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「これからの私」(2007/01/15 (月) 02:18:10) の最新版変更点
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<div class="main">
<div>皆さんこんにちは。喜緑です。<br></div>
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今私はSOS団の部室にお邪魔させていただいてます。<br></div>
<br>
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長門さんと情報統合思念体と私の間で日々行われている情報伝達の齟齬を是正する目的を果たす為<br>
部室のドアを開け、無害な次元プログラムを仕掛ける手筈だったのですが<br>
実は内部に入る事は想定していませんでした。<br></div>
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部室にお邪魔するまでの顛末を少しだけお話させていただこうかと思います。<br>
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全校の授業が終わって20分程が経過した頃、私が生徒会発行の諸活動団体に向けた<br>
報告書の作成願いをするべく、持ち歩いていた書類を届けに彼らの部室に伺ったときのことでした。<br>
プログラムはこのペーパーに仕掛けられています。長門さんの権限では感知不可能なものです。<br>
ただ長門さんにはドアを開けた瞬間に齟齬の是正をする事は伝えてありますが。<br>
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<br>
<div>部室のドアを2度ノックすると中から<br></div>
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<div>「いらっしゃい。開いてるわよ!」<br></div>
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…彼女は何故、部外者の来訪であると気が付いたのでしょうか。<br>
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<br>
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瑕疵を嫌う・・・ありのままの情報でないと意味が無いという理由で<br>
長門さんが彼らに教えるという事はないと思いますし、これも彼女の能力なのでしょうか。<br>
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<div>「失礼します」<br></div>
<br>
<div>「あっ、なんの様かしら?」<br></div>
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少し身構えた涼宮さん。来訪者が私である、という事までは分からなかったようですね。<br>
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<br>
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すると間髪をいれずに古泉さんが私を牽制するように言いました。<br>
「や、これはこれは・・・こんにちは。今日はどういったご用件でしょうか」<br>
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<br>
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彼は今でこそ私に対して人間的な、ある程度肩の荷を降ろしたような対応をしますが<br>
以前のそれはまるで無機質な人形を観るがごとく我々に対応していました。<br>
今見せている笑顔が氷のようなものから少しずつ前者に推移していくのを感じます。<br>
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<br>
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「こ、こんにちわぁ。ふぁ、いつぞやはどうもぉ。」<br></div>
<br>
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最初に見せたのは恐怖でしょう。そして少しづつ舞い降りてくる笑顔。<br>
無垢という言葉を彼女はこの年齢まで持ち合わせ<br>
裏ではひたむきに、重い任務という現実に向き合っている。<br>
天使というのはまさにこの人の為の言葉ではないでしょうか。<br>
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「今日は諸活動団体に向けた書類をお持ちしました」<br></div>
<br>
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「…そうなの。わざわざありがとうね!ええと、喜緑さんだっけ?<br>
有希がいないから代わりに活動に加わりなさい。なんとなく有希に似てるところあるし」<br>
</div>
<br>
<div>
涼宮ハルヒとの直接的な接触の少ない私ですが、正直申し上げまして驚きました。<br>
そもそも断れませんし。私は苦笑してしまいました。<br></div>
<br>
<div>古泉さんと朝比奈さんも同じようですね。<br></div>
<br>
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彼女のお誘いがトリガーになりました。統合思念体に許可を申請。<br>
私は自分の属する派閥が許容する行動範囲の広さに感謝しつつ彼女の誘いを快諾しました。<br>
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「お言葉に甘えさせていただきます。お邪魔しますね」<br></div>
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─────────────────────────────────────────<br>
</div>
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<div>「貴方はそこの、有希の席にどうぞ~」<br>
私は促されるままに長門さんの指定席に落ち着くことにしました。<br>
朝比奈さんと古泉さんのほうへ会釈すると、柔らかな笑みを持って迎え入れてくれました。<br>
