「しっと団の野望 ~最後の聖戦~ 前編」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<p><br>
バレンタイン作戦をしてからもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。<br>
今は三月の上旬。私は一人、自室で呟きます。<br>
<br>
「時間がない……」<br>
<br>
そう、時間が無いのです。私は3年生。あと数日で、学校を卒業してしまいます。<br>
そうなる前にやらねばならぬこと。そう、あのバカップル×2と、決着をつけること!<br>
え?もうとっくに決着ついてる?負けまくってる?ぶち殺しますよ(´・ω・`)<br>
私の中ではまだ負けてません!戦いは続いているんです!<br>
しかしもうチャンスもわずか。だとしたら、やることは1つしかありません。<br>
<br>
「最終決戦です……ふふふのふ……」<br>
<br>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~<br>
<br>
さて、今日もいつも通りの部室だ。<br>
ハルヒはパソコンに向かい、長門は読書をして、古泉は俺とオセロをしている。<br>
そして朝比奈さんは……ってあれ?朝比奈さんがいないな。<br>
<br>
「なあハルヒ、朝比奈さんは来てないのか?」<br>
「そう言えばいないわね。どうしたのかしら。まあ、きっと掃除当番か何かよ。」<br>
<br>
ハルヒは特に気にしていないようだった。<br>
だが俺は、何か嫌な予感がしていた。また変な出来事に巻きこまれるような……<br>
そして自慢じゃないが、俺の『嫌な予感的中率』の高さは並みじゃないわけで……<br>
<br>
ガチャ<br>
<br>
ドアが開いて入って来たヤツらを見た瞬間、俺は嫌な予感がまた的中したことを悟った。<br>
朝比奈さんを先頭に、朝倉、谷口、新川さんと続く。<br>
これはえっと………なんだっけ。叱咤団?<br>
<br>
「しっと団、です!」<br>
<br>
ああ、そうでしたか。<br>
クリスマス、俺達SOS団と死闘?を繰り広げた集団である。まだ続いてたのか……<br>
<br>
「涼宮さん!」<br>
「な、なによ。」<br>
<br>
朝比奈さんがハルヒの名前を呼ぶ。その剣幕に、思わずハルヒもどもってしまった。<br>
そして朝比奈さんは、団長机にバシン!と何かを叩きつける。これは……手紙か?<br>
<br>
「果たし状です。」<br>
「ええ?」<br>
<br>
確かに手紙には、果たし状、と書いてある。丸っこい可愛らしい文字だが。<br>
<br>
「我々しっと団は、貴方達に決闘を申し込みます!」<br>
「決闘!?」<br>
「新川さん、これはどういうことでしょうか。」<br>
「私は『スネーク』ですが。」<br>
<br>
古泉の質問に見当違いなツッコミを入れる新川さん。<br>
古泉は呆れ気味に、質問を繰り返す。<br>
<br>
「………『スネーク』さん、これはどういうことでしょうか。<br>
「名前の通りです。我々は最後の戦いを申しこんでいるのです。」<br>
「……最後、とは?」<br>
<br>
長門が始めて口を開いた。この事態に多少の興味はひかれるのか。<br>
<br>
「『トゥモロー』はもうすぐ卒業だからね、今やるしかないってわけ。」<br>
「そういうことです。日時と場所はその手紙に記しておきました。<br>
逃げないでくださいね?」<br>
<br>
なんと!朝比奈さんがハルヒを挑発している!<br>
最初は突然の事態にポカーンとしていたハルヒだが、元々こいつの性格から考えると……<br>
<br>
「当然よ!あんた達なんかに負けないんだからね!!」<br>
<br>
ほらな。ノリノリになっちまった。おーおー楽しそうな顔しちまって。<br>
かくして俺達は、しっと団と決闘をするハメになっちまった。<br>
ハルヒがいる手前長門と朝倉が超人的バトルをするとかは無いだろうが、どうなるのかねえ……<br>
<br>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~<br>
<br>
指定された土曜日、俺達は決闘場所にやってきた。<br>
ここは……でっかい競技場だ。こんなとこ使えるのか?<br>
<br>
「大きな声では言えませんが、ここは機関が関与している場所です。<br>
恐らく新川さんが手配したのでしょう。」<br>
<br>
だから顔を近づけるのはやめろ!……にしても、とんでもない『機関』の無駄遣いだな。<br>
<br>
「そうでもありませんよ。見てください、涼宮さんの顔を。<br>
これからのイベントにワクワクが止まらないといった感じでしょうか。<br>
これならば、機関も快くこの場所を提供するでしょう。」<br>
<br>
そうかい。でも動機は「しっと」なんだよな……なんだかねえ。<br>
<br>
「ルールを説明します!」<br>
<br>
何時の間にか朝比奈さんがスピーカーを手にとっている。<br>
なんか運動会を思い出すな。<br>
<br>
「今から我々しっと団とあなた達で決闘をします!<br>
と言っても戦闘をするとシャレにならなくなるのが約2名いるので……」<br>
<br>
新川さんと朝倉だな、と俺は瞬時に理解した。<br>
