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あだ名、プリン、嫁。」(2020/05/28 (木) 10:52:09) の最新版変更点

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<p>「なぁハルハル」<br> 「ちょっ、その呼び方やめてっていってるでしょっ!」<br> 「いいじゃないか。団員と団長の親睦を深めるためにも」<br> これを言えばハルヒも大人しくなるからな。苦労が減るのは良い事だ。<br> 「そんなに呼びたいの?なら、あたしだけじゃなく団員全員あだ名で呼びましょう」<br> なに、そう来たか。まぁいい俺はすでにあだ名で呼ばれているし。<br> 「そうね~みくるちゃんは…みくるんでどう?」<br> 「みくるんですか?いいですよ」<br> 結構乗り気ですね。朝比奈さん…<br> 「有希は…」<br> 「…ゆきりんを所望する」<br> 「そう。ならゆきりんね。古泉君はどうしようかしら」<br> 「僕はいっちゃんと呼んでいただければ」<br> 「わかった。いっちゃんね」お前らなんでそんなノリノリなんだ?<br> 「ん~キョンはどうしようかしら?」<br> 「俺は既にあだ名で呼ばれてるじゃないか」<br> 「それじゃあツマんないでしょうが」<br> ツマるもツマらんも関係ないと思うが。<br> 「よしっあんたはキョンタンね」<br> 「ぶぶっーーーー」<br> 盛大にお茶を吹いてしまった。せっかくの朝比奈さんのお茶だというのに。って言うかタンってなんだタンって<br> 「いいじゃなの。言い出したのはあんたなんだから」<br>  <br> こんなふうに裏目に出てしまうとは思わなかった。言わなきゃ良かった。だがもう後の祭りだ。<br> 「さぁキョンタンの番ですよ。」<br> ガタンッ!ズサササッ!ビダンッ!ゴンッ!?<br> 何の音かって?それは俺が椅子から転げ落ち壁まで下がって頭をぶつけた音だ。<br> なぜだか知らんが体が勝手に動いた。本能が危険だと判断したのだろうが、何が危険なのかは分からん!<br> 「どうしたんです?キョンタン」<br> ビクッという擬音が聞こえるほど飛び上がった俺は無意識にハルヒに飛び付き背中に隠れる様にした。<br> 「ちょっとどうしたのよ?」<br> 分からん!体が勝手に動いたとしか言えん。<br> その後長門が本を閉じるまでずっとハルヒの後ろに隠れていた。<br> 帰る時もハルヒを盾にする様にして一番後ろを歩いて帰った。<br> 家に着いて落ち着いて考えてみる。最初にハルヒに言われた時は反応しなかったが、古泉に言われた時に反応した。<br> 何かの黒い陰謀か?俺を陥れようとしている…<br> んな、あほな。こう言う時はさっさと忘れるに限る!風呂入ってさっさと寝てしまおう。<br> 朝になり妹の過激な目覚ましで起き家を出てハイキングコースを登り教室にたどり着く。いつも通りだ。<br> しかし教室に入ると昨日のことを思い出させる事をハルヒが言ってくれた。<br> 「昨日は一体なんだったのよ。キョンタン?」<br> ここでも言うか、それを。やめてくれ周りの好奇な視線が痛い。<br> 「なによ、言い出したのはあんたじゃない。ちゃんとあだ名で呼ぶ様に!わかったキョンタン」<br> 谷口がニヤニヤしてこっちを見てやがる。寄ってくんな!あぁ…国木田まで<br> 谷口が口を開こうとした時に岡部が入って来た。GJだ岡部!<br> どうせ昼休みになれば根掘り葉掘り聞かれるだろうが。<br> そしてその昼休み。ニヤニヤした谷口とこれまた何を始めたか知りたがってる顔をした国木田がやって来た。<br> 「なぁキョンタンってなんだ?」<br> 聞くな。その事については話たくない。<br> 「また何か始めたの?それとも何かの罰ゲーム?」<br> 始めたと言うか始まってしまったと言うか。俺的には罰ゲームの様な感じになってるが。<br> 一言で言えば団員をあだ名で呼ぶ事になったわけだ。二人に他の団員のあだ名を教えてやった。<br> 「ふ~んそれでキョンタンになったわけだ。面白いねそれ」<br> 面白くも何ともないぞ、国木田よ。今となっては苦痛にしかならん。<br> 「おっキョンタン!愛しのハルハルが帰って来たぞ」<br> お前まで使うか!ニヤニヤして言うな!<br> 「何?喋ったの?まぁいいわ。そうだ!あんた達も準団員なんだからあだ名で呼んであげるわ。そうね、谷口はチャックで国木田は…ショタでどう?」<br> 谷口はいいが国木田のは無いんじゃないか。<br>  <br> 「せめて国ちゃんくらいにして欲しいな」<br> 「仕方ないわね、国ちゃんでいいわ。谷口はそのままね」<br> 「おいっ、おれはそのままかよ!チャックてなんだよ。適当過ぎるだろ」<br> だったらちゃんと閉めとけ。何でお前はいつも開けっ放しなんだ?<br> 「開けっ放しになんかしてねーよ。勝手に開くんだよ」<br> これ以上チャックの話しても仕方ないな。<br> 「俺はチャックで決定かよ」<br> 「うるさいわよ!チャック!グダグタ言わない」<br> 落ち込んだチャックはほっといて次の授業の準備をする。いつもの様に午後の授業を右から左へ受け流し、ハルヒに引っ張られつつ部室に着く。<br> 「やっほー!みくるんお茶!」<br> すでに部室には三人ともそろっていた。お前等、瞬間移動でもしているのか?ぜひ教えて欲しいね。<br> 「はぁーい。今淹れますねぇ」<br>  <br> 朝比奈さんがお茶の準備をしてると勢いよく扉が開き元気方が入って来た。<br> 「やぁ!みんな。