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「涼宮ハルヒの喪失─第1章─」(2008/06/04 (水) 01:53:33) の最新版変更点
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<p> 教室につくと、いつものうるさい奴が近寄ってきた。</p>
<p> </p>
<p>「よう、キョン。朝から夫婦仲良く登校とはねぇ。」</p>
<p> </p>
<p>ええい、ニヤニヤ気持ち悪い。暑いから近寄るな。<br />
古泉みたくニヤケ顔の谷口を適当にあしらい、俺は自分<br />
の席についた。</p>
<p> </p>
<p>「ねぇ、キョン。」</p>
<p> </p>
<p>なんだ、俺は疲れたんだ。少しは休ませてくれ。<br />
わざと大きく溜息をついてみせたが、<br />
逆に火に油を注いだようなものだった。<br />
解ってはいたけどね。</p>
<p> </p>
<p>「ったく。あんたはそんなだからダメキョンって言われ<br />
るのよ!」</p>
<p> </p>
<p>俺は思うんだが、それはハルヒしかいってないと思うの<br />
は気のせいか。</p>
<p> </p>
<p>「いいのよあたしは。団長なんだしね。」</p>
<p> </p>
<p>どんな理屈だよ。っと俺は口に出さず肩をすくめた。</p>
<p> </p>
<p>「そんなことより、放課後部室でミーティングするから<br />
ちゃんときなさいよ!」</p>
<p> </p>
<p>あぁ、っと軽く相槌を打っておいた。しかし、なんだろ<br />
うね。今日のこいつは、太陽みたいな笑顔で笑ってるん<br />
だろうね。そういえば、神話にあったな。<br />
「太陽に近付き過ぎた英雄は、<br />
蝋で固めた翼をもがれ地に堕とされる」こいつの場合は、<br />
逆に太陽を堕としかねないが。<br />
この後、担任の岡部が入ってきてHRを始めた。</p>
<p> </p>
<p> 相変わらず授業に集中なんか出来るはずもなく、<br />
俺はこの時間の最大の敵と戦っていたその時である。<br />
チクッっと背中に痛みが走り、後ろを振り向いた。<br />
ハルヒはニヤニヤしながら何やら口をパクパクさせてる。<br />
俺は、読唇術を発揮することなくそれを読み当てる事が出来た。<br />
起きろバカキョンでる。<br />
ふんっと鼻を鳴らし前を振り返った。<br />
なにやら機嫌を悪くしたのか背中をプスプスさしてくる。<br />
やめろ、背中が赤く染まってしまう。</p>
<p> </p>
<p> いつの間にか、昼休みになっていた。どうやら難敵に<br />
敵わなかったみたいである。顔を起こすと、<br />
谷口、国木田の両名がいつもの定位置に座ってる。</p>
<p> </p>
<p>「キョン、飯食おうぜ」</p>
<p> </p>
<p>あぁ、と俺は鞄から弁当を取り出し机に広げた。</p>
<p> </p>
<p>「そういえば、涼宮とはどこまでいったんだ?」</p>
<p> </p>
<p>危うく口からご飯を飛ばしそうになったね。<br />
谷口、俺はあいつとはそんな仲ではないと何回説明したらいいんだ。<br />
なんで俺の周りにはニヤケ顔して話す奴が多いんだろうね。<br />
一応身の潔白を証明しておいた。</p>
<p> </p>
<p>「でも、実際まんざらでもないんじゃないの?」</p>
<p> </p>
<p>とおかずの玉子焼きを丁寧に二つに切り分けながら、<br />
何やらおかしな事を言い出した国木田である。</p>
<p> </p>
<p>「俺はそんなつもりもないしなるつもりもないんだが。」</p>
<p> </p>
<p>と答えてみたものの、なんだろうね。<br />
二人のニヤケが一層ましたね。まったくどいつもこいつも、あぁ忌々しい。<br />
そんな馬鹿話をしているうちに昼休みも終わり、<br />
食欲を満たされた俺の脳は、<br />
最大の難敵にすぐに負けてしまったのである。</p>
<p> </p>
<p> 気付いた頃には授業も終わり、放課後になっていた。<br />
俺はいつものように、文芸部兼SOS団部室に向かっていた。<br />
渡り廊下を歩いているとふと視界の枠に人影が映った。<br />
なんだ?と思い振り向くと、そこには何かが居た。<br />
何がいたのなんか解らない。<br />
しかし、そこには確実に、異様なオーラを纏ったなにかが居た。</p>
<p> 俺は魅入られるように、注視していた。<br />
そいつは、そこに存在しているはずなのに、存在していないみたいな…。<br />
