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バカップル日記―いじわるキョン×ハルヒ―」(2020/08/22 (土) 14:15:55) の最新版変更点

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<br>  付き合って3ヶ月目の俺とハルヒ。今日は日曜日。<br>  昨日は探索をこなし、今日はデートの予定だ。天気は快晴、気候もよし。<br> 「なのに、なんでお前の部屋で二人で寝てんだろうな」<br> 「知らないわよ、そんなの。あ~、良い天気ね」<br> 「ハルハル~、外にデートに行こうぜ~」<br> 「行かない、疲れてるもん。それとキョン、その呼び方やめなさいって何度言ったかしら?」<br>  自分だって、俺を名前で呼ばないじゃないか。とは言えない。<br>  だから、俺は何度でもそう呼ぶことで反抗するのさ。<br> 「ハルハル~。昼飯も食べないといけないだろ~?」<br>  やはり、ポカポカ陽気のせいか話し方までダラダラしてしまう。<br> 「後であたしが作ってあげるわよ。……今度『ハルハル』って言ったら別れるわよ」<br> 「そんなこと言うなよ、ハルハル~」<br> 「あ、もう怒った。二度と口きかないんだから」<br>  ハルヒは俺に背を向けるように寝返りをうった。……本気で怒ったか?<br>  しかし、この呼び方は意外に気に入ってたりする。<br> 「ハルハル? 怒ったのか?」<br> 「……………………」<br>  返事はない。ただの屍のようだ。とか言ってみる……無理。本気で殺される。<br> 「ハルハル、こっち向かないと……キスするぞ?」<br> 「……………………」<br>  返事はない。OKの証だ。俺はハルヒの首を捩じり、優しく口づけた。<br> 「ちょっと! 勝手に何してんのよ!」<br> 「いや、こっち向かないとキスするって言っただろ?」<br> 「言ったけどさ……もっとほら、雰囲気とか……」<br>  ハルヒは拗ねたように唇を尖らせた。その唇にもう一回キスしてみる。<br> 「だーかーら!」<br> 「今、キスして欲しかったから唇を尖らせたんだろ?」<br> <br>  大きな溜息の後、ハルヒは無言でまた背中を向けた。そろそろマジギレか?<br> 「……………………」<br>  ……遊ぶのは終わりだな。背中から『あんたなんか嫌いオーラ』が出てる。真面目に謝ろう。<br> 「ハルヒ、俺が悪かった。俺はただ、お前とデートがしたかったんだよ」<br> 「……あたしはただあんたと一緒に居たいだけなのに」<br>  背中を向けたまま放たれたその言葉は、どこか『いじけた感』を感じさせる発音だった。<br>  あぁ、やっぱり怒ってるな。しかしその理由がまたかわいい。<br> 「俺が悪かった。だから機嫌直せよ、な?」<br>  ここで後ろから抱きついてみる。これで機嫌直してくれるか?<br> 「……離してよ、別れるって言ったじゃない」<br>  まだ機嫌は直らない。しかし、伊達に3ヶ月も付き合ってるわけじゃないぜ。<br>  こんな時の対処法もバッチリだ。ハルヒが頑なな態度を崩さない、そんな時は……突き放す。<br> 「あぁ、そうか。勝手に抱きついたりしてわるかったな、『涼宮』」<br> 「……え?」<br> 「じゃあ、俺帰るから。また明日学校でな、『涼宮』」<br>  ここで足早に立ち去る。……フリだけどな。<br> 「え、ちょ……ま……待ちなさい!」<br>  ほら来た。<br> <br> 「う~……ごめん。あたしが調子に乗りすぎた」<br>  付き合って初めて見たハルヒの謝る姿。これがまた、意外にかわいいんだ。やみつきになるね。<br>  それに考えてみろ。あの、何者にも屈しないハルヒが自分に謝ってくるんだぞ?<br>  ある一種の征服感を感じないわけにはいかないだろ?<br> 「だから……もっかい」<br>  仲直りのキスを求めてくるんだ、こいつは。