<br>
「競技内容はくじ引きで決定します!そして全て一対一の勝負!<br>
よって4人で順番を決めてください!3分間待ってやる!」<br>
<br>
どこかの大佐の声が聞こえた気がするが気のせいだろう!<br>
順番か……<br>
<br>
「あたしは最後よ!団長は大将なの!」<br>
<br>
まあそうなるわな。とすると……<br>
<br>
「では副団長の僕は、副将でよろしいでしょうか。」<br>
「いいわ!で、1番手だけど……キョン!」<br>
「俺かい!」<br>
<br>
まあ、ぶっちゃけ何番でやろうと変わらない気もするからいいか……<br>
さっさと終わらせよう。<br>
<br>
「で、有希は2番手でいい?」<br>
「いい。」<br>
「じゃあこれで決まりね。……決まったわ!」<br>
<br>
お互いのオーダーを見せ合った結果。<br>
<br>
先鋒 俺 - 谷口<br>
次鋒 長門 - 朝倉<br>
副将 古泉 - 新川さん<br>
大将 ハルヒ - 朝比奈さん<br>
<br>
うむ、至極妥当なオーダーだ。ていうか谷口で良かった。<br>
もし朝倉や新川さんだったら相手にならないだろうし、朝比奈さんと戦うなんてことは出来ない。<br>
他も上手い具合に宇宙人対決や機関対決になっているしな。<br>
<br>
ハルヒは俺達を1箇所に集めた。<br>
<br>
「いい!?SOS団に敗北は許されないのよ!」<br>
「もちろんです。負けるつもりはありませんよ。」<br>
「……私も。」<br>
「まあ、負けたくはないな。」<br>
<br>
ハルヒが右手を出した。……おいおい、そんなベタな……<br>
って長門と古泉も手を重ねてるし!……分かったよ。やりゃいいんだろやりゃ。<br>
<br>
俺の手が加わり、4人の手が1つとなった。<br>
そしてハルヒが高らかに叫ぶ<br>
<br>
「ファイトォ~!!」<br>
<br>
こうして、「しっと団」と俺達の最後の戦いの火蓋が切って落とされた!!!<br>
……やっぱり、カッコつかないよな。やれやれ……<br>
<br>
後編へ続く</p>
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バレンタイン作戦をしてからもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。<br />
今は三月の上旬。私は一人、自室で呟きます。<br />
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「時間がない……」<br />
<br />
そう、時間が無いのです。私は3年生。あと数日で、学校を卒業してしまいます。<br />
そうなる前にやらねばならぬこと。そう、あのバカップル×2と、決着をつけること!<br />
え?もうとっくに決着ついてる?負けまくってる?ぶち殺しますよ(´・ω・`)<br />
私の中ではまだ負けてません!戦いは続いているんです!<br />
しかしもうチャンスもわずか。だとしたら、やることは1つしかありません。<br />
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「最終決戦です……ふふふのふ……」<br />
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~<br />
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さて、今日もいつも通りの部室だ。<br />
ハルヒはパソコンに向かい、長門は読書をして、古泉は俺とオセロをしている。<br />
そして朝比奈さんは……ってあれ?朝比奈さんがいないな。<br />
<br />
「なあハルヒ、朝比奈さんは来てないのか?」<br />
「そう言えばいないわね。どうしたのかしら。まあ、きっと掃除当番か何かよ。」<br />
<br />
ハルヒは特に気にしていないようだった。<br />
だが俺は、何か嫌な予感がしていた。また変な出来事に巻きこまれるような……<br />
そして自慢じゃないが、俺の『嫌な予感的中率』の高さは並みじゃないわけで……<br />
<br />
ガチャ<br />
<br />
ドアが開いて入って来たヤツらを見た瞬間、俺は嫌な予感がまた的中したことを悟った。<br />
朝比奈さんを先頭に、朝倉、谷口、新川さんと続く。<br />
これはえっと………なんだっけ。叱咤団?<br />
<br />
「しっと団、です!」<br />
<br />
ああ、そうでしたか。<br />
クリスマス、俺達SOS団と死闘?を繰り広げた集団である。まだ続いてたのか……<br />
<br />
「涼宮さん!」<br />
「な、なによ。」<br />
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朝比奈さんがハルヒの名前を呼ぶ。その剣幕に、思わずハルヒもどもってしまった。<br />
そして朝比奈さんは、団長机にバシン!と何かを叩きつける。これは……手紙か?<br />
<br />
「果たし状です。」<br />
「ええ?」<br />
<br />
確かに手紙には、果たし状、と書いてある。丸っこい可愛らしい文字だが。<br />
