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「涼宮ハルヒの情報連結解除 第一章」(2008/01/14 (月) 07:57:55) の最新版変更点
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「あれは突然のことだったのさ……」<br>
朝比奈さんが鶴屋さんの隣に腰掛けるのを見た俺は、適当な場所に座る。<br>
「違和感を覚え始めたのは昼休みくらいからだったんだっ。どうも頭らへんがもぞもぞするっていうか。今までに味わったことない感覚が襲ってきてね。あまりに気になったからさ、鏡を見に行ったんさ。」<br>
俺は聞き耳を立てる。やはり鶴屋さんの声には芯が通っていない。<br>
「でもね、その時は何の変化も無かったのさ。気のせいってことにしてずっと帰りのホームルームまでそうしていたんだけど、やっぱり気になって。掃除当番だったんだけど、掃除が終わってからまた鏡を見てみたら……こういうことになってんさ。」<br>
……なるほど。全く原因が解からん。<br>
「円形脱毛症とか……病気なんですかねぇ? キョンくん。」<br>
できれば俺に問わないでいただけると助かるんですが、ここはそうも言ってられない。何といっても朝比奈さんの大親友、鶴屋さんの一大事だ。<br>
「ストレスが溜まっていたんですか?」<br>
「いいや、そんなことは無いと思うけど。いつも通りにしてたよ。」<br>
「うーむ……」<br>
とりあえず顎に手を当てて考えてみる。こりゃきっと何かが絡んでるな。宇宙的、未来的、超能力者的な何かの力が関わっていると見て間違いなさそうだ。<br>
「俺なんかが力になれるかどうか解かりませんが、色々と調べてきますよ。」<br>
「頼むよ、キョンくん。前髪が戻って来るとかそういうのは望んでないんさ……ただ、原因が知りたくてね。」<br>
できる限りを尽くします。必ず。<br>
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その後俺は朝比奈さんと共に文芸部室へ帰還した。<br>
「おや、あなたがたのペアとは珍しいですね。」<br>
「悪いか?」<br>
「いいえ、まったく。」<br>
戻って来た部室にニヤケ面の顔はあったが、ハルヒの顔は無かった。<br>
「ハルヒはまだなのか? てっきりもう来てると思っていたんだが。」<br>
「どうやらそのようです。」<br>
「まあいい。むしろ好都合だ。ちょっと話があるんだが、いいか?」<br>
俺はパイプ椅子に腰掛ける。<br>
「なんでしょう?」<br>
「鶴屋さんの前髪についてなんだが……」<br>
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――ぽとん。<br>
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唐突に古泉の後方から、物が床に落下したような音が俺の耳に届き、古泉と俺が音のした方向へ首を動かす。<br>
「……あ……」<br>
信じられない光景が広がっていた。見ると、長門が手をすべらせて本を落としているようだった。<br>
「…………」<br>
長門は無言でそれを取り直し、また読書に戻る。数秒の沈黙のあと、古泉が口を開いた。<br>
「……それで、話とは?」<br>
「あ、ああ、実はだな――」<br>
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「――ってことなんだ。何か知ってるか?」<br>
「前髪が無くなるなんて……まず普通ではありえませんね。」<br>
「だろ? また誰かの仕業なのか?」<br>
「僕にはまだ解かりかねますよ。」<br>
やはり解からないか……。<br>
「そういえばハルヒのやつ、本当に遅いな。どっかで道草食ってんのか?」<br>
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――ぽとん。<br>
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まただ。二度も説明する必要はないだろう。<br>
「どうしたんだ長門? 今日のお前、おかしいぞ?」<br>
「……ごめんなさい。」<br>
謝られると何か自分が悪いことをしたような衝動に駆られちまう。<br>
「いや別に、何も謝らなくても……」<br>
「ごめんなさい……わたしは……」<br>
俺はすぐに気付いた。長門がおかしい。<br>
「ど、どうしたんだよ、長門。」<br>
「……その前髪の件は、わたしがやったこと……」<br>
「な、なんだって!?」<br>
「………………。」<br>
そのまま長門は黙り込んでしまった。しかし、ここぞとばかりに古泉が近寄る。<br>
「教えてくれませんか? 詳しい事情を。」<br>
「……わかった。」<br>
そう言うと長門は、きちんと背筋を真っ直ぐに伸ばし、いつもの淡々とした声で語り始めた。<br>
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第二章に続く<br>
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