まぁ、キスとか抱き締める以上のことはしないんだけどな。<br>  ハルヒが求めてくるまで、俺はそれ以上をしようとは思わん。それに今のままで充分満足だ。<br>  俺は一言、「しょうがないな」と言ってベッドに戻り、ハルヒに口づけた。<br>  まったく、可愛らしい奴だ。ハルヒに気に入られた俺は幸せ者だな。<br> 「あたし、ご飯作ってくるわ!」<br>  そして、仲直りの後はいつものことだが、照れ隠しのために理由をつけて目の前を去るんだ。<br>  ここら辺、ハルヒらしいなと俺は思う。<br> <br> <br>  ハルヒの作ってきたかなり美味い昼飯を食べ、再びゴロゴロダラダラの時間へ。<br>  いい加減どっか行かないか? と言おうと思ったが、やめた。<br>  これはこれで幸せだからな。特に買い物がしたいわけでもないし、どこかでイベントがあるわけでもない。<br>  ハルヒにうで枕をして、たまに言葉を交わす。そして、たまに抱き合ったり、唇を重ねたりする。<br>  これが幸せだと思えない奴がいたら俺に教えろ。俺の幸せそうな表情を見せてやるから。<br> 「ねぇ、キョン。どっか行きたいなら行ってあげてもいいわよ?」<br>  おっと、これは予想外だ。いつもはこんなことは言ってこないんだけどな。<br>  あらたなパターンを知るイベント発生か? ……まぁ、俺の選択肢は決まってるがな。<br> <br> 「いーや、遠慮しとく。お前は行きたいのか?」<br>  するとハルヒは、こんなことを言いだした。<br> 「違うけど……あんたがしたいことがしたいからさ」<br>  ……フラグ成立か? 俺がここで一言、「ちょっとエッチなことがしたい」とか言うとどうなる?<br>  さすがに断るよな。「あんたキモすぎるわ」とか言われて。<br>  しかし、初めての展開ならやってみる価値はある。もちろん、最後までやる気は毛頭無いが。<br> 「俺がしたいこと? ん~……お前とちょっとやらしいことがしたい」<br>  さぁ、どう出る? 困るだろ、顔真っ赤にして……かわいいんだよ、バカ!<br> 「……い、いいわよ」<br>  ハルヒは小声で言った後、強く目を瞑った。ヤバい、このまま突入だけはヤバい。<br> 「や、優しくしなさいよ……」<br>  なんでこいつは予想外のことをするんだよ……。しかも「優しくしなさいよ」ってなんだよ。<br>  ……我慢できなくなるだろ、バカ。<br>  とりあえず、ハルヒを跨いで座り、上からキスしようと顔を近付ける。<br> 「……っ」<br>  あ~、やっぱダメだ。こんな顔をしてる奴とやるのは無理。あたし我慢してます、みたいな顔するなよ。<br> <br>  俺はハルヒの額に頭突きをかまして、再び横に寝転んだ。<br> 「あたっ! ……キョン、なんでやめるのよ! あ、あたしは全然怖くなんてないんだから!」<br> 「冗談だよ、冗談。無理しなくても、ずっと俺は好きでいてやるよ」<br>  ハルヒに対して優位に立っているとこんなセリフが出るもんさ。<br>  今の俺はなかなかカッコいい部類なんじゃないか? あ、勘違いか、すまん。<br> 「キョン、ありがと……」<br>  ケンカ(もどき)の後のハルヒは完全に言いなりだな。ま、他の奴等といる時は完全に俺が下だが。<br>  それくらいのサービスをもらってもいいよな?<br>  普段は俺がこき使われ、二人なら俺が優位。これが俺達のバランスの取りかたらしい。<br>  つーか、幸せなら何でもいい。バランスもいらん。ただ二人だけの時間が増えさえすればな。<br> 「すー……すー……」<br>  おっと、うで枕が気持ちよかったのか、眠りはじめやがった。これでまた、俺の腕は痺れることになるな……やれやれ。<br>  しょうがないから俺も寝るか。それじゃ、おやすみ……。<br> <br> <br> おわり<br>