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私は皆さんの反応が情報生命体の一件、あの時と違う事が確認できました。<br>
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長門さんの報告と私の保有データ及びプロセスにあった齟齬を少しづつ解消していきます。<br>
時間の経過と、彼らの成長や慣れが私に対する障壁を緩めてくれていると予測し、接触する事で<br>
その情報精度を高めて是正するつもりでいたのですが十分条件ではないと判断できました。<br>
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やはり彼が全てに関わっていますね。今日はいらっしゃらないのでしょうか。<br>
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<div>「とてもいい団体になってきましたね。」<br></div>
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ちょっと偉そうですが、皆さんそれぞれに思う節があるようで、肯定の意を示してくれます。<br>
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「お茶はいかがでしょうか?お口に合えばいいんですけど…」<br>
「いただきますね。ありがとうございます」<br></div>
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長門さんはコンピューター研究部にお邪魔しているようですね。少し長門さんの方にコンタクトを取ると<br>
「涼宮ハルヒの依頼によりあるソフトウェアの開発に取り掛かっている為今日は観察対象より少々離れる」<br>
とのこと。彼女自身が楽しんでいるとしか思えない抑揚のある波形を捉えました。<br>
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実は彼女の行動の半数は独断専行なのですが、それを踏まえた上で私は<br>
全対象への観察、適時の干渉を仕事としています。今回はどうなるのでしょうか…<br>
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「爽やかな味ですね。ええと…レディグレイでしょうか」<br>
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<div>「ふぇ…喜緑さん!」<br>
長門さんとの差異に驚かれているのでしょうか。<br></div>
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「お詳しそうですね。紅茶は種類が多すぎて…僕はただただご相伴に預かるばかりでしたよ」<br>
古泉さんは肩を竦めながら笑顔をこぼしています。<br></div>
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「へぇ~。喜緑さん紅茶派なの。丁度いいわ。みくるちゃんの1日教育係として任命するわ!」<br>
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「私、日本茶ばかりだったから紅茶の知識があんまりなくて…あの…入れ方とか教えてもらえませんか。」<br>
カップを机に戻すと朝比奈さんの、カップより暖かい両手が私の右手を包みました。<br>
彼女はたぶん涼宮さんの言った事をほとんど聞いていなかったように見えます。綺麗な瞳の強い意志ですね。<br>
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「ええ、お邪魔させていただいてますし、そんな事でよろしければ」<br>
「わぁ!ありがとうございます~」<br></div>
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この場所でできそうな紅茶のおいしい入れ方や、茶葉の種類の話をしていると<br>
本当に熱心にメモを取る朝比奈さん。今度、彼女の淹れる日本茶をいただいてみたいと思いました。<br>
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<div>「うちの家族も紅茶党なのよねぇ…」<br></div>
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「涼宮さんはご自分でお茶を淹れたりすることはあるんですか?」<br>
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<div>「うーん…結構適当にいれちゃうわねぇ」<br></div>
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「そんなことないんですよ!涼宮さん、すごく上手なんですぉ」<br>
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「そういえば、以前淹れていただいたことがありましたねぇ。僕も鮮明に覚えていますよ」<br>
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「…あいつは味とか全然分からないのよね。そういえば。お弁当もあんなに美味しいもの作って<br>
貰ってるのに、それに気が付いてないんじゃないかしら。お母さんも気の毒だわぁ」<br>
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朝比奈さんと古泉さんは肩で笑いを殺しています。涼宮さんて彼のお弁当食べちゃってるんですね。<br>
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「そうだ!ねね、喜緑さん、貴方これがどういうものだか分かる?」<br>
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涼宮さんが何かをとりに冷蔵庫のほうへ歩いていきました。古泉さんが少し強張ったのを確認。<br>
私も最悪のケースを想定しプランを申請・・・する必要はなかったようです。<br>
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「これさ…昨日キョンが私によこしたのよ。「ほれ、お茶っ葉」とかいいながら。<br>
1ヶ月も前に頼んだのに今頃持ってきてさ。あいつじゃ部屋のその辺にほっぽりだしてそうだし<br>
ちょっと調べてくれないかな。」<br></div>
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そういって一つの小さな木箱を差し出してきました。確かに、少し薄汚れてて・・・これは・・・<br>
