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キョン乃進侍-四章」(2007/01/15 (月) 03:03:06) の最新版変更点

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<div class="main"> <div> さて舞台は変わりましてこちらはハルヒ姫の御殿です。<br> 見舞いにいった朝比奈の帰りを今や遅しとハルヒ姫が待ち構えています。<br> </div> <br> <div>ハ「これ喜緑、朝比奈はまだ戻らぬのか」<br> 喜「まだ出かけたばかりでございます、今しばらくお待ちを」<br> 鶴「姫様、これは一体何の騒ぎでしょうか」<br> 喜「これは鶴屋の局様、恐れ入ります」<br> ハ「朝比奈をキョン乃進の見舞いに使わしたのじゃ(どうも鶴屋は苦手というかなんというか……)」<br> 鶴「なるほどお見舞いに……さすがは姫様でございますな、では私もご一緒させて頂きましょう」<br> </div> <br> <div>朝「姫様、只今戻りましてございます」<br> ハ「朝比奈待ちかねた、キョン乃進の様子はいかがであった」<br> 朝「居合わせた国木田殿、谷口殿らによると一両日中には本復するとのことでございます」<br> ハ「あぁさようか大儀であった、……いやまて谷口などと申しておったが<br>  その方、直にキョン乃進の様子を見届けて参ったのであろうな」<br> 朝「そっそれは……その……寝間の隣から襖越しに……」<br> ハ「『しかとその目で確かめて参れ』と申し付けた筈、谷口なぞの話があてになろう筈がないではないか<br>  まったくもって主の命を蔑ろにするとは……」<br> 朝「もっ申し訳ございません」<br> 鶴「まぁまぁ姫様、お気に入りのキョン乃進殿のこととはいえそのくらいで」<br> ハ「キョッキョン乃進がお気に入りなどとはとんでもない……<br>  そのあやつは武士にして弛るんでおるので活をいれてやっておるのじゃ」<br> 鶴「姫様、そのようなことをおっしゃって後で後悔されても知りませんぞ<br>  大体キョン乃進は家中の女子衆の間でも人気が高くて、のう阪中」<br> 阪「左様でキョン乃進様は江戸産まれの江戸育ちの御旗本の出、垢抜けた所は家中の男子とは比べ物に……」<br> 喜「そう確か家中の女子でキョン乃進に付文をした者も何人かおるとか……」<br> ハ「つっ付文! そっそれは恋文などと申す……」<br> 朝「姫様ご安心ください、すべて断られたという評判でございます」<br> ハ「そっその安心などとは……」<br> 鶴「……そろそろ御寝の時刻でございます、お休み遊ばされませ」<br> </div> <br> <div> ハ「(朝比奈なぞに任せたのが失敗じゃ、こうなったらわらわが直々に見舞いを……)」<br> 鶴「ささ、姫様、御寝の間へ」<br> ハ「うむ(しかしどうやってキョン乃進の長屋へ……やはり夜中に抜け出すしか……)」<br> 鶴「……姫様いかがされましたか?」<br> ハ「あ、いやなんでもない」<br> 鶴「……!、あぁ阪中、その方今夜は佐伯、大野木、成崎などと御廊下にて交代で宿直番をいたせ<br>  どうやら姫様の御気色が勝れぬご容子、何かあってからでは一大事じゃ」<br> 阪「しょっ承知仕りまして御座います」<br> 鶴「姫様、なにか御座いましたら御廊下におりますこの者たちに速やかにお申し付けを」<br> ハ「!(これは気付かれたかの?……)」<br></div> <br> <div> ハ「……うーむ、これでは抜け出すことが出来ぬではないか、キョン乃進に会えぬぞ<br>  (こっこれはあくまでも主君としてキョン乃進を見舞うというだけじゃ<br>   あくまでも家来の見舞いなのじゃ……<br>   キョン乃進に会いたいというわけでは…そのけっして……)」<br> 阪「姫様いかがなされましたか」<br> ハ「あ、いやなんでもない(困ったのぅ、とりあえず寝た振りをして時間を稼ぐか<br>  寝た振りじゃ、寝た振り……)」<br></div> <br> <div> ハ「(……いつの間にか本当に寝ていたようじゃな、さてどうするかの<br>   離れているとはいえ廊下には番の者がおるし……<br>   そうじゃ、確か押入れが……、どれ布団は適当に人の形を作っておいてと)」<br> </div> <br> <div> ハ「(押入れから床下を通って居間に来たが寝間着のままでは外にも出られぬ<br>   動きやすいものに着替えねば……んっ、あれは鶴屋と三番家老の岡部の声<br>   話しておる内容は……わらわの縁談じゃと!)」