<p><br />  付き合って3ヶ月目の俺とハルヒ。今日は日曜日。<br />  昨日は探索をこなし、今日はデートの予定だ。天気は快晴、気候もよし。<br /> 「なのに、なんでお前の部屋で二人で寝てんだろうな」<br /> 「知らないわよ、そんなの。あ~、良い天気ね」<br /> 「ハルハル~、外にデートに行こうぜ~」<br /> 「行かない、疲れてるもん。それとキョン、その呼び方やめなさいって何度言ったかしら?」<br />  自分だって、俺を名前で呼ばないじゃないか。とは言えない。<br />  だから、俺は何度でもそう呼ぶことで反抗するのさ。<br /> 「ハルハル~。昼飯も食べないといけないだろ~?」<br />  やはり、ポカポカ陽気のせいか話し方までダラダラしてしまう。<br /> 「後であたしが作ってあげるわよ。……今度『ハルハル』って言ったら別れるわよ」<br /> 「そんなこと言うなよ、ハルハル~」<br /> 「あ、もう怒った。二度と口きかないんだから」<br />  ハルヒは俺に背を向けるように寝返りをうった。……本気で怒ったか?<br />  しかし、この呼び方は意外に気に入ってたりする。<br /> 「ハルハル? 怒ったのか?」<br /> 「……………………」<br />  返事はない。ただの屍のようだ。とか言ってみる……無理。本気で殺される。<br /> 「ハルハル、こっち向かないと……キスするぞ?」<br /> 「……………………」<br />  返事はない。OKの証だ。俺はハルヒの首を捩じり、優しく口づけた。<br /> 「ちょっと! 勝手に何してんのよ!」<br /> 「いや、こっち向かないとキスするって言っただろ?」<br /> 「言ったけどさ……もっとほら、雰囲気とか……」<br />  ハルヒは拗ねたように唇を尖らせた。その唇にもう一回キスしてみる。<br /> 「だーかーら!」<br /> 「今、キスして欲しかったから唇を尖らせたんだろ?」<br /> <br />  大きな溜息の後、ハルヒは無言でまた背中を向けた。そろそろマジギレか?<br /> 「……………………」<br />  ……遊ぶのは終わりだな。背中から『あんたなんか嫌いオーラ』が出てる。真面目に謝ろう。<br /> 「ハルヒ、俺が悪かった。俺はただ、お前とデートがしたかったんだよ」<br /> 「……あたしはただあんたと一緒に居たいだけなのに」<br />  背中を向けたまま放たれたその言葉は、どこか『いじけた感』を感じさせる発音だった。<br />  あぁ、やっぱり怒ってるな。しかしその理由がまたかわいい。<br /> 「俺が悪かった。だから機嫌直せよ、な?」<br />  ここで後ろから抱きついてみる。これで機嫌直してくれるか?<br /> 「……離してよ、別れるって言ったじゃない」<br />  まだ機嫌は直らない。しかし、伊達に3ヶ月も付き合ってるわけじゃないぜ。<br />  こんな時の対処法もバッチリだ。ハルヒが頑なな態度を崩さない、そんな時は……突き放す。<br /> 「あぁ、そうか。勝手に抱きついたりしてわるかったな、『涼宮』」<br /> 「……え?」<br /> 「じゃあ、俺帰るから。また明日学校でな、『涼宮』」<br />  ここで足早に立ち去る。……フリだけどな。<br /> 「え、ちょ……ま……待ちなさい!」<br />  ほら来た。<br /> <br /> 「う~……ごめん。あたしが調子に乗りすぎた」<br />  付き合って初めて見たハルヒの謝る姿。これがまた、意外にかわいいんだ。やみつきになるね。<br />  それに考えてみろ。あの、何者にも屈しないハルヒが自分に謝ってくるんだぞ?<br />  ある一種の征服感を感じないわけにはいかないだろ?<br /> 「だから……もっかい」<br />  仲直りのキスを求めてくるんだ、こいつは。まぁ、キスとか抱き締める以上のことはしないんだけどな。<br />  ハルヒが求めてくるまで、俺はそれ以上をしようとは思わん。それに今のままで充分満足だ。