「涼宮ハルヒの永遠」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「涼宮ハルヒの永遠」(2020/06/28 (日) 23:18:49) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
<div class="main">四月、季節は春。<br>
春は世間一般ではお花見だ、歓迎会だなどと浮かれる季節となりがちだが<br>
俺たち学生からしたらそれ以上に意識してしまうものがある。<br>
<br>
そう、受験及び就職活動だ。<br>
月日が立つのは早い。<br>
去年までは浮かれていた俺たちSOS団(朝比奈さんを除いて)だが<br>
今年から俺たちも三年生なのである。<br>
俺は二年の時も低空飛行さながらのスレスレ具合だったため冷や冷やしたが無事進級した。<br>
そして我等が天使朝比奈さんは無事東高近くの大学に受かり終わり次第<br>
俺たちの部室に来てメイド兼お茶くみ係をしてくれている。<br>
わざわざ来た上に何と律儀な事だ。爪の垢を煎じてどこかの団長さんに飲ませてやりたいね。<br>
他のメンバーは言わずもがな皆余裕しゃくしゃくで進級した。あ~忌々しい。<br>
<br>
しかし受験年だからと言って勉強休みなど団長が与えてくれるはずもなく<br>
今日も今日とて鶏が毎日朝早くに鳴くように当然として部室に向かっている俺なのである。<br>
<br>
俺は授業が終わるといつもの道を通りいつもの部室前で人間が外出する時に靴を履くように当然に<br>
行わなければならない動作ノックをし、朝比奈さんの「は~い」と言うまるで天使のような<br>
いや、天使すら従えてしまいそうな可愛らしい挨拶を聞くと部室に入った。<br>
浮かれるような天候の春なのだから開けてメイド服への着替えシーンを目撃しても<br>
「すいません、うっかり」で済みそうだなと思いながらも<br>
そんな勇敢極まりない行動など出来ない俺を自分で呪いながらもね。<br>
<br>
部室の中にはこれまた寒いと鳥肌が立つように当然として<br>
いつもの定位置に座り分厚いハードカバーを読んでいる長門を見た後<br>
「あれ?ハルヒはまだ来ていないんですか?」と朝比奈さんに質問した。<br>
ハルヒは授業が終わったと同時に教室を飛び出していったはずなのにと首をかしげていると<br>
「涼宮さんなら先程玄関で先生と討論を繰り広げていらっしゃいましたよ」と<br>
何故か後ろから答えが返って来た。俺は振り返りむかつくほどの爽やかスマイル男古泉を一瞥し<br>
「討論?」と聞き返した。<br>
「はい、討論でした。遠くから見かけただけなので何を話しているかまでは分かりませんでしたが<br>
大層怒鳴っていましたよ。ちなみに今僕は閉鎖空間帰りです。」<br>
お前の事などどうでもいいが、ハルヒが先生を相手にするなど珍しい事もあるもんだ。<br>
嵐が起きなきゃいいけどな。<br>
<br>
ま、何にせよ今だけは身体を休めておかないといけない。<br>
その話を聞いたところによるといつあの団長が怒りながら此処にやって来るか分からないからな。<br>
その後俺は朝比奈さんの入れてくれた何よりも美味なお茶をすすりつつ<br>
古泉とアナログなゲームをしながら、時々長門を見るといったいつも通りの行動をとっていた。<br>
あのハルヒが来るまではな。<br>
<br>
<br>
その日のハルヒは荒れていた。<br>
いつも以上の大蹴りでドアを蹴飛ばすと挨拶もせずズカズカと団長席に座り<br>
オドオドしている様も美しい朝比奈さんの入れたお茶をいつもの倍のスピードで飲み干しつつ<br>
パソコンを始めたかと思うとこう俺に絡んできた。<br>
<br>
「何であんたはそんなに頭が悪いのよ!!」<br>
