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「朝倉と」(2020/05/29 (金) 11:59:44) の最新版変更点
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あまりの暑さに目を覚ます。おもむろに目覚ましに目をやると時計の針は7時ジャストを刺していた。布団を跳ね除け、起き上がる。たまには早起きってのも悪くないだろ。<br>
俺はそのまま階段を降り、朝の支度にかかった。<br>
歯を磨きながら「やれやれ、再来週にはテストかよ・・・」<br>
と、一人鬱な気分になっていた。<br>
<br>
少し記憶をたどれば、フロイト先生に爆笑されてしまいそうな夢が思い出せる。<br>
もう少し戻れば、人生で初めてナイフを突きつけられたことも思い出せる。思い出せるってのに、なんで過ぎ去った実感がないものか。まるで、昨日の事のように思い出せるし、実際こうして思い出してる。<br>
やっぱ命の危険てのは覚えてるもんなのかねぇ、などと思いをめぐらせていると、俺の部屋から妹の悲鳴が聞こえた。<br>
「どうした!」<br>
俺が急いで階段を駆け上がる。すると妹が俺を見て怯えたように言った。<br>
「キョン君がいないの・・・。って、ひょっとしてキョン君なのかな?かな?」<br>
「みりゃわかるだろ」<br>
「嘘だっ!!」<br>
このあと俺は喉を掻き毟らなきゃならんのか?付き合いきれない俺は妹にデコピンをかますと、また階下へと戻っていった。<br>
「もう~、今日こそは額に『腐』って書きたかったのに・・・」<br>
起きてて良かった。てか、そんなことしようとしてたのか!<br>
家にいても、疲れるだけだ。学校に行こう。<br>
・・・この時から、俺は今日がいつも通りじゃないことを何となく感じていた。<br>
<br>
だるい坂を上り学校に着く。今日は俺にしては早い登校のため、誰もいないものだと思っていた。<br>
しかし、教室にはもうすでに人が来ていた。それも俺にとっては非常に、そりゃもう非常に都合の悪い相手で、出来ればもうエンカウントしたくないくらい都合の悪い相手なのだ。<br>
それは誰であろう、朝倉涼子だ。俺が教室に入らずに、入り口のあたりで呆けて立っていると、あのAプラスの笑顔で<br>
「どうしたの?入らないの?」<br>
と言ってきた。誰かモルルのお守りをくれ!<br>
「い、いや、そういえば忘れ物を思い出したんだ・・・」<br>
苦しい言い訳をすると俺は踵を返し早歩きでその場を去った。あの教室に入るだと?冗談じゃない。<br>
また、俺を情報制御下とかに置いて身動きを封じられるに決まってる。あまつさえ、若い俺の体を・・・、いや、これは妄想だった。俺はMっ気があるみたいだな。<br>
いや、そんなことより長門だ。アイツに会わないと。<br>
そう思い、なぜだか足を部室に向けた。普通長門のいる教室に直行するのがセオリーだと思われるが、何となく部室にいる、そんな気がして部室に向かってみた。<br>
すると、意外にもというか思った通りというか、そこに長門はいた。しかし、本を持っておらず視線は宙に浮いている。<br>
「おい、長門」<br>
軽く声をかけてやると、<br>
「・・・」<br>
俺に顔を向けた。どうやら意識はあるようだ。長門でもボケーっとする時があるんだな。などと思いつつも、俺は朝倉のことについて長門を問いつめた。<br>
「・・・アナタの気持ちは理解できる。だが、朝倉涼子の気持ちも考慮すべき。彼女は酷い罪悪感を抱いている。私は彼女の償いたいという気持ちに応えただけ」<br>
・・・要約すると、俺を襲ったことに心を痛めた朝倉は反省し、そのことを償うためにここにいると。そして、俺を襲ったという記憶が無いらしい。<br>
ただ俺を『傷つけてしまったことがある』、とは認識してるらしく、何かと俺を気にかけるとのこと。統合思念体としての力は失っているらしいから脅威にはならないという。<br>
「ふ~ん、それでも朝倉が俺に危害を加えた場合は?」<br>
「私が責任をもって始末する」<br>
始末する・・・。長門にしては乱暴な言葉だ。それほど俺が過激派に襲われたことを根に持っているようだ。<br>
「そうか、まぁわかった。とりあえず普通に接するようにしてみる」<br>
「そう」<br>
