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『God knows』 最終章」(2021/01/09 (土) 23:06:58) の最新版変更点

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<div class="main"> <div>『God knows』<br></div> <br> <div>~最終章~<br></div> <br> <div> 「キョ~ンく~ん!!早くしないと、みんな待ってるよっ!!」<br> え~、いきなりこの騒がしいのは、妹だ。<br> 中学に入り、体の発育は良くなったが精神年齢はガキのままだ。<br> 「わかってるよ、すぐ行くから。」<br> 俺はぶっきらぼうに答える。…が心の中はもう、幸せでいっぱいである。<br> 何故かって?<br> 結婚したからだ、みくるさんと。<br> いまから、その成り行きを説明しよう。<br></div> <br> <br> <div> 去年、結局みくるさんは私立短大ではなく、私立大学に行った。<br> 理由は、うちの親の資金援助を得る事になったからだ。<br></div> <br> <div> ……これは【古泉、長門説】によるとハルヒの力かもしれないらしい。<br> 「SOS団はみんなで同じ大学に行くわよっ!!だからみくるちゃんも短大じゃなくて4年制大学にしなさいっ!」<br> とのセリフを吐いた時、情報なんたらがどうにかなって、力が発動したとかしないとか……。<br> まったく、人の家計にまで力を加えるとはなんて迷惑な《神》だ。<br> それで、俺達が3年に上がり、みくるさんが大学に行った後も土、日には欠かさず集まり、《探索》という名の遊びをしていたわけだ。<br> </div> <br> <div> そして月日は流れる間、成績の危ないゾーンにいる俺は教室でハルヒ、部室でハルヒと長門、家ではみくるさんにみっちりと勉強を教えられ、みんなと同じ大学に受かったわけだ。<br> こればっかりは、感謝しないとな。<br></div> <br> <div>そして、卒業式も終えた頃。<br> 晩飯の時にいきなり話が始まった。<br> 「ねぇ、キョン。あなたみくるちゃんといつ結婚するのよ?」<br> 「ちょっ……母さん!俺達はまだ大学生だぞ!」<br> 「そっ…そそそそうですよ!け、け、け結婚なんて……まだ…。」<br> 「でもねぇ…もう、2年くらいみくるちゃんと一緒に住んでるんだし……、二人にその気があるなら籍だけでも入れちゃいなさいよ。」<br> 「う……、確かに俺にはその気はあるが……。」<br> 「わ、わたしも……あります…けど……。」<br> 「それにね、早くみくるちゃんにも《おかあさん》って呼ばれたいのよ。うふふふ、じゃあ決定ね。大学の入学式の日にでも、二人で市役所に行ってきなさい!」<br> 「「あ…う……、はい…。」」<br> こんな感じで籍を入れることになったわけだ。<br> そして、今に至る。<br></div> <br> <div> つまるところ、今は《婚約記念パーティー》なる物に出かける直前だ。<br> 場所は古泉が用意した、また《機関》関係らしいな。<br> 「今回の事は、僕個人として、頭を下げて動いてもらいました。」だそうだ。<br> パーティーとはいえ、俺の家族、SOS団のメンバー、鶴屋さん、《機関》の一部の人という小さい物だ。……俺にはピッタリと似合ってる気がするが。<br> 「キョ、キョンくん……妹さんと、涼宮さん……あ、暴れ出しちゃいますよ?」<br> みくるさんが迎えに来た。<br> 大人っぽい正装のはずが、何故かとても可愛らしく見える。……惚気だ、すまんな。<br> 「あ~、すいません。すぐに行きます……ってか行きましょうか?」<br> 俺が手を差し延べると、すぐにみくるさんが手を繋いでくれる。<br> 幸せな一時…。<br></div> <br> <div> 外に出ると、マイクロバスのような物の前でみんなが迎えてくれた。<br> 「キョンっ!!あたしを待たせるなんて良い度胸してるわね!