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Pretty Devil」(2020/03/13 (金) 01:22:01) の最新版変更点

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<p> 涼宮ハルヒという電波女がSOS団とかいう電波軍団を創った数日後、おれの下駄箱に<br> 『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室に来て』と明らかに女の字で書かれている<br> ノートの切れ端が入っていた。なんだ?これは・・・普通ラブレターだったらこんな<br> ノートの切れ端になんて書かないだろう。でもこれはどう見ても女の字だ・・・・<br> 考えても答えが出ない時は考えないのが一番だ、放課後教室に行ってみればわかる<br> ことだしな。<br>  <br>  放課後<br> 文芸部室を後にし、教室の引き戸を開けると黒板の前に意外な奴が立っていた<br> 「遅いよ」<br> 朝倉涼子が俺に笑いかけていた<br> 「入ったら?」<br> 引き戸に手をかけた状態で止まっていた俺はその声に誘われるように朝倉に近寄る。<br> 「お前か・・・・」<br> 「そ。以外でしょ」<br> くったくなく笑う朝倉。その右半身が夕日に紅く染まっていた。<br> 「なんのようだ?」<br> わざとぶっきらぼうに訊く。くつくつと笑い声を立てながら朝倉は、<br> 「用があるのは確かなんだけどね。ちょっと訊きたいことがあるの」<br> 俺の真正面にある朝倉の顔は少し朱が刺していた。夕日のせいか?<br> 「人間はさあ、よく『やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがいい』って<br>  言うよね。これ、どう思う?」<br> いつもの朝倉らしくないちょっと照れたような表情だ<br> 「よく言うかどうかは知らないが、言葉どうりの意味だろうよ」<br> 「じゃああの・・・キョン君今付き合ってる人とかいる?」<br> おいおいまさかお前がおれにそんなこと訊くなんてな<br> 「いない」<br> 「あたしとか・・・だめかな?」<br> ・・・・・どうしたものか、まあこいつは可愛いし性格もいい、付き合ってくれと<br> 言われたら断る理由が見当たらないな<br> 「ああいいぜ」<br> 「ほんと?」<br> いきなりおれの首に手を回してどういうつもりだ・・・さっきまでの照れた感じは<br> どうした?変な気を起こしそうになるじゃないか<br> 「フフッ変な気ってなあに?」<br> 吐息がかかるんだよ・・・こいつはおれにどうにかして欲しいのか?<br> 「それじゃこれからよろしくね?」<br> ・・・目をつぶってどういうつもりだ・・・これはキスをしないといけないのか?<br> 無駄に悩んでたおれが馬鹿だったね<br> 「ういーす」<br> ガサツに戸を開けて誰かが入ってきた<br> 「わっすれーもの、忘れ物!」<br> 自作の歌を歌いながらやってきたそいつは、よりにもよって谷口だった。<br> まさか谷口もこんな時間に教室に誰かがいるとは思わなかっただろう。俺たちがいる<br> のに気づいてギクリと立ち止まり、しかるのちに口をアホみたいにパカンと開けた。<br>  この時、俺はまさに朝倉にキスするモーションに入ったばかりだった。その光景を<br> みたら、どんなににぶい奴でもキスシーンとわかるわけで<br> 「すまん」<br> 聞いたこともない真面目な声で谷口は言うとザリガニのように後ろへ下がり、<br> 戸も閉めないで走り去った。追う暇もなかった。<br> 「面白い人」と朝倉。<br> おれは盛大なため息をついた。<br> 「どうすっかなー」<br> 「いいんじゃない?」<br> 朝倉が小悪魔的な笑顔で言った・・・お前は優等生じゃなかったのか<br> 「あたしはいつだってまじめよ?」<br> それはいいんだがいつになったら手を離してくれるんだ?<br> 「決まってるじゃない」<br> そう言って再び目をつむった・・・決まってるんじゃ仕方ないな<br> おれは朝倉に唇を重ねて抱きしめた・・・・</p> <p>終わり<br></p>