みくるんから聞いたよっ。あだ名で呼ぶ様にしたんだって、あたしもまぜてくんないっかな」<br> 鶴屋さん、楽しそうですね。すでに使ってるし。<br> 「鶴屋さんは~、みくるんと同じノリで鶴やんでどう?」<br> 「あははっそれでいいっさっ!じゃっ鶴やんでよろしくね」<br> 「涼み…じゃなかった。ハルハルお茶ですぅ」<br> 「ありがと。みくるん」<br> 無理して使わなくてもいいんですよ。朝比奈さん<br> 「キョンタンにいっちゃん、鶴やんもどうぞ」<br> 「ありがとうございます。みくるん」<br> 古泉がいつものスマイルで普通に言う。何でそんなにすぐ順応できるんだ。<br> 「さあ、どうしてでしょうね。さっ次はキョンタンですよ」<br> ビクッと俺の体が反応する。なぜか古泉に言われると拒絶したくなる。<br> 「およ?キョンタンどうしたにょろ」<br> 「昨日からこうなのよ。古泉君に呼ばれるとなるみたい。昨日はもっとすごかったけど」<br> 「どんな風に凄かったにょろ?」<br> ハルヒが昨日の事をすべて再現した。朝比奈さんをハルヒ役にしハルヒが俺をやった。<br> そんなんだったのか昨日の俺は…鶴屋さん笑い過ぎです。<br>  <br> 「いや~見たかったねそれっ、でもなんでなんだろうねぇ?」<br> 分かりません。分かりたくもないです。なぁもう止めないか。<br> 「だめよ。まだ一日しか経って無いじゃない。しばらくは続けるわよ」<br> やっぱダメか…分かってはいたけど、これで不登校になったらどうする。自業自得だが…<br> 部屋に引きこもったところでハルヒに無理矢理引きずり出されそうだが。<br> その後はハルヒと鶴屋さんが面白がって古泉にキョンタンと呼ばせ続けた。その度に俺の体は拒絶反応を起こす。<br> 長門が本を閉じ活動の終了を報せる。拷問の様な時間だった。<br> 昨日と同じ様にハルヒを盾にしつつ、古泉に後ろを取られない様に帰った。<br> 皆と分れて少しすると長門から電話が掛かってきた。<br> 「話がある。いつもの公園に来て」<br> 「今からか?」<br> 「…そう」<br> わかった。と、返事をし公園に向かう。公園に着くと長門と古泉が居た。なぜお前がいる?<br> 「長門さんに呼ばれましてね。貴方の事だと思いますが」<br> そうだろうな。体が勝手に動くんだ。どうにかならないか。<br> 「その事について話す。これは、いっちゃんも関係している事」<br>  <br> 長門よ…ハルヒがいない時くらいは普通でいいぞ。<br> 「…そう」<br> で、話ってのはなんだ?またハルヒの力か?<br> 「間接的に作用している。今から話す内容でショックを受けるのは…古泉一樹、あなた」<br> 俺じゃないのか?古泉とは以外だ。思案顔で古泉が言う。<br> 「僕ですか?涼宮さんの力が関係しているから呼ばれたものと思ってましたが…」<br> とりあえず話してくれないか内容が分からん事には対処出来ないだろうからな。<br> 「古泉一樹がキョンタンと呼んであなたが拒絶反応を起こすのは異次元同位体と同期しているためだと思われる」<br> 異次元同位体?えーと、それは別世界の俺って事か?<br> 「そう。キョンタンと言う単語が鍵になっている」<br> でも、古泉以外に言われた時は反応しないぞ。<br> 「古泉一樹以外はその呼称を使用しない」<br> 「それで、ですか。その世界の僕と彼はどんな関係なのですか?」<br> 「…………………」<br> 長門が言うのをためらっている様だ。どうもそれが鍵みたいだな。<br>  <br> 沈黙する事、十分……<br> 「………覚悟はいい?話せば二人ともそれなりのショックを受ける」<br> 話さなきゃ進まないだろ。話してくれ。つーかどんな覚悟をすりゃいいんだ?<br>  <br> 「では、話す。その異次元同位体の古泉一樹はガチホモ。そしてあなたの事を狙っている。何度と無く犯されている」<br> マジですか…と言う事はその世界の俺は古泉に掘られているのか。<br> 「僕が……ガチ…ホモ……」<br> 古泉が崩れ落ちた。調度【orz】こんな感じになっている。そりゃショックだわな。<br> 俺もそれなりにショックだが、古泉は立ち直れ無いんじゃないかってくらいだ。<br> 古泉、この世界のお前はホモじゃ無いんだからそんな落ち込むな。<br> って聞いてないな。何かブツブツ言ってるし。ところで長門、何か対処出来るのか?<br> 「異世界とこの世界の同期を遮断するためのプロテクトを張る。その為には異次元同位体との同期が必要。わたし自身は同期を封印している為プロテクトを張る事が出来ない」<br> じゃあどうするんだ。このままは嫌だぞ。ハルヒあだ名で呼ばせるのを止めさせるか。<br> 「プロテクトを張るのはわたしの代りに喜緑江美里が行う」<br> なら大丈夫だな。で、古泉はどうする。こんなんじゃ狂ってしまいそうだぞ。<br> 「古泉一樹のことはまかせて。わたしが立ち直らせる」<br> そう言ってくれると助かる。俺にはどうにも出来そうにないからな任せたぞ。<br>  <br> 長門が古泉を抱き上げ公園から出て行った。古泉の事は任せよう。<br> しかし、古泉がガチホモで俺が掘られているとは…想像もしたくない。考えちゃだめだ。現に俺は掘られて無いんだし。<br> 後はハルヒに止めさせる様にしよう。新たなトラウマが出来てしまう前に!<br>  <br> 次の日の朝、ハイキングコースを登りきったところで後ろから声を掛けられた。<br> 「おはようございます」<br> 古泉だった。いつものスマイルより三割増だ。その様子だとしっかり立ち直った様だな。