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「『God knows』 7章」(2021/01/09 (土) 19:01:55) の最新版変更点
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<div class="main">
<div>『God knows』<br></div>
<br>
<div>~7章~<br></div>
<br>
<div>足取りが軽いぜ。<br>
朝から坂道でも何のそのだ。<br>
何があったかって?<br>
しょうがない、話してやろう。<br>
昨日、帰宅後……と言うより、就寝前に《みくるさん》からメールがあった。<br>
一方的に送られてきたメールだがな。<br>
内容はこうだ。<br></div>
<br>
<div>
『今日は、ありがとう。明日はわたしがお弁当作って来るから、涼宮さん達も連れて、みんなで部室に来てくださいね!!じゃあおやすみ、です。……大好きです。<br>
あなたのみくるより』<br></div>
<br>
<div>
………《あなたのみくる》なんて言われたら、誰でもこうなるだろう?<br>
</div>
<br>
<div>朝、教室に入るとハルヒが机に突っ伏していた。<br>
「……あ~、ハルヒ。おはよう?」<br>
「おはよ、キョン。……昨日は疑ったり、つけたりして…ごめんね?」<br>
「気にしてねぇよ。……お前まさか、昨日それで口数が少なかったのか?」<br>
「っ!?バ、バカ!そんなわけないじゃない!!あ~もう!気にしてたのがバカみたい!!」<br>
そうか、気にしてたんだな…。<br>
「ハルヒ、ありがとな。それと今日の昼はみくるさんが弁当をみんなに作ってきてくれるらしいぜ。」<br>
「え、ほんと!?じゃあ、あたし古泉くんと有希に伝えて来るわ!!楽しみだわ~……。」<br>
</div>
<br>
<div>と言って、ハルヒは飛び出して行った。<br>
途中ぶつかりそうになった谷口の肩をバンバン叩いてからな。<br>
「お~痛ぇ。なぁ、キョン。涼宮はなんかあったのか?」<br>
谷口が肩を押さえながら近付いてきた。<br>
「さぁな。ただお前の顔がムカついたんじゃねえか?」<br>
「ひ……ひでぇ!畜生、キョンなんか嫌いだ~~!!」<br>
あ~、谷口が走ってどっか行ったなぁ。<br>
あと3分で予鈴なんだがな。<br>
「気にしないでいいよ、キョン。昨日、谷口はまたフラれたらしいから。」<br>
詳しい解説をありがとう、国木田。<br></div>
<br>
<br>
<div>やっと、待ちに待った放課後だ。<br>
俺はハルヒを連れて、部室に向かおうと思った時、教室の外に人影を見つけた。<br>
「キョ、キョンく~ん……。き、来ちゃった…。」<br>
そこでは、みくるさんがドアから顔を出して、俺を呼んでいた。<br>
「あらら!みくるちゃん、一刻も早くキョンに会いたかったのね!?ん~、かわいいわっ!」<br>
ハルヒが早速絡んでいく。<br>
かと思うと、<br>
「じゃ、あたしは有希と古泉くん連れて来るから!!みくるちゃんはキョンと二人で先に行っててね!」<br>
と言い残し、さっさと出て行った。<br></div>
<br>
<div>カバンを持ち立ち上がる俺。<br>
教室からの視線が痛いぜ……、特に谷口からのな。<br>
「すいません、みくるさん。じゃあ行きましょうか。」<br>
「は、はいっ!」<br>
俺たちは並んで部室に向かった。<br>
谷口の悲痛な叫びは無視だ。<br></div>
<br>
<br>
<div>
「いや~、しかし驚きましたよ。まさか教室に来るなんて……。」<br>
「だ、だって会いたかったんですよ?が、我慢出来なくなっちゃいましたぁ…。」<br>
俺はみくるさんの頭を撫でた。<br>
「俺だって会いたかったですよ、来てくれてありがとうございます。」<br>
顔を赤くして、みくるさんが答える。<br>
「あ……うん、えへへへ。」<br></div>
<br>
<div>そんなことをしながら部室へ向かう。<br>
道行く人の目?<br>
そんなもん、知るか。<br></div>
<br>
<div>部室につくと、既に3人はいた。<br>
……いつ抜かれたんだ?<br>
「おっっ………そぉい!!二人とも、イチャつきすぎ!みくるちゃん、お茶っ!!」<br>
「は、はいぃっ!ただいまっ!!」<br>
嗚呼、素晴らしき日常かな。<br>
いつも通りだぜ…。<br>
「しかし…昨日は本当に驚きましたよ。まさか朝比奈さんはともかく、キョンくんまで泣くとは思ってなかったですからね。」<br>
うるさいぞ、古泉。<br>
それは忘れとけ。<br></div>
<br>
<div>「………恥ずかしいの?」<br>
長門、悪気がないのはわかるが、そういうことは聞くな。<br>
</div>
<br>
<div>
俺は散々からかわれ、反論に疲れ、グッタリとしていた。<br>
「あの……キョンくん、ごめんなさい。わ、わたしのせいですよね?」<br>
「いやいや、気にしないでください。みくるさんのせいじゃないですから。」<br>
