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「キョン　みくる　旅行　」(2007/12/08 (土) 23:17:40) の最新版変更点

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　朝比奈さんと旅行をすることになった。知っての通りあまり口外できるものでもなく、ひっそりと冬の三連休にいくということになった。</div>
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　行き先が日光なのは、紅葉の枯れかかった山の色が好きとかいう年寄りくさい発想でもなく、手軽だからという感じだった。</div>
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　インターネットでホテルの予約をとるときなんかは二人で顔を紅くしてパソコンの画面を見つめたりして、うれしはずかしといった感じだった。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　と、いうわけで日は過ぎて。</div>
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妹が入ってないかよくバッグをあさったりして、朝６時には待ち合わせの駅に着いた。朝比奈さんは先にいた。まだ薄暗いなかでも目立つ白をベースとした暖かそうな格好で思いっきり手を振ってきた。</div>
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日の出がまだだった。駅前の暖房の効く店内でチーズバーガーとコーヒーとポテトを二つずつ待っている時に朝日がさしてきた。コーヒーを飲んで、「五臓六腑に染み渡るなあ。。」なんて言葉に笑う幼い顔が可愛かった。</div>
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朝から手を繋ぐのはちょっとはずかしかったので、俺の荷物と朝比奈さんの荷物を両手に持って歩いた。</div>
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車内はちょい通勤ラッシュということで、座るところが無いので、ドアに二人でよっかかった。</div>
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朝日に照らされる町がなかなか綺麗だった。すぐ乗り換え。浅草へ。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt; text-indent: 10.5pt">しりとり？ああ、、やりますか。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt; text-indent: 10.5pt">リンゴ「ゴリラ」ふふラッパ、、。</div>
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浅草には７時半に着いた。日光行きは９時頃の特急に乗ろうということで浅草寺へ。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「浅草のデパ地下でお弁当買いますか。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「作ってきました。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　ワロスワロスですね。という会話は車内であった。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　大きな提灯の前で初老の男の人に写真を撮ってもらった。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「恋人かい？」と聞かれて。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「はい」と異口同音なのはいいなやっぱり。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　はずかしがらずに言えるのはまだ先みたいだけど、俺も。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　浅草寺に行くまでの店であげまんをかった。いけませんか？</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　なんか大きな線香入れみたいのがあって煙が出てる。</div>
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あの煙を悪いところにつけるというかかぶるとそこが悪くなくなるらしいですよ。と。言った。</div>
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朝比奈さんはどこにつけるかなー。顔？嫌味かな。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「私ドジだから。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「そ、そこも悪いところではないですよ。」と言って俺も頭につけた。</div>
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　階段を上り。パン！パン！お参りをして目をつぶって願をかけるとき、どんな顔して祈っているのかと朝比奈さんを見れば、朝比奈さんと目があった。えへへって笑うなよ。抱きしめたくなる。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　とまあ旅行が無事にうまくいくことを祈って。おみくじ売り場へと階段を下る。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「なんて祈ったんですか？禁則事項ですか？」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「そうです。禁則事項です。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　そうですか。はは。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　吉が俺で、朝比奈さんが中吉。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「朝比奈さんくくらなくてもいいんですよ。凶じゃないんですから。」</div>
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<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　特急券を買って、しばし寒い閑散としたホームで待つ。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　隣に座る。ベンチの近くに鳩がいる。</div>
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「鳩ってあんなに首振っても脳震盪にならないんですね。」みくるさんが虚ろな目をしていった。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「眠いんですか？」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「いいえ。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　茶色い髪を俺の肩へ抱きしめた。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「ちょっと寝ても大丈夫ですよ？」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「えへへ。」可愛いなあ、、。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　キョンくんよろしくね。と言って肩によっかかってきた。心地よい重さ。</div>
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　「よろしく」がいつの時間帯をさすのか。これからずっとか、それとも旅行についてか。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「ずっと、、。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　倒置法ですか。小悪魔ですね。と思った。</div>
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　鳩が飛びだった。俺たちの進行方向へ飛びだった。鳩ってあんなに長く飛べるんだ。俺は見えなくなるまで鳩を目で追った。左肩に暖かさを感じながら。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　鼻歌をしてみる。もみじ。秋の夕日にふふふふもみじ。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　ふーふふふーふーふーふーふんふーふーふーふんふーふーふー。</div>
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　優しげな風が背中の方から吹いてきた。なんか朝比奈さんが香る。シャンプーとリンスのにおいだ。良いにおいだ。</div>
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　電車がやってきた。が、後１０分ぐらい待たなければいけない。車内を清掃してもらうのだ。起こすことないし、もう少しこうしていたかった。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　ふーふふふーふーふーふーふんふーふーふーふんふーふーふー。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　ふーふふふーふーふーふーふんふーふーふーふんふーふーふー。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　もうそろそろ行こう。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「朝比奈さん電車来ましたよ。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　ここでキスはしないほうがいいだろうな。</div>
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　朝比奈さんのバッグを持ってあげる。彼女は席を立って僕の左肩の代わりに左腕を抱いた。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　いやあ心地よい重さだなあ。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　電車の中で花札しましょうねと言われた。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「そうですね。ところで窓際と通路側どっちがいいですか？」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「ひざの上がいいなあ、、。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　小声でなに言ってんだこの人</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「キョンくんこれからよろしくね。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　小悪魔ですね。と思った。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「あたしはどっちでもいいかなあ。」</div>
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　結局俺が通路側だった。俺も朝比奈さんの隣ならよかったんだ。景色より朝比奈さんですよね。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　静かに電車が旅立った。隣に朝比奈さんがいる。</div>
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　２両目のトイレ側の２席で、通路を挟んで隣に人はいなかった。駅からとってきたパンフレットof日光を二人の間で開く。ああなんかいいな。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「夕ご飯はなにがいいかなあ、、、。」と言ってまじまじとパンフを見る彼女。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「俺が決めてきましたよ。輪王寺の近くにあるレストランです。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「楽しみだなあ、、。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「ね。」</div>
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　彼女の一喜一憂が楽しい。札がめくられるごとに口から目から体まで反応する彼女を見続ける。特に、口の前に札を当てて笑みと興奮を隠そうとする仕草はいい意味でやばかった。</div>
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　花札で賭けようと言ったのは朝比奈さんだった。彼女が可愛らしい小さなノートを千切り、その一枚一枚に何か書いた。上に「いうこと聞く券」と書かれたその紙。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「この券に書いたことを絶対に守らないといけません。勝った方にあげます。えへへ。」</div>
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　なんつって５連敗している朝比奈さん。一枚取るまでは止められないようで、見事６連敗を達成した彼女は目がうるるとしてきて、７連敗して泣いた。</div>
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　僕はしかたなく彼女に二枚プレゼントした。５枚あれば十分楽しめる。彼女はその可愛い「いうこと聞く券」を大事そうにポッケに入れた。</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「キョン君昼食にしませんか？」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「いいですね。俺お茶買って来ますね。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">「はい。よろしくお願いします。」</div>
<div style="margin: 0mm 0mm 0pt">　販売車でお茶とチョコとペンを買って、俺はなんでもいうこと聞く券を取り出した。</div>
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買ったばかりのペンで「食べさせて下さい」と書く。</div>
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楽しい旅が始まるなあ、、。と強く思った。</div>
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