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フラクラKの末路」(2007/06/25 (月) 02:56:26) の最新版変更点

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<p>フラクラKの末路<br> <br> <br> *フラグクラッシャー・キョンに、このような結末が訪れないことを願いつつ……。<br> <br> <br>  いつもの待ち合わせ場所にいくと、有希とみくるちゃんと古泉君が先に来ていた。<br> 「お久しぶりです、涼宮さん」<br>  みくるちゃんは、ほんと変わんないわねぇ。本当に41歳なのかしら? 年齢詐称なんじゃないの?<br>  ボディラインも非の打ち所がないほど完璧。どんな秘訣があるのか、教えてほしいわね。<br> 「お久しぶりです」<br>  古泉君は、演技みたいな笑顔。本当の笑顔って見たことない。奥さんの森さんだったら、見たことあるのかもしれないけど。<br>  有希は、ただ視線を合わせただけ。有希は、わたしんちの近くに住んでてよく会うから、久しぶりということはないわね。<br> 「みんな元気にしてた?」<br> 「はい」<br> 「まあ、ぼちぼちです」<br>  有希はうなずいただけだった。ホント、しゃべんないわよね、有希は。<br> 「例によって、彼が最後ですか」<br> 「年に一度のSOS団創立記念日に遅刻するなんてたるんでるわ!」<br> 「まったくおっしゃられるとおりです」<br> <br> <br> <br>  キョンか……。<br>  一年ぶりに会うあの間抜け面を思い浮かべると、とたんに胸が苦しくなってきた。<br>  ああ、やっぱり、あたしは、まだキョンのことが好きなんだわ。<br>  キョン以上の男なんてそうそういるわけもなく、あたしはいまだに独身。<br> <br>  有希もいまだにキョンのことが好きみたい。<br>  だから、有希も独身のまま。<br>  こんなにいい女なのに、もったいないわよね<br> <br>  みくるちゃんも、キョンのことが好きだったみたいなんだけど。<br>  今は、吹っ切れたみたいに見える。<br>  男なんかには目もくれず、海外を飛び回るバリバリのキャリアウーマン。確実に会えるのは年に一度のこの日だけ。今のみくるちゃんはそういうことになっている。<br>  本当にそうかしら? みくるちゃんって、どこかもっと遠い世界の人みたいな雰囲気なのよね。深く追及するつもりはないけどさ。<br>  それはともかく、みくるちゃんみたいなとびっきり性格がいい美人さんが、いまだに独身だなんて、人的資源の無駄遣いよ。<br> <br>  どれもこれも、あのキョンのせい。<br>  まったく、罪作りな男なんだから。<br>  40歳になった今だって、きっと、多くを女の子を泣かせてるに違いないわ。しかも、本人にはその自覚がないんだから、始末に終えないわよ。<br>  正直にいうと、とても心配でもある。<br>  キョンのことをよく知ってるあたしたちだから、笑って友達付き合いしてられるけれども、思いつめるようなタイプの女に惚れられたら、背中からナイフで刺されたっておかしくはない。<br> <br>  なら、今からでも告白してしまえって?<br>  もう手遅れよ。それをするなら、大学を卒業するまでの間にしておくべきだったんだわ。<br>  でも、あたしはそうしなかった。<br>  キョンの日ごろのあの鈍感な態度に接していたら、告白しようなんて気持ちは徐々になくなっていって……ついには、完全になくなってしまったわ。<br> <br>  有希とみくるちゃんが告白しなかったのは、どうしてなんだろう?<br>  あたしと同じ理由だったのか、それともほかに理由があったのか。<br>  あたしに遠慮してたなんて、思いたくはないけど……。<br> <br>  とにかく、今はもう、告白するつもりなんて、少しもない。<br>  有希もそうみたいだった。<br> <br>  そのうち、キョンも、どこかの女と結婚するのかもしれない。<br>  その相手は、あたしや有希やみくるちゃんよりもいい女じゃないと、絶対に認めないんだから!<br>  あいつにそんな甲斐性があるとは思えないけど、意外とあっさりその日は来るのかもしれない。<br> <br>  でも、それまでは……せめて、そのときまでは、団長と団員一号の関係を続けさせてほしい。<br> <br> <br> <br>  あたしは、ようやく現れたあの間抜け顔に向かって、人差し指を突きつけた。<br> <br> 「遅い! 罰金!」<br> <br> <br> 終わり</p>
