「Japan sinks? 5」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「Japan sinks? 5」(2007/10/29 (月) 20:30:58) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
<p>
<strong> 広島、東京と災害が相次いで発生する中、8月7日未明には北海道でも火山の大規模噴火が始まった。さらに同日の午後になって、九州阿蘇でも噴火兆候が見られ始める……。</strong></p>
<p> </p>
<p>Japan sinks? 5 -第1章 災害連鎖-</p>
<p> </p>
<p>200X.08.07 pm1:26</p>
<p> 俺達SOS団は体育館の外に出て、ハルヒ団長の新たな野望を聞くこととなった。</p>
<p>「おい、いい加減腹が減ってきたのだが」</p>
<p>「黙りなさい、今はろくに食べられず埋もれている人だっているのよ?」</p>
<p> お前もその1人だったろうが。</p>
<p>「それで新しいアイデアとはなんでしょう?」</p>
<p> 古泉が敬語で聞く。</p>
<p>
「昨日の地震に続いて、数時間前に北海道でも大噴火が起こったわ。あたしは思ったの、これ以上10数年前に起こったここでの大地震と同じ雰囲気になりたくないって」</p>
<p> 確かに、'95年の地震は悲劇だったからな。やはりハルヒも覚えていたか……。</p>
<p>「だからSOS団で『災害支援支部』を作ることにしたのよ」</p>
<p>「それで誰がその支部に派遣されるんですかぁ?」</p>
<p> 朝比奈さんが少し心配そうに言う。そりゃそうだ、「北海道に行け」なんて言われたらたまったもんじゃないだろうからな。あ、でも長門は行きそうだ。</p>
<p>
「それはこれから決めるのよ、今回の地震も利用して、あらゆる世代の人を団に入団させるのよ、それで団員を10人以上に増やして、そこから『支部』に派遣する人を決めるの」</p>
<p> こいつは地震までもを自分の事に利用するのかよ! とか思っていたとき、体育館に駆け込んでいく大人たちが見えた。えらく急いでいるようだ。</p>
<p>「どうかしたんですか?」</p>
<p>「熊本の阿蘇が噴火寸前らしいんだ!」</p>
<p> ショックを受けた。広島、北海道と来て今度は熊本か? もうやめてくれ……。SOS団は体育館に入り、即席のテレビに目を向ける。</p>
<p>
『えー、熊本県熊本市の阿蘇山上空より中継です。阿蘇山のカルデラは現在、かなりの噴気をあげており、気象台は噴火寸前として警戒を呼びかけております。市内の住民の方々はすでに避難を開始しており、その6割が終了しているとの事です。現在でも噴火兆候による弱い地震が随時発生しており……』</p>
<p>「こりゃ大変だな……」</p>
<p>「今こそSOS団再集結のときよ!」</p>
<p>「ハルヒ、少し黙っててくれ、今のお前は場の空気をよめていない」</p>
<p>「ちょ……きょ」</p>
<p>「涼宮さんには悪いのですが、今は落ち着いてください」</p>
<p> 古泉、礼を言う。ハルヒの暴走は今は止めていたほうがいいだろう……。</p>
<p> </p>
<p>
<strong> 午後1時32分……観測規模最大のカルデラ爆発を起こし、阿蘇山は本格的な噴火活動を開始した。これにより、南北での噴火が開始、日本列島はここから最悪の事態へと急速に発進していく。</strong></p>
<p> </p>
<p>『えー、中継が途切れてしまいました。繋がり次第中継につなぎたいと思います。先ほど午後1時32分ごろ、阿蘇山が本格的な噴火活動を……』</p>
<p>「はじまったな……古泉、何か原因でもあるのか? その、ハルヒがらみで」</p>
<p>
「それはありません。閉鎖空間も広島県南部地震以降では確認されていません。『機関』の上の方も涼宮さんとこの地震や噴火との関連性を調べているところですが、広島の一件はおそらく関係がないでしょう」</p>
<p>
「そうか……もしあいつが本当に願いをすぐに実現させることができるなら、この3つの災害も願ったんじゃないかってな。あいつのことだから、変わったことが起きてほしいと思っているだろうし」</p>
<p>「その考えは間違っていると思いますよ、それに侮辱ですね」</p>
<p>「俺がハルヒを侮辱していると?」</p>
<p> ハルヒ達女性陣は妹と戯れていた。</p>
<p>「確かに変わったことが起きてほしいという願望はあるでしょうし、あなたや私もそれを身を持って知っています」</p>
<p> 俺は閉鎖空間での一件を思い出した!</p>
<p>「ですが、災害が起こってほしいという願望は、人を殺しかねない願望です。涼宮さんが人を殺すようなことをすると思われますか?」</p>
<p> わからん。あいつのことをすべて知っているわけではない。だが、どんなに変な女でも殺しはやらないと俺は思ってる。</p>
<p>「そうでしょう。ですから、あなたが先ほど言ったことは侮辱と同じです」</p>
<p>「……悪かった、言わないようにする」</p>
<p> 古泉は満足したかのように、テレビに目を向けた。テレビの上のほうで字幕が流れていた。</p>
<p> </p>
<p>
<em>NHKニュースーーー午後1時38分ごろ、地震がありました。地震の震源は福岡県福岡市、地震の規模を示すマグニチュードは6.3、深さ25km、各地の震度―――</em></p>
<p> </p>
<p>
<strong> 福岡県では数年前にも大きな地震に見舞われているが、また襲われるとは思っても見なかっただろう。震度は6弱を指していた。</strong></p>
<p>
<strong> これにより政府は、日本で起こっている災害の原因を調べるべく、新たな調査プロジェクト「D計画」を発足した。またそれと同時にこれから起こる可能性のある災害も予測し、最終的には日本の大規模な変動を予測することになる―――</strong></p>
<p> </p>
<p>Japan sinks? 5 -第1章 災害連鎖-終章</p>
<p> </p>
<p>予告</p>
<p>新章、-第2章 D計画-(6~10)…福岡での地震後、本格的に活動を開始した「D計画」を追う!</p>
<p> </p>