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ハルヒはワガママを自重し」(2007/09/29 (土) 01:37:49) の最新版変更点

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<p><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">放課後のこと、俺はいつもどうり無意味に長ったらしく感じる授業を終え、何をするわけでもないのに無駄にあわただしい連中であふれかえった教室を後にしようとしていた。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「一緒に部室に行きましょう!」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face= "MS Pゴシック" color="#000000">「すまん、今日はちょっと熱っぽいんだ。団活、休ませてくれないか?」</font><span lang= "EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">ハルヒは少し驚いた顔をしたが、すぐにいつもと同じ……でもないか。その表情は、俺のことを心配してくれているよう変化した。実際ここ数日は風邪の前兆みたいなものもあったし、何も悪いことをしているわけではないのに、どこからくるのか自分でも分からない奇妙な罪悪感に襲われる。お前はいつからそんなスキルを会得したんだ?</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「キョンがいないのは寂しいけど…体が第一だもんね」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「ありがとうな、お前のそういうところ、前よりも女らしくていいと思うぞ」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">ハルヒはまるで、年下の子供からの告白を無難に断るような笑顔を俺に向けると、胸を張り、それでいて凛とした歩き方で部室へと歩いていった。これでも俺も少しは変わったつもりなんだがな。</font><span lang="EN-US"><br> <br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">キョンと別れ、一人でたどり着いた部室には読書を嗜む女子高生の姿はなく、その代わりに北高でも屈指であろう、美男子の笑顔がわたしを迎え入れてくれた。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「どうも涼宮さん、今日もあなたはお美しい!」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「あ…ありがとう、古泉君。みくるちゃんと有希はまだ来てないみたいね」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「そうみたいですね。それより昨日の……」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">古泉君はここ最近、女の子とよく話すようになった。前までのジェンダーフリーぶりも、あれはあれでどうかと思ってたけど、我慢のし過ぎでその反動がこれ…ってことなのかしら?</font><span lang="EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color="#000000">そんなことを考えていると、急に部室のドアが勢いよく開いた。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「古泉君!また涼宮さんのこと誑かそうとして!ああ~目の下にクマつくって、どうせ昨日もその机の上のゲームでキョン君に勝つ方法考えて夜更かししたんでしょう?進学クラスの一員として恥ずかしくないの!?」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color="#000000">「これはこれは朝比奈さん、今日も可愛らしいお姿で」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「ふざけてないで早くそこの椅子に座りなさい!同じ団の先輩として、今日はあたしがみっちり指導してあげます!」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color="#000000">「これは恐ろしい」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">小泉君は肩を竦める得意のポーズでわたしに助けを求めてきたが、みくるちゃんの「あなたは黙ってて!」という視線に圧倒され、おとなしくいつもの定位置であるパソコンの前に座った。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「……そんなに怒らないで…。……古泉君もあまり夜更かしはしないほうがいい……」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「長門さんには敵いませんね」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face= "MS Pゴシック" color="#000000">「はい、ちゃんと集中する!」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">有希は、部室の真ん中にある長机を挟んで議論(…というより一方的な演説ね……)を繰り広げる二人にお茶を出すとわたしが座る団長席にきた。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「……そろそろ団のサイトの扉絵を変えてもいいかもしれない…」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「…あ、ああ!そうね!」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face= "MS Pゴシック" color="#000000">「…何か手伝って欲しいことができたら言って……」</font><span lang= "EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">もしかしたら、わたしたち団員の中で一番変わったのは有希なのかもしれない。雰囲気とか、そういうのは前と同じなんだけど、なんか人と関わることを避けないようになったっていうか……。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「長門さん!本を読んでるだけならあなたも手伝ってください!」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「……私でよければ喜んで協力する…」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face= "MS Pゴシック" color="#000000">「おやおや、これはもうお手上げですね」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">古泉君が誰がどう見てもお手上げには見えない0円スマイルでわたしにリアクションを求めてくる。こんな毎日が続くのもいいのかもしれない。不思議なんてものは、自分から探しにいかなくても、放っておいたらあっちから勝手にやってくるものなんだわ、きっと。この団員たちのことだって、まだまだ分からないことだらけだしね!でも不思議だって、どうせなら待っててくれてる人のところにいきたいわよね。そのためにこの<span lang="EN-US">SOS</span>団があるわけだし……。さあ、こんなこと考える前に新しい扉絵を探さなきゃ!もっともっとたくさんの不思議を見つけるのよ!</font><span lang="EN-US"><br> <br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color="#000000">――そんな、日常……</font></p>