<br> 「ええ、長門さんのおかげで。詳しくはまた後で」<br> と言って昇降口に入って行った。<br> 教室に入るとハルヒが<br> 「キョン…昨日はごめんね…少しやり過ぎたわ。有希にもやり過ぎって怒られたし」<br> ああもういいさ。ふむ、長門のおかげか、後で礼を言っとかなきゃな。その後、昼休みになると鶴屋さんが飛んで来た。<br> 「キョン君、昨日はごめんっさ!ついつい調子乗っちゃって。有希っこに怒られちゃったよ」<br> 鶴屋さんにも言ったのか、長門は。<br> 「にもって事はハルにゃんも怒られたのか。今度から気を付けるよっ!そいじゃねっ!」<br> そう言うと鶴屋さんは去って行った。<br>  <br> 今日から放課後の恐怖は無くなった訳だ。これで朝比奈さんのお茶をゆっくり堪能出来るな。<br> こんな事を思いながら部室のドアをノックする。<br> 「どうぞ」<br> 中から返事が聞こえたが朝比奈さんでは無く古泉だった。エンジェルボイスが聞けると思っていた俺は一気にテンションがおちた。<br> 中に入ると古泉と長門だけだった。他の二人はどうしたんだ。<br> 「涼宮さんが朝比奈さんを連れて行きましたよ。何をするかは聞いてませんが」<br> また何かやらかす気か?しばらくはおとなしくなると思っていたが…<br> 「まぁ好都合です。昨日の事でお話がありましたから」<br> そうか、でどうなってたんだ?<br> 「それは、わたしから話します」<br> 喜緑さんいつの間に…<br> 「ええ、つい先程。プロテクトが完了したので報告に」<br> はぁビックリした。それで原因はなんだったんですか?<br> 「ある平行世界であなたは古泉一樹にキョンタンと呼ばれ掘られています。その平行世界のあなたが受けている肉体的、精神的苦痛が涼宮ハルヒの力を介して他の次元のあなたとリンクした訳です」<br> 掘られているって現在進行形ですか。ハルヒの力が関わっているって事はハルヒが何かしたのですか?<br>  <br> 「いえ、涼宮ハルヒが何かをした訳ではありません。間接的に作用しただけです。この部室自体が色々な力でせめぎあっているせいで他の平行世界と繋がりやすかった訳です」<br> と言う事は他の世界の俺にもその事が作用したんですか?<br> 「ええ、そうですが他の平行世界ではあなたの事をキョンタンと呼ばないので特にありませんでした。そう呼ぶ世界は幾つか在りますが、古泉一樹がガチホモの場合だけでしたから…」<br> 古泉がガチホモだとそう呼ばれてるのか。その世界のハルヒはどんなんなんです?目の前で掘る所をみたら大変な事になりそうですが。<br> 「特に問題はありません。涼宮ハルヒは腐女子ですから。むしろ自分の作品のインスピレーションになってた様です」<br> 作品?何かやってるんですか?<br> 「ええ、BL小説や同人誌を書いています」<br> BL?<br> 「ボーイズラブの略。言わば女性向けホモ雑誌…」<br> 長門、もしかして読んだ事あるのか?<br> 「ある。しかし同性の性交渉は理解不能。性交渉は異性とすべき」<br> そうだよな。まぁそれはもういいな。あんまし聞きたくないしな。喜緑さんありがとうございます。<br> 「どう致しまして。では、わたしはこれで」<br>  <br> 喜緑さんが帰ったところで次の話だ。長門、どうやって古泉を立ち直らせた?どん底だったのに<br> 「簡単なこと…ここにいる古泉一樹がガチホモでは無い事をわたしの体を使って証明させただけ」<br> ん…?体を使って?それってつまり…<br> 「そう。昨晩わたしと古泉一樹は性交渉を行った」<br> な、なんだってぇー!本当か古泉?<br> 「ええ、お陰様でこのとおり精神的にもピンピンに復活しました」<br> 「昨日はビンビンだった」<br> ななな、ながとぉー!そんな事言うんじゃありません。立つ、つーか勃ってんじゃねーか!<br> 「その方が正しいですね」<br> うるさい黙れ!こんな変態超能力者とだなんてお父さんはゆるしませんよ!<br> 「恋人同士が性交渉を行うのは当たり前の事」<br> コイビトドウシッテマジデスカ?<br> 「えらくマジですよ、お義父さん」<br> ええい!誰がお義父さんだっ!お前等何時からだ?<br> 「二月ほど前からでしょうか。涼宮さんと貴方の事で話し合っているうちに、ねっ」<br> 「正確には58日19時間36分12秒前に彼から」<br> そこまで正確な数字はいらん。いつの間にそこまで…お前等が遠く感じる。もう脱力感でいっぱいだ。<br> 「あなたには涼宮さんがいるではないですか」<br>  <br> ハルヒとはまだ何でもない。そりゃそうなれば良いとは…<br> と、俺が言いかけた時、ハルヒが朝比奈さんを連れて帰って来た。<br> 「たっだいまぁ~!駅前のケーキ屋の100個限定プリン買って来たわよ!安心しなさい、あんたの分も買って来てあげたわよ」<br> 「それじゃあお茶淹れますねぇ」<br> 朝比奈さん、メイド服で行ったんですか…そんな事よりハルヒ、長門と古泉が…<br> 「有希と古泉君…?ああ、付き合っているんでしょ?」<br> そんなあっさりと<br> 「ん~ちょっと前からそうなんじゃないかな~って思ってたのよ。ねっみくるちゃん」<br> 「そうですねぇ~、長門さんがゲームしている古泉君を見てたり、古泉君も長門さんを見てる時がありましたから、そうなんじゃないかな~って」<br> 二人とも気付いてたのか…俺だけか気付かなかったのは…<br> 「鈍感すぎるのも程があるんじゃない、少しはそっちに気を回したら?」<br> これでも少しは回しているが自分の事…ハルヒの事でいっぱいだからな。