<br />
「我々しっと団は、貴方達に決闘を申し込みます!」<br />
「決闘!?」<br />
「新川さん、これはどういうことでしょうか。」<br />
「私は『スネーク』ですが。」<br />
<br />
古泉の質問に見当違いなツッコミを入れる新川さん。<br />
古泉は呆れ気味に、質問を繰り返す。<br />
<br />
「………『スネーク』さん、これはどういうことでしょうか。<br />
「名前の通りです。我々は最後の戦いを申しこんでいるのです。」<br />
「……最後、とは?」<br />
<br />
長門が始めて口を開いた。この事態に多少の興味はひかれるのか。<br />
<br />
「『トゥモロー』はもうすぐ卒業だからね、今やるしかないってわけ。」<br />
「そういうことです。日時と場所はその手紙に記しておきました。<br />
逃げないでくださいね?」<br />
<br />
なんと!朝比奈さんがハルヒを挑発している!<br />
最初は突然の事態にポカーンとしていたハルヒだが、元々こいつの性格から考えると……<br />
<br />
「当然よ!あんた達なんかに負けないんだからね!!」<br />
<br />
ほらな。ノリノリになっちまった。おーおー楽しそうな顔しちまって。<br />
かくして俺達は、しっと団と決闘をするハメになっちまった。<br />
ハルヒがいる手前長門と朝倉が超人的バトルをするとかは無いだろうが、どうなるのかねえ……<br />
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~<br />
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指定された土曜日、俺達は決闘場所にやってきた。<br />
ここは……でっかい競技場だ。こんなとこ使えるのか?<br />
<br />
「大きな声では言えませんが、ここは機関が関与している場所です。<br />
恐らく新川さんが手配したのでしょう。」<br />
<br />
だから顔を近づけるのはやめろ!……にしても、とんでもない『機関』の無駄遣いだな。<br />
<br />
「そうでもありませんよ。見てください、涼宮さんの顔を。<br />
これからのイベントにワクワクが止まらないといった感じでしょうか。<br />
これならば、機関も快くこの場所を提供するでしょう。」<br />
<br />
そうかい。でも動機は「しっと」なんだよな……なんだかねえ。<br />
<br />
「ルールを説明します!」<br />
<br />
何時の間にか朝比奈さんがスピーカーを手にとっている。<br />
なんか運動会を思い出すな。<br />
<br />
「今から我々しっと団とあなた達で決闘をします!<br />
と言っても戦闘をするとシャレにならなくなるのが約2名いるので……」<br />
<br />
新川さんと朝倉だな、と俺は瞬時に理解した。<br />
<br />
「競技内容はくじ引きで決定します!そして全て一対一の勝負!<br />
よって4人で順番を決めてください!3分間待ってやる!」<br />
<br />
どこかの大佐の声が聞こえた気がするが気のせいだろう!<br />
順番か……<br />
<br />
「あたしは最後よ!団長は大将なの!」<br />
<br />
まあそうなるわな。とすると……<br />
<br />
「では副団長の僕は、副将でよろしいでしょうか。」<br />
「いいわ!で、1番手だけど……キョン!」<br />
「俺かい!」<br />
<br />
まあ、ぶっちゃけ何番でやろうと変わらない気もするからいいか……<br />
さっさと終わらせよう。<br />
<br />
「で、有希は2番手でいい?」<br />
「いい。」<br />
「じゃあこれで決まりね。……決まったわ!」<br />
<br />
お互いのオーダーを見せ合った結果。<br />
<br />
先鋒 俺 - 谷口<br />
次鋒 長門 - 朝倉<br />
副将 古泉 - 新川さん<br />
大将 ハルヒ - 朝比奈さん<br />
<br />
うむ、至極妥当なオーダーだ。ていうか谷口で良かった。<br />
もし朝倉や新川さんだったら相手にならないだろうし、朝比奈さんと戦うなんてことは出来ない。<br />
他も上手い具合に宇宙人対決や機関対決になっているしな。<br />
<br />
ハルヒは俺達を1箇所に集めた。<br />
<br />
「いい!?SOS団に敗北は許されないのよ!」<br />
「もちろんです。負けるつもりはありませんよ。」<br />
「……私も。」<br />
「まあ、負けたくはないな。」<br />
<br />
ハルヒが右手を出した。……おいおい、そんなベタな……<br />
って長門と古泉も手を重ねてるし!……分かったよ。やりゃいいんだろやりゃ。<br />
<br />
俺の手が加わり、4人の手が1つとなった。<br />
そしてハルヒが高らかに叫ぶ<br />
<br />
「ファイトォ~!!」<br />
<br />
こうして、「しっと団」と俺達の最後の戦いの火蓋が切って落とされた!!!<br />
……やっぱり、カッコつかないよな。やれやれ……<br />
<br />
後編へ続く</p>