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「寝ぐせ」(2020/03/12 (木) 01:48:03) の最新版変更点
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<p> </p>
<p><font size="2">「行ってくるわーっ!」</font></p>
<p><br /><font size="2"> まいったわねーホントにもうっ!<br />
久々だわ、こんな酷い寝ぐせ。<br />
おかげで直すのに時間掛かっちゃって、いつもより10分も遅れちゃったじゃない!<br />
それでも直んなくてカチューシャでなんとかごまかしてるけど、今日は大人しくしてるしかないわね。<br />
ずれたら大変なことになっちゃうわ。<br />
あんな頭見られたら、団長としての威厳がガタガタよ。<br />
とくにキョンッ!<br />
あいつにだけはゼッタイ見られちゃいけないわっ!<br />
ただでさえ普段から団長のこのあたしに盾突いてくんのに、更に何言われるか…<br />
…て、なにこの気持ち?<br />
あたしはただ、”団長”としてみっともない姿を見せたくないだけよ。<br />
そうよっ!あくまで団長としてよ団長としてっ!<br />
決して”あたし”としてじゃ…ないんだから…。<br />
あーもうっ!なんでこんな事考えちゃうのよっ!落ち着きなさいハルヒ。<br />
みんな寝ぐせが悪いのよ寝ぐせがっ!<br />
それにしても、もう五月か。<br />
という事は、そろそろSOS団も創立一周年になるんだわ。<br />
なにか記念行事でも考えなきゃいけないわね。<br />
どんな事しようかしら?あたし的には…て、それはダメね。<br />
みんなが喜ぶ事しなきゃ。それが団長の努めよ。<br />
みんなの幸せがあたしの幸せ…これよこれっ!<br />
やはり組織の頂点に立つ者はこういう精神でいなきゃダメなのよっ!<br />
でももう一年か。なんだかあっという間だわ。<br />
今思うとよく作ったわSOS団。<br />
ヘタをすれば中学の繰り返しになるかと思ってたのに…。<br />
あいつに出会ってから、何もかもが変わったのよね。<br />
キョン…あんたって何者?<br />
いつだったか有希が宇宙人で、みくるちゃんが未来人で、古泉君が超能力者だなんて話してたけど、<br />
誰がそんな事信用すると思ってんの?<br />
そりゃたしかに、あの三人にはただならぬ魅力を感じるわ。<br />
でもそれとこれとは別よ。<br />
むしろあんたの方がそれっぽいわよ…あたしには。<br />
だって、あたしをこんなに変えてくれて…<br />
…はっ!あたしったらまた…。<br />
ああーもうっ!いいかげんにしてよねっ!<br />
そんな精神病まがいにかかってるヒマはないのよ、このあたしにはっ!</font></p>
<p> </p>
<p> </p>
<p><font size="2"> さすがに一年以上も通うと慣れたもんよね、この坂道も。<br />
最初は一人で結構しんどかったけど、今はみんながいるから楽しいわ。<br />
朝は相変わらず一人だけど…。<br />
一人…か。<br />
もし、朝も誰かと一緒だったらどんな気分かな。<br />
…て、誰との事を言ってるの?<br />
そりゃもちろん……はぁー、そればっかね。<br />
なんだってあいつの事ばっか考えるのかしら。<br />
…そうかっ、思い出したわ!<br />
夢よっ!今朝見た夢にあいつが出てきたからよ。<br />
いつか見た悪夢がリバイバル上映されちゃったのよ、誰もリクエストしてないのに。<br />
そういえば…たしか去年の今頃の季節だったわね、あれ。<br />
今朝のは明らかに夢だってわかるものだったけど、<br />
あれは妙にリアルに感じたのよね。<br />
だって起きた時、なんだか疲労感があったし、<br />
それに…それに…、<br />
あの唇の感触…今でも思い出せるわ。<br />
キョンの…えへへへ…。<br />
ジュルッ<br />
おっといけない、よだれが…。<br />
はっ!またあたしったら…<br />
ふんっ?、ふんっ?<br />
よしっ、誰もこっちを見てない。<br />
いくらあたしでも、こんな事考えてるとこ見られるのはさすがに恥ずかしいわ。<br />
そういう事は一人で部屋に居る時に…えへ。<br />
て、だからもうーっ!やめやめっ、考えるのやめっ!<br />
…はぁー朝から変よ。なんなのよあたし。<br />
それもこれも、みんなこの寝ぐせがいけないんだわっ!<br />