…とは言えず、頭を抱えていると、長門が<br> 「お母さん…早くプリン」<br> 「えっ…?有希、お母さんって何?」<br> 「彼がお父さんだから」<br> と俺を指差して言う。ハルヒは訳分かんないって顔をしている。<br>  <br> 「キョンがお父さんであたしがお母さん?」<br> 「そう、これ以上に無い適役」<br> 「適役って…そりゃ有希は可愛いとは思うけど…」<br> ハルヒと長門がこんな会話をしている時に古泉が顔を近付けてきた。近過ぎるぞ。息をかけるな。<br> 「涼宮さんに告白するチャンスではないですか。今ならイケると思いますが」<br> チャンスなのか?しかもお前等の前でやれというのか?<br> 「イケる時にイッたほうがよろしいと思いますよ。我々の事は気にしないで下さい」<br> 気にするなと言われても…<br> ハルヒを見て見るとまだ何かブツブツ言っていた。もうこうなったらイッてしまえ。<br> 「俺はハルヒが嫁だったらいいんだが」<br> 「ふぇぇっ?」<br> これは朝比奈さんではなくハルヒの声だ。どうやら予想外だったらしくビックリしたみたいだ。<br> 「なな、なにいきなり、そそんな…」<br> 「ハルヒ、俺がお前の旦那じゃダメか?」<br> さらに言って見る。するとハルヒの顔が少しずつ赤く変わっていく。<br> 「あんた本気で言ってるの?」<br> ああ本気だ、だからちゃんと言ってくれないか。はぐらかすのはなしだぞ。<br>  <br> 「わかったわよ。…あたしもあんたがいいわ。」<br> う~ん、照れた顔して言うハルヒも悪くないな。しかしハルヒはすぐ腰に手を当て逆の手を前に出し俺に向かって指をさしたいつものポーズで、<br> 「いいキョン!浮気したら許さないからね!死刑よりきっつい罰を与えるわよ」<br> ハルヒが100Wの笑顔で言い放つ。その笑顔を見れれば他の事なぞ頭には入らん。<br> 「いやいや、告白するチャンスだとは言いましたが、まさかプロポーズするとは思いませんでしたよ」<br> …ん?プロポーズ?待て待て古泉。<br> 「おや、違いましたか?」<br> 「ふぇ~、キョン君凄いですぅ」<br> 古泉はともかく朝比奈さんまで、…まぁそう取れなくもない発言だったか。<br> 「……プリン…まだ?」<br> 「はい、有希。ちゃんと味わって食べなさい」<br> 長門…俺の発言よりプリンか、長門らしいって言えば長門らしいが<br> 「もう今日はいいわ。後は自由にしてちょうだい。古泉君、戸締まりよろしくね」<br> 「かしこまりました」<br> なんだ、ハルヒもう帰るのか?<br> 「あんたもよ。ほらさっさとしなさい」<br> ハルヒが俺の襟を掴み引きずり出す。何とか鞄を取りハルヒに着いて行く。<br>  <br> そこからハイキングコースを下るまで何も喋らなかったが下りきった所でハルヒが口を開いた。<br> 「いきなりあんな事言うなんて反則よ。物事には順番って物があるでしょうに」<br> ハルヒがアヒル口を作って言った。順番ってなんだ?<br> 「あんたね~。付き合ってもいないのにいきなりプロポーズって?しかも本気で。お見合いでもないのに」<br> 普通はしないな。あの流れだったからな。俺の頭ではなんなもんだろ。<br> 「ばかな事いってないでちゃんとしなさいよ。」<br> 気がつくといつもの公園に来ていた。そうだな、まずは俺の気持ちをちゃんと伝えないとな。<br> しかし、いざとなると手の震えが止まりません。ええい、あんな事言ったんだ!このくらいどうと言うことはない。<br> 「ハルヒ、好きだ。俺と付き合ってくれ」<br> よし!言えた。後はハルヒの返事を待つだけだ。<br> 「ちゃんと言えたわね。あたしもあんたが好きよ」<br> 良かった~ここでフラれたらどうしようかと思った所だ。<br> 「あたしにあんな事言わせといてそれはないんじゃないの」<br> それはそうだが、そこまで回らなかったんだ。今のでイッパイイッパイだったからな。<br>  <br> 「まぁいいわ。プロポーズするなら指輪くらい用意しなさいよ」<br> ああ、しっかり稼げる様になったらちゃんと用意するさ。<br> 「安物は嫌よ。そうね~給料30ヶ月分ね」<br> ハルヒさん、それだと何時になるか分かりませんよ。普通三か月だろ。<br> 「なによ、そのくらい。任せろくらい言いなさいよ」<br> はいはい、せいぜい頑張りますよ。そうだハルヒ、今から買い物いかないか?まだ時間あるだろ。<br> 「えっ?いいけど、何買うの」<br> 指輪をな。今は安物しか買えんが。<br> 「ふーん。あんたにしちゃ上出来ね。いいわ安物でも我慢してあげる。ただし変なのはダメよ」<br> 善処しますよ。それじゃ行きますか。<br>  <br> ハルヒと手を繋ぎ一緒に指輪を買いに行った。結局ハルヒが選んだのだが財政が逼迫している俺にはキツい値段だった。やれやれ、今月残りどう過ごそうか。<br> しかし財布には大打撃だったがハルヒの嬉しそうな顔を見れたからよしとするか。<br>  <br>  <br> これで終わる</p>
