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恋愛相談 中編」(2020/03/11 (水) 20:53:48) の最新版変更点

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<p><br /> 彼女のエラー解消のために僕と長門さんが交際をスタートさせた翌日のことです。<br /> いつものように部室に集まり、皆がそれぞれの活動をしていました。<br /> 涼宮さんはPCに向かい、朝比奈さんはお茶をくみ、長門さんは読書。<br /> そして僕は彼とボードゲームをしていました。もちろん、僕が劣勢です。<br /> いたって平凡な風景。しかし突然、長門さんが口を開いたのです。<br />  <br /> 「私と古泉一樹は交際することになった。」<br />  <br /> それを聞いた直後の彼らの反応は凄かったですね。<br /> 涼宮さんは丁度飲んでいたお茶をパソコンのディスプレイに噴きかけ、<br /> 朝比奈さんは持っていたお盆を盛大に床に落とし、<br /> 彼はイスごとひっくり返って頭を打ってしまいました。<br /> ……長門さん、いくらなんでも唐突すぎますよ……<br />  <br /> 「そ、それは本当なの!?!古泉くん!!」<br />  <br /> 涼宮さんが身を乗り出して聞いてきました。<br />  <br /> 「ええ、昨日からお付合いをさせて頂いています。」<br /> 「それで、どっちが告白したの!?」<br /> 「告白ですか?えーっと……」<br />  <br /> この場合どちらになるんでしょうかね。<br /> そもそも付き合ったきっかけというのが通常とは異なるわけで、そうすると……<br />  <br /> 「私が彼に交際したいという意思を伝えた。」<br />  <br /> 僕が答えあぐねんでいたら、彼女が答えてくれました。<br />  <br /> 「そ、そうか。しかし長門が古泉のこと好きだったとはな。意外だったぜ。」<br />  <br /> ようやく落ち付きを取り戻した彼がそう言いました。<br /> ……違いますよ。彼女が本当に好きだったのは、あなたなんです。<br /> 長門さんも彼の言葉に対しては言葉を返さず、ただ悲しげな視線を向けるだけでした。<br /> 朝比奈さんは、先程から部室の隅に座りこんで何かをつぶやいています。<br /> どうかしたのでしょうか。そっと耳を傾けることにします。<br />  <br /> 「一人身……わたしだけ……一人身……」<br />  <br /> ……聞かなかったことにしましょう。ともあれ、これで僕らの関係はSOS団公認となったワケです。<br />  <br />  <br /> それからの3日間、僕らは一般的に恋人がするであろうことをなぞっていきました。<br /> 朝学校へ行く為に家を出たら、長門さんが待ち構えていたり。<br />  <br /> 「恋愛関係にある男女は学校へ一緒に行くのが一般的。」<br />  <br /> 歩いている途中で、長門さんが僕の手を握ってきたり。<br />  <br /> 「恋愛関係にある男女は、並んで歩く時手をつなぐのが一般的。」<br />  <br /> 昼休み、食堂へ行こうとしたら長門さんが二つのお弁当を持って教室へやって来たり。<br />  <br /> 「恋愛関係にある男女は、一緒に手作り弁当を食べるのが一般的。」<br />  <br /> ここにまで来たのには正直驚きましたね。<br /> しかし、お弁当を作ってきてくれたとは嬉しいサプライズです。<br /> 長門さんがどのような弁当を作るのかにも興味があります。さて、どうでしょうか……<br />  <br /> パカ<br />  <br /> ……長門さん、弁当箱の中にカレーを入れるのはいささか一般的ではないかと……<br />  <br /> 「どう?」<br />  <br /> 彼女が聞いてきました。その瞳は、期待に満ちているように思えます。<br />  <br /> 「ありがとうございます。とてもおいしそうですね。」