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「涼宮ハルヒの喪失 ─プロローグ─」(2008/06/03 (火) 20:51:04) の最新版変更点
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<p> 暑い、何故こんなに蒸し暑いのだ。まだ6月半ばだというのに、<br />
この焼けるように暑い日差し、まだ梅雨独特のまとわりつく湿気。<br />
唯一の救いは衣替えが済んでいるという事だけだ。</p>
<p> そんな憂鬱な気分を抱きながらいつものハイキングコースを歩<br />
いていると、太陽より暑苦しい奴が側に駆け寄ってきた。</p>
<p> </p>
<p>「おはよう、キョン!」</p>
<p> </p>
<p>あぁ、おはよう。しかし、なんでこいつはこんなに元気なんだろ<br />
うね。いつもなら机に突っ伏して、暑いといいながらダウナーな<br />
雰囲気をかもちだしつつ、不機嫌な面でいつも後ろの席にいるの<br />
に何か良い事でもあったのだろうか。</p>
<p> </p>
<p>「なによ、元気ないじゃない。SOS団の一員ならこんな暑さに負<br />
けるんじゃないわよ!」</p>
<p> </p>
<p>いつも暑さに負けてる奴がいっても説得力はないんだがな。っと<br />
心の中でつっこみを入れながら、はいはいと軽く受け流しておこ<br />
う。まぁ、しかし怒りながら笑うという器用な真似をするこの団<br />
長様、傍若無人唯我独尊猪突猛進女の涼宮ハルヒは、いつも悪巧<br />
みを思い付いた時の顔でニヤけていた。</p>
<p> </p>
<p>「実はね、いいこと思い付いちゃったのよ!」</p>
<p> </p>
<p>あぁそうかい。っと軽く流したのが俺の過ちだった。</p>
<p>「なによ!せっかく良いこと思い付いたのに、あんたも少しは喜<br />
びなさいよ!」</p>
<p> </p>
<p>やれやれ。などと俺のお決まりの常套句が口からこぼれた。<br />
こいつは思い付いたが吉、エンジン全開で駆け抜ける。<br />
俺はそんなことにいつも振り回されて、結局一番苦労する羽目に<br />
なるのは、お決まりなんだ。</p>
<p> </p>
<p>「うるさい!あんたは雑用なんだから当たり前よ!あ・た・り・<br />
ま・え!」</p>
<p> </p>
<p>おっと、声に出ていたか。俺は、はぁ…っとわざと大きく溜息を<br />
ついた。そんなやりとりをしていたら、校門が目前に迫ってきて<br />
いた。しかし、朝から何だろうね。</p>
<p>ともかく、この頃の俺にはこれから起きる事なんてまったく知る<br />
よしもなかった。知ることが出来ても、知りたくないんだが。</p>