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「なんかキョンがみくるちゃんと──ふ──た──り──で買い物に行った事が発覚してね。<br>
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しかも、あたしに──な──い──しょ──にしてたから買ってこさせたんだけどね。<br>
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今更持ってきて何様のつもりよ全くねぇぇえ、みくるちゃぁああん」<br>
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朝比奈さんが震えていますね。椅子ごと震えてらっしゃいます。<br>
古泉さんも心なしか挙動がおかしいですね。<br></div>
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そういえば涼宮さんの台詞が形成した波動は、確か第9惑星をからに19万光年離れたところに存在する<br>
惑星の情報生命体亜種のそれと酷似していました。さすがは涼宮さんといったところでしょうか。<br>
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「そういう事だから、これの鑑定よろしく。お茶だとは思うんだけど」<br>
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私はその箱と中身がどういったものなのかすぐに分かりました。<br>
この場をどう収めましょうか…正攻法がいいのでしょう。古泉さんは手のひらを上に向けそれを<br>
差し出すそぶりをしました。私に一切の進行を任せるということでしょう。<br>
</div>
<br>
<div>「あの、朝比奈さん。」<br>
「ひゃい?!な、なんでしょうか?」<br>
「彼は本当に1ヶ月前にこれを購入したんですか?」<br>
「ううん、あの時色々選んで、試飲したりして、キョンくんがこれだっていうのを決めたの。<br>
でもそれは品切れであきらめて帰ったんです。私は今淹れたお茶を買ったんです」<br>
</div>
<br>
<div>「あれ?そうなのみくるちゃん」<br>
「あ、ええ、キョンくんが忘れちゃってるんじゃないかと思って一昨日確認してみたんです」<br>
「…それで急いで適当な物を持ってきたのね…あのボケェ…玉露のボケ防止効果も<br>
当てにならないわねぇ…みくるちゃぁん」<br></div>
<br>
<div>
「朝比奈さん、1ヶ月前、彼はどんな理由でお茶を選ばれてましたか?」<br>
「しゅ、す、涼宮さんが喜びそうな物にしようって2人で決めてました。」<br>
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<div>「喜緑さんそれはどういった品物なんでしょうか」<br>
古泉さんがこちらへ近づいて一言告げると、また私に役割が戻ってきました。<br>
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「これは、ダージリンのマイカバリですね。セカンドフラッシュに該当するようです。<br>
ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコと呼ばれるクラスの物ですね」<br>
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「へ?・・・な、なんか辞書の単語を適当にとってつけたようなインチキ臭い感じに聞こえるわね」<br>
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「有体に言えば高級茶葉なんですが、ここに表記されているFTGFOP、そしてロゴ。<br>
私もまだ購入した事は無いのですがこれは間違いなく正規の商品です。そして<br>
これはたぶん予約しないと買えない様なものではないでしょうか」<br>
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「最近の製品は最上クラスを謳う文句が掲げられる事を良くみますが」<br>
古泉さんはおっしゃいました。<br></div>
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「確かにそういう商品はたくさんありますよね。ただこれは購入に抽選を伴う茶葉なはずです」<br>
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「なんだか気味が悪くなってきたわ・・・毒でもはいってるんじゃないかしら」<br>
思わず構成情報の確認をしましたがそれらしい成分は無く、やはり極上の茶葉と…<br>
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「茶葉はワイン等とは違って、極度の熟成を待つようなことはしないんです。<br>
という事は箱の汚れは原産地できちんと精査され、開封される事なく輸入された際に付着した<br>
証拠だと思います。そういった許可を受けられる商品は原産地がインド<br>
そして、箱に入れて輸送という条件がありますし、非常に貴重だと思います。」<br>
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少し独断専行に係る行動をしている自分に気が付きました。過度な刺激は避けたいところ。<br>
私には非常に判断の難しいところです。古泉さんはそれに気が付いていたようです。<br>
私は長門さんにも急いで連絡をしました。<br></div>
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「涼宮さん、僕はご自宅に持ち帰られてから楽しんだほうがよろしいのではと思います。<br>
そのお茶を僕らが一緒にいただく事に少々抵抗があるのですが…」<br>
「そうですよぉ、涼宮さん」<br>
「私も同じように思います。」<br></div>
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「うーん、なんかキョンって私の事、高級ブランド好きのバカ女だと勘違いしてるんじゃないかしら。<br>
早く来ないかしらね。その間違いを完膚なきまでに叩き込んでやるわっ、あっ有希」<br>
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音も無く開いたドアから長門さんが入ってきました。<br></div>
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「……作成しているソフトウェアの事で少し確認してもらいたい事がある。付いてきて。」<br>
涼宮さんの袖をつまんで退室を促しています。彼がやってくる前にこの場から一度離れていただき<br>
彼女への、これ以上の干渉を避ける為にここから離れなくては・・・<br>