<br />  <br /> 実際、このカレーはおいしかったです。流石カレーにこだわっているだけはありますね。<br /> しかしその後3日間も全てカレーだったのには少々参りましたが……<br />  <br />  <br /> 恋人関係となって3日目、SOS団の活動が終了した後、僕は長門さんを呼びとめました。<br /> 明日は不思議探索はお休みです。涼宮さんがそう宣言しましたからね。<br /> きっと明日は彼との初デートを楽しむつもりなのでしょう。<br /> でしたら僕としても、それに便乗したいと思うわけでして。<br />  <br /> 「長門さん、明日は予定はありませんか?」<br /> 「特にない。」<br /> 「でしたら、明日一緒に出かけませんか?このようなものを用意しました。」<br />  <br /> 僕が取り出したのは2枚のチケット。少し離れた場所にある、遊園地のものです。<br /> 機関からのツテで手に入れました。涼宮さん達に提供するという名目で、ですが……<br /> たまにはこれぐらいのことしてもバチは当たりませんよね。<br />  <br /> 「どうですか?ご一緒に。」<br /> 「構わない。」<br /> 「それはよかった。では、明日9時にいつもの公園で待ち合わせしましょう。ではまた……」<br /> 「待って。」<br />  <br /> 帰ろうとする僕を長門さんは呼びとめました。なんでしょうか?<br />  <br /> 「忘れていたことがある。一般的な恋愛関係にある男女がすべきこと………」<br /> 「すべきこと、ですか?」<br /> 「そう。唇と唇を接触させる、所謂キスと呼ばれる行為。」<br /> 「キ、キスですか!?」<br /> 「そう。」<br /> 「よ、よろしいのですか?」<br /> 「早くして。」<br />  <br /> 急かされてしまいました。<br /> 恋愛ごとに関してはヘタレな僕ですが、ここまで言われたからにはやらねばなりません、男として!<br /> 僕は長門さんを抱きしめ、彼女の唇に口付けをしました。<br />  <br /> 「んっ……」<br />  <br /> 10秒ぐらいそのままだったでしょうか、僕は彼女から唇を離しました。<br /> ……顔が熱い。周りから見たらきっと、僕の顔は真っ赤になっているでしょう。<br /> 涼宮さんや彼がいる場では、こんな表情は見せられませんね。<br />  <br /> 「じゃあ……また明日。」<br />  <br /> 彼女はそう言って去っていきました。<br /> 僕はかなり浮かれていました。本当に好きな人とのキスを果たし、明日には初デートが控えている。<br /> スキップでもして帰りたい気分でしたよ。……だからこそ、気付かなかったんでしょうね。<br />  <br /> キスをした後一瞬見せた、彼女の悲しそうな表情に。<br />  <br />  <br /> 翌日、僕は高ぶる心を抑えながら待ち合わせ場所に向かいました。<br /> ……まだ8時にもなっていません。早く来過ぎたようです。<br /> 長門さんはそれから約30分後、8時半ごろになってやってきました。<br /> 9時待ち合わせですから、それでも充分早いですね。普段の不思議探索で鍛えられてしまったのでしょう。<br />  <br /> 「待った?」<br />  <br /> そう言う彼女の服装は珍しく私服。<br /> 白いワンピースを着ていて、彼女にしては珍しくおしゃれをしている雰囲気を受けます。<br />  <br /> 「いえ、僕も今来たところですよ。その服、お似合いですね。<br /> 「そう、良かった。あ……」<br />  <br /> 彼女が表情が僅かながらに曇りました。視線は何故か、僕よりも後方の何かに向けられています。<br /> 僕が彼女の視線の先を追うとそこには……手を繋ぎながら信号待ちをしている涼宮さんと彼の姿が。<br /> 再び彼女に視線を戻します。やはり彼女は、悲しげな表情を浮かべていました。<br />  <br /> 分かってはいましたよ。彼女が好きなのは僕では無く、彼だということは。<br /> それでも最近の彼女の言動で、少しは期待をしてしまいました。