<p>フラクラKの末路<br> <br> <br> *フラグクラッシャー・キョンに、このような結末が訪れないことを願いつつ……。<br> <br> <br>  いつもの待ち合わせ場所にいくと、有希とみくるちゃんと古泉君が先に来ていた。<br> 「お久しぶりです、涼宮さん」<br>  みくるちゃんは、ほんと変わんないわねぇ。本当に41歳なのかしら? 年齢詐称なんじゃないの?<br>  ボディラインも非の打ち所がないほど完璧。どんな秘訣があるのか、教えてほしいわね。<br> 「お久しぶりです」<br>  古泉君は、演技みたいな笑顔。本当の笑顔って見たことない。奥さんの森さんだったら、見たことあるのかもしれないけど。<br>  有希は、ただ視線を合わせただけ。有希は、わたしんちの近くに住んでてよく会うから、久しぶりということはないわね。<br> 「みんな元気にしてた?」<br> 「はい」<br> 「まあ、ぼちぼちです」<br>  有希はうなずいただけだった。ホント、しゃべんないわよね、有希は。<br> 「例によって、彼が最後ですか」<br> 「年に一度のSOS団創立記念日に遅刻するなんてたるんでるわ!」<br> 「まったくおっしゃられるとおりです」<br> <br> <br> <br>  キョンか……。<br>  一年ぶりに会うあの間抜け面を思い浮かべると、とたんに胸が苦しくなってきた。<br>  ああ、やっぱり、あたしは、まだキョンのことが好きなんだわ。<br>  キョン以上の男なんてそうそういるわけもなく、あたしはいまだに独身。<br> <br>  有希もいまだにキョンのことが好きみたい。<br>  だから、有希も独身のまま。<br>  こんなにいい女なのに、もったいないわよね<br> <br>  みくるちゃんも、キョンのことが好きだったみたいなんだけど。<br>  今は、吹っ切れたみたいに見える。<br>  男なんかには目もくれず、海外を飛び回るバリバリのキャリアウーマン。確実に会えるのは年に一度のこの日だけ。今のみくるちゃんはそういうことになっている。<br>  本当にそうかしら? みくるちゃんって、どこかもっと遠い世界の人みたいな雰囲気なのよね。深く追及するつもりはないけどさ。<br>  それはともかく、みくるちゃんみたいなとびっきり性格がいい美人さんが、いまだに独身だなんて、人的資源の無駄遣いよ。<br> <br>  どれもこれも、あのキョンのせい。<br>  まったく、罪作りな男なんだから。<br>  40歳になった今だって、きっと、多くを女の子を泣かせてるに違いないわ。しかも、本人にはその自覚がないんだから、始末に終えないわよ。<br>  正直にいうと、とても心配でもある。<br>  キョンのことをよく知ってるあたしたちだから、笑って友達付き合いしてられるけれども、思いつめるようなタイプの女に惚れられたら、背中からナイフで刺されたっておかしくはない。<br> <br>  なら、今からでも告白してしまえって?<br>  もう手遅れよ。それをするなら、大学を卒業するまでの間にしておくべきだったんだわ。<br>  でも、あたしはそうしなかった。<br>  キョンの日ごろのあの鈍感な態度に接していたら、告白しようなんて気持ちは徐々になくなっていって……ついには、完全になくなってしまったわ。<br> <br>  有希とみくるちゃんが告白しなかったのは、どうしてなんだろう?<br>  あたしと同じ理由だったのか、それともほかに理由があったのか。<br>  あたしに遠慮してたなんて、思いたくはないけど……。<br> <br>  とにかく、今はもう、告白するつもりなんて、少しもない。<br>  有希もそうみたいだった。<br> <br>  そのうち、キョンも、どこかの女と結婚するのかもしれない。<br>  その相手は、あたしや有希やみくるちゃんよりもいい女じゃないと、絶対に認めないんだから!<br>  あいつにそんな甲斐性があるとは思えないけど、意外とあっさりその日は来るのかもしれない。<br> <br>  でも、それまでは……せめて、そのときまでは、団長と団員一号の関係を続けさせてほしい。<br> <br> <br> <br>  あたしは、ようやく現れたあの間抜け顔に向かって、人差し指を突きつけた。<br> <br> 「遅い! 罰金!」<br> <br> <br> 終わり</p>

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