<br />  俺は一言、「しょうがないな」と言ってベッドに戻り、ハルヒに口づけた。<br />  まったく、可愛らしい奴だ。ハルヒに気に入られた俺は幸せ者だな。<br /> 「あたし、ご飯作ってくるわ!」<br />  そして、仲直りの後はいつものことだが、照れ隠しのために理由をつけて目の前を去るんだ。<br />  ここら辺、ハルヒらしいなと俺は思う。<br /> <br /> <br />  ハルヒの作ってきたかなり美味い昼飯を食べ、再びゴロゴロダラダラの時間へ。<br />  いい加減どっか行かないか? と言おうと思ったが、やめた。<br />  これはこれで幸せだからな。特に買い物がしたいわけでもないし、どこかでイベントがあるわけでもない。<br />  ハルヒにうで枕をして、たまに言葉を交わす。そして、たまに抱き合ったり、唇を重ねたりする。<br />  これが幸せだと思えない奴がいたら俺に教えろ。俺の幸せそうな表情を見せてやるから。<br /> 「ねぇ、キョン。どっか行きたいなら行ってあげてもいいわよ?」<br />  おっと、これは予想外だ。いつもはこんなことは言ってこないんだけどな。<br />  あらたなパターンを知るイベント発生か? ……まぁ、俺の選択肢は決まってるがな。<br /> <br /> 「いーや、遠慮しとく。お前は行きたいのか?」<br />  するとハルヒは、こんなことを言いだした。<br /> 「違うけど……あんたがしたいことがしたいからさ」<br />  ……フラグ成立か? 俺がここで一言、「ちょっとエッチなことがしたい」とか言うとどうなる?<br />  さすがに断るよな。「あんたキモすぎるわ」とか言われて。<br />  しかし、初めての展開ならやってみる価値はある。もちろん、最後までやる気は毛頭無いが。<br /> 「俺がしたいこと? ん~……お前とちょっとやらしいことがしたい」<br />  さぁ、どう出る? 困るだろ、顔真っ赤にして……かわいいんだよ、バカ!<br /> 「……い、いいわよ」<br />  ハルヒは小声で言った後、強く目を瞑った。ヤバい、このまま突入だけはヤバい。<br /> 「や、優しくしなさいよ……」<br />  なんでこいつは予想外のことをするんだよ……。しかも「優しくしなさいよ」ってなんだよ。<br />  ……我慢できなくなるだろ、バカ。<br />  とりあえず、ハルヒを跨いで座り、上からキスしようと顔を近付ける。<br /> 「……っ」<br />  あ~、やっぱダメだ。こんな顔をしてる奴とやるのは無理。あたし我慢してます、みたいな顔するなよ。<br /> <br />  俺はハルヒの額に頭突きをかまして、再び横に寝転んだ。<br /> 「あたっ! ……キョン、なんでやめるのよ! あ、あたしは全然怖くなんてないんだから!」<br /> 「冗談だよ、冗談。無理しなくても、ずっと俺は好きでいてやるよ」<br />  ハルヒに対して優位に立っているとこんなセリフが出るもんさ。<br />  今の俺はなかなかカッコいい部類なんじゃないか? あ、勘違いか、すまん。<br /> 「キョン、ありがと……」<br />  ケンカ(もどき)の後のハルヒは完全に言いなりだな。ま、他の奴等といる時は完全に俺が下だが。<br />  それくらいのサービスをもらってもいいよな?<br />  普段は俺がこき使われ、二人なら俺が優位。これが俺達のバランスの取りかたらしい。<br />  つーか、幸せなら何でもいい。バランスもいらん。ただ二人だけの時間が増えさえすればな。<br /> 「すー……すー……」<br />  おっと、うで枕が気持ちよかったのか、眠りはじめやがった。これでまた、俺の腕は痺れることになるな……やれやれ。<br />  しょうがないから俺も寝るか。それじゃ、おやすみ……。<br /> <br /> <br /> おわり</p>

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