WHAT?自慢じゃないがそんなの今に始まった話じゃないだろ?<br>
「だからこそよ!!あんたなんか団始まって以来の落ちこぼれよ!!このままじゃ…」<br>
このままじゃ?<br>
「とにかく今日は解散!!そして家でちゃんと勉強すること!!<br>
いい?特にキョンは馬鹿なんだからしっかり勉強しなさいよね!!」<br>
そんな団長の身勝手な解散宣言により帰らざるを得なくなった俺たちは家へ帰宅した。<br>
普通学生ならば何かしら用事のあるものだがいつもSOS団の活動でスケジュールが<br>
埋められた俺は何もすることがなく仕方なしに机に向かった。<br>
<br>
「全くわからん」<br>
この前デパートで何気なく買った問題集に取り組んだのだが十問目で壁に当たったのである。<br>
その後数分うなったが分からん時は頭を休めるのが一番などという俺流ルールの元<br>
ベッドに入りそのまますやすやと眠りの世界へ落ちてしまったのだった。<br>
<br>
<br>
「…き…下さ…」<br>
ん?何だ?<br>
「起きて下さい」<br>
目を開けると古泉が俺を覗き込み起こしていた。<br>
顔を近づけるな、気持ち悪い。と言うより何でお前が俺の部屋にいる。<br>
「まだ寝ぼけているようですね。此処はあなたの部屋ではありません。」<br>
俺の部屋じゃないって?なら何処だ?<br>
「周りを見れば分かるでしょう?」<br>
あぁ、分かってはいたさ。だが認めたくなかったね。<br>
また此処、閉鎖空間に来るなんてさ。しかもご丁寧に制服に着替えさせられて。<br>
希望があるとすればSOS団の面子が揃っている事だな。<br>
<br>
「そうですね。心強いばかりです。」<br>
全くだ。しかし何故こんなところに俺たちはいるんだ?<br>
「おそらく今日の涼宮ハルヒのストレスの元が原因」<br>
やっぱりか。ならまたハルヒの奴を見つけなければならんようだ。<br>
<br>
でもその前に、起きて下さい朝比奈さん。<br>
「ふぇ?ななな、何でキョンくんが私の部屋にいるんですかぁ?」<br>
先程俺も同じ事を言いましたよ。しかし朝比奈さんの反応の方が素晴らしかったですが。<br>
「ってことは此処は…閉鎖空間…ですか?」<br>
はい、間違いありません。長門とついでに古泉がそう言ってますから。<br>
「そっかぁ~…やっぱり…部室での涼宮さんおかしかったし…」<br>
確かにそうですね。でもまずは元の世界に戻るためにアイツを見つけないと。<br>
「そうですねぇ…」<br>
<br>
「闇雲に探しても見つからないでしょう。居そうな場所から探しませんか?」<br>
居そうな場所ね。やっぱりあそこしかないだろ。<br>
「部室。過去の同様の閉鎖空間の例でも此処での出現率が一番高い。」<br>
だろうな。俺たちの集まる場所は此処か駅前か喫茶店くらいだからな。<br>
見慣れたはずだが灰色だとやはり不気味な廊下を渡り部室前に行く。<br>
途中で朝比奈さんが泣きそうになりながら抱きついてきた時理性を保てた俺を自画自賛するね。<br>
「いいですか?開けますよ?」<br>
そう言うと古泉が先頭でドアを開けそれに続き俺、長門、朝比奈さんと続いた。<br>
<br>
やはり居た。<br>
ハルヒはしばらく此方に気づかなかったが俺たちの姿を見るなり<br>
いきなり100Wの笑顔になり「遊びましょう!!」と叫んだ。<br>
それを聞くと朝比奈さんは安心したように笑い、古泉はやれやれと言うような顔をし、<br>
長門はやっぱり無表情だった。しかし俺は笑えなかった。<br>
いつもと何か違う感じがした。<br>
何がだ?何がいつもと違う?遊びましょう?<br>
<br>
そうか…ハルヒは…<br>
「何やってるのよキョン!!早く遊ぶのよ!!」<br>
ハルヒ<br>
