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長門有希の人望?」(2009/04/27 (月) 01:25:17) の最新版変更点

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<div style="LINE-HEIGHT: 1.8em; FONT-FAMILY: monospace"> <h4>長門有希の人望?</h4> <p><br />【『涼宮ハルヒの分裂』最終ページ以降】<br /> 長門有希の家に急行するSOS団一同。そこで彼らが見たものは&hellip;&hellip;!!</p> <p><br />「有希! 具合はどう!?」<br /> 『鍵は開いている』とインターホンで言われ、ノックもせずに扉を開け放った涼宮ハルヒは、ずかずかと奥へ向かう。<br />「おいハルヒ、長門は病人だぞ? もうちょっと静かにだな&hellip;&hellip;」<br /> ハルヒに追いついたキョンは絶句する。ハルヒは立ち尽くしていたのだ、眼前の光景に。<br /> ――恐ろしく量の多い真っ黒なモップが、そこにあった。<br />「――――」<br />「なんで、お前が、ここにいる?」<br /> 違った。周防九曜が、そこにいた。<br />「――――看病――――」<br /> 枕元に正座した九曜が、身体を起こした有希にお粥を食べさせていた。<br />「――ふー、ふー――――あーん――――」<br />「あーん&hellip;&hellip;」<br />「おいしい――――?」<br />「&hellip;&hellip;薄く効かせた昆布茶が絶妙。おいしい。」<br />「――――あなたの――――声は――――綺麗ね――――」<br />「&hellip;&hellip;そう。」<br /> 無表情にお粥を食べさせられている有希の顔を逆に向ける手。<br />「長門さんの世話役はわたしです。部外者は手出し無用に願いたいですね。」<br /> 喜緑江美里がわかめうどんを構えていた。<br />「ふー、ふー。はい、長門さん、あーん。」<br />「あーん&hellip;&hellip;」<br />「おいしいですか?」<br />「&hellip;&hellip;わかめととろろ昆布の配分が絶妙。おいしい。」<br />「わたしの得意料理ですから。配分も試行錯誤の成果です。」<br /> 穏やかな表情ながら、勝ち誇った目で九曜を見やる江美里。<br />「――ふー、ふー。」<br /> 有希の世話焼きバトルは続く。<br />(今のわたしは&hellip;&hellip;両手に花&hellip;&hellip;)<br />あのー、長門さん? 熱のせいか、思考が変ですよ?<br />(今のは妄言。忘れて。)<br />「あら、わたしのことを忘れてもらっては困るわ。長門さんの世話はわたしが見ることと決まってるんだから。」<br /> その声を聞き、キョンの背筋に冷たいものが走った。振り返ると、朝倉涼子が土鍋を持って立っていた。<br /> 涼子はそのまま有希の枕元に歩み寄ると、土鍋の蓋を開けた。土鍋の中身はおでん。厚揚げ、大根、卵&hellip;&hellip;<br />「ふー、ふー。はい、長門さん、あーん。」<br />「&hellip;&hellip;あーん。」<br />「おいしい?」<br />「&hellip;&hellip;大根の隠し包丁が絶妙。味が染みている。おいしい。」<br />「よかった。」<br /> 心底幸せそうな笑顔で、有希を見つめる涼子。<br />「――ふー、ふー。」<br />「ふー、ふー。」<br />「ふー、ふー。」<br />『はい、あーん。』<br />「&hellip;&hellip;あーん。」</p> <p><br />「&hellip;&hellip;有希、女のコにモテモテね。」<br /> ハルヒと朝比奈みくるは、眼前の光景に圧倒されていた。<br />「有希ったら、いつも通りの無表情のはずなのに、なんか、こう、雰囲気が違うのよね。」<br />「長門さん、何だか嬉しそうに見えます&hellip;&hellip;」<br />「あんな雰囲気の有希、見たことないわ。&hellip;&hellip;何なのかしら、この『敗北感』は。」<br />「&hellip;&hellip;長門さんを取られちゃったから、ですか?」<br />「&hellip;&hellip;かもね。あたしの前では、あんな雰囲気、見せてくれないし&hellip;&hellip;」<br />「&hellip;&hellip;涼宮さん、もしかして妬いてます?」<br />「ちょ! なんてこと言うのよ、みくるちゃん!」<br />「ふふふ、顔真っ赤ですよ?」