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日曜日の陽射しの下で」(2007/05/05 (土) 08:57:34) の最新版変更点

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<p>「ですから……その……付き合って欲しいんですっ!」<br />  超能力者2号、橘京子を目前に俺は固まってしまった。なんだこれ。<br />  佐々木から呼び出されてやれやれと思い、ここに来たらこいつ、橘京子が居た。<br />  それで佐々木に嘘を吐かせて呼び出させて、冒頭のセリフを言われたわけだ。<br />  まぁ……俺が言える言葉は一つだな。<br /> 「なぜだ?」<br />  橘は口をポカンと開け、少しずつ眉をひそめていった。そして目を瞑り……。<br /> 「んん……もうっ! 女の子にそんなこと言わせないでっ!」<br />  どうでもいいが、喫茶店でその大声は『女の子』として恥ずかしくないのか?<br /> 「あ……」<br />  橘は顔を朱に染めて俯いた。<br />  こいつは朝比奈さんをさらったり、どちらかと言うと俺とは敵対する立場だ。<br />  それが何故付合えと? ……わかった、政略的な物だな?<br /> 「違いますよ……もうっ……」<br />  俯いたまま力無く返事する橘。女のこういう仕草に男はクラッと来る。<br /> 「わたしはただ……何回か会ううちにあなたが好きになって……。そんなつもり無かったのにドキドキして……」<br />  まさにただの高校生女子。それもとびっきり純粋な。<br /> 「だから、わたしのやるべきことが始まる前にあなたに伝えたくて……。もういいでしょ? 返事をください……」<br />  任務関係無し。一個人としてなら俺もきちんと答えてやろう。<br /> 「しょうがないな。付き合ってやる」<br /> 「え?」<br /> 「付き合ってやるって言ってるんだ。さっさと喫茶店を出て映画でも行くぞ」<br /> 「え? え? あ、はい……」<br />  俺は勘定を済ませ外に出ると橘の手を握った。<br /> 「あ……えっと……」<br /> 「緊張してんのか? 手が震えてるし汗かいてるぞ」<br /> 「んん……もうっ! 女の子にそんなこと言わないでくださいっ!」<br />  怒っているのか嬉しいのかハッキリして欲しいな。<br /> 「怒ってるに決まってるじゃないですかっ!」<br />  じゃあなんなんだよ、その笑顔は。<br /> 「これは……怒り笑い? ……みたいな」<br /> 「バーカ」と頭を小突き、俺は橘の手を引いた。俺だって一般高校生だ。<br />  たまには彼女を作って遊んだりしてもいいだろう?<br />  そんなことを思った、日曜日の熱い陽射しの下だった。<br /> <br /> おわり</p>

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