「何よ?」<br>
何を隠してる?<br>
「え?」<br>
お前はいつもと違う。俺たちに何を隠してるんだ?<br>
「何…言ってるのよキョン。いつもと同じよ…」<br>
いや、違うね。俺の知っている涼宮ハルヒは遊ぼうなんて言わない。<br>
「いつも遊んでるじゃない…」<br>
そうじゃない。ハルヒがいつも俺たちとするのは<br>
宇宙人、未来人、異世界人、超能力者探しかSOS団の名前を広めることだ。<br>
決して遊ぼうなどとは言わない。<br>
「それは…」<br>
<br>
「それは……あんたが悪いのよキョン!!」<br>
何だって?俺が悪い?<br>
「そうよ!!あんたの頭が悪いから悪いの!!」<br>
何言ってんだ。そんなの前から「あんたの頭が悪いから皆同じ大学に入れなさそうなの!!」<br>
は?<br>
「先生に聞いてみたのよ。そうしたら私達はともかくあんただけは…<br>
あんただけは今のままじゃ危ないって…何とかしなさいって掴みかかっても無駄だった…<br>
なのにあんたは平然としてる!!嫌じゃないの?離れたらSOS団は解散になるのよ?」<br>
<br>
俺のために…<br>
「あんたのためだけじゃない。この団のためよ…」<br>
でもな、ハルヒ。<br>
「…何よ?」<br>
いつからこの団はスクールライフを面白くするための涼宮ハルヒの団になったんだ?<br>
「は?」<br>
世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団じゃなかったのか?<br>
「何がいいたいのよ…」<br>
<br>
「キョンくん…」朝比奈さんが泣きそうなハルヒの近くに寄る。<br>
しかし構わず俺は続ける。<br>
言っちまうのか俺?やれやれと散々溜息をしていたのにそれを続けることになる言葉を言うのか?<br>
言っちまうんだな?いいぜ。後悔はしないでくれよ未来の俺。<br>
「SOS団は離れてもこの世の全ての不思議を解き明かすまで永久不滅なんだろ?」<br>
<br>
ハルヒの、古泉の、朝比奈さんの、長門でさえも少しだが驚いた顔をした。<br>
もちろんこの言葉も忘れないけどな。<br>
「俺ももちろんこれから同じ大学に行ける様努力するさ。もちろんな。」<br>
<br>
「……ふん…分かってきたみたいじゃない!!いい?さっきの私の言葉は忘れなさい!!<br>
今言ったとおりSOS団はこの世の全てを解き明かすまで永久不滅なんだからね!!」<br>
<br>
AM4:00<br>
目覚めると部屋に居た。<br>
全く俺としたことがハルヒに向かってSOS団永久不滅宣言しちまうとはね。<br>
その後寝れたかって?寝れるわけないだろ?<br>
<br>
眠い。全然寝れなかったんだ。当たり前か。<br>
しかし助かる事に1時間目は自習って言ってたからな。居眠りタイムだ。<br>
一筋の光を元に疲れた体に更に追い討ちをかける坂をこれから1年も上り続けるのかと睨みつつ<br>
学校に到着した俺に更に追い討ちをかける一言を放ったのは誰だと思う?<br>
そう、答えは昨日と打って変わってテンションの高い涼宮ハルヒだ。<br>
「いい?今日の1時間目は何と自習よ!!だからあたしが勉強を教えてあげるわ!!」<br>
昨日の勉強発言撤回していい?なんて夢だと思っているハルヒに言える筈もなく<br>
どこぞの先生より教えるのが上手いんだから!!と豪語するハルヒに<br>
眠い頭を酷使することを余儀なくされた。永久不滅宣言をして何だがこれくらい言わせてくれ。<br>
<br>
「やれやれ」</div>
<!-- ad -->
<div class="main">四月、季節は春。<br />
春は世間一般ではお花見だ、歓迎会だなどと浮かれる季節となりがちだが<br />