<br /> ですが……結局は何も変わっていません。浮かれていた僕が、バカみたいですね。<br />  <br /> 「長門さん……」<br /> 「なに?」<br /> 「もう、終わりにしましょう。」<br />  <br /> 僕は彼女にそう告げました。彼女はいくぶんか驚いた顔でこちらを見つめます。<br />  <br /> 「やめませんか、偽りの恋愛は。僕はあなたのことを本気で好きだと思っています。<br />  ですが、あなたはそうでは無い。あなたにとって僕は、彼を忘れるための手段でしかない。<br />  ……僕には、それが耐えられないのです。」<br />  <br /> 僕は胸ポケットからチケットを出しました。今日行くはずだったテーマパークのチケット。<br />  <br /> 「こんなものも、もう………必要ありません。」<br />  <br /> 僕はそのチケットを、ビリビリとちぎって地面に落としました。<br />  <br /> 「あ……」<br /> 「申し訳ありません。僕は、彼の代わりをするのは荷が重過ぎました。<br />  また月曜日、部室でお会いしましょう。……では。」<br />  <br /> 僕は踵を返し、長門さんの前から立ち去りました。<br />  <br /> 「待って……」<br />  <br /> 彼女の静止の声が聞こえましたが、僕はそのまま歩みを止めません。<br /> ……止める勇気が無かったのです。今は彼女の顔を見れそうには無い。<br />  <br /> 長門さんを責めるつもりはありません。元はと言えば「新しい恋をすべき」と言った僕のせい。<br /> 彼女はそれを忠実に実行しただけ。<br /> むしろ感謝しています。たった数日でも、僕に夢を見させてくださいました。<br /> 本当に好きな人と恋人生活が出来た数日間、本当に楽しかったですよ。<br /> だからこそ……もうこれ以上、続けることは出来ないんです。<br /> こんな偽りの関係を続けるわけにはいかないし、何より、僕自身が耐えられない。<br />  <br /> ごめんなさい、長門さん。……さようなら。<br />  <br /> 続く</p>
<p><br /> 彼女のエラー解消のために僕と長門さんが交際をスタートさせた翌日のことです。<br /> いつものように部室に集まり、皆がそれぞれの活動をしていました。<br /> 涼宮さんはPCに向かい、朝比奈さんはお茶をくみ、長門さんは読書。<br /> そして僕は彼とボードゲームをしていました。もちろん、僕が劣勢です。<br /> いたって平凡な風景。しかし突然、長門さんが口を開いたのです。<br />  <br /> 「私と古泉一樹は交際することになった。」<br />  <br /> それを聞いた直後の彼らの反応は凄かったですね。<br /> 涼宮さんは丁度飲んでいたお茶をパソコンのディスプレイに噴きかけ、<br /> 朝比奈さんは持っていたお盆を盛大に床に落とし、<br /> 彼はイスごとひっくり返って頭を打ってしまいました。<br /> ……長門さん、いくらなんでも唐突すぎますよ……<br />  <br /> 「そ、それは本当なの!?!古泉くん!!」<br />  <br /> 涼宮さんが身を乗り出して聞いてきました。<br />  <br /> 「ええ、昨日からお付合いをさせて頂いています。」<br /> 「それで、どっちが告白したの!?」<br /> 「告白ですか?えーっと……」<br />  <br /> この場合どちらになるんでしょうかね。<br /> そもそも付き合ったきっかけというのが通常とは異なるわけで、そうすると……<br />  <br /> 「私が彼に交際したいという意思を伝えた。」<br />  <br /> 僕が答えあぐねんでいたら、彼女が答えてくれました。<br />  <br /> 「そ、そうか。しかし長門が古泉のこと好きだったとはな。意外だったぜ。」<br />  <br /> ようやく落ち付きを取り戻した彼がそう言いました。<br /> ……違いますよ。彼女が本当に好きだったのは、あなたなんです。<br /> 長門さんも彼の言葉に対しては言葉を返さず、ただ悲しげな視線を向けるだけでした。