<p>「なぁハルハル」<br /> 「ちょっ、その呼び方やめてっていってるでしょっ!」<br /> 「いいじゃないか。団員と団長の親睦を深めるためにも」<br /> これを言えばハルヒも大人しくなるからな。苦労が減るのは良い事だ。<br /> 「そんなに呼びたいの?なら、あたしだけじゃなく団員全員あだ名で呼びましょう」<br /> なに、そう来たか。まぁいい俺はすでにあだ名で呼ばれているし。<br /> 「そうね~みくるちゃんは…みくるんでどう?」<br /> 「みくるんですか?いいですよ」<br /> 結構乗り気ですね。朝比奈さん…<br /> 「有希は…」<br /> 「…ゆきりんを所望する」<br /> 「そう。ならゆきりんね。古泉君はどうしようかしら」<br /> 「僕はいっちゃんと呼んでいただければ」<br /> 「わかった。いっちゃんね」お前らなんでそんなノリノリなんだ?<br /> 「ん~キョンはどうしようかしら?」<br /> 「俺は既にあだ名で呼ばれてるじゃないか」<br /> 「それじゃあツマんないでしょうが」<br /> ツマるもツマらんも関係ないと思うが。<br /> 「よしっあんたはキョンタンね」<br /> 「ぶぶっーーーー」<br /> 盛大にお茶を吹いてしまった。せっかくの朝比奈さんのお茶だというのに。って言うかタンってなんだタンって<br /> 「いいじゃなの。言い出したのはあんたなんだから」<br />  <br /> こんなふうに裏目に出てしまうとは思わなかった。言わなきゃ良かった。だがもう後の祭りだ。<br /> 「さぁキョンタンの番ですよ。」<br /> ガタンッ!ズサササッ!ビダンッ!ゴンッ!?<br /> 何の音かって?それは俺が椅子から転げ落ち壁まで下がって頭をぶつけた音だ。<br /> なぜだか知らんが体が勝手に動いた。本能が危険だと判断したのだろうが、何が危険なのかは分からん!<br /> 「どうしたんです?キョンタン」<br /> ビクッという擬音が聞こえるほど飛び上がった俺は無意識にハルヒに飛び付き背中に隠れる様にした。<br /> 「ちょっとどうしたのよ?」<br /> 分からん!体が勝手に動いたとしか言えん。<br /> その後長門が本を閉じるまでずっとハルヒの後ろに隠れていた。<br /> 帰る時もハルヒを盾にする様にして一番後ろを歩いて帰った。<br /> 家に着いて落ち着いて考えてみる。最初にハルヒに言われた時は反応しなかったが、古泉に言われた時に反応した。<br /> 何かの黒い陰謀か?俺を陥れようとしている…<br /> んな、あほな。こう言う時はさっさと忘れるに限る!風呂入ってさっさと寝てしまおう。<br /> 朝になり妹の過激な目覚ましで起き家を出てハイキングコースを登り教室にたどり着く。いつも通りだ。<br /> しかし教室に入ると昨日のことを思い出させる事をハルヒが言ってくれた。<br /> 「昨日は一体なんだったのよ。キョンタン?」<br /> ここでも言うか、それを。やめてくれ周りの好奇な視線が痛い。<br /> 「なによ、言い出したのはあんたじゃない。ちゃんとあだ名で呼ぶ様に!わかったキョンタン」<br /> 谷口がニヤニヤしてこっちを見てやがる。寄ってくんな!あぁ…国木田まで<br /> 谷口が口を開こうとした時に岡部が入って来た。GJだ岡部!<br /> どうせ昼休みになれば根掘り葉掘り聞かれるだろうが。<br /> そしてその昼休み。ニヤニヤした谷口とこれまた何を始めたか知りたがってる顔をした国木田がやって来た。<br /> 「なぁキョンタンってなんだ?」<br /> 聞くな。その事については話たくない。<br /> 「また何か始めたの?それとも何かの罰ゲーム?」<br /> 始めたと言うか始まってしまったと言うか。俺的には罰ゲームの様な感じになってるが。<br /> 一言で言えば団員をあだ名で呼ぶ事になったわけだ。二人に他の団員のあだ名を教えてやった。<br /> 「ふ~んそれでキョンタンになったわけだ。面白いねそれ」<br /> 面白くも何ともないぞ、国木田よ。今となっては苦痛にしかならん。<br /> 「おっキョンタン!愛しのハルハルが帰って来たぞ」<br /> お前まで使うか!ニヤニヤして言うな!<br /> 「何?喋ったの?まぁいいわ。そうだ!あんた達も準団員なんだからあだ名で呼んであげるわ。そうね、谷口はチャックで国木田は…ショタでどう?」<br /> 谷口はいいが国木田のは無いんじゃないか。<br />  <br /> 「せめて国ちゃんくらいにして欲しいな」<br /> 「仕方ないわね、国ちゃんでいいわ。谷口はそのままね」<br /> 「おいっ、おれはそのままかよ!チャックてなんだよ。適当過ぎるだろ」<br /> だったらちゃんと閉めとけ。何でお前はいつも開けっ放しなんだ?<br /> 「開けっ放しになんかしてねーよ。勝手に開くんだよ」<br /> これ以上チャックの話しても仕方ないな。<br /> 「俺はチャックで決定かよ」<br /> 「うるさいわよ!チャック!グダグタ言わない」<br /> 落ち込んだチャックはほっといて次の授業の準備をする。いつもの様に午後の授業を右から左へ受け流し、ハルヒに引っ張られつつ部室に着く。<br /> 「やっほー!みくるんお茶!」<br /> すでに部室には三人ともそろっていた。お前等、瞬間移動でもしているのか?ぜひ教えて欲しいね。<br /> 「はぁーい。今淹れますねぇ」<br />  <br /> 朝比奈さんがお茶の準備をしてると勢いよく扉が開き元気方が入って来た。<br /> 「やぁ!みんな。みくるんから聞いたよっ。あだ名で呼ぶ様にしたんだって、あたしもまぜてくんないっかな」<br /> 鶴屋さん、楽しそうですね。すでに使ってるし。<br /> 「鶴屋さんは~、みくるんと同じノリで鶴やんでどう?」<br /> 「あははっそれでいいっさっ!じゃっ鶴やんでよろしくね」<br /> 「涼み…じゃなかった。ハルハルお茶ですぅ」<br /> 「ありがと。みくるん」<br /> 無理して使わなくてもいいんですよ。朝比奈さん<br /> 「キョンタンにいっちゃん、鶴やんもどうぞ」<br /> 「ありがとうございます。