<br></div> <br> <div> 岡「姫様の新しいご縁談ですが首尾はいかがでござるか」<br> 鶴「今度のご縁談は是が非にでも成功させねばなりません」<br> 岡「それでお相手はこの間伺った……」<br> 鶴「えぇお相手はご家老もご存知の……おっとお耳を拝借……」<br> </div> <br> <div> ハ「(こっこれでは肝心なところが聞こえぬではないか)」<br> </div> <br> <div>岡「おぉそのお相手であれば姫様もご納得であろう<br>  もしご納得されない場合は無理にでも祝言を<br>  祝言さえしてしまえば姫様も新しい婿殿には満足される筈<br>  確かお相手のご実家は大公儀の御旗本でござったの」<br> 鶴「えぇ御旗本の三男坊です、御旗本とはいえ家禄はご家老より低い筈ですが」<br> 岡「少身とは申せ御旗本であれば大公儀への婿養子の届出も問題がない筈<br>  それで先方に話はいたしておるのでござるか」<br> 鶴「古泉殿が先方に小当たりに話を持ちかけたところ<br>  表向きは難色を示しているものの内実は乗り気と」<br> 岡「うむ、さもあろう、鶴屋殿この件よろしく頼み申しますぞ<br>  では拙者は他の家老衆に報告いたしますゆえこれにて御免」<br> 鶴「お相手がお相手と申せども何分姫様の事ゆえ<br>  どこで話が壊れるかもわかりませぬ、この事は当分内密に」<br> 岡「しかと承知仕った」<br></div> <br> <div> ハ「(……えっ縁談じゃと……わらわに断りもなく……一体どういうことじゃ<br>   なんにせよこのままでは無理やりにでも婿を取らされてしまう<br>   そのような事になってはキョン乃進に……<br> はっ! なにゆえキョン乃進のことなぞ……あやつは只の家来じゃ<br>   しかし……、ええい面倒じゃキョン乃進を見舞ってあやつの顔を見ながら<br>   今後の事をきめよう、しゅっ主人が家来を見舞うのは当然のことじゃ)」<br> </div> <br> <br> <ul> <li><font color="#666666">次へ</font></li> </ul> </div> <!-- ad -->
<div class="main"> <div> さて舞台は変わりましてこちらはハルヒ姫の御殿です。<br> 見舞いにいった朝比奈の帰りを今や遅しとハルヒ姫が待ち構えています。<br> </div> <br> <div>ハ「これ喜緑、朝比奈はまだ戻らぬのか」<br> 喜「まだ出かけたばかりでございます、今しばらくお待ちを」<br> 鶴「姫様、これは一体何の騒ぎでしょうか」<br> 喜「これは鶴屋の局様、恐れ入ります」<br> ハ「朝比奈をキョン乃進の見舞いに使わしたのじゃ(どうも鶴屋は苦手というかなんというか……)」<br> 鶴「なるほどお見舞いに……さすがは姫様でございますな、では私もご一緒させて頂きましょう」<br> </div> <br> <div>朝「姫様、只今戻りましてございます」<br> ハ「朝比奈待ちかねた、キョン乃進の様子はいかがであった」<br> 朝「居合わせた国木田殿、谷口殿らによると一両日中には本復するとのことでございます」<br> ハ「あぁさようか大儀であった、……いやまて谷口などと申しておったが<br>  その方、直にキョン乃進の様子を見届けて参ったのであろうな」<br> 朝「そっそれは……その……寝間の隣から襖越しに……」<br> ハ「『しかとその目で確かめて参れ』と申し付けた筈、谷口なぞの話があてになろう筈がないではないか<br>  まったくもって主の命を蔑ろにするとは……」<br> 朝「もっ申し訳ございません」<br> 鶴「まぁまぁ姫様、お気に入りのキョン乃進殿のこととはいえそのくらいで」<br> ハ「キョッキョン乃進がお気に入りなどとはとんでもない……<br>  そのあやつは武士にして弛るんでおるので活をいれてやっておるのじゃ」<br> 鶴「姫様、そのようなことをおっしゃって後で後悔されても知りませんぞ<br>  大体キョン乃進は家中の女子衆の間でも人気が高くて、のう阪中」<br> 阪「左様でキョン乃進様は江戸産まれの江戸育ちの御旗本の出、垢抜けた所は家中の男子とは比べ物に……」<br> 喜「そう確か家中の女子でキョン乃進に付文をした者も何人かおるとか……」<br> ハ「つっ付文! そっそれは恋文などと申す……」<br> 朝「姫様ご安心ください、すべて断られたという評判でございます」<br> ハ「そっその安心などとは……」<br> 鶴「……そろそろ御寝の時刻でございます、お休み遊ばされませ」<br> </div> <br> <div> ハ「(朝比奈なぞに任せたのが失敗じゃ、こうなったらわらわが直々に見舞いを……)」<br> 鶴「ささ、姫様、御寝の間へ」<br> ハ「うむ(しかしどうやってキョン乃進の長屋へ……やはり夜中に抜け出すしか……)」<br> 鶴「……姫様いかがされましたか?」