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涼宮ハルヒの願望」(2020/03/12 (木) 10:48:19) の最新版変更点

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<div class="main"> <div>暖かいまどろみの中<br /> 聞き慣れない目覚ましの音が鳴り響く<br /> キョン「ん・・・う、うるせ・・・」<br /> ジリリリリリリ<br /> キョン「・・・・ん?クソ・・・この」<br /> 毎朝の習慣。右手を軽く伸ばす。しかし、いつもあるはずの場所に目覚まし時計がない<br /> キョン<br /> 「な、なんだ?・・・」<br /> 軽く目を開ける。目覚まし時計は、枕元の見慣れない小棚の上にあった<br /> カチッ<br /> キョン「んー?・・・・・・ぁ?」<br /> 違和感。おかしい。あきらかに。ベッドがデカいし・・・部屋も見慣れない・・・枕も2つある<br /> キョン「ここどこだ・・・」<br /> 少なくとも俺の部屋ではないことはわかる。いや、俺はいま起きるまでは何をしてたんだっけか<br /> いや、いま起きたんだから寝たんだよな・・・どこで?たしかに俺の部屋で寝たよな・・・キャトルミューティレーション?<br /> ガチャ<br /> キョン「・・・!」<br /> ハルヒ「あ、起きた?キョン」<br /> キョン「・・・誰ですかあなたは・・・」<br /> いや、みりゃわかる。ハルヒだ。どう見てもハルヒ。・・・しかし、ハルヒではない。<br /> ハルヒは・・・こんなに胸もないし・・・エプロンなんて・・・<br /> キョン「おわわわ・・・近づくな」</div>   <div>ハルヒ「?」<br /> 俺の知ってるハルヒの目だ。ちょっと吊り目がちな目で見つめてくる・・・て、おい、こいつはハルヒだぞ。<br /> ちょっとドキドキしてしまう<br /> キョン「なにを俺は」<br /> ハルヒ「なーにぶつぶつ言ってんのよ。仕事遅れるでしょーが」<br /> キョン「ほあ?」<br /> ハルヒ「ほあ?じゃないでしょ。さっさと朝ごはん食べて会社行きなさい!」<br /> か・・・かいしゃ?・・・学校じゃねーのか・・・てか、・・・これは<br /> ハルヒ「・・・・・・」<br /> キョン「な・・・んだよ」<br /> ハルヒ「・・・・・んー」<br /> んんーーーーーーーーーー??これは!これはあああ!見たことあるぞ!漫画で!ドラマで!映画で!そう!キスのおねだりだ!!<br /> キョン「お、おい・・・!おまえな・・・悪ふざけも大概に」<br /> ハルヒ「あ!パン焦げちゃう!」<br /> ドタドタドタ<br /> ハルヒ似の人妻は、ハルヒそっくりな騒音を立てながら階段を降りていった<br /> いや、わかった。あれは、ハルヒ似でも人妻でもない。いや・・・現実を見ようか・・・あれはたしかに『人妻』のハルヒだ</div>   <div>暑苦しい部室だ・・・もうこれが高校時代最後の夏か・・・<br /> キョン「・・・ふー」<br /> 古泉「キョンさん。いままで僕たちは防戦一方でした」<br /> キョン「なんだいきなり。俺は疲れてるんだ・・・そっとしておいて・・・許可なく隣に座るな」<br /> 古泉「ははは、キョンさんの隣は涼宮さん専用でしたね失敬」<br /> キョン「もうなにもいわん」<br /> 古泉「そうですか、助かります。では、本題に入ります」<br /> 思えば三年間。こいつはずっとこうゆう話の展開の仕方だったな<br /> 古泉「話は簡単です。キョンさんに涼宮さんの『願望』の中に入ってもらうんです」<br /> キョン「・・・大丈夫。驚かない。」<br /> 古泉「もう、慣れたものですね。ははは」<br /> キョン「まず、言おう。俺をハルヒの願望の中。つまり宇宙人や未来人、超能力者。いや、それだけじゃないだろ。恐竜や怪獣。スーパーヒーローにスーパーロボット<br />    はたまた・・・・とにかく、そんな中に俺をぶちこんで」<br /> 古泉「ええ・・・・それなんですがね。