<br />「むぐぐぐ&hellip;&hellip;」<br /> みくるはクスクスと笑いながら、<br />「でも、すごく様になってますよね、長門さん。女の子を周りに侍らしてる姿が。」<br />「有希って、基本、儚げな少女なんだけど、横顔とか凛々しいのよね。隣町の歌劇団の男役とか似合いそう。」<br />「かっちりしたスーツとか、男物の服が似合いそうですよね。」<br />「なぁに、みくるちゃん。もしかして有希にお姫様抱っことかされたいわけ?」<br />「ふえぇぇっ!? ち、違いますぅ~。」<br /> ハルヒはおもむろに、みくるに抱き付いた。<br />「わっ、わっ、す、涼宮さん!?」<br />「&hellip;&hellip;勘違いしないでよね。別に、急に寂しくなったとかそんなんじゃないんだから。何となくこうしたくなっただけなんだからね。」<br />(急に人恋しくなったんですね、涼宮さん&hellip;&hellip;)</p> <p><br /> 有希は、3人から食べさせられるものを全て平らげた。<br />「――食後は――寝る&hellip;&hellip;」<br /> 九曜が有希の身体を横たえながら、膝枕に誘う。<br />「栄養補給と十分な休息が肝要です。」<br /> 更に江美里が有希に腕枕をする。<br />「良い夢見てね。」<br /> そして涼子が添い寝をする。<br />「&hellip;&hellip;って、何ちゃっかり、膝枕と腕枕も堪能してるんですか、あなたは。」<br />「――おいしい――ところを――持っていかれた&hellip;&hellip;」<br /> 江美里と九曜から突っ込まれる涼子。<br />「役得、役得♪」<br /> 九曜の膝枕と、江美里の腕枕の感触を堪能しつつ、有希の髪を撫でる涼子。<br />「撫でられるのは&hellip;&hellip;嫌いじゃない。」</p> <p><br />「みくるちゃんの髪は、ふわふわよね~。」<br />「あひぃん&hellip;&hellip;髪を撫でながら、耳元で囁かないでくださいぃ~。」</p> <p><br />「&hellip;&hellip;とりあえず、容態は大丈夫そうだな。」<br />「そのようですね。」<br /> キョンと古泉一樹は、顔を見合わせた。いちゃつく宇宙人娘達と、その様子に触発されたのか、やたらと密着する現代人&times;未来人の光景に当てられていた。<br />「いやはや、長門さん有事の際は、誰も彼もがこうして集って、世話を焼こうという気になるのですね。これもある意味、長門さんの人望の厚さの現れと言えるかもしれません。」<br />「&hellip;&hellip;なあ、古泉。帰って良いか?」<br />「そうですね。僕らにできることは、何もなさそうです。」<br /> 2人は揃って肩をすくめた。<br />『やれやれ。』</p> </div>
<div style="line-height:1.8em;font-family:monospace;"> <h4>長門有希の人望?</h4> <p><br /> 【『涼宮ハルヒの分裂』最終ページ以降】<br />  長門有希の家に急行するSOS団一同。そこで彼らが見たものは……!!</p> <p><br /> 「有希! 具合はどう!?」<br />  『鍵は開いている』とインターホンで言われ、ノックもせずに扉を開け放った涼宮ハルヒは、ずかずかと奥へ向かう。<br /> 「おいハルヒ、長門は病人だぞ? もうちょっと静かにだな……」<br />  ハルヒに追いついたキョンは絶句する。ハルヒは立ち尽くしていたのだ、眼前の光景に。<br />  ――恐ろしく量の多い真っ黒なモップが、そこにあった。<br /> 「――――」<br /> 「なんで、お前が、ここにいる?」<br />  違った。周防九曜が、そこにいた。<br /> 「――――看病――――」<br />  枕元に正座した九曜が、身体を起こした有希にお粥を食べさせていた。<br /> 「――ふー、ふー――――あーん――――」<br /> 「あーん……」<br /> 「おいしい――――?」<br /> 「……薄く効かせた昆布茶が絶妙。おいしい。」<br /> 「――――あなたの――――声は――――綺麗ね――――」<br /> 「……そう。」<br />  無表情にお粥を食べさせられている有希の顔を逆に向ける手。<br /> 「長門さんの世話役はわたしです。部外者は手出し無用に願いたいですね。」<br />  喜緑江美里がわかめうどんを構えていた。<br /> 「ふー、ふー。はい、長門さん、あーん。」<br /> 「あーん……」<br /> 「おいしいですか?」<br /> 「……わかめととろろ昆布の配分が絶妙。おいしい。」<br /> 「わたしの得意料理ですから。