みくるん」<br /> 古泉がいつものスマイルで普通に言う。何でそんなにすぐ順応できるんだ。<br /> 「さあ、どうしてでしょうね。さっ次はキョンタンですよ」<br /> ビクッと俺の体が反応する。なぜか古泉に言われると拒絶したくなる。<br /> 「およ?キョンタンどうしたにょろ」<br /> 「昨日からこうなのよ。古泉君に呼ばれるとなるみたい。昨日はもっとすごかったけど」<br /> 「どんな風に凄かったにょろ?」<br /> ハルヒが昨日の事をすべて再現した。朝比奈さんをハルヒ役にしハルヒが俺をやった。<br /> そんなんだったのか昨日の俺は…鶴屋さん笑い過ぎです。<br />  <br /> 「いや~見たかったねそれっ、でもなんでなんだろうねぇ?」<br /> 分かりません。分かりたくもないです。なぁもう止めないか。<br /> 「だめよ。まだ一日しか経って無いじゃない。しばらくは続けるわよ」<br /> やっぱダメか…分かってはいたけど、これで不登校になったらどうする。自業自得だが…<br /> 部屋に引きこもったところでハルヒに無理矢理引きずり出されそうだが。<br /> その後はハルヒと鶴屋さんが面白がって古泉にキョンタンと呼ばせ続けた。その度に俺の体は拒絶反応を起こす。<br /> 長門が本を閉じ活動の終了を報せる。拷問の様な時間だった。<br /> 昨日と同じ様にハルヒを盾にしつつ、古泉に後ろを取られない様に帰った。<br /> 皆と分れて少しすると長門から電話が掛かってきた。<br /> 「話がある。いつもの公園に来て」<br /> 「今からか?」<br /> 「…そう」<br /> わかった。と、返事をし公園に向かう。公園に着くと長門と古泉が居た。なぜお前がいる?<br /> 「長門さんに呼ばれましてね。貴方の事だと思いますが」<br /> そうだろうな。体が勝手に動くんだ。どうにかならないか。<br /> 「その事について話す。これは、いっちゃんも関係している事」<br />  <br /> 長門よ…ハルヒがいない時くらいは普通でいいぞ。<br /> 「…そう」<br /> で、話ってのはなんだ?またハルヒの力か?<br /> 「間接的に作用している。今から話す内容でショックを受けるのは…古泉一樹、あなた」<br /> 俺じゃないのか?古泉とは以外だ。思案顔で古泉が言う。<br /> 「僕ですか?涼宮さんの力が関係しているから呼ばれたものと思ってましたが…」<br /> とりあえず話してくれないか内容が分からん事には対処出来ないだろうからな。<br /> 「古泉一樹がキョンタンと呼んであなたが拒絶反応を起こすのは異次元同位体と同期しているためだと思われる」<br /> 異次元同位体?えーと、それは別世界の俺って事か?<br /> 「そう。キョンタンと言う単語が鍵になっている」<br /> でも、古泉以外に言われた時は反応しないぞ。<br /> 「古泉一樹以外はその呼称を使用しない」<br /> 「それで、ですか。その世界の僕と彼はどんな関係なのですか?」<br /> 「…………………」<br /> 長門が言うのをためらっている様だ。どうもそれが鍵みたいだな。<br />  <br /> 沈黙する事、十分……<br /> 「………覚悟はいい?話せば二人ともそれなりのショックを受ける」<br /> 話さなきゃ進まないだろ。話してくれ。つーかどんな覚悟をすりゃいいんだ?<br />  <br /> 「では、話す。その異次元同位体の古泉一樹はガチホモ。そしてあなたの事を狙っている。何度と無く犯されている」<br /> マジですか…と言う事はその世界の俺は古泉に掘られているのか。<br /> 「僕が……ガチ…ホモ……」<br /> 古泉が崩れ落ちた。調度【orz】こんな感じになっている。そりゃショックだわな。<br /> 俺もそれなりにショックだが、古泉は立ち直れ無いんじゃないかってくらいだ。<br /> 古泉、この世界のお前はホモじゃ無いんだからそんな落ち込むな。<br /> って聞いてないな。何かブツブツ言ってるし。ところで長門、何か対処出来るのか?<br /> 「異世界とこの世界の同期を遮断するためのプロテクトを張る。その為には異次元同位体との同期が必要。わたし自身は同期を封印している為プロテクトを張る事が出来ない」<br /> じゃあどうするんだ。このままは嫌だぞ。ハルヒあだ名で呼ばせるのを止めさせるか。<br /> 「プロテクトを張るのはわたしの代りに喜緑江美里が行う」<br /> なら大丈夫だな。で、古泉はどうする。こんなんじゃ狂ってしまいそうだぞ。<br /> 「古泉一樹のことはまかせて。わたしが立ち直らせる」<br /> そう言ってくれると助かる。俺にはどうにも出来そうにないからな任せたぞ。<br />  <br /> 長門が古泉を抱き上げ公園から出て行った。古泉の事は任せよう。<br /> しかし、古泉がガチホモで俺が掘られているとは…想像もしたくない。考えちゃだめだ。現に俺は掘られて無いんだし。<br /> 後はハルヒに止めさせる様にしよう。新たなトラウマが出来てしまう前に!<br />  <br /> 次の日の朝、ハイキングコースを登りきったところで後ろから声を掛けられた。<br /> 「おはようございます」<br /> 古泉だった。いつものスマイルより三割増だ。その様子だとしっかり立ち直った様だな。<br /> 「ええ、長門さんのおかげで。詳しくはまた後で」<br /> と言って昇降口に入って行った。<br /> 教室に入るとハルヒが<br /> 「キョン…昨日はごめんね…少しやり過ぎたわ。