どうやら、最近の涼宮さんの願望に大きな変化があるようなのです」<br /> キョン「変化・・・それ3年前も言ってただろ・・・悪い風に変化してるって」<br /> 古泉「違うみたいなんですよ、それが。涼宮さんを変えた決定的なのが」<br /> キョン「おまえがなんでそれを知っている」<br /> 古泉「やだなぁ。僕はまだなにも言ってませんよ」<br /> 俺とハルヒが去年の冬に・・・あの日からハルヒが俺にあまり突っかかってこなくなった<br /> 古泉「で、ですね。その変化を見に行ってもらいたいんです。あ、キョンさんは、いつもどおり夜に自室で寝てるだけでいいんです<br />    私たちが飛ばしますから」<br /> キョン「超能力も便利になったものだな」<br /> 古泉「ははは。ええ、我々も進化してますからね」<br /> キョン「進化じゃなくて、進歩といえ。おまえに進化されるとなんか怖い」<br /> 古泉「ははは」</div>   <div>ハルヒ「はい、それじゃ鞄持ったわね」<br /> キョン「ん、ああ」<br /> ハルヒの作った朝食は、ごく一般的とはいえ、俺には十分満足できるものだった<br /> 鞄を持ち、玄関まで行く。ハルヒは・・・マンションより一軒家がいいのか・・・それに結構大きめだな。ハルヒらしといえばハルヒらしいか<br /> 俺は心の中で笑ってしまう<br /> ハルヒ「はい、お弁当」<br /> キョン「おう、あんがとな」<br /> 靴を履き終え、玄関のドアに手をかける<br /> ハルヒ「・・・・・」<br /> 例といえば例のごとくだが・・・<br /> キョン「・・・・・・」<br /> ハルヒが軽く俺のスーツを掴む<br /> キョン「・・・・・・ん」<br /> ハルヒ「・・・ん・・あ」<br /> 長いキスだ。こんな長いキスを毎朝すんのか<br /> ハルヒ「・・・・ん・・・ん」<br /> いや、まあ・・・決して悪い気分では・・・<br /> キョン「・・・・んあ・・・・ん」<br /> 俺はやっぱハルヒが好きなのか<br /> ハルヒ「はい!終わりね!いつまでキスしてんの!」<br /> キョン「う・・・」<br /> いきなり口を離され、なんだか不憫な気持ちになってしまう<br /> ハルヒ「本当にキョンはスケベな<br />     結婚したら少しは落ち着くかと思ったんだけどね」<br /> キョン「あ・・・あのなぁ」</div>   <div>俺は玄関のドアを開け、外に足を出す<br /> ここどこなんだろうなぁ・・・<br /> 玄関の外も見慣れない景色だ<br /> キョン「じゃ、行って来る」<br /> ハルヒ「さっさと行きなさい!」<br /> いってらっしゃいませご主人様とか言え・・・いや、普通はないか<br /> キョン「・・・ふー、これがハルヒの『願望』なのか」<br /> しばらく歩くと後ろからタタタタと足音が聞こえる<br /> キョン「あ・・・弁当」<br /> キスして忘れたよ・・・<br /> ハルヒが弁当片手に駆けてくる<br /> 右手の人差し指を下まぶたにつけて<br /> 舌を出して・・・ベーっとしながら<br /> ハルヒ「キョン!あんたってほんとーにあたしがいなきゃダメね!アハハハ」<br /> それは本当に楽しそうなハルヒの笑顔。無垢な子供のような、それでいて女性の優しさが溢れている<br /> この笑顔を俺は・・・叶えたい。いや、叶えられる・・・俺は、そう確信を持ったんだ</div>   <div>暑い・・・寝苦しい・・・<br /> ジリリリリリリリリリリリジリリリリリリリリリリリ<br /> キョン「・・・あ・・つい・・・う、うるせ」<br /> カチッ<br /> 俺はいつもどおりの部屋で、いつもどおりの位置の目覚ましを止めた<br /> キョン「・・・今日から夏休みだ」<br /> プルルルルルルルルルル<br /> ピッ<br /> キョン「んあ」<br /> ハルヒ「キョン!おきてるー!?SOS団発進よ!すぐに学校に来るように!以上」</div>   <div>おわり</div> </div>
