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「幸福鶴屋 13」(2007/04/21 (土) 23:31:30) の最新版変更点
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<p>追いかける脚は無くしてしまったけど、引き止める腕は残ってる。<br />
ベッドから上半身を起こして、私は彼に抱きついた。<br />
彼の前で、こんな姿を見せるのは初めてだった。</p>
<p>常に第3者として、1歩退いた視点で眺めるポジション。<br />
それが、一気に崩れた。 彼だってびっくりするもんね・・</p>
<p>抱きしめる。 気づいたら、泣いてた。 <br />
<br />
ほんとに、私って駄目な先輩さんだね。<br />
<br />
他の誰かに助けてもらって、他の誰かに寄生しないと生きていけない。<br />
<br />
でも、彼は違った。<br />
<br />
こんな私の頭を、撫でてくれた。 私のために泣いてくれた。</p>
<p><br />
私、いつも見てたからわかるよ キョンくんのいいところ、少しはわかってるはずだよ<br />
<br />
誰にでも優しくて、どんな話も上手に聞いてくれる。</p>
<p><br />
真夜中で、小さな電灯しか点灯してない薄暗い病室で、彼の事だけははっきり見えた。<br />
<br />
おかしいよね 私、涙で何も見えないのに<br />
<br />
「ごめ・・なさ・・」<br />
「・・なんであなたが謝るんです・・? 俺たちのせいで、SOS団のせいで、こんな目にあったってのに!」</p>
<p>え・・ だって、みんなは何も悪いこと・・ してないよ・・<br />
<br />
私にいっぱいかまってくれて、私を受け入れてくれて・・<br />
駄目だね、これじゃあただの自己満足だよね</p>
<p><br />
でもさ、こんな浅ましい私でもね<br />
ほんとに嫌いになってほしくない人、いるんだよ</p>
<p><br />
「ふぁ、ハルにゃん、の宇宙的ぱわぁーが、炸裂、したんじゃないっかなー」</p>
<p><br />
・・多分、まともに喋れてなかったと思う。</p>
<p><br />
「・・っく・・」</p>
<p><br />
「・・キョン・・・くん・・」</p>
<p><br />
あくまで、私は「明るい鶴屋さん」でいたかった<br />
強がりだって、何だってします だから、キョンくん・・</p>
<p><br />
「私のこと、きらいにならないで」</p>
<p><br />
キョンくんに、SOS団にはじめて見せた、ほんとの私でした。</p>