<p>涼宮ハルヒという電波女がSOS団とかいう電波軍団を創った数日後、おれの下駄箱に<br /> 『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室に来て』と明らかに女の字で書かれている<br /> ノートの切れ端が入っていた。なんだ?これは・・・普通ラブレターだったらこんな<br /> ノートの切れ端になんて書かないだろう。でもこれはどう見ても女の字だ・・・・<br /> 考えても答えが出ない時は考えないのが一番だ、放課後教室に行ってみればわかる<br /> ことだしな。<br />  <br />  放課後<br /> 文芸部室を後にし、教室の引き戸を開けると黒板の前に意外な奴が立っていた<br /> 「遅いよ」<br /> 朝倉涼子が俺に笑いかけていた<br /> 「入ったら?」<br /> 引き戸に手をかけた状態で止まっていた俺はその声に誘われるように朝倉に近寄る。<br /> 「お前か・・・・」<br /> 「そ。以外でしょ」<br /> くったくなく笑う朝倉。その右半身が夕日に紅く染まっていた。<br /> 「なんのようだ?」<br /> わざとぶっきらぼうに訊く。くつくつと笑い声を立てながら朝倉は、<br /> 「用があるのは確かなんだけどね。ちょっと訊きたいことがあるの」<br /> 俺の真正面にある朝倉の顔は少し朱が刺していた。夕日のせいか?<br /> 「人間はさあ、よく『やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがいい』って<br />  言うよね。これ、どう思う?」<br /> いつもの朝倉らしくないちょっと照れたような表情だ<br /> 「よく言うかどうかは知らないが、言葉どうりの意味だろうよ」<br /> 「じゃああの・・・キョン君今付き合ってる人とかいる?」<br /> おいおいまさかお前がおれにそんなこと訊くなんてな<br /> 「いない」<br /> 「あたしとか・・・だめかな?」<br /> ・・・・・どうしたものか、まあこいつは可愛いし性格もいい、付き合ってくれと<br /> 言われたら断る理由が見当たらないな<br /> 「ああいいぜ」<br /> 「ほんと?」<br /> いきなりおれの首に手を回してどういうつもりだ・・・さっきまでの照れた感じは<br /> どうした?変な気を起こしそうになるじゃないか<br /> 「フフッ変な気ってなあに?」<br /> 吐息がかかるんだよ・・・こいつはおれにどうにかして欲しいのか?<br /> 「それじゃこれからよろしくね?」<br /> ・・・目をつぶってどういうつもりだ・・・これはキスをしないといけないのか?<br /> 無駄に悩んでたおれが馬鹿だったね<br /> 「ういーす」<br /> ガサツに戸を開けて誰かが入ってきた<br /> 「わっすれーもの、忘れ物!」<br /> 自作の歌を歌いながらやってきたそいつは、よりにもよって谷口だった。<br /> まさか谷口もこんな時間に教室に誰かがいるとは思わなかっただろう。俺たちがいる<br /> のに気づいてギクリと立ち止まり、しかるのちに口をアホみたいにパカンと開けた。<br />  この時、俺はまさに朝倉にキスするモーションに入ったばかりだった。その光景を<br /> みたら、どんなににぶい奴でもキスシーンとわかるわけで<br /> 「すまん」<br /> 聞いたこともない真面目な声で谷口は言うとザリガニのように後ろへ下がり、<br /> 戸も閉めないで走り去った。追う暇もなかった。<br /> 「面白い人」と朝倉。<br /> おれは盛大なため息をついた。<br /> 「どうすっかなー」<br /> 「いいんじゃない?」<br /> 朝倉が小悪魔的な笑顔で言った・・・お前は優等生じゃなかったのか<br /> 「あたしはいつだってまじめよ?」<br /> それはいいんだがいつになったら手を離してくれるんだ?<br /> 「決まってるじゃない」<br /> そう言って再び目をつむった・・・決まってるんじゃ仕方ないな<br /> おれは朝倉に唇を重ねて抱きしめた・・・・</p> <p>終わり</p>

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