長門はそう言うと立ち上がった。教室に行くみたいだ。どうせだから一緒に行くことにした。その時は気がつきもしなかった。教室が騒ぎになっていることなんて。<br>
<br>
<br>
教室に行くと、クラス中が朝倉を囲んで色んな質問をしていた。それはそうだろ。こっちではカナダに転校したことになってるんだからよ。<br>
俺は自分の席に腰掛けると、いつものクセで後ろを振り返った。そこには面白いものを見つけた小学生のような目をした団長様がいた。<br>
「キョン、これは臭うわ。事件の臭いよ」<br>
SOS団団長こと涼宮ハルヒがまたろくでもないことを考え出したようだ。コイツは面白いことが大好きなのだ。いっっっっつも面倒ごとを起こす癖がある。巻き込まれるのだけは勘弁願いたい。<br>
「アタシの推理では本当はカナダに単身赴任の予定だったの。でも父親がそれを嫌がり無理やり家族を連れて行った。<br>
そしてそこの環境が合わなかった奥さんは離婚を決断し、日本に帰ってきた。どう、この完璧なアタシの推理は!」<br>
どうもこうもあるか。俺が○×つけれるなら×してるぞ。<br>
「何でよ」<br>
何となく。・・・よせ、落ち着け。話し合おう。だからその握りこぶしを下げて、ね?ハルハル?<br>
最後の一言が余計だったのか、それとも最初から殴る気だったのか、俺は殴られた。畜生ハルヒめ、覚えてやがれ。俺は殴られた頬をさすりながら、なぜか体が快感を覚えていることに戸惑っていた。ドMかよ俺は・・・。<br>
一人突っ込みがむなしい・・・。<br>
さて、朝倉の方はどうなったかというと、上手く言葉を濁したのか、いつもの仲良しメンバーと談笑していた。なぜだろう、そんな義理はないってのに心配しちまった。<br>
・・・そうか、ハルヒに少しでも不思議についてのことがばれたらヤバイから、心配してたのか・・・。そうだ、そうに違いない。<br>
俺がむりやり自己完結するのと同時に朝のHRが始まった。<br>
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あまりの暑さに目を覚ます。おもむろに目覚ましに目をやると時計の針は7時ジャストを刺していた。布団を跳ね除け、起き上がる。たまには早起きってのも悪くないだろ。<br />
俺はそのまま階段を降り、朝の支度にかかった。<br />
歯を磨きながら「やれやれ、再来週にはテストかよ・・・」<br />
と、一人鬱な気分になっていた。<br />
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少し記憶をたどれば、フロイト先生に爆笑されてしまいそうな夢が思い出せる。<br />
もう少し戻れば、人生で初めてナイフを突きつけられたことも思い出せる。思い出せるってのに、なんで過ぎ去った実感がないものか。まるで、昨日の事のように思い出せるし、実際こうして思い出してる。<br />
やっぱ命の危険てのは覚えてるもんなのかねぇ、などと思いをめぐらせていると、俺の部屋から妹の悲鳴が聞こえた。<br />
「どうした!」<br />
俺が急いで階段を駆け上がる。すると妹が俺を見て怯えたように言った。<br />
「キョン君がいないの・・・。って、ひょっとしてキョン君なのかな?かな?」<br />
「みりゃわかるだろ」<br />
「嘘だっ!!」<br />
このあと俺は喉を掻き毟らなきゃならんのか?付き合いきれない俺は妹にデコピンをかますと、また階下へと戻っていった。<br />
「もう~、今日こそは額に『腐』って書きたかったのに・・・」<br />
起きてて良かった。てか、そんなことしようとしてたのか!<br />
家にいても、疲れるだけだ。学校に行こう。<br />
・・・この時から、俺は今日がいつも通りじゃないことを何となく感じていた。<br />
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だるい坂を上り学校に着く。今日は俺にしては早い登校のため、誰もいないものだと思っていた。<br />
しかし、教室にはもうすでに人が来ていた。それも俺にとっては非常に、そりゃもう非常に都合の悪い相手で、出来ればもうエンカウントしたくないくらい都合の悪い相手なのだ。<br />
それは誰であろう、朝倉涼子だ。俺が教室に入らずに、入り口のあたりで呆けて立っていると、あのAプラスの笑顔で<br />