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<div>・・・えっ?<br></div>
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─────────ハルヒ、長門にまかせてほっぽりだしはまずいだろう、あれ?」<br>
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長門さんの脇から出てきた彼に遮蔽系のフィールドが施されていた事にはどういう意味が…<br>
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すかさず統合思念体への連結をして処置の確認をしようとすると長門さんが傍受する形で何かを伝えてきました。<br>
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『あのままでは私に付いてくる前に彼女は携帯型端末で連絡を取っていたはず。逆にあの場所に<br>
彼がいなければ貴方は絶対に逃げられなかった。・・・2人にじゃれててもらう。大丈夫。許容範囲』<br>
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『なるほど。長門さん…ありがとうございます。でも遮蔽フィールドはいただけませんね』<br>
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<div>『…ごめんなさい』<br></div>
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改めて統合思念体へ一連の流れを報告し、私と長門さんにお咎めの無い事を確認しました。<br>
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「喜緑さん?こんに「クォルァ、バカキョン!私を下品な女だと思ってるでしょ!」」<br>
「なんなんだ突然。俺が何か「質問にこたえろーーー!」」<br>
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<div>お前、今自分がしてる行動をどう思うよ」<br>
「何よ!」<br>
「それは……、まぁいい。つうか、いきなり来て斜め上から怒鳴られてもわからんつの」<br>
「お茶よ!お茶!」<br>
「…っへ?ああ、あれは俺がじっくり吟味して選んだ一品だ」<br>
「それよ、それ!あんた私の事なんだと思ってるの?」<br>
「そ、そんなに酷い味だったのか?って!あれをここで開けたのか?持って帰れって言っただろう!」<br>
「まだ飲んでないわよ!ってそんな事いってたかしら・・・」<br>
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「・・・お前さ、今日は仏滅です。さてブラジルにお住まいのシウヴァさんの飲んでいるコーヒーは<br>
どんな種類でしょう?みたいな謎掛けはやめてくれないか」<br>
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「飲んでるコーヒーはモカマタリね。わからないのあんた?」<br>
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「・・・正解に近づけろとは言ってない。ふん、まぁたぶん正解だ。今頃シウバと名の付く人全員が<br>
モカマタリ飲んでろうんだろうよ」<br></div>
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唖然としていると、私は2人の会話にまったく付いていけてないことに気が付きました。<br>
ちょっと困ってしまって皆さんの顔を見回すと、笑ってますね。たぶん・・・私も。<br>
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「このような状況が茶飯事でして・・・いや、お見苦しい所をお見せしてすみません」<br>
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「ほんと、なんか私ももう慣れてきちゃって…はぁ…いいなぁ…」<br>
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<div>「…何故モカマタリが正解なのか」<br></div>
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「いつもこのような綱渡りをしてるんですか?彼らも、貴方達も。一応観察と長門さんの報告は<br>
受けていましたがこれでは・・・」<br></div>
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「彼女の暴走を止めるには非常に効果的なんですよ。彼にまかせれば我々としても莫大な<br>
費用捻出を避けられますしね・・・そろそろ沈静化しますね」<br>
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すると長門さんが改めて彼女に近づいていきました。<br></div>
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「有希!なに?今忙しいあっ!あんたら2人で何かしてたぁのかしらぁああ!」<br>
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「コンピューター研究部に一緒に来て。彼には少し意見を貰っていただけ。私だけでは<br>
貴方の納得するものを作成する事ができないと判断したから」<br>
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「…………キョン、あんたも来なさい、ダメ出し大会を始めるわ」<br>
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「おいちょっと喜緑さんにあいさ───────連れて行かれました。<br>
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思念体からはもう少し接触を続ける指示が出ているため、私は今の出来事を少し反芻しながら<br>
彼らの戻りを待つことになってしまいました。恐らく私はあの箱の中身の事を伝えなければならないでしょう。<br>
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<div>木箱の中の1枚のカード・・・・・・<br>
私はエラーを起こすかもしれない。でも、許可が出た。彼らなら・・・きっと大丈夫だと思うから。<br>
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