俺たち学生からしたらそれ以上に意識してしまうものがある。<br />
<br />
そう、受験及び就職活動だ。<br />
月日が立つのは早い。<br />
去年までは浮かれていた俺たちSOS団(朝比奈さんを除いて)だが<br />
今年から俺たちも三年生なのである。<br />
俺は二年の時も低空飛行さながらのスレスレ具合だったため冷や冷やしたが無事進級した。<br />
そして我等が天使朝比奈さんは無事東高近くの大学に受かり終わり次第<br />
俺たちの部室に来てメイド兼お茶くみ係をしてくれている。<br />
わざわざ来た上に何と律儀な事だ。爪の垢を煎じてどこかの団長さんに飲ませてやりたいね。<br />
他のメンバーは言わずもがな皆余裕しゃくしゃくで進級した。あ~忌々しい。<br />
<br />
しかし受験年だからと言って勉強休みなど団長が与えてくれるはずもなく<br />
今日も今日とて鶏が毎日朝早くに鳴くように当然として部室に向かっている俺なのである。<br />
<br />
俺は授業が終わるといつもの道を通りいつもの部室前で人間が外出する時に靴を履くように当然に<br />
行わなければならない動作ノックをし、朝比奈さんの「は~い」と言うまるで天使のような<br />
いや、天使すら従えてしまいそうな可愛らしい挨拶を聞くと部室に入った。<br />
浮かれるような天候の春なのだから開けてメイド服への着替えシーンを目撃しても<br />
「すいません、うっかり」で済みそうだなと思いながらも<br />
そんな勇敢極まりない行動など出来ない俺を自分で呪いながらもね。<br />
<br />
部室の中にはこれまた寒いと鳥肌が立つように当然として<br />
いつもの定位置に座り分厚いハードカバーを読んでいる長門を見た後<br />
「あれ?ハルヒはまだ来ていないんですか?」と朝比奈さんに質問した。<br />
ハルヒは授業が終わったと同時に教室を飛び出していったはずなのにと首をかしげていると<br />
「涼宮さんなら先程玄関で先生と討論を繰り広げていらっしゃいましたよ」と<br />
何故か後ろから答えが返って来た。俺は振り返りむかつくほどの爽やかスマイル男古泉を一瞥し<br />
「討論?」と聞き返した。<br />
「はい、討論でした。遠くから見かけただけなので何を話しているかまでは分かりませんでしたが<br />
大層怒鳴っていましたよ。ちなみに今僕は閉鎖空間帰りです。」<br />
お前の事などどうでもいいが、ハルヒが先生を相手にするなど珍しい事もあるもんだ。<br />
嵐が起きなきゃいいけどな。<br />
<br />
ま、何にせよ今だけは身体を休めておかないといけない。<br />
その話を聞いたところによるといつあの団長が怒りながら此処にやって来るか分からないからな。<br />
その後俺は朝比奈さんの入れてくれた何よりも美味なお茶をすすりつつ<br />
古泉とアナログなゲームをしながら、時々長門を見るといったいつも通りの行動をとっていた。<br />
あのハルヒが来るまではな。<br />
<br />
<br />
その日のハルヒは荒れていた。<br />
いつも以上の大蹴りでドアを蹴飛ばすと挨拶もせずズカズカと団長席に座り<br />
オドオドしている様も美しい朝比奈さんの入れたお茶をいつもの倍のスピードで飲み干しつつ<br />
パソコンを始めたかと思うとこう俺に絡んできた。<br />
<br />
「何であんたはそんなに頭が悪いのよ!!」<br />
WHAT?自慢じゃないがそんなの今に始まった話じゃないだろ?<br />
「だからこそよ!!あんたなんか団始まって以来の落ちこぼれよ!!このままじゃ…」<br />
このままじゃ?<br />
「とにかく今日は解散!!そして家でちゃんと勉強すること!!<br />