……死刑よっ!」<br> 「…………死刑。」<br> 「死刑ですね。」<br> ……なんだお前ら。そもそもハルヒの口癖がうつってるじゃねぇか。<br> 「だ、ダメですっ!キョ、キョンくんはし、死刑になんか、させませんっ!」<br> </div> <br> <div> おお、みくるさんが珍しくハルヒに反抗してる。しかも、俺のために……泣けるぜ。<br> 「まったく……アツアツね。キョン!みくるちゃんに免じて許したげるから早く乗りなさい!」<br> 「ちょっと待て、そもそも俺とみくるさんを祝う為じゃないのか?」<br> 「うっ……し、仕切るのはあたしだからいいの!!」<br> 俺は溜め息をつき、ゆっくりとマイクロバスに向かいながらいつものセリフを言った。<br> 「やれやれ。」<br></div> <br> <br> <div> まぁ、パーティーと言うのも立食パーティーのようなもので、みんな思い思い勝手に喋っている。<br> ところどころ、ギャーギャー騒いでいたり、大食い対決をしていたりするのを無視して、俺はみくるさんと食事をしながらいろいろな人に挨拶をして過ごした。<br> </div> <br> <div> 突然、照明が落ちてハルヒの元気で、無駄にでかい声が聞こえて来た。<br> 「みんな~、聞こえてる~!?みくるちゃん、ついでにキョン!婚約、おめでとう!!」<br> ははは、ハルヒらしいな。<br> ……しかし、一発芸をやれとか言いそうで怖いな。<br> 「え~、今回は!SOS団+鶴屋さんから、二人にプレゼントを用意してます!!喜びなさいっ!」<br> マジでか?<br></div> <br> <div> 俺がみくるさんを見ると、キョトンとしていた。……そりゃ驚くよな。<br> 「それじゃっ、二人でこの幕を剥いじゃって!!高かったんだからねっ!!」<br> 言いたいことを言うと、ハルヒは一旦、舞台を降りた。<br></div> <br> <div> 俺は、みくるさんと一緒に舞台に上がり、幕を掴んだ。<br> 「「せ~の!」」<br> 幕を引くとそこには……<br> 純白のウエディングドレスとタキシードがあった。<br> ……おいおい、いくらするんだよ、これ。<br> 再び、マイクを取ったハルヒが話しだした。<br> 「え~と、とりあえず足りない分は鶴屋さんに借金しちゃってるからあんまりかっこいいことは言えないけど……きちんと式やる時はこれ着てねっ!!」<br> 「~~~~っ!!バカヤロウ!!」<br> あれ、何してんだ俺?<br> 俺は叫んだ後、ハルヒに向かって歩きだした。<br> 「…………?キョ…ン?」<br> そして、俺はハルヒを抱き締めた。<br> 「バカ野郎……こんな…バカ……アホ…。」<br> 抱き締めながら、俺はわけの分からない言葉を呟きながら泣いていた。<br> 人の目も、みくるさんの目ですら気にせず、俺は泣いていた。<br> </div> <br> <div>しばらく泣いた後、ハルヒが声をかけて来た。<br> 「もう……落ち着いた?」<br> 「ああ、悪かった…な。」<br> 「あたしの時は……倍返しだかんね?」<br> 「そりゃ…無理だ。」<br> 「ふふふ、それでこそあんたよ。…じゃあ、みくるちゃんの所に行きなさい。」<br> 「おう、……ありがとうな。」<br> 俺は涙を拭いながら、同じく泣いているみくるさんの所に戻った。<br> 「さて、感動の1シーンを終えた所で、お二人には着替えてきて貰いましょう。」<br> ……古泉?<br> なにを言ってやがる。<br> 「いいわねっ!!ここでプチ結婚式あげちゃいましょう!!」<br> ハルヒまで何を言う。<br> 「お前らな……《プチ》とかやったら《本番》の感動が薄れるだろ?」<br> 「何言ってんの!?嬉しいことは何回やっても嬉しいじゃない!!」<br> 言葉が詰まる、…言い返せないか。<br> 「わかったよ。少し落ち着いて待ってろ。」<br> そう言うと、俺とみくるさんは別室に向かった。<br></div> <br> <div> 俺は新川さんに、みくるさんは森さんと何人かに手伝って貰い、衣装を着る。