<div class="main"> <div>暖かいまどろみの中<br /> 聞き慣れない目覚ましの音が鳴り響く<br /> キョン「ん・・・う、うるせ・・・」<br /> ジリリリリリリ<br /> キョン「・・・・ん?クソ・・・この」<br /> 毎朝の習慣。右手を軽く伸ばす。しかし、いつもあるはずの場所に目覚まし時計がない<br /> キョン<br /> 「な、なんだ?・・・」<br /> 軽く目を開ける。目覚まし時計は、枕元の見慣れない小棚の上にあった<br /> カチッ<br /> キョン「んー?・・・・・・ぁ?」<br /> 違和感。おかしい。あきらかに。ベッドがデカいし・・・部屋も見慣れない・・・枕も2つある<br /> キョン「ここどこだ・・・」<br /> 少なくとも俺の部屋ではないことはわかる。いや、俺はいま起きるまでは何をしてたんだっけか<br /> いや、いま起きたんだから寝たんだよな・・・どこで?たしかに俺の部屋で寝たよな・・・キャトルミューティレーション?<br /> ガチャ<br /> キョン「・・・!」<br /> ハルヒ「あ、起きた?キョン」<br /> キョン「・・・誰ですかあなたは・・・」<br /> いや、みりゃわかる。ハルヒだ。どう見てもハルヒ。・・・しかし、ハルヒではない。<br /> ハルヒは・・・こんなに胸もないし・・・エプロンなんて・・・<br /> キョン「おわわわ・・・近づくな」<br /></div> <br /> <div>ハルヒ「?」<br /> 俺の知ってるハルヒの目だ。ちょっと吊り目がちな目で見つめてくる・・・て、おい、こいつはハルヒだぞ。<br /> ちょっとドキドキしてしまう<br /> キョン「なにを俺は」<br /> ハルヒ「なーにぶつぶつ言ってんのよ。仕事遅れるでしょーが」<br /> キョン「ほあ?」<br /> ハルヒ「ほあ?じゃないでしょ。さっさと朝ごはん食べて会社行きなさい!」<br /> か・・・かいしゃ?・・・学校じゃねーのか・・・てか、・・・これは<br /> ハルヒ「・・・・・・」<br /> キョン「な・・・んだよ」<br /> ハルヒ「・・・・・んー」<br /> んんーーーーーーーーーー??これは!これはあああ!見たことあるぞ!漫画で!ドラマで!映画で!そう!キスのおねだりだ!!<br /> キョン「お、おい・・・!おまえな・・・悪ふざけも大概に」<br /> ハルヒ「あ!パン焦げちゃう!」<br /> ドタドタドタ<br /> ハルヒ似の人妻は、ハルヒそっくりな騒音を立てながら階段を降りていった<br /> いや、わかった。あれは、ハルヒ似でも人妻でもない。いや・・・現実を見ようか・・・あれはたしかに『人妻』のハルヒだ<br /></div> <br /> <div>暑苦しい部室だ・・・もうこれが高校時代最後の夏か・・・<br /> キョン「・・・ふー」<br /> 古泉「キョンさん。いままで僕たちは防戦一方でした」<br /> キョン「なんだいきなり。俺は疲れてるんだ・・・そっとしておいて・・・許可なく隣に座るな」<br /> 古泉「ははは、キョンさんの隣は涼宮さん専用でしたね失敬」<br /> キョン「もうなにもいわん」<br /> 古泉「そうですか、助かります。では、本題に入ります」<br /> 思えば三年間。こいつはずっとこうゆう話の展開の仕方だったな<br /> 古泉「話は簡単です。キョンさんに涼宮さんの『願望』の中に入ってもらうんです」<br /> キョン「・・・大丈夫。驚かない。」<br /> 古泉「もう、慣れたものですね。ははは」<br /> キョン「まず、言おう。俺をハルヒの願望の中。つまり宇宙人や未来人、超能力者。いや、それだけじゃないだろ。恐竜や怪獣。スーパーヒーローにスーパーロボット<br />    はたまた・・・・とにかく、そんな中に俺をぶちこんで」<br /> 古泉「ええ・・・・それなんですがね。どうやら、最近の涼宮さんの願望に大きな変化があるようなのです」<br /> キョン「変化・・・それ3年前も言ってただろ・・・悪い風に変化してるって」<br /> 古泉「違うみたいなんですよ、それが。