有希にもやり過ぎって怒られたし」<br /> ああもういいさ。ふむ、長門のおかげか、後で礼を言っとかなきゃな。その後、昼休みになると鶴屋さんが飛んで来た。<br /> 「キョン君、昨日はごめんっさ!ついつい調子乗っちゃって。有希っこに怒られちゃったよ」<br /> 鶴屋さんにも言ったのか、長門は。<br /> 「にもって事はハルにゃんも怒られたのか。今度から気を付けるよっ!そいじゃねっ!」<br /> そう言うと鶴屋さんは去って行った。<br />  <br /> 今日から放課後の恐怖は無くなった訳だ。これで朝比奈さんのお茶をゆっくり堪能出来るな。<br /> こんな事を思いながら部室のドアをノックする。<br /> 「どうぞ」<br /> 中から返事が聞こえたが朝比奈さんでは無く古泉だった。エンジェルボイスが聞けると思っていた俺は一気にテンションがおちた。<br /> 中に入ると古泉と長門だけだった。他の二人はどうしたんだ。<br /> 「涼宮さんが朝比奈さんを連れて行きましたよ。何をするかは聞いてませんが」<br /> また何かやらかす気か?しばらくはおとなしくなると思っていたが…<br /> 「まぁ好都合です。昨日の事でお話がありましたから」<br /> そうか、でどうなってたんだ?<br /> 「それは、わたしから話します」<br /> 喜緑さんいつの間に…<br /> 「ええ、つい先程。プロテクトが完了したので報告に」<br /> はぁビックリした。それで原因はなんだったんですか?<br /> 「ある平行世界であなたは古泉一樹にキョンタンと呼ばれ掘られています。その平行世界のあなたが受けている肉体的、精神的苦痛が涼宮ハルヒの力を介して他の次元のあなたとリンクした訳です」<br /> 掘られているって現在進行形ですか。ハルヒの力が関わっているって事はハルヒが何かしたのですか?<br />  <br /> 「いえ、涼宮ハルヒが何かをした訳ではありません。間接的に作用しただけです。この部室自体が色々な力でせめぎあっているせいで他の平行世界と繋がりやすかった訳です」<br /> と言う事は他の世界の俺にもその事が作用したんですか?<br /> 「ええ、そうですが他の平行世界ではあなたの事をキョンタンと呼ばないので特にありませんでした。そう呼ぶ世界は幾つか在りますが、古泉一樹がガチホモの場合だけでしたから…」<br /> 古泉がガチホモだとそう呼ばれてるのか。その世界のハルヒはどんなんなんです?目の前で掘る所をみたら大変な事になりそうですが。<br /> 「特に問題はありません。涼宮ハルヒは腐女子ですから。むしろ自分の作品のインスピレーションになってた様です」<br /> 作品?何かやってるんですか?<br /> 「ええ、BL小説や同人誌を書いています」<br /> BL?<br /> 「ボーイズラブの略。言わば女性向けホモ雑誌…」<br /> 長門、もしかして読んだ事あるのか?<br /> 「ある。しかし同性の性交渉は理解不能。性交渉は異性とすべき」<br /> そうだよな。まぁそれはもういいな。あんまし聞きたくないしな。喜緑さんありがとうございます。<br /> 「どう致しまして。では、わたしはこれで」<br />  <br /> 喜緑さんが帰ったところで次の話だ。長門、どうやって古泉を立ち直らせた?どん底だったのに<br /> 「簡単なこと…ここにいる古泉一樹がガチホモでは無い事をわたしの体を使って証明させただけ」<br /> ん…?体を使って?それってつまり…<br /> 「そう。昨晩わたしと古泉一樹は性交渉を行った」<br /> な、なんだってぇー!本当か古泉?<br /> 「ええ、お陰様でこのとおり精神的にもピンピンに復活しました」<br /> 「昨日はビンビンだった」<br /> ななな、ながとぉー!そんな事言うんじゃありません。立つ、つーか勃ってんじゃねーか!<br /> 「その方が正しいですね」<br /> うるさい黙れ!こんな変態超能力者とだなんてお父さんはゆるしませんよ!<br /> 「恋人同士が性交渉を行うのは当たり前の事」<br /> コイビトドウシッテマジデスカ?<br /> 「えらくマジですよ、お義父さん」<br /> ええい!誰がお義父さんだっ!お前等何時からだ?<br /> 「二月ほど前からでしょうか。涼宮さんと貴方の事で話し合っているうちに、ねっ」<br /> 「正確には58日19時間36分12秒前に彼から」<br /> そこまで正確な数字はいらん。いつの間にそこまで…お前等が遠く感じる。もう脱力感でいっぱいだ。<br /> 「あなたには涼宮さんがいるではないですか」<br />  <br /> ハルヒとはまだ何でもない。そりゃそうなれば良いとは…<br /> と、俺が言いかけた時、ハルヒが朝比奈さんを連れて帰って来た。<br /> 「たっだいまぁ~!駅前のケーキ屋の100個限定プリン買って来たわよ!安心しなさい、あんたの分も買って来てあげたわよ」<br /> 「それじゃあお茶淹れますねぇ」<br /> 朝比奈さん、メイド服で行ったんですか…そんな事よりハルヒ、長門と古泉が…<br /> 「有希と古泉君…?ああ、付き合っているんでしょ?」<br /> そんなあっさりと<br /> 「ん~ちょっと前からそうなんじゃないかな~って思ってたのよ。ねっみくるちゃん」<br /> 「そうですねぇ~、長門さんがゲームしている古泉君を見てたり、古泉君も長門さんを見てる時がありましたから、そうなんじゃないかな~って」<br /> 二人とも気付いてたのか…俺だけか気付かなかったのは…<br /> 「鈍感すぎるのも程があるんじゃない、少しはそっちに気を回したら?」