<br> 「大変お似合いでございますよ。」<br> 動きにくいが、新川さんの言葉に頭を下げて答えた。<br> しばらくすると、みくるさんがカーテンの裏から出て来た。<br> </div> <br> <div> 見とれたね。30秒くらい、動きを止めて、俺だけの天使の姿を目に焼き付けた。<br> 「あ、あの……キョン、くん?」<br> 「あ、ああ。み、見とれちゃいましたよ、……綺麗ですよ。」<br> 「ふえっ!?……キョ、キョンくんも……かっこいい、です…。」<br> 「それより、行きましょうか。」<br> 俺達は手を繋ぎ、パーティー会場に歩きだした。<br></div> <br> <div> 中に入り、ステージまで歩くと、前では神父の格好をした古泉が立っていた。<br> 「おいおい、なんの真似だ?」<br> 「我らが団長の命令ですので。」<br> 古泉が肩をすくめ苦笑する。<br> ま、しょうがないらしいな。<br> 「それでは、始めましょうか。汝……」<br> 古泉が良くあるフレーズの言葉を並べる。<br> 「誓います。」<br> こう言うのが礼儀だろうな。<br> さらに、みくるさんに向かって同じようなことを言う。<br> 「ち、ちちち誓いますっ!」<br> 擬似ですから、そんなに緊張しなくても…。<br> 「それでは、誓いのキスを。」<br> 少し驚いたが想定の範囲内だ、しかし、こんな大勢の前でキスか……。<br> と考えていると、みくるさんは既に目を瞑っていた。<br></div> <br> <div>俺は覚悟を決め、頬に手をやった。<br> 少し震えている、二人とも。<br> だが、俺にはもう、目の前のみくるさんしか見えない。<br> そのまま、少しずつ近付き、《誓いのキス》を交わした。<br> </div> <br> <div>終わり<br></div> </div> <!-- ad -->
<div class="main"> <div>『God knows』<br /></div> <br /> <div>~最終章~<br /></div> <br /> <div>「キョ~ンく~ん!!早くしないと、みんな待ってるよっ!!」<br /> え~、いきなりこの騒がしいのは、妹だ。<br /> 中学に入り、体の発育は良くなったが精神年齢はガキのままだ。<br /> 「わかってるよ、すぐ行くから。」<br /> 俺はぶっきらぼうに答える。…が心の中はもう、幸せでいっぱいである。<br /> 何故かって?<br /> 結婚したからだ、みくるさんと。<br /> いまから、その成り行きを説明しよう。<br /></div> <br /> <br /> <div>去年、結局みくるさんは私立短大ではなく、私立大学に行った。<br /> 理由は、うちの親の資金援助を得る事になったからだ。<br /></div> <br /> <div>……これは【古泉、長門説】によるとハルヒの力かもしれないらしい。<br /> 「SOS団はみんなで同じ大学に行くわよっ!!だからみくるちゃんも短大じゃなくて4年制大学にしなさいっ!」<br /> とのセリフを吐いた時、情報なんたらがどうにかなって、力が発動したとかしないとか……。<br /> まったく、人の家計にまで力を加えるとはなんて迷惑な《神》だ。<br /> それで、俺達が3年に上がり、みくるさんが大学に行った後も土、日には欠かさず集まり、《探索》という名の遊びをしていたわけだ。<br /></div> <br /> <div> そして月日は流れる間、成績の危ないゾーンにいる俺は教室でハルヒ、部室でハルヒと長門、家ではみくるさんにみっちりと勉強を教えられ、みんなと同じ大学に受かったわけだ。<br /> こればっかりは、感謝しないとな。<br /></div> <br /> <div>そして、卒業式も終えた頃。<br /> 晩飯の時にいきなり話が始まった。<br /> 「ねぇ、キョン。あなたみくるちゃんといつ結婚するのよ?」<br /> 「ちょっ……母さん!俺達はまだ大学生だぞ!」<br /> 「そっ…そそそそうですよ!け、け、け結婚なんて……まだ…。」