<p><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">放課後のこと、俺はいつもどうり無意味に長ったらしく感じる授業を終え、何をするわけでもないのに無駄にあわただしい連中であふれかえった教室を後にしようとしていた。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「一緒に部室に行きましょう!」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face= "MS Pゴシック" color="#000000">「すまん、今日はちょっと熱っぽいんだ。団活、休ませてくれないか?」</font><span lang= "EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">ハルヒは少し驚いた顔をしたが、すぐにいつもと同じ……でもないか。その表情は、俺のことを心配してくれているよう変化した。実際ここ数日は風邪の前兆みたいなものもあったし、何も悪いことをしているわけではないのに、どこからくるのか自分でも分からない奇妙な罪悪感に襲われる。お前はいつからそんなスキルを会得したんだ?</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「キョンがいないのは寂しいけど…体が第一だもんね」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「ありがとうな、お前のそういうところ、前よりも女らしくていいと思うぞ」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">ハルヒはまるで、年下の子供からの告白を無難に断るような笑顔を俺に向けると、胸を張り、それでいて凛とした歩き方で部室へと歩いていった。これでも俺も少しは変わったつもりなんだがな。</font><span lang="EN-US"><br> <br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">キョンと別れ、一人でたどり着いた部室には読書を嗜む女子高生の姿はなく、その代わりに北高でも屈指であろう、美男子の笑顔がわたしを迎え入れてくれた。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「どうも涼宮さん、今日もあなたはお美しい!」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「あ…ありがとう、古泉君。みくるちゃんと有希はまだ来てないみたいね」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「そうみたいですね。それより昨日の……」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">古泉君はここ最近、女の子とよく話すようになった。前までのジェンダーフリーぶりも、あれはあれでどうかと思ってたけど、我慢のし過ぎでその反動がこれ…ってことなのかしら?</font><span lang="EN-US"><br> </span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">そんなことを考えていると、急に部室のドアが勢いよく開いた。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「古泉君!また涼宮さんのこと誑かそうとして!ああ~目の下にクマつくって、どうせ昨日もその机の上のゲームでキョン君に勝つ方法考えて夜更かししたんでしょう?進学クラスの一員として恥ずかしくないの!?」</font><span lang="EN-US"><br> </span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「これはこれは朝比奈さん、今日も可愛らしいお姿で」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「ふざけてないで早くそこの椅子に座りなさい!同じ団の先輩として、今日はあたしがみっちり指導してあげます!」</font><span lang="EN-US"><br> </span><font face="MS Pゴシック" color="#000000">「これは恐ろしい」</font><span lang= "EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">古泉君は肩を竦める得意のポーズでわたしに助けを求めてきたが、みくるちゃんの「あなたは黙ってて!」という視線に圧倒され、おとなしくいつもの定位置であるパソコンの前に座った。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「……そんなに怒らないで…。……古泉君もあまり夜更かしはしないほうがいい……」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「長門さんには敵いませんね」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face= "MS Pゴシック" color="#000000">「はい、ちゃんと集中する!」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">有希は、部室の真ん中にある長机を挟んで議論(…というより一方的な演説ね……)を繰り広げる二人にお茶を出すとわたしが座る団長席にきた。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「……そろそろ団のサイトの扉絵を変えてもいいかもしれない…」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「…あ、ああ!そうね!」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face= "MS Pゴシック" color="#000000">「…何か手伝って欲しいことができたら言って……」</font><span lang= "EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">もしかしたら、わたしたち団員の中で一番変わったのは有希なのかもしれない。雰囲気とか、そういうのは前と同じなんだけど、なんか人と関わることを避けないようになったっていうか……。</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「長門さん!本を読んでるだけならあなたも手伝ってください!」</font><span lang= "EN-US"><br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">「……私でよければ喜んで協力する…」</font><span lang="EN-US"><br></span><font face= "MS Pゴシック" color="#000000">「おやおや、これはもうお手上げですね」</font><span lang="EN-US"><br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color= "#000000">古泉君が誰がどう見てもお手上げには見えない0円スマイルでわたしにリアクションを求めてくる。こんな毎日が続くのもいいのかもしれない。不思議なんてものは、自分から探しにいかなくても、放っておいたらあっちから勝手にやってくるものなんだわ、きっと。この団員たちのことだって、まだまだ分からないことだらけだしね!でも不思議だって、どうせなら待っててくれてる人のところにいきたいわよね。そのためにこの<span lang="EN-US">SOS</span>団があるわけだし……。さあ、こんなこと考える前に新しい扉絵を探さなきゃ!もっともっとたくさんの不思議を見つけるのよ!</font><span lang="EN-US"><br> <br> <br></span><font face="MS Pゴシック" color="#000000">――そんな、日常……</font></p>

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