<br /> 朝比奈さんは、先程から部室の隅に座りこんで何かをつぶやいています。<br /> どうかしたのでしょうか。そっと耳を傾けることにします。<br />  <br /> 「一人身……わたしだけ……一人身……」<br />  <br /> ……聞かなかったことにしましょう。ともあれ、これで僕らの関係はSOS団公認となったワケです。<br />  <br />  <br /> それからの3日間、僕らは一般的に恋人がするであろうことをなぞっていきました。<br /> 朝学校へ行く為に家を出たら、長門さんが待ち構えていたり。<br />  <br /> 「恋愛関係にある男女は学校へ一緒に行くのが一般的。」<br />  <br /> 歩いている途中で、長門さんが僕の手を握ってきたり。<br />  <br /> 「恋愛関係にある男女は、並んで歩く時手をつなぐのが一般的。」<br />  <br /> 昼休み、食堂へ行こうとしたら長門さんが二つのお弁当を持って教室へやって来たり。<br />  <br /> 「恋愛関係にある男女は、一緒に手作り弁当を食べるのが一般的。」<br />  <br /> ここにまで来たのには正直驚きましたね。<br /> しかし、お弁当を作ってきてくれたとは嬉しいサプライズです。<br /> 長門さんがどのような弁当を作るのかにも興味があります。さて、どうでしょうか……<br />  <br /> パカ<br />  <br /> ……長門さん、弁当箱の中にカレーを入れるのはいささか一般的ではないかと……<br />  <br /> 「どう?」<br />  <br /> 彼女が聞いてきました。その瞳は、期待に満ちているように思えます。<br />  <br /> 「ありがとうございます。とてもおいしそうですね。」<br />  <br /> 実際、このカレーはおいしかったです。流石カレーにこだわっているだけはありますね。<br /> しかしその後3日間も全てカレーだったのには少々参りましたが……<br />  <br />  <br /> 恋人関係となって3日目、SOS団の活動が終了した後、僕は長門さんを呼びとめました。<br /> 明日は不思議探索はお休みです。涼宮さんがそう宣言しましたからね。<br /> きっと明日は彼との初デートを楽しむつもりなのでしょう。<br /> でしたら僕としても、それに便乗したいと思うわけでして。<br />  <br /> 「長門さん、明日は予定はありませんか?」<br /> 「特にない。」<br /> 「でしたら、明日一緒に出かけませんか?このようなものを用意しました。」<br />  <br /> 僕が取り出したのは2枚のチケット。少し離れた場所にある、遊園地のものです。<br /> 機関からのツテで手に入れました。涼宮さん達に提供するという名目で、ですが……<br /> たまにはこれぐらいのことしてもバチは当たりませんよね。<br />  <br /> 「どうですか?ご一緒に。」<br /> 「構わない。」<br /> 「それはよかった。では、明日9時にいつもの公園で待ち合わせしましょう。ではまた……」<br /> 「待って。」<br />  <br /> 帰ろうとする僕を長門さんは呼びとめました。なんでしょうか?<br />  <br /> 「忘れていたことがある。一般的な恋愛関係にある男女がすべきこと………」<br /> 「すべきこと、ですか?」<br /> 「そう。唇と唇を接触させる、所謂キスと呼ばれる行為。」<br /> 「キ、キスですか!?」<br /> 「そう。」<br /> 「よ、よろしいのですか?」<br /> 「早くして。」<br />  <br /> 急かされてしまいました。<br /> 恋愛ごとに関してはヘタレな僕ですが、ここまで言われたからにはやらねばなりません、男として!<br /> 僕は長門さんを抱きしめ、彼女の唇に口付けをしました。<br />  <br /> 「んっ……」<br />  <br /> 10秒ぐらいそのままだったでしょうか、僕は彼女から唇を離しました。<br /> ……顔が熱い。周りから見たらきっと、僕の顔は真っ赤になっているでしょう。