<br /> 「でもねぇ…もう、2年くらいみくるちゃんと一緒に住んでるんだし……、二人にその気があるなら籍だけでも入れちゃいなさいよ。」<br /> 「う……、確かに俺にはその気はあるが……。」<br /> 「わ、わたしも……あります…けど……。」<br /> 「それにね、早くみくるちゃんにも《おかあさん》って呼ばれたいのよ。うふふふ、じゃあ決定ね。大学の入学式の日にでも、二人で市役所に行ってきなさい!」<br /> 「「あ…う……、はい…。」」<br /> こんな感じで籍を入れることになったわけだ。<br /> そして、今に至る。<br /></div> <br /> <div>つまるところ、今は《婚約記念パーティー》なる物に出かける直前だ。<br /> 場所は古泉が用意した、また《機関》関係らしいな。<br /> 「今回の事は、僕個人として、頭を下げて動いてもらいました。」だそうだ。<br /> パーティーとはいえ、俺の家族、SOS団のメンバー、鶴屋さん、《機関》の一部の人という小さい物だ。……俺にはピッタリと似合ってる気がするが。<br /> 「キョ、キョンくん……妹さんと、涼宮さん……あ、暴れ出しちゃいますよ?」<br /> みくるさんが迎えに来た。<br /> 大人っぽい正装のはずが、何故かとても可愛らしく見える。……惚気だ、すまんな。<br /> 「あ~、すいません。すぐに行きます……ってか行きましょうか?」<br /> 俺が手を差し延べると、すぐにみくるさんが手を繋いでくれる。<br /> 幸せな一時…。<br /></div> <br /> <div>外に出ると、マイクロバスのような物の前でみんなが迎えてくれた。<br /> 「キョンっ!!あたしを待たせるなんて良い度胸してるわね!……死刑よっ!」<br /> 「…………死刑。」<br /> 「死刑ですね。」<br /> ……なんだお前ら。そもそもハルヒの口癖がうつってるじゃねぇか。<br /> 「だ、ダメですっ!キョ、キョンくんはし、死刑になんか、させませんっ!」<br /></div> <br /> <div>おお、みくるさんが珍しくハルヒに反抗してる。しかも、俺のために……泣けるぜ。<br /> 「まったく……アツアツね。キョン!みくるちゃんに免じて許したげるから早く乗りなさい!」<br /> 「ちょっと待て、そもそも俺とみくるさんを祝う為じゃないのか?」<br /> 「うっ……し、仕切るのはあたしだからいいの!!」<br /> 俺は溜め息をつき、ゆっくりとマイクロバスに向かいながらいつものセリフを言った。<br /> 「やれやれ。」<br /></div> <br /> <br /> <div>まぁ、パーティーと言うのも立食パーティーのようなもので、みんな思い思い勝手に喋っている。<br /> ところどころ、ギャーギャー騒いでいたり、大食い対決をしていたりするのを無視して、俺はみくるさんと食事をしながらいろいろな人に挨拶をして過ごした。<br /></div> <br /> <div>突然、照明が落ちてハルヒの元気で、無駄にでかい声が聞こえて来た。<br /> 「みんな~、聞こえてる~!?みくるちゃん、ついでにキョン!婚約、おめでとう!!」<br /> ははは、ハルヒらしいな。<br /> ……しかし、一発芸をやれとか言いそうで怖いな。<br /> 「え~、今回は!SOS団+鶴屋さんから、二人にプレゼントを用意してます!!喜びなさいっ!」<br /> マジでか?<br /></div> <br /> <div>俺がみくるさんを見ると、キョトンとしていた。……そりゃ驚くよな。<br /> 「それじゃっ、二人でこの幕を剥いじゃって!!高かったんだからねっ!!」<br /> 言いたいことを言うと、ハルヒは一旦、舞台を降りた。<br /></div> <br /> <div>俺は、みくるさんと一緒に舞台に上がり、幕を掴んだ。<br /> 「「せ~の!」」<br /> 幕を引くとそこには……<br /> 純白のウエディングドレスとタキシードがあった。<br /> ……おいおい、いくらするんだよ、これ。<br /> 再び、マイクを取ったハルヒが話しだした。