俺はこいつを知っている。</p>
<p> </p>
<p>─────周防九曜─────</p>
<p> 教室につくと、いつものうるさい奴が近寄ってきた。</p>
<p> </p>
<p>「よう、キョン。朝から夫婦仲良く登校とはねぇ。」</p>
<p> </p>
<p>ええい、ニヤニヤ気持ち悪い。暑いから近寄るな。<br />
古泉みたくニヤケ顔の谷口を適当にあしらい、俺は自分の席についた。</p>
<p> </p>
<p>「ねぇ、キョン。」</p>
<p> </p>
<p>なんだ、俺は疲れたんだ。少しは休ませてくれ。<br />
わざと大きく溜息をついてみせたが、<br />
逆に火に油を注いだようなものだった。<br />
解ってはいたけどね。</p>
<p> </p>
<p>「ったく。あんたはそんなだからダメキョンって言われるのよ!」</p>
<p> </p>
<p>俺は思うんだが、それはハルヒしかいってないと思うのは気のせいか。</p>
<p> </p>
<p>「いいのよあたしは。団長なんだしね。」</p>
<p> </p>
<p>どんな理屈だよ。っと俺は口に出さず肩をすくめた。</p>
<p> </p>
<p>「そんなことより、放課後部室でミーティングするからちゃんときなさいよ!」</p>
<p> </p>
<p>あぁ、っと軽く相槌を打っておいた。しかし、なんだろうね。</p>
<p>今日のこいつは、太陽みたいな笑顔で笑ってるんだろうね。</p>
<p>そういえば、神話にあったな。<br />
「太陽に近付き過ぎた英雄は、蝋で固めた翼をもがれ地に堕とされる」</p>
<p>こいつの場合は、逆に太陽を堕としかねないが。<br />
この後、担任の岡部が入ってきてHRを始めた。</p>
<p> </p>
<p> 相変わらず授業に集中なんか出来るはずもなく、<br />
俺はこの時間の最大の敵と戦っていたその時である。<br />
チクッっと背中に痛みが走り、後ろを振り向いた。<br />
ハルヒはニヤニヤしながら何やら口をパクパクさせてる。<br />
俺は、読唇術を発揮することなくそれを読み当てる事が出来た。<br />
起きろバカキョンである。<br />
ふんっと鼻を鳴らし前を振り返った。<br />
なにやら機嫌を悪くしたのか背中をプスプスさしてくる。<br />
やめろ、背中が赤く染まってしまう。</p>
<p> </p>
<p> いつの間にか、昼休みになっていた。どうやら難敵に敵わなかったみたいである。</p>
<p>顔を起こすと、谷口、国木田の両名がいつもの定位置に座ってる。</p>
<p> </p>
<p>「キョン、飯食おうぜ」</p>
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<p>あぁ、と俺は鞄から弁当を取り出し机に広げた。</p>
<p> </p>
<p>「そういえば、涼宮とはどこまでいったんだ?」</p>
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<p>危うく口からご飯を飛ばしそうになったね。<br />
谷口、俺はあいつとはそんな仲ではないと何回説明したらいいんだ。<br />
なんで俺の周りにはニヤケ顔して話す奴が多いんだろうね。<br />
一応身の潔白を証明しておいた。</p>
<p> </p>
<p>「でも、実際まんざらでもないんじゃないの?」</p>
<p> </p>
<p>とおかずの玉子焼きを丁寧に二つに切り分けながら、<br />
何やらおかしな事を言い出した国木田である。</p>
<p> </p>
<p>「俺はそんなつもりもないしなるつもりもないんだが。」</p>
<p> </p>
<p>と答えてみたものの、なんだろうね。<br />
二人のニヤケが一層ましたね。まったくどいつもこいつも、あぁ忌々しい。<br />
そんな馬鹿話をしているうちに昼休みも終わり、<br />
食欲を満たされた俺の脳は、またもや最大の難敵にすぐに負けてしまったのである。</p>
<p> </p>
<p> 気付いた頃には授業も終わり、放課後になっていた。<br />
俺はいつものように、文芸部兼SOS団部室に向かっていた。<br />
渡り廊下を歩いているとふと視界の枠に人影が映った。<br />
なんだ?と思い振り向くと、そこには何かが居た。<br />
何がいたのなんか解らない。<br />
しかし、そこには確実に、異様なオーラを纏ったなにかが居た。</p>
<p> 俺は魅入られるように、注視していた。<br />
そいつは、そこに存在しているはずなのに、存在していないみたいな…。<br />
俺はこいつを知っている。</p>
<p> </p>
<p>─────周防九曜─────</p>