涼宮さんを変えた決定的なのが」<br /> キョン「おまえがなんでそれを知っている」<br /> 古泉「やだなぁ。僕はまだなにも言ってませんよ」<br /> 俺とハルヒが去年の冬に・・・あの日からハルヒが俺にあまり突っかかってこなくなった<br /> 古泉「で、ですね。その変化を見に行ってもらいたいんです。あ、キョンさんは、いつもどおり夜に自室で寝てるだけでいいんです<br />    私たちが飛ばしますから」<br /> キョン「超能力も便利になったものだな」<br /> 古泉「ははは。ええ、我々も進化してますからね」<br /> キョン「進化じゃなくて、進歩といえ。おまえに進化されるとなんか怖い」<br /> 古泉「ははは」<br /></div> <br /> <div>ハルヒ「はい、それじゃ鞄持ったわね」<br /> キョン「ん、ああ」<br /> ハルヒの作った朝食は、ごく一般的とはいえ、俺には十分満足できるものだった<br /> 鞄を持ち、玄関まで行く。ハルヒは・・・マンションより一軒家がいいのか・・・それに結構大きめだな。ハルヒらしといえばハルヒらしいか<br /> 俺は心の中で笑ってしまう<br /> ハルヒ「はい、お弁当」<br /> キョン「おう、あんがとな」<br /> 靴を履き終え、玄関のドアに手をかける<br /> ハルヒ「・・・・・」<br /> 例といえば例のごとくだが・・・<br /> キョン「・・・・・・」<br /> ハルヒが軽く俺のスーツを掴む<br /> キョン「・・・・・・ん」<br /> ハルヒ「・・・ん・・あ」<br /> 長いキスだ。こんな長いキスを毎朝すんのか<br /> ハルヒ「・・・・ん・・・ん」<br /> いや、まあ・・・決して悪い気分では・・・<br /> キョン「・・・・んあ・・・・ん」<br /> 俺はやっぱハルヒが好きなのか<br /> ハルヒ「はい!終わりね!いつまでキスしてんの!」<br /> キョン「う・・・」<br /> いきなり口を離され、なんだか不憫な気持ちになってしまう<br /> ハルヒ「本当にキョンはスケベな<br />     結婚したら少しは落ち着くかと思ったんだけどね」<br /> キョン「あ・・・あのなぁ」<br /></div> <br /> <div>俺は玄関のドアを開け、外に足を出す<br /> ここどこなんだろうなぁ・・・<br /> 玄関の外も見慣れない景色だ<br /> キョン「じゃ、行って来る」<br /> ハルヒ「さっさと行きなさい!」<br /> いってらっしゃいませご主人様とか言え・・・いや、普通はないか<br /> キョン「・・・ふー、これがハルヒの『願望』なのか」<br /> しばらく歩くと後ろからタタタタと足音が聞こえる<br /> キョン「あ・・・弁当」<br /> キスして忘れたよ・・・<br /> ハルヒが弁当片手に駆けてくる<br /> 右手の人差し指を下まぶたにつけて<br /> 舌を出して・・・ベーっとしながら<br /> ハルヒ「キョン!あんたってほんとーにあたしがいなきゃダメね!アハハハ」<br /> それは本当に楽しそうなハルヒの笑顔。無垢な子供のような、それでいて女性の優しさが溢れている<br /> この笑顔を俺は・・・叶えたい。いや、叶えられる・・・俺は、そう確信を持ったんだ<br /></div> <br /> <div>暑い・・・寝苦しい・・・<br /> ジリリリリリリリリリリリジリリリリリリリリリリリ<br /> キョン「・・・あ・・つい・・・う、うるせ」<br /> カチッ<br /> 俺はいつもどおりの部屋で、いつもどおりの位置の目覚ましを止めた<br /> キョン「・・・今日から夏休みだ」<br /> プルルルルルルルルルル<br /> ピッ<br /> キョン「んあ」<br /> ハルヒ「キョン!おきてるー!?SOS団発進よ!すぐに学校に来るように!以上」<br /></div> <br /> <br /> <div>おわり<br /></div> </div>

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