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「谷口の思い出」(2007/01/15 (月) 01:17:13) の最新版変更点
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あれは、俺がまだ経験も浅く、女に興味にわいてきた頃だった。<br>
そこっ!今も経験ないだろとか言うなよ。これでも成長したんだ!たぶん・・・<br>
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<div>…………<br>
……三年前、俺は東中にいた。<br>
まあ、小学生の時からのトモダチもいて、子供ならではのバカ騒ぎをして毎日遊びまわって、楽しく過ごしていた。<br>
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<div>だが、そこで俺は『涼宮ハルヒ』に出会った。<br></div>
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あいつはそのころはまだよく笑っていて、正直スゲー可愛かった。<br>
はっきり言って、そのころからあいつに惚れていたんだと思う。<br>
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座席が俺の席のちょうど前で俺はいつも見とれてた。<br>
あいつだけは、ほかの女子と違ってなんかいいニオイがして、俺は神様にお礼をいったね。<br>
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<div>けど、それも長くは続かなかった・・・。<br>
あいつは突然、あんまり笑わなくなっちまった、いや、というよりまわりを退屈そうに見るようになった。<br>
そして、だんだんあいつはそれまでのトモダチに話しかけなくなっていき、クラスメートとも疎遠になっていった。<br>
俺はそんなあいつを見ていられなくて遂にあいつに話かけた。これがあいつとの初めての会話だった…。<br>
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「よぉ、涼宮。俺、谷口ってんだ。最近からだの具合でも悪いのか?」<br>
「別に、生理ならもう慣れたし体の調子はバッチシよ。てゆーか、アンタこのクラスに居たんだ」<br>
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ぐさって突き刺さったね、いろんな意味で。何がって分かるだろ?<br>
「俺、キミの後ろの席なんだけど…」<br>
「へぇ、全然気付かなかったわ」<br>
「はは…、そうか。ハァ、調子はいいのか、なら元気出せよ」<br>
「ふん!」<br></div>
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でも、調子はいいとは言っていたが、あいつはその後も憂鬱そうだった…。<br>
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だけど、席が近いからか、俺はたまにあいつと話をするようになった。<br>
あいつはいつも俺の話を退屈そうに聞いていたが、俺はそれでも楽しくて話しかけ続けた。<br>
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ある日、いきなり涼宮が俺にこんな質問をしてきた。 <br>
「ねぇねぇ!宇宙人っていると思う?」<br>
「どうした?いきなり。今日はごきげんだな」<br>
「いいから答えなさいよ!!」<br>
「そうだな、フフ俺は実は宇宙人なんだ」<br>
「宇宙人がアンタみたいなマヌケズラなわけないでしょ?あんたナメてんの?」<br>
「いや、おまえの笑顔久しぶりに見たからさ」<br>
「ふん!まあいいわ、私は絶対いると思うのよね」<br>
「そうか?いないだろ」<br>
「何よ!いるったらいるの!!」<br></div>
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どうやら怒らせてしまったようだ。でもどうして宇宙人なんだ?俺は疑問を抱えたままその日を過ごした…。<br>
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放課後、俺は校舎の陰に見慣れた後ろ姿を見つけた…。涼宮ハルヒだ!いつも見ている後ろ姿なので俺は迷わず話かけた。 <br>
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<div>「何やってんだ?こんなところで」<br>
「!!?た、谷口?・・ズズッ・。あんたこそ何の用よ?」<br>
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びっくりしたね。あの涼宮が泣いてたんだ…。うそじゃないぜ、信じられないかもしれないが俺はこの目で見たんだ。<br>
その姿を見た瞬間、ある感情がわいてきた。怒りだ!<br></div>
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「どうしたんだ!?何があった?誰かになんかされたのか?」<br>
「………今日ね、みんなに宇宙人がいるか聞いたのよ。でもみんな、そんなのいるかよ!頭おかしくなったの?とか、ろくに話も聞いてくれなかった。」<br>
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ああ、あの朝のやつか・・・。確かにそんな質問をすれば、そう返ってくるだろうな。<br>
そこで、俺はある疑問をふりかけた。<br></div>
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<div>「なぁ、なんで宇宙人にいてほしいんだ?」<br>
「……それは、そのほうがおもしろいからよ。だって、この世界はつまらなすぎるもん………」<br>
「そうか?俺はけっこう楽しいぞ。この世界も」<br>
「どこがよ?未来人も超能力者もいないこの世界なんかつまらないじゃない」<br>
「おまえがいるからだよ、俺はおまえと出会えてかなり幸せだぜ?」<br>
「な!?何言ってんのよ?いきなり」<br>
「俺はおまえのことが好きだ」<br>
「そ、そんなこと言っても私は普通の人には興味ないのよ///」<br>
「別に付き合ってくれなんて言わないよ。ただ、おまえを好きなやつがいるって事を知ってほしいんだ…、<br>
たまには人と付き合ってみるのもいいと思うぜ……」<br>
「………ぁりがと。でも私、宇宙人に逢いたいの」<br>
「でも、宇宙人もおまえがそう想ってるかなんて、分からないだろ」<br>
「…そっか、宇宙人にも私のこと知ってもらわないとね。ありがとう、もう元気でた。次にやることも決まったしね♪」<br>
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次の日、前の席にはかなり元気そうな涼宮が座っていた。<br>
おれはそのとき、ひどく安堵したのをおぼえてる。<br></div>
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「よっ、どうした?今日はスゲー笑顔を浮かべてるな!」<br>
「あっ、谷口!ふふふっ、今日はなんかおもしろいことが起きそうなのよ」<br>
「なんだその予感、今日はそんな特別な日か?七夕ってことぐらいだろ」<br>
「いいから、みてなさいって」<br></div>
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これだよ、この笑顔だ!おれはこの笑顔に惚れたんだ。このとき、おれは涼宮をこれから見守っていこうっておもったんだ。<br>
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……だけど、この夜から涼宮は奇行を始めた。校庭に落書きって、これみてどうしろってんだ。<br>
そして、あいつは彼氏をつくるようになって、気をつかってあまり接しなくなっていった……。<br>
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<div>………<br>
……………<br>
そういえば俺、あれが初恋だったな…。あいつは今、SOS団とかで幸せそうだ。<br>
あの頃俺に見せた笑顔は他のやつにおくられている。そいつに、涼宮のこと聞かれたことがあったけど…このことは話さなかった。<br>
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これは、きっとこの先誰にも話さないだろう…。俺の忘れられない大切な『思い出』<br>
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<div>~完~<br></div>
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