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「雪の日は」(2007/12/24 (月) 15:13:17) の最新版変更点
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<p><a href=
"http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2866.html">雨の日は</a> の続きになります。</p>
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<p>「雪、無音、窓辺にて……。」<br>
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いつものように帰巣本能むき出しで文芸部室に入ると、長門がそうつぶやき外を指差していた。<br>
空からは実際にはらはら雪が舞い降りていたし、その状況を知らなかった俺にとっては朗報だ。<br>
だから、な?長門 その手に持ったCDをしまいなさい。販促だろ。<br>
俺の言う事を理解したのか、そっと本のページの間に挟んで隠した。……他のやつらにもやるつもりか?<br>
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何事も無かったかのように読書に戻る長門を尻目に、俺は準備をし始めた。<br>
妹と昨晩格闘しながら作った飾り、あの折り紙を鎖状にしてるヤツな。あいつに切らせるとガッタガタになるから俺が切る、妹が貼るの分担作業にしてたのだが、その単純作業に飽きたのか途中で<br>
「キョン君はさみかしてー!!」とわめくようになった。意地でも渡すまいと抵抗する俺に、はさみーはさみーと連呼しながらポカポカ殴ってくるあいつをあしらいながらの作業……拷問に近かった……誰かに"はさみ"って単語を強要されてるのか?<br>
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そんなこんなで出来たブツをぐるっと部屋中に飾り付けていく。<br>
消耗品の買い出しに行っている古泉や、調理担当の朝比奈さんとハルヒもそろそろ帰ってくるだろう。それまでに終わらせておかないとまたお小言をくらうことになる。<br>
それでも長門が手伝ってくれることなんてこれっぱかしも期待してない。<br>
ってかなんでここにいるんだ?お前も調理班だっただろう。<br>
「私は食事大臣に任命された。まかせて、食べるのは得意。」<br>
……外されたのか。 何作ったんだ。<br>
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非協力的な宇宙人を除き、SOS団の本日の活動準備はちゃくちゃくと進んでいた。<br>
窓に吹き付けられた微粒子パウダーの文字、オーナメントが必要以上にぶらさがっているツリー、そしてさっきから俺が物音を立てるたびに音楽とともの腰を振るじいさんの人形。<br>
おそらく俺がこの部屋に来るまでは1度も踊ることはできなかったのだろう。嬉々としてダンシングに勤しんでいる。<br>
ここまで揃うともうおわかりだろう。毎年恒例、SOS団クリスマスパーティーが開催される。<br>
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イベント好きのハルヒが見逃すはずも無い。去年と同じようにどんちゃん騒ぎをやろうというのだ。<br>
しかし、全く同じという訳ではない。あの元気の噴火口、鶴屋さんが今回は不参加なのだ。<br>
「ごっめ〜ん!! 今年は一族そろってフィンランドでクリスマス!って決定しちゃったんだー<br>
生のサンタを分家の子達に見せつけようって魂胆さ!それに、1人でもお邪魔ムシは退散したほうがいいっさ☆ね キョンくん?」<br>
という弾丸トークを残して旅立たれてしまわれたのだ。<br>
察しのいい方は彼女の台詞を聞き逃さない。俺はウィンクとともに放たれた台詞のほうに懸案事項をかかえていた。<br>
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去年のクリスマスと今年のクリスマスは違う。<br>
それは、ハルヒと俺が恋人同志という関係にあると言う事だ。<br>
今年の夏につき合いだした俺たちにとって、初めての恋人っぽいイベントの日になる訳だ。<br>
つき合い始めてもう数ヶ月たつが、ハルヒの態度は今までと変わらず友達の延長戦といったカンジだ。<br>
デートといっても不思議探索と差異はないし、お互い部屋にいてもだべってるだけで終わってしまう。<br>
イベントなんてハルヒのためにあるものだと思っていたけれど、今日だけは俺自身男としてなんらかの決着をつけたかった。<br>
だから、正直例年通り"みんな"でパーティーをしようといいだしたハルヒを少し、ほんの少しだけ恨んでしまった自分が情けない。<br>
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はぁ……もうちょっと、進展したいもんだ。<br>
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「おやおや、随分と乙女チックなことをお考えですね。」<br>
人の心を読むな!!……そんな能力もってたか?<br>
クラッカーやら紙コップやらが入った大袋を抱えた古泉がニヤニヤしながら俺の背後に回っている。<br>
違っ おまえとの進展じゃネェよ!!手を肩におくな!腰に回そうとするな!<br>
「お2人の中がもっと睦まじくあれば、世界平和に繋がるというわけですからね。僕としても同じことを祈ってますよ。」<br>
そう思うなら今から朝比奈さんと長門を連れて、クリスマスを満喫して来てくれないか?この際だ、お前が両手に花束なことくらいは目をつむるぞ。<br>
「残念ながら涼宮さんは、あなたと2人きりで過ごすよりもSOS団としてパーティーをすることのほうをご所望ですからね。最後までご一緒させていただきますよ。」<br>
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古泉の戯れ言には耳をかさず、窓の外で降り続ける雪を、ため息まじりに眺め続けた。</p>
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<p>続く。</p>
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