「きゃ~!聞いた?有希、《みくるさん》だってさ。あっついわね~!!」<br>
「………真夏みたい。」<br>
俺とみくるさんは、二人で顔を真っ赤にした。<br>
タチ悪いな、こいつら。<br>
「そ、それより、お弁当作ってきましたから、たっ、食べましょう!?」<br>
</div>
<br>
<div>みくるさんが大きな包みを取り出した。<br>
「き、昨日のお迎えの、お礼ですっ!……どんどん食べてください、ね?」<br>
ハルヒと長門が嬉しそうな顔をした。<br>
「もうダメ、我慢出来ないわっ!いっただっきま~す!!」<br>
「………いただきます。」<br>
大きな包みを二人で引っ張って、食べはじめた。<br>
こりゃ、残らないな。<br>
「あの……わたし達はこっちに用意しましたから…ね?」<br>
というわけで、3人で少し小さめの包みの弁当を食べた。<br>
うますぎる、あいつら二人にはもったいない味ですよ。<br></div>
<br>
<div>食事を終えた俺達は、しばしの休憩をすることに。<br>
「あたし……動けないわ、食べ過ぎちゃった。」<br>
「………同じく。」<br>
あんな量を二人で食ったら当たり前だ。<br>
「おやおや、団長。食事のあとは市内探索をする予定でなかったですか?」<br>
ここぞとばかりに、古泉が反撃をしている。<br>
「あ~、ごめん…古泉くん。3時まで休憩してていいわ…おやすみっ!」<br>
「はぁ?おやすみってなんだよ!?」<br>
と疑問をぶつける前に、何処からかかっぱらってきたであろう、布団を敷き、長門と一緒に横になっていた。<br>
「「やれやれ。」ですね。僕はここに居ますから、二人で少しお話しでもしてきては?」<br>
《やれやれ。》が被ったのはムカつくが、こいつもなかなか気が利くじゃないか。<br>
「ここはお言葉に甘えるぜ。行きましょう、みくるさん。」<br>
と言い、俺は手を引き、部室を出た。<br></div>
<br>
<div>
俺達は、2時間程しか時間がないのを考慮し、屋上に行くことにした。<br>
「ふわぁ……日差しが暖かい、です。」<br>
「ですね、ちょっと座りましょうか。」<br>
俺たちは並んで腰をおろした。<br></div>
<br>
<div>「あの……キョンくん?」<br>
「はい?」<br>
「あの、そのぅ……昨日ですね、膝枕…してくれたじゃないですかぁ…?」<br>
「しましたねぇ、またして欲しいですか?どうぞ。」<br>
俺は背を壁にもたせかけたまま、足を伸ばし、太股を叩いた。<br>
「あ、いえ!ち、違うんですっ!こ、今度は…その……わたしがしてあげようかなぁって……。」<br>
「……マジっすか?」<br>
「は、はい……。あ、嫌なら別に…」<br>
と言い終わる前に、俺はみくるさんの足に頭を乗っけた。<br>
「メチャクチャ落ち着きますね、気持ちいいっす。」<br>
少し顔を赤らめたみくるさんが答える。<br>
「あ、……よかった。わ、わたしも昨日ね、それでお、落ち着いたんです。」<br>
俺の頭を小さな手が撫でてくる。<br>
気持ちいい……ってか眠くなって来た……。<br>
「あ~、あの…みくるさん。俺……くぁ、寝ちゃったら…ごめん…なさい…。」<br>
薄れてく意識でみくるさんの言葉が聞こえてくる。<br>
「うふふ、寝ちゃっていいですよ。……ゆっくりと、休んでください。」<br>
</div>
<br>
<br>
<div>目を覚ます。<br>
景色は赤い、どうやら夕焼けのようだな。<br>
「あ……おはようございます、キョンくん。よく……寝てましたねぇ。」<br>
微笑みながら俺の頭を撫でるみくるさん。<br></div>
<br>
<div>………と、俺の顔を覗き込むその他3人。<br>
「あんたねぇ……何時だと思ってんの!!」<br>
「僕達に見せたことない表情、楽しませてもらいましたよ。」<br>
「………遅刻。」<br>
口々に言いたいことを言ってきやがる。<br>
「くぁ……、今何時だ?古泉。」<br>
「もう6時前…といったところでしょうか。」<br>
完全に寝坊している。<br>
集合は3時だったか?<br>
「まったく……あんたのマヌケな寝顔も見れたし、何よりみくるちゃんに免じて許してあげるわっ!」<br>
ハルヒが俺の上から声をかけてくる。<br>
「みくるちゃんねぇ、電話かけてきて『キョンくんが寝てますから、い、行けないですぅ。す、すいませんっ!』とか言ってたのよ。感謝しときなさいよ!!」<br>
そうか、みくるさんが…。<br>
「ふわわわっ!す、涼宮さんっ!い、言わないってや、約束したじゃないですかぁ!」<br>
メチャクチャ慌てている。<br>
ゴンッ!<br>
………痛ぇ。<br>
慌てた拍子に、俺の頭がずり落ち、思いっきり地面に打ち付けた。<br>
「あぁ!だ、大丈夫ですかぁっ!?」<br></div>
<br>
<div>「いててて……あ、大丈夫ですよ。」<br>
と、いろいろと5人で話をしたりして、7時になろうかという所でハルヒが解散を宣言した。<br>
「ちゃんとみくるちゃんを送って行くのよっ!!」<br>