<br /> 「え~と、とりあえず足りない分は鶴屋さんに借金しちゃってるからあんまりかっこいいことは言えないけど……きちんと式やる時はこれ着てねっ!!」<br /> 「~~~~っ!!バカヤロウ!!」<br /> あれ、何してんだ俺?<br /> 俺は叫んだ後、ハルヒに向かって歩きだした。<br /> 「…………?キョ…ン?」<br /> そして、俺はハルヒを抱き締めた。<br /> 「バカ野郎……こんな…バカ……アホ…。」<br /> 抱き締めながら、俺はわけの分からない言葉を呟きながら泣いていた。<br /> 人の目も、みくるさんの目ですら気にせず、俺は泣いていた。<br /></div> <br /> <div>しばらく泣いた後、ハルヒが声をかけて来た。<br /> 「もう……落ち着いた?」<br /> 「ああ、悪かった…な。」<br /> 「あたしの時は……倍返しだかんね?」<br /> 「そりゃ…無理だ。」<br /> 「ふふふ、それでこそあんたよ。…じゃあ、みくるちゃんの所に行きなさい。」<br /> 「おう、……ありがとうな。」<br /> 俺は涙を拭いながら、同じく泣いているみくるさんの所に戻った。<br /> 「さて、感動の1シーンを終えた所で、お二人には着替えてきて貰いましょう。」<br /> ……古泉?<br /> なにを言ってやがる。<br /> 「いいわねっ!!ここでプチ結婚式あげちゃいましょう!!」<br /> ハルヒまで何を言う。<br /> 「お前らな……《プチ》とかやったら《本番》の感動が薄れるだろ?」<br /> 「何言ってんの!?嬉しいことは何回やっても嬉しいじゃない!!」<br /> 言葉が詰まる、…言い返せないか。<br /> 「わかったよ。少し落ち着いて待ってろ。」<br /> そう言うと、俺とみくるさんは別室に向かった。<br /></div> <br /> <div>俺は新川さんに、みくるさんは森さんと何人かに手伝って貰い、衣装を着る。<br /> 「大変お似合いでございますよ。」<br /> 動きにくいが、新川さんの言葉に頭を下げて答えた。<br /> しばらくすると、みくるさんがカーテンの裏から出て来た。<br /></div> <br /> <div>見とれたね。30秒くらい、動きを止めて、俺だけの天使の姿を目に焼き付けた。<br /> 「あ、あの……キョン、くん?」<br /> 「あ、ああ。み、見とれちゃいましたよ、……綺麗ですよ。」<br /> 「ふえっ!?……キョ、キョンくんも……かっこいい、です…。」<br /> 「それより、行きましょうか。」<br /> 俺達は手を繋ぎ、パーティー会場に歩きだした。<br /></div> <br /> <div>中に入り、ステージまで歩くと、前では神父の格好をした古泉が立っていた。<br /> 「おいおい、なんの真似だ?」<br /> 「我らが団長の命令ですので。」<br /> 古泉が肩をすくめ苦笑する。<br /> ま、しょうがないらしいな。<br /> 「それでは、始めましょうか。汝……」<br /> 古泉が良くあるフレーズの言葉を並べる。<br /> 「誓います。」<br /> こう言うのが礼儀だろうな。<br /> さらに、みくるさんに向かって同じようなことを言う。<br /> 「ち、ちちち誓いますっ!」<br /> 擬似ですから、そんなに緊張しなくても…。<br /> 「それでは、誓いのキスを。」<br /> 少し驚いたが想定の範囲内だ、しかし、こんな大勢の前でキスか……。<br /> と考えていると、みくるさんは既に目を瞑っていた。<br /></div> <br /> <div>俺は覚悟を決め、頬に手をやった。<br /> 少し震えている、二人とも。<br /> だが、俺にはもう、目の前のみくるさんしか見えない。<br /> そのまま、少しずつ近付き、《誓いのキス》を交わした。<br /></div> <br /> <div>終わり<br /></div> </div>

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