<br> ハ「あ、いやなんでもない」<br> 鶴「……!、あぁ阪中、その方今夜は佐伯、大野木、成崎などと御廊下にて交代で宿直番をいたせ<br>  どうやら姫様の御気色が勝れぬご容子、何かあってからでは一大事じゃ」<br> 阪「しょっ承知仕りまして御座います」<br> 鶴「姫様、なにか御座いましたら御廊下におりますこの者たちに速やかにお申し付けを」<br> ハ「!(これは気付かれたかの?……)」<br></div> <br> <div> ハ「……うーむ、これでは抜け出すことが出来ぬではないか、キョン乃進に会えぬぞ<br>  (こっこれはあくまでも主君としてキョン乃進を見舞うというだけじゃ<br>   あくまでも家来の見舞いなのじゃ……<br>  キョン乃進に会いたいというわけでは…そのけっして……)」<br> 阪「姫様いかがなされましたか」<br> ハ「あ、いやなんでもない(困ったのぅ、とりあえず寝た振りをして時間を稼ぐか<br>  寝た振りじゃ、寝た振り……)」<br></div> <br> <div> ハ「(……いつの間にか本当に寝ていたようじゃな、さてどうするかの<br>   離れているとはいえ廊下には番の者がおるし……<br>  そうじゃ、確か押入れが……、どれ布団は適当に人の形を作っておいてと)」<br> </div> <br> <div> ハ「(押入れから床下を通って居間に来たが寝間着のままでは外にも出られぬ<br>  動きやすいものに着替えねば……んっ、あれは鶴屋と三番家老の岡部の声<br>   話しておる内容は……わらわの縁談じゃと!)」<br></div> <br> <div> 岡「姫様の新しいご縁談ですが首尾はいかがでござるか」<br> 鶴「今度のご縁談は是が非にでも成功させねばなりません」<br> 岡「それでお相手はこの間伺った……」<br> 鶴「えぇお相手はご家老もご存知の……おっとお耳を拝借……」<br> </div> <br> <div> ハ「(こっこれでは肝心なところが聞こえぬではないか)」<br> </div> <br> <div>岡「おぉそのお相手であれば姫様もご納得であろう<br>  もしご納得されない場合は無理にでも祝言を<br>  祝言さえしてしまえば姫様も新しい婿殿には満足される筈<br>  確かお相手のご実家は大公儀の御旗本でござったの」<br> 鶴「えぇ御旗本の三男坊です、御旗本とはいえ家禄はご家老より低い筈ですが」<br> 岡「少身とは申せ御旗本であれば大公儀への婿養子の届出も問題がない筈<br>  それで先方に話はいたしておるのでござるか」<br> 鶴「古泉殿が先方に小当たりに話を持ちかけたところ<br>  表向きは難色を示しているものの内実は乗り気と」<br> 岡「うむ、さもあろう、鶴屋殿この件よろしく頼み申しますぞ<br>  では拙者は他の家老衆に報告いたしますゆえこれにて御免」<br> 鶴「お相手がお相手と申せども何分姫様の事ゆえ<br>  どこで話が壊れるかもわかりませぬ、この事は当分内密に」<br> 岡「しかと承知仕った」<br></div> <br> <div> ハ「(……えっ縁談じゃと……わらわに断りもなく……一体どういうことじゃ<br>  なんにせよこのままでは無理やりにでも婿を取らされてしまう<br>   そのような事になってはキョン乃進に……<br> はっ!なにゆえキョン乃進のことなぞ……あやつは只の家来じゃ<br>  しかし……、ええい面倒じゃキョン乃進を見舞ってあやつの顔を見ながら<br>  今後の事をきめよう、しゅっ主人が家来を見舞うのは当然のことじゃ)」<br> </div> <br> <br> <ul> <li><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1541.html"><font color= "#666666">次へ</font></a></li> </ul> </div> <!-- ad -->

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