<br /> 涼宮さんや彼がいる場では、こんな表情は見せられませんね。<br />  <br /> 「じゃあ……また明日。」<br />  <br /> 彼女はそう言って去っていきました。<br /> 僕はかなり浮かれていました。本当に好きな人とのキスを果たし、明日には初デートが控えている。<br /> スキップでもして帰りたい気分でしたよ。……だからこそ、気付かなかったんでしょうね。<br />  <br /> キスをした後一瞬見せた、彼女の悲しそうな表情に。<br />  <br />  <br /> 翌日、僕は高ぶる心を抑えながら待ち合わせ場所に向かいました。<br /> ……まだ8時にもなっていません。早く来過ぎたようです。<br /> 長門さんはそれから約30分後、8時半ごろになってやってきました。<br /> 9時待ち合わせですから、それでも充分早いですね。普段の不思議探索で鍛えられてしまったのでしょう。<br />  <br /> 「待った?」<br />  <br /> そう言う彼女の服装は珍しく私服。<br /> 白いワンピースを着ていて、彼女にしては珍しくおしゃれをしている雰囲気を受けます。<br />  <br /> 「いえ、僕も今来たところですよ。その服、お似合いですね。<br /> 「そう、良かった。あ……」<br />  <br /> 彼女が表情が僅かながらに曇りました。視線は何故か、僕よりも後方の何かに向けられています。<br /> 僕が彼女の視線の先を追うとそこには……手を繋ぎながら信号待ちをしている涼宮さんと彼の姿が。<br /> 再び彼女に視線を戻します。やはり彼女は、悲しげな表情を浮かべていました。<br />  <br /> 分かってはいましたよ。彼女が好きなのは僕では無く、彼だということは。<br /> それでも最近の彼女の言動で、少しは期待をしてしまいました。<br /> ですが……結局は何も変わっていません。浮かれていた僕が、バカみたいですね。<br />  <br /> 「長門さん……」<br /> 「なに?」<br /> 「もう、終わりにしましょう。」<br />  <br /> 僕は彼女にそう告げました。彼女はいくぶんか驚いた顔でこちらを見つめます。<br />  <br /> 「やめませんか、偽りの恋愛は。僕はあなたのことを本気で好きだと思っています。<br />  ですが、あなたはそうでは無い。あなたにとって僕は、彼を忘れるための手段でしかない。<br />  ……僕には、それが耐えられないのです。」<br />  <br /> 僕は胸ポケットからチケットを出しました。今日行くはずだったテーマパークのチケット。<br />  <br /> 「こんなものも、もう………必要ありません。」<br />  <br /> 僕はそのチケットを、ビリビリとちぎって地面に落としました。<br />  <br /> 「あ……」<br /> 「申し訳ありません。僕は、彼の代わりをするのは荷が重過ぎました。<br />  また月曜日、部室でお会いしましょう。……では。」<br />  <br /> 僕は踵を返し、長門さんの前から立ち去りました。<br />  <br /> 「待って……」<br />  <br /> 彼女の静止の声が聞こえましたが、僕はそのまま歩みを止めません。<br /> ……止める勇気が無かったのです。今は彼女の顔を見れそうには無い。<br />  <br /> 長門さんを責めるつもりはありません。元はと言えば「新しい恋をすべき」と言った僕のせい。<br /> 彼女はそれを忠実に実行しただけ。<br /> むしろ感謝しています。たった数日でも、僕に夢を見させてくださいました。<br /> 本当に好きな人と恋人生活が出来た数日間、本当に楽しかったですよ。<br /> だからこそ……もうこれ以上、続けることは出来ないんです。<br /> こんな偽りの関係を続けるわけにはいかないし、何より、僕自身が耐えられない。<br />  <br /> ごめんなさい、長門さん。……さようなら。<br />  <br /> 続く</p>

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