いい?特にキョンは馬鹿なんだからしっかり勉強しなさいよね!!」<br />
そんな団長の身勝手な解散宣言により帰らざるを得なくなった俺たちは家へ帰宅した。<br />
普通学生ならば何かしら用事のあるものだがいつもSOS団の活動でスケジュールが<br />
埋められた俺は何もすることがなく仕方なしに机に向かった。<br />
<br />
「全くわからん」<br />
この前デパートで何気なく買った問題集に取り組んだのだが十問目で壁に当たったのである。<br />
その後数分うなったが分からん時は頭を休めるのが一番などという俺流ルールの元<br />
ベッドに入りそのまますやすやと眠りの世界へ落ちてしまったのだった。<br />
<br />
<br />
「…き…下さ…」<br />
ん?何だ?<br />
「起きて下さい」<br />
目を開けると古泉が俺を覗き込み起こしていた。<br />
顔を近づけるな、気持ち悪い。と言うより何でお前が俺の部屋にいる。<br />
「まだ寝ぼけているようですね。此処はあなたの部屋ではありません。」<br />
俺の部屋じゃないって?なら何処だ?<br />
「周りを見れば分かるでしょう?」<br />
あぁ、分かってはいたさ。だが認めたくなかったね。<br />
また此処、閉鎖空間に来るなんてさ。しかもご丁寧に制服に着替えさせられて。<br />
希望があるとすればSOS団の面子が揃っている事だな。<br />
<br />
「そうですね。心強いばかりです。」<br />
全くだ。しかし何故こんなところに俺たちはいるんだ?<br />
「おそらく今日の涼宮ハルヒのストレスの元が原因」<br />
やっぱりか。ならまたハルヒの奴を見つけなければならんようだ。<br />
<br />
でもその前に、起きて下さい朝比奈さん。<br />
「ふぇ?ななな、何でキョンくんが私の部屋にいるんですかぁ?」<br />
先程俺も同じ事を言いましたよ。しかし朝比奈さんの反応の方が素晴らしかったですが。<br />
「ってことは此処は…閉鎖空間…ですか?」<br />
はい、間違いありません。長門とついでに古泉がそう言ってますから。<br />
「そっかぁ~…やっぱり…部室での涼宮さんおかしかったし…」<br />
確かにそうですね。でもまずは元の世界に戻るためにアイツを見つけないと。<br />
「そうですねぇ…」<br />
<br />
「闇雲に探しても見つからないでしょう。居そうな場所から探しませんか?」<br />
居そうな場所ね。やっぱりあそこしかないだろ。<br />
「部室。過去の同様の閉鎖空間の例でも此処での出現率が一番高い。」<br />
だろうな。俺たちの集まる場所は此処か駅前か喫茶店くらいだからな。<br />
見慣れたはずだが灰色だとやはり不気味な廊下を渡り部室前に行く。<br />
途中で朝比奈さんが泣きそうになりながら抱きついてきた時理性を保てた俺を自画自賛するね。<br />
「いいですか?開けますよ?」<br />
そう言うと古泉が先頭でドアを開けそれに続き俺、長門、朝比奈さんと続いた。<br />
<br />
やはり居た。<br />
ハルヒはしばらく此方に気づかなかったが俺たちの姿を見るなり<br />
いきなり100Wの笑顔になり「遊びましょう!!」と叫んだ。<br />
それを聞くと朝比奈さんは安心したように笑い、古泉はやれやれと言うような顔をし、<br />
長門はやっぱり無表情だった。しかし俺は笑えなかった。<br />
いつもと何か違う感じがした。<br />
何がだ?何がいつもと違う?遊びましょう?<br />
<br />
そうか…ハルヒは…<br />
「何やってるのよキョン!!早く遊ぶのよ!!」<br />
ハルヒ<br />
「何よ?」<br />