<br /> これでも少しは回しているが自分の事…ハルヒの事でいっぱいだからな。…とは言えず、頭を抱えていると、長門が<br /> 「お母さん…早くプリン」<br /> 「えっ…?有希、お母さんって何?」<br /> 「彼がお父さんだから」<br /> と俺を指差して言う。ハルヒは訳分かんないって顔をしている。<br />  <br /> 「キョンがお父さんであたしがお母さん?」<br /> 「そう、これ以上に無い適役」<br /> 「適役って…そりゃ有希は可愛いとは思うけど…」<br /> ハルヒと長門がこんな会話をしている時に古泉が顔を近付けてきた。近過ぎるぞ。息をかけるな。<br /> 「涼宮さんに告白するチャンスではないですか。今ならイケると思いますが」<br /> チャンスなのか?しかもお前等の前でやれというのか?<br /> 「イケる時にイッたほうがよろしいと思いますよ。我々の事は気にしないで下さい」<br /> 気にするなと言われても…<br /> ハルヒを見て見るとまだ何かブツブツ言っていた。もうこうなったらイッてしまえ。<br /> 「俺はハルヒが嫁だったらいいんだが」<br /> 「ふぇぇっ?」<br /> これは朝比奈さんではなくハルヒの声だ。どうやら予想外だったらしくビックリしたみたいだ。<br /> 「なな、なにいきなり、そそんな…」<br /> 「ハルヒ、俺がお前の旦那じゃダメか?」<br /> さらに言って見る。するとハルヒの顔が少しずつ赤く変わっていく。<br /> 「あんた本気で言ってるの?」<br /> ああ本気だ、だからちゃんと言ってくれないか。はぐらかすのはなしだぞ。<br />  <br /> 「わかったわよ。…あたしもあんたがいいわ。」<br /> う~ん、照れた顔して言うハルヒも悪くないな。しかしハルヒはすぐ腰に手を当て逆の手を前に出し俺に向かって指をさしたいつものポーズで、<br /> 「いいキョン!浮気したら許さないからね!死刑よりきっつい罰を与えるわよ」<br /> ハルヒが100Wの笑顔で言い放つ。その笑顔を見れれば他の事なぞ頭には入らん。<br /> 「いやいや、告白するチャンスだとは言いましたが、まさかプロポーズするとは思いませんでしたよ」<br /> …ん?プロポーズ?待て待て古泉。<br /> 「おや、違いましたか?」<br /> 「ふぇ~、キョン君凄いですぅ」<br /> 古泉はともかく朝比奈さんまで、…まぁそう取れなくもない発言だったか。<br /> 「……プリン…まだ?」<br /> 「はい、有希。ちゃんと味わって食べなさい」<br /> 長門…俺の発言よりプリンか、長門らしいって言えば長門らしいが<br /> 「もう今日はいいわ。後は自由にしてちょうだい。古泉君、戸締まりよろしくね」<br /> 「かしこまりました」<br /> なんだ、ハルヒもう帰るのか?<br /> 「あんたもよ。ほらさっさとしなさい」<br /> ハルヒが俺の襟を掴み引きずり出す。何とか鞄を取りハルヒに着いて行く。<br />  <br /> そこからハイキングコースを下るまで何も喋らなかったが下りきった所でハルヒが口を開いた。<br /> 「いきなりあんな事言うなんて反則よ。物事には順番って物があるでしょうに」<br /> ハルヒがアヒル口を作って言った。順番ってなんだ?<br /> 「あんたね~。付き合ってもいないのにいきなりプロポーズって?しかも本気で。お見合いでもないのに」<br /> 普通はしないな。あの流れだったからな。俺の頭ではなんなもんだろ。<br /> 「ばかな事いってないでちゃんとしなさいよ。」<br /> 気がつくといつもの公園に来ていた。そうだな、まずは俺の気持ちをちゃんと伝えないとな。<br /> しかし、いざとなると手の震えが止まりません。ええい、あんな事言ったんだ!このくらいどうと言うことはない。<br /> 「ハルヒ、好きだ。俺と付き合ってくれ」<br /> よし!言えた。後はハルヒの返事を待つだけだ。<br /> 「ちゃんと言えたわね。あたしもあんたが好きよ」<br /> 良かった~ここでフラれたらどうしようかと思った所だ。<br /> 「あたしにあんな事言わせといてそれはないんじゃないの」<br /> それはそうだが、そこまで回らなかったんだ。今のでイッパイイッパイだったからな。<br />  <br /> 「まぁいいわ。プロポーズするなら指輪くらい用意しなさいよ」<br /> ああ、しっかり稼げる様になったらちゃんと用意するさ。<br /> 「安物は嫌よ。そうね~給料30ヶ月分ね」<br /> ハルヒさん、それだと何時になるか分かりませんよ。普通三か月だろ。<br /> 「なによ、そのくらい。任せろくらい言いなさいよ」<br /> はいはい、せいぜい頑張りますよ。そうだハルヒ、今から買い物いかないか?まだ時間あるだろ。<br /> 「えっ?いいけど、何買うの」<br /> 指輪をな。今は安物しか買えんが。<br /> 「ふーん。あんたにしちゃ上出来ね。いいわ安物でも我慢してあげる。ただし変なのはダメよ」<br /> 善処しますよ。それじゃ行きますか。<br />  <br /> ハルヒと手を繋ぎ一緒に指輪を買いに行った。結局ハルヒが選んだのだが財政が逼迫している俺にはキツい値段だった。やれやれ、今月残りどう過ごそうか。<br /> しかし財布には大打撃だったがハルヒの嬉しそうな顔を見れたからよしとするか。<br />  <br />  <br /> これで終わる</p>

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