そのせいで調子狂っちゃったのよ。<br />
目が覚めたら、枕抱えたままあったまぐっちゃぐっちゃでベッドから落ちてて…<br />
あたし寝ながら何してたのかしら。<br />
ん?あれは…キョン!?キョンじゃない!<br />
あの背中はキョンよっ!間違いないわっ!<br />
だっていつも見てるもん、あいつの背中。<br />
どんな人混みの中でも見つけられる自信があるわ。<br />
へぇー、キョンてこの時間なんだ。覚えとこ。<br />
…ちょっとは、寝ぐせに感謝してあげよっかな。<br />
それにしても…ふふっ。なによあいつ、背中からもマヌケが漂ってるじゃない。<br />
男は背中で語るって言うけど、まさにその通りね。<br />
でも、そんなあいつの背中を見てると…なんとなく落ち着くのよね。<br />
教室の席で、ああ今日も居てくれた、あたしの前に…て。<br />
だからどうしても…小突きたくなるのよっ!<br />
タッタッタッタッ…<br />
キョォォォォオンッ!<br />
バシンッ!<br />
…ちょっとなによ、その疲れきったリアクション!<br />
それがあたしに対する態度なわけぇ?<br />
神聖にして高潔な団長様が、ただの下っ端で雑用のあんたに声を掛けてあげたのよ。<br />
孫の代まで語り継ぎたくなるくらい感謝しなさいよっ!<br />
…なんだろう、なんでこんなに心が弾むのかしら!<br />
今日は大人しくしてようと思ってたのに。<br />
これが誰かと一緒に登校するって気持ち?<br />
いいえ違うわ。誰かとじゃない。これは…。<br />
…えっ?なんで朝からそんなに元気なんだって?<br />
ふふーんっ、そんなの決まってるじゃない!</font></p>
<p><br /><font size="2">あんたと一緒にいるからよ、キョン。</font></p>
<p> </p>
<p><br /><font size="2">…え?なに、妖怪アンテナって。<br /><br /></font></p>
<p><font size="2">*キョン視点→<a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4712.html">「寝ぐせ byキョン」</a> </font></p>
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<p><font size="2">「行ってくるわーっ!」</font></p>
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<font size="2"> まいったわねーホントにもうっ!<br />
久々だわ、こんな酷い寝ぐせ。<br />
おかげで直すのに時間掛かっちゃって、いつもより10分も遅れちゃったじゃない!<br />
それでも直んなくてカチューシャでなんとかごまかしてるけど、今日は大人しくしてるしかないわね。<br />
ずれたら大変なことになっちゃうわ。<br />
あんな頭見られたら、団長としての威厳がガタガタよ。<br />
とくにキョンッ!<br />
あいつにだけはゼッタイ見られちゃいけないわっ!<br />
ただでさえ普段から団長のこのあたしに盾突いてくんのに、更に何言われるか…<br />
…て、なにこの気持ち?<br />
あたしはただ、”団長”としてみっともない姿を見せたくないだけよ。<br />
そうよっ!あくまで団長としてよ団長としてっ!<br />
決して”あたし”としてじゃ…ないんだから…。<br />
あーもうっ!なんでこんな事考えちゃうのよっ!落ち着きなさいハルヒ。<br />
みんな寝ぐせが悪いのよ寝ぐせがっ!<br />
それにしても、もう五月か。<br />
という事は、そろそろSOS団も創立一周年になるんだわ。<br />
なにか記念行事でも考えなきゃいけないわね。<br />
どんな事しようかしら?あたし的には…て、それはダメね。<br />
みんなが喜ぶ事しなきゃ。それが団長の努めよ。<br />
みんなの幸せがあたしの幸せ…これよこれっ!<br />
やはり組織の頂点に立つ者はこういう精神でいなきゃダメなのよっ!<br />
でももう一年か。なんだかあっという間だわ。<br />
今思うとよく作ったわSOS団。<br />
ヘタをすれば中学の繰り返しになるかと思ってたのに…。<br />
あいつに出会ってから、何もかもが変わったのよね。<br />
キョン…あんたって何者?<br />
いつだったか有希が宇宙人で、みくるちゃんが未来人で、古泉君が超能力者だなんて話してたけど、<br />
誰がそんな事信用すると思ってんの?<br />
そりゃたしかに、あの三人にはただならぬ魅力を感じるわ。<br />