何を隠してる?<br />
「え?」<br />
お前はいつもと違う。俺たちに何を隠してるんだ?<br />
「何…言ってるのよキョン。いつもと同じよ…」<br />
いや、違うね。俺の知っている涼宮ハルヒは遊ぼうなんて言わない。<br />
「いつも遊んでるじゃない…」<br />
そうじゃない。ハルヒがいつも俺たちとするのは<br />
宇宙人、未来人、異世界人、超能力者探しかSOS団の名前を広めることだ。<br />
決して遊ぼうなどとは言わない。<br />
「それは…」<br />
<br />
「それは……あんたが悪いのよキョン!!」<br />
何だって?俺が悪い?<br />
「そうよ!!あんたの頭が悪いから悪いの!!」<br />
何言ってんだ。そんなの前から「あんたの頭が悪いから皆同じ大学に入れなさそうなの!!」<br />
は?<br />
「先生に聞いてみたのよ。そうしたら私達はともかくあんただけは…<br />
あんただけは今のままじゃ危ないって…何とかしなさいって掴みかかっても無駄だった…<br />
なのにあんたは平然としてる!!嫌じゃないの?離れたらSOS団は解散になるのよ?」<br />
<br />
俺のために…<br />
「あんたのためだけじゃない。この団のためよ…」<br />
でもな、ハルヒ。<br />
「…何よ?」<br />
いつからこの団はスクールライフを面白くするための涼宮ハルヒの団になったんだ?<br />
「は?」<br />
世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団じゃなかったのか?<br />
「何がいいたいのよ…」<br />
<br />
「キョンくん…」朝比奈さんが泣きそうなハルヒの近くに寄る。<br />
しかし構わず俺は続ける。<br />
言っちまうのか俺?やれやれと散々溜息をしていたのにそれを続けることになる言葉を言うのか?<br />
言っちまうんだな?いいぜ。後悔はしないでくれよ未来の俺。<br />
「SOS団は離れてもこの世の全ての不思議を解き明かすまで永久不滅なんだろ?」<br />
<br />
ハルヒの、古泉の、朝比奈さんの、長門でさえも少しだが驚いた顔をした。<br />
もちろんこの言葉も忘れないけどな。<br />
「俺ももちろんこれから同じ大学に行ける様努力するさ。もちろんな。」<br />
<br />
「……ふん…分かってきたみたいじゃない!!いい?さっきの私の言葉は忘れなさい!!<br />
今言ったとおりSOS団はこの世の全てを解き明かすまで永久不滅なんだからね!!」<br />
<br />
AM4:00<br />
目覚めると部屋に居た。<br />
全く俺としたことがハルヒに向かってSOS団永久不滅宣言しちまうとはね。<br />
その後寝れたかって?寝れるわけないだろ?<br />
<br />
眠い。全然寝れなかったんだ。当たり前か。<br />
しかし助かる事に1時間目は自習って言ってたからな。居眠りタイムだ。<br />
一筋の光を元に疲れた体に更に追い討ちをかける坂をこれから1年も上り続けるのかと睨みつつ<br />
学校に到着した俺に更に追い討ちをかける一言を放ったのは誰だと思う?<br />
そう、答えは昨日と打って変わってテンションの高い涼宮ハルヒだ。<br />
「いい?今日の1時間目は何と自習よ!!だからあたしが勉強を教えてあげるわ!!」<br />
昨日の勉強発言撤回していい?なんて夢だと思っているハルヒに言える筈もなく<br />
どこぞの先生より教えるのが上手いんだから!!と豪語するハルヒに<br />
眠い頭を酷使することを余儀なくされた。永久不滅宣言をして何だがこれくらい言わせてくれ。<br />
<br />
「やれやれ」</div>