配分も試行錯誤の成果です。」<br />  穏やかな表情ながら、勝ち誇った目で九曜を見やる江美里。<br /> 「――ふー、ふー。」<br />  有希の世話焼きバトルは続く。<br /> (今のわたしは……両手に花……)<br /> あのー、長門さん? 熱のせいか、思考が変ですよ?<br /> (今のは妄言。忘れて。)<br /> 「あら、わたしのことを忘れてもらっては困るわ。長門さんの世話はわたしが見ることと決まってるんだから。」<br />  その声を聞き、キョンの背筋に冷たいものが走った。振り返ると、朝倉涼子が土鍋を持って立っていた。<br />  涼子はそのまま有希の枕元に歩み寄ると、土鍋の蓋を開けた。土鍋の中身はおでん。厚揚げ、大根、卵……<br /> 「ふー、ふー。はい、長門さん、あーん。」<br /> 「……あーん。」<br /> 「おいしい?」<br /> 「……大根の隠し包丁が絶妙。味が染みている。おいしい。」<br /> 「よかった。」<br />  心底幸せそうな笑顔で、有希を見つめる涼子。<br /> 「――ふー、ふー。」<br /> 「ふー、ふー。」<br /> 「ふー、ふー。」<br /> 『はい、あーん。』<br /> 「……あーん。」</p> <p><br /> 「……有希、女のコにモテモテね。」<br />  ハルヒと朝比奈みくるは、眼前の光景に圧倒されていた。<br /> 「有希ったら、いつも通りの無表情のはずなのに、なんか、こう、雰囲気が違うのよね。」<br /> 「長門さん、何だか嬉しそうに見えます……」<br /> 「あんな雰囲気の有希、見たことないわ。……何なのかしら、この『敗北感』は。」<br /> 「……長門さんを取られちゃったから、ですか?」<br /> 「……かもね。あたしの前では、あんな雰囲気、見せてくれないし……」<br /> 「……涼宮さん、もしかして妬いてます?」<br /> 「ちょ! なんてこと言うのよ、みくるちゃん!」<br /> 「ふふふ、顔真っ赤ですよ?」<br /> 「むぐぐぐ……」<br />  みくるはクスクスと笑いながら、<br /> 「でも、すごく様になってますよね、長門さん。女の子を周りに侍らしてる姿が。」<br /> 「有希って、基本、儚げな少女なんだけど、横顔とか凛々しいのよね。隣町の歌劇団の男役とか似合いそう。」<br /> 「かっちりしたスーツとか、男物の服が似合いそうですよね。」<br /> 「なぁに、みくるちゃん。もしかして有希にお姫様抱っことかされたいわけ?」<br /> 「ふえぇぇっ!? ち、違いますぅ~。」<br />  ハルヒはおもむろに、みくるに抱き付いた。<br /> 「わっ、わっ、す、涼宮さん!?」<br /> 「……勘違いしないでよね。別に、急に寂しくなったとかそんなんじゃないんだから。何となくこうしたくなっただけなんだからね。」<br /> (急に人恋しくなったんですね、涼宮さん……)</p> <p><br />  有希は、3人から食べさせられるものを全て平らげた。<br /> 「――食後は――寝る……」<br />  九曜が有希の身体を横たえながら、膝枕に誘う。<br /> 「栄養補給と十分な休息が肝要です。」<br />  更に江美里が有希に腕枕をする。<br /> 「良い夢見てね。」<br />  そして涼子が添い寝をする。<br /> 「……って、何ちゃっかり、膝枕と腕枕も堪能してるんですか、あなたは。」<br /> 「――おいしい――ところを――持っていかれた……」<br />  江美里と九曜から突っ込まれる涼子。<br /> 「役得、役得♪」<br />  九曜の膝枕と、江美里の腕枕の感触を堪能しつつ、有希の髪を撫でる涼子。<br /> 「撫でられるのは……嫌いじゃない。」</p> <p><br /> 「みくるちゃんの髪は、ふわふわよね~。」<br /> 「あひぃん……髪を撫でながら、耳元で囁かないでくださいぃ~。」</p> <p><br /> 「……とりあえず、容態は大丈夫そうだな。」<br /> 「そのようですね。」<br />  キョンと古泉一樹は、顔を見合わせた。いちゃつく宇宙人娘達と、その様子に触発されたのか、やたらと密着する現代人×未来人の光景に当てられていた。<br /> 「いやはや、長門さん有事の際は、誰も彼もがこうして集って、世話を焼こうという気になるのですね。これもある意味、長門さんの人望の厚さの現れと言えるかもしれません。」<br /> 「……なあ、古泉。帰って良いか?」<br /> 「そうですね。僕らにできることは、何もなさそうです。」<br />  2人は揃って肩をすくめた。<br /> 『やれやれ。』</p> </div>

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