となった。<br /> 「もちろん護衛はつけます。巡航艦と駆逐艦合わせて10隻を手配しました」。<br /> 「それはよいが、敵軍の侵攻を前に貴重な軍用艦船をみすみす敵の餌食とせぬように配慮せよ」。護衛を止めろと命令した訳ではないが、ロボスの訓令が護衛艦の義務感を著しく削いだ事は事実で、ほとんどの艦が危険星域の手前で引き返してしまった。<br /> 「護衛の艦が引き上げていきます」。<br /> 「だから、軍人と言うのは度し難いのだ。軍とは民間人を守る為にあるのではないのか、それを自らの安全の為に護衛を放棄するとは本末転等も甚だしい」。<br /> 「我らも引き返しますか」?<br /> 「我々は、誇り高き商人だ。請け負った仕事には責任を持つ。軍人どもとは心意気が違うのだ」。<br /> それでも1隻だけ巡航艦が残っていた。それは「グランド・カナル」という名の巡航艦だった。他の艦がロボス元帥の訓令に過剰に反応し、護衛を放棄し引き返す中、最初の命令を律儀に守り、船団に同行していたのである。<br /> 3日目に獲物を求め徘徊していた、帝国軍巡航艦2隻と遭遇してしまう。<br /> 戦闘力の拮抗している巡航艦同士の戦闘である。その上数の上でも1対2<br /> 最初から戦闘の帰結は明らかであった。そこで「グランド・カナル」は時間を稼ぎ民間船が離脱する時間を必至に稼いだのである。それは戦闘ではなく虐殺であった。<br /> 1隻が撃沈、1隻が拿捕されたが、残りの半数は目的地に到着し、残りの半数も無事安全宙域まで逃げ延びる事が出来た。「グランド・カナル」が救ったのは民間人の生命だけではなかった。同盟軍の名誉もであった。軍は艦長以下全乗員を2階級特進及び自由戦史勲章授与を発表した。訓令を出した司令部や護衛を放棄した他の艦への非難を避けようとした感は否めない。</p> <p> 「涼宮提督、今回のグランド・カナルへの勲章授与をどう思いますか」。<br /> 「司令部が護衛の艦を惜しんだのではないか、との非難もありますが」?<br /> 「それは、軍事を知らない素人の発言よ。決戦の際、1隻でも多く戦力を揃えなければならないわ。1隻の犠牲で他の9隻が無傷だったのだから、ロボス元帥の訓令は的を得たものよ」。<br /> 「彼らの犠牲は無駄ではないと」?<br /> 「当然よ、物資は行き渡り、士気も高上したわ。帝国の侵攻を許さず、同盟の同盟の影響を進捗させる、それが戦死した乗員に対する慰霊の道よ。」<br /> 「今回第11艦隊を指揮する事になられましたが、初めて1個艦隊を指揮する今の感想は?」<br /> 「32歳で中将というのは、あのブルース・アッシュビー提督の並ぶ記録ですが」?<br /> 「アッシュビー提督の再来との声も多いですね」。<br /> 「アッシュビー提督に例えられるとは光栄ね。今回、私の立てた、独創的艦隊戦術で帝国軍を宇宙の星屑に変えてやるわ」。<br /> 「おおーっ」。どよめく報道陣、すると後ろを別の軍人が<br /> 「あっ、ヤン准将、一言お願いします」。<br /> 「今回のグランド・カナルは、民間人の生命を救ったという点でかつてエルファシルの英雄と呼ばれた閣下と同じだと思いますが彼らへの勲章の授与をどう思いますか」。<br /> 「グランド・カナルには100個の勲章より、1隻の味方艦が必要だったと思いますよ」。<br /> 「取材は、正規の窓口を通すように、それ以外のコメントは記事にしないように」。<br /> 「准将閣下はこちらへ」。<br /> ヤンは先年の、ヴァンフリート星域での戦闘や、第6次イゼルローン攻撃でいくつかの功績を上げ、准将に昇進していた。27歳の准将は依然マスコミの英雄であったが、その言動は軍首脳はからは異端であり、常に疎外されていた。<br /> 「ふん、士官学校では落ちこぼれだったのに、運良く少し功績をあげただけなのに目障りだわ。」</p>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: