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「北高附属大学入試問題 第ニ問」(2021/07/27 (火) 22:58:10) の最新版変更点
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<p>「まあいいわ、次の問題に移りましょう。次の問題は?」<br>
ハルヒがそう言ってその場を仕切りなおし、部屋に居るみんなが次の問題文に目を落とす。<br>
しばらく沈黙が流れた後、SOS団の女性陣と佐々木が、ほぼ同時に、自らの選んだ選択肢を宣言した。<br>
「これは簡単ね、4で間違いないわ」<br>
「さ、3だと思います」<br>
「2」<br>
「おそらく1だろうね、間違いないよ」<br>
各々の選択した答えが違っていたため、彼女達は相手の選んだ選択肢の誤りを指摘し始めた。<br>
「ちょ、みくるちゃん、3なんてありえないでしょ! ”も”ってどういう意味よ。普通”だけ”でしょ」<br>
「いや、確かに涼宮さんの言ってることは正しいが、”だけ”というのは常識的な事だから、敢えて問題文にあるのはおかしい。だから3や4はない」<br>
「そう、さらに付け加えるなら、”が”ではなく”は”が文法上正しい。よって正答は2になる」<br>
「で、でも待ってください。1や2は姓がそのままです。文法的に正しくても、現実的に違うのではないですか」<br>
彼女達が喧喧諤諤の論争をしているのを横目に、俺は他のメンバーに問い掛ける。<br>
「は、興味ないな」<br>
「って言うか、問題の意味がよくわからないよ」<br>
「5ではないかと思います」<br>
「全くちんぷんかんぷんだ。問題文の意味すらよくわからん」<br>
「おそらく1ではないかと思うのです」<br>
各々が各々の感想を述べた。<br>
ふと、論争していた女性陣の方に視線を向けると、彼女達が無言でうつむき、何かを考えている様子が覗えた。<br>
その様子を見ていると、まるで彼女達の心の声が聞こえてくるようだった。<br>
「(5は論外、1、2はありえないとして、3の可能性は否定できないわね。その場合みくるちゃんがあたしのライバルということになる。<br>
確かに胸の大きさでは負けてるかもしれないけど……大丈夫、信じてるからね、キョン)」<br>
「(3、4はおそらくないだろう。あまりにもベタ過ぎる。ただ、2は可能性としては存在しうるのではないか。とすれば僕の最大のライバルは長門さんということになる。<br>
長門さんか……手ごわい相手だが、きっとキョンは僕を選んでくれるはずだ。信じてるよ、キョン)」<br>
「(わたしの見る限りでは、2や4はおそらくないわ。だから正答は1か3になるけど……キョンくんが彼女と中学時代どこまでの関係だったかが気になるわ。<br>
でも、わたしは負けない、きっとキョンくんを誘惑してみせる)」<br>
「(1、3の可能性は低い。5は考慮するに値しない。よって選択肢の可能性は2、4に絞られる。やはり物語のヒロインである涼宮ハルヒは強敵。<br>
だが、この物語の真のヒロインはわたし。きっと彼の心を射止めてみせる)」<br>
「キョン! 答えは?」<br>
意を決したように、ハルヒが顔をあげて俺に回答を問い掛けた。<br>
「えーと、答えは……」<br>
俺は解答を見た瞬間、自分の意思にかかわりなく、無意識に解答の書かれた紙を左右に引っ張って破ると、そのまま小さな紙片になるまで引きちぎり、近くにあったシュレッダーに押し込んだ。<br>
俺の行動が異様に映ったらしく、みんな一言も発することなく、俺の行動を、唖然とした表情で、無言のまま見守っていた。<br>
シュレッダーの投入口をじっと見ていた俺に、ハルヒが恐る恐る心配そうに声をかけてくる。<br>
「キョン、ど、どうしたの? ぐ、具合でも悪いの?」<br>
ハルヒの声を聞いて我に帰り、周囲を見回すと、みんなが心配そうに俺を見ていた。ただ一人を除いて。<br>
窓際の席で足を組んでいるニヤケ面だけが、優美な微笑を俺に向けて、思い出したくもない解答を尋ねてきた。<br>
「それで、正答は何番だったのですか?」<br>
ちなみに問題と選択肢は以下のとおりだ。正答番号は忘却の彼方に消え去ったと付記しておこう。<br>
<br>
<br>
ライトノベル作家、谷川流の作品「涼宮ハルヒの憂鬱」とその続編の内容として、正しいものを次の選択肢より選びなさい。<br>
<br>
<br>
1.佐々木がキョンの嫁<br>
2.長門はキョンの嫁<br>
3.みくるもキョンの嫁<br>
4.ハルヒだけがキョンの嫁<br>
5.キョンは古泉一樹の嫁<br>
</p>
<p>「まあいいわ、次の問題に移りましょう。次の問題は?」<br />
ハルヒがそう言ってその場を仕切りなおし、部屋に居るみんなが次の問題文に目を落とす。<br />
しばらく沈黙が流れた後、SOS団の女性陣と佐々木が、ほぼ同時に、自らの選んだ選択肢を宣言した。<br />
「これは簡単ね、4で間違いないわ」<br />
「さ、3だと思います」<br />
「2」<br />
「おそらく1だろうね、間違いないよ」<br />
各々の選択した答えが違っていたため、彼女達は相手の選んだ選択肢の誤りを指摘し始めた。<br />
「ちょ、みくるちゃん、3なんてありえないでしょ! ”も”ってどういう意味よ。普通”だけ”でしょ」<br />
「いや、確かに涼宮さんの言ってることは正しいが、”だけ”というのは常識的な事だから、敢えて問題文にあるのはおかしい。だから3や4はない」<br />
「そう、さらに付け加えるなら、”が”ではなく”は”が文法上正しい。よって正答は2になる」<br />
「で、でも待ってください。1や2は姓がそのままです。文法的に正しくても、現実的に違うのではないですか」<br />
彼女達が喧喧諤諤の論争をしているのを横目に、俺は他のメンバーに問い掛ける。<br />
「は、興味ないな」<br />
「って言うか、問題の意味がよくわからないよ」<br />
「5ではないかと思います」<br />
「全くちんぷんかんぷんだ。問題文の意味すらよくわからん」<br />
「おそらく1ではないかと思うのです」<br />
各々が各々の感想を述べた。<br />
ふと、論争していた女性陣の方に視線を向けると、彼女達が無言でうつむき、何かを考えている様子が覗えた。<br />
その様子を見ていると、まるで彼女達の心の声が聞こえてくるようだった。<br />
「(5は論外、1、2はありえないとして、3の可能性は否定できないわね。その場合みくるちゃんがあたしのライバルということになる。<br />
確かに胸の大きさでは負けてるかもしれないけど……大丈夫、信じてるからね、キョン)」<br />
「(3、4はおそらくないだろう。あまりにもベタ過ぎる。ただ、2は可能性としては存在しうるのではないか。とすれば僕の最大のライバルは長門さんということになる。<br />
長門さんか……手ごわい相手だが、きっとキョンは僕を選んでくれるはずだ。信じてるよ、キョン)」<br />
「(わたしの見る限りでは、2や4はおそらくないわ。だから正答は1か3になるけど……キョンくんが彼女と中学時代どこまでの関係だったかが気になるわ。<br />
でも、わたしは負けない、きっとキョンくんを誘惑してみせる)」<br />
「(1、3の可能性は低い。5は考慮するに値しない。よって選択肢の可能性は2、4に絞られる。やはり物語のヒロインである涼宮ハルヒは強敵。<br />
だが、この物語の真のヒロインはわたし。きっと彼の心を射止めてみせる)」<br />
「キョン! 答えは?」<br />
意を決したように、ハルヒが顔をあげて俺に回答を問い掛けた。<br />
「えーと、答えは……」<br />
俺は解答を見た瞬間、自分の意思にかかわりなく、無意識に解答の書かれた紙を左右に引っ張って破ると、そのまま小さな紙片になるまで引きちぎり、近くにあったシュレッダーに押し込んだ。<br />
俺の行動が異様に映ったらしく、みんな一言も発することなく、俺の行動を、唖然とした表情で、無言のまま見守っていた。<br />
シュレッダーの投入口をじっと見ていた俺に、ハルヒが恐る恐る心配そうに声をかけてくる。<br />
「キョン、ど、どうしたの? ぐ、具合でも悪いの?」<br />
ハルヒの声を聞いて我に帰り、周囲を見回すと、みんなが心配そうに俺を見ていた。ただ一人を除いて。<br />
窓際の席で足を組んでいるニヤケ面だけが、優美な微笑を俺に向けて、思い出したくもない解答を尋ねてきた。<br />
「それで、正答は何番だったのですか?」<br />
ちなみに問題と選択肢は以下のとおりだ。正答番号は忘却の彼方に消え去ったと付記しておこう。<br />
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ライトノベル作家、谷川流の作品「涼宮ハルヒの憂鬱」とその続編の内容として、正しいものを次の選択肢より選びなさい。<br />
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1.佐々木がキョンの嫁<br />
2.長門はキョンの嫁<br />
3.みくるもキョンの嫁<br />
4.ハルヒだけがキョンの嫁<br />
5.キョンは古泉一樹の嫁<br />
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