でもそれとこれとは別よ。<br />
むしろあんたの方がそれっぽいわよ…あたしには。<br />
だって、あたしをこんなに変えてくれて…<br />
…はっ!あたしったらまた…。<br />
ああーもうっ!いいかげんにしてよねっ!<br />
そんな精神病まがいにかかってるヒマはないのよ、このあたしにはっ!</font></p>
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<p><font size="2"> さすがに一年以上も通うと慣れたもんよね、この坂道も。<br />
最初は一人で結構しんどかったけど、今はみんながいるから楽しいわ。<br />
朝は相変わらず一人だけど…。<br />
一人…か。<br />
もし、朝も誰かと一緒だったらどんな気分かな。<br />
…て、誰との事を言ってるの?<br />
そりゃもちろん……はぁー、そればっかね。<br />
なんだってあいつの事ばっか考えるのかしら。<br />
…そうかっ、思い出したわ!<br />
夢よっ!今朝見た夢にあいつが出てきたからよ。<br />
いつか見た悪夢がリバイバル上映されちゃったのよ、誰もリクエストしてないのに。<br />
そういえば…たしか去年の今頃の季節だったわね、あれ。<br />
今朝のは明らかに夢だってわかるものだったけど、<br />
あれは妙にリアルに感じたのよね。<br />
だって起きた時、なんだか疲労感があったし、<br />
それに…それに…、<br />
あの唇の感触…今でも思い出せるわ。<br />
キョンの…えへへへ…。<br />
ジュルッ<br />
おっといけない、よだれが…。<br />
はっ!またあたしったら…<br />
ふんっ?、ふんっ?<br />
よしっ、誰もこっちを見てない。<br />
いくらあたしでも、こんな事考えてるとこ見られるのはさすがに恥ずかしいわ。<br />
そういう事は一人で部屋に居る時に…えへ。<br />
て、だからもうーっ!やめやめっ、考えるのやめっ!<br />
…はぁー朝から変よ。なんなのよあたし。<br />
それもこれも、みんなこの寝ぐせがいけないんだわっ!<br />
そのせいで調子狂っちゃったのよ。<br />
目が覚めたら、枕抱えたままあったまぐっちゃぐっちゃでベッドから落ちてて…<br />
あたし寝ながら何してたのかしら。<br />
ん?あれは…キョン!?キョンじゃない!<br />
あの背中はキョンよっ!間違いないわっ!<br />
だっていつも見てるもん、あいつの背中。<br />
どんな人混みの中でも見つけられる自信があるわ。<br />
へぇー、キョンてこの時間なんだ。覚えとこ。<br />
…ちょっとは、寝ぐせに感謝してあげよっかな。<br />
それにしても…ふふっ。なによあいつ、背中からもマヌケが漂ってるじゃない。<br />
男は背中で語るって言うけど、まさにその通りね。<br />
でも、そんなあいつの背中を見てると…なんとなく落ち着くのよね。<br />
教室の席で、ああ今日も居てくれた、あたしの前に…て。<br />
だからどうしても…小突きたくなるのよっ!<br />
タッタッタッタッ…<br />
キョォォォォオンッ!<br />
バシンッ!<br />
…ちょっとなによ、その疲れきったリアクション!<br />
それがあたしに対する態度なわけぇ?<br />
神聖にして高潔な団長様が、ただの下っ端で雑用のあんたに声を掛けてあげたのよ。<br />
孫の代まで語り継ぎたくなるくらい感謝しなさいよっ!<br />
…なんだろう、なんでこんなに心が弾むのかしら!<br />
今日は大人しくしてようと思ってたのに。<br />
これが誰かと一緒に登校するって気持ち?<br />
いいえ違うわ。誰かとじゃない。これは…。<br />
…えっ?なんで朝からそんなに元気なんだって?<br />
ふふーんっ、そんなの決まってるじゃない!</font></p>
<p><br />
<font size="2">あんたと一緒にいるからよ、キョン。</font></p>
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<font size="2">…え?なに、妖怪アンテナって。</font><br />
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<p><font size="2">*キョン視点→<a href="//www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4712.html">「寝ぐせ byキョン」</a> </font></p>