「どうしたの?入らないの?」<br />
と言ってきた。誰かモルルのお守りをくれ!<br />
「い、いや、そういえば忘れ物を思い出したんだ・・・」<br />
苦しい言い訳をすると俺は踵を返し早歩きでその場を去った。あの教室に入るだと?冗談じゃない。<br />
また、俺を情報制御下とかに置いて身動きを封じられるに決まってる。あまつさえ、若い俺の体を・・・、いや、これは妄想だった。俺はMっ気があるみたいだな。<br />
いや、そんなことより長門だ。アイツに会わないと。<br />
そう思い、なぜだか足を部室に向けた。普通長門のいる教室に直行するのがセオリーだと思われるが、何となく部室にいる、そんな気がして部室に向かってみた。<br />
すると、意外にもというか思った通りというか、そこに長門はいた。しかし、本を持っておらず視線は宙に浮いている。<br />
「おい、長門」<br />
軽く声をかけてやると、<br />
「・・・」<br />
俺に顔を向けた。どうやら意識はあるようだ。長門でもボケーっとする時があるんだな。などと思いつつも、俺は朝倉のことについて長門を問いつめた。<br />
「・・・アナタの気持ちは理解できる。だが、朝倉涼子の気持ちも考慮すべき。彼女は酷い罪悪感を抱いている。私は彼女の償いたいという気持ちに応えただけ」<br />
・・・要約すると、俺を襲ったことに心を痛めた朝倉は反省し、そのことを償うためにここにいると。そして、俺を襲ったという記憶が無いらしい。<br />
ただ俺を『傷つけてしまったことがある』、とは認識してるらしく、何かと俺を気にかけるとのこと。統合思念体としての力は失っているらしいから脅威にはならないという。<br />
「ふ~ん、それでも朝倉が俺に危害を加えた場合は?」<br />
「私が責任をもって始末する」<br />
始末する・・・。長門にしては乱暴な言葉だ。それほど俺が過激派に襲われたことを根に持っているようだ。<br />
「そうか、まぁわかった。とりあえず普通に接するようにしてみる」<br />
「そう」<br />
長門はそう言うと立ち上がった。教室に行くみたいだ。どうせだから一緒に行くことにした。その時は気がつきもしなかった。教室が騒ぎになっていることなんて。<br />
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教室に行くと、クラス中が朝倉を囲んで色んな質問をしていた。それはそうだろ。こっちではカナダに転校したことになってるんだからよ。<br />
俺は自分の席に腰掛けると、いつものクセで後ろを振り返った。そこには面白いものを見つけた小学生のような目をした団長様がいた。<br />
「キョン、これは臭うわ。事件の臭いよ」<br />
SOS団団長こと涼宮ハルヒがまたろくでもないことを考え出したようだ。コイツは面白いことが大好きなのだ。いっっっっつも面倒ごとを起こす癖がある。巻き込まれるのだけは勘弁願いたい。<br />
「アタシの推理では本当はカナダに単身赴任の予定だったの。でも父親がそれを嫌がり無理やり家族を連れて行った。<br />
そしてそこの環境が合わなかった奥さんは離婚を決断し、日本に帰ってきた。どう、この完璧なアタシの推理は!」<br />
どうもこうもあるか。俺が○×つけれるなら×してるぞ。<br />
「何でよ」<br />
何となく。・・・よせ、落ち着け。話し合おう。だからその握りこぶしを下げて、ね?ハルハル?<br />
最後の一言が余計だったのか、それとも最初から殴る気だったのか、俺は殴られた。畜生ハルヒめ、覚えてやがれ。俺は殴られた頬をさすりながら、なぜか体が快感を覚えていることに戸惑っていた。ドMかよ俺は・・・。<br />
一人突っ込みがむなしい・・・。<br />
さて、朝倉の方はどうなったかというと、上手く言葉を濁したのか、いつもの仲良しメンバーと談笑していた。なぜだろう、そんな義理はないってのに心配しちまった。<br />
・・・そうか、ハルヒに少しでも不思議についてのことがばれたらヤバイから、心配してたのか・・・。そうだ、そうに違いない。<br />
俺がむりやり自己完結するのと同時に朝のHRが始まった。<br />
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