言われなくてもわかってるよ。<br></div>
<br>
<br>
<div>さぁ、二人きりの帰り道。<br>
やはり手を繋いで歩く。<br>
「まだ……手を繋ぐと、ちょ、ちょっとドキドキしますね?」<br>
その表情にドキドキします。少しいじめてみるか。<br>
「じゃあ、離しますか?」<br>
俺は少し握る力を弱める。<br>
「え……や、やだ!嫌ですっ!ぜっっ…たい離しませんからっ!」<br>
と言って、腕に抱きついてきた。こりゃ幸せだ。<br>
「あははは、冗談ですって。慌てるみくるさんもかわいいですよ。」<br>
と言うと、顔を赤らめて、<br>
「も、もうっ!……キョンくんはいじわるですっ!」<br>
と言っていらっしゃる。<br>
正直、かわいいです。<br></div>
<br>
<div>
俺は話題をいろいろ作りつつ、昨日別れた場所まで来た。<br>
</div>
<br>
<div>
「き、今日も…あ、ありがとう…ございましたぁ。」<br>
これでお別れか……、嫌だな。<br>
「そ、そういえばですね、みくるさんの家って何処ですか!?ち、近くなら家の前まで……送りますよ?」<br>
これだ。<br>
この発言で、この後まさかこんな展開になるとはな。<br>
「ふえっ!?…………じゃ、じゃあ、お、お願いしちゃいま……す。」<br>
みくるさんの顔が真っ赤だ。<br>
なにか問題あるのか?<br>
家がメチャクチャ狭いとか…。<br>
1分程歩くと、綺麗なマンションの前でみくるさんが止まった。<br>
「こ、ここ……です…。」<br>
……これは参ったな。<br>
長門のマンションに負けず劣らずの作りをしている。<br>
「あ、あ~。意外に早く着いちゃいましたねぇ。……ちょっと残念、かな。」<br>
俺は半分本気でガッカリした顔を見せる。<br>
残り半分は、驚きだ。<br>
みくるさんは、顔をまたもや赤くしている。<br>
「それじゃ、今日は帰りますね?また明日会いましょう!」<br>
と、俺が手を振り、歩きだそうとすると事は起こった。<br></div>
<br>
<div>
「キ、キキキ、キョンくん!い、家!…家にっ、あ、あ、上がって……いき、行きませんかぁっ!?」<br>
</div>
<br>
<div>~7章・終~<br></div>
<br>
<br>
<ul>
<li><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1344.html"><font color=
"#666666">8章</font></a></li>
</ul>
</div>
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<div class="main">
<div>『God knows』<br /></div>
<br />
<div>~7章~<br /></div>
<br />
<div>足取りが軽いぜ。<br />
朝から坂道でも何のそのだ。<br />
何があったかって?<br />
しょうがない、話してやろう。<br />
昨日、帰宅後……と言うより、就寝前に《みくるさん》からメールがあった。<br />
一方的に送られてきたメールだがな。<br />
内容はこうだ。<br /></div>
<br />
<div>
『今日は、ありがとう。明日はわたしがお弁当作って来るから、涼宮さん達も連れて、みんなで部室に来てくださいね!!じゃあおやすみ、です。……大好きです。<br />
あなたのみくるより』<br /></div>
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<div>………《あなたのみくる》なんて言われたら、誰でもこうなるだろう?<br /></div>
<br />
<div>朝、教室に入るとハルヒが机に突っ伏していた。<br />
「……あ~、ハルヒ。おはよう?」<br />
「おはよ、キョン。……昨日は疑ったり、つけたりして…ごめんね?」<br />
「気にしてねぇよ。……お前まさか、昨日それで口数が少なかったのか?」<br />
「っ!?バ、バカ!そんなわけないじゃない!!あ~もう!気にしてたのがバカみたい!!」<br />
そうか、気にしてたんだな…。<br />
「ハルヒ、ありがとな。それと今日の昼はみくるさんが弁当をみんなに作ってきてくれるらしいぜ。」<br />
「え、ほんと!?じゃあ、あたし古泉くんと有希に伝えて来るわ!!楽しみだわ~……。」<br /></div>
<br />
<div>と言って、ハルヒは飛び出して行った。<br />
途中ぶつかりそうになった谷口の肩をバンバン叩いてからな。<br />
「お~痛ぇ。なぁ、キョン。涼宮はなんかあったのか?」<br />
谷口が肩を押さえながら近付いてきた。<br />
「さぁな。ただお前の顔がムカついたんじゃねえか?」<br />
「ひ……ひでぇ!畜生、キョンなんか嫌いだ~~!!」<br />
あ~、谷口が走ってどっか行ったなぁ。<br />
あと3分で予鈴なんだがな。<br />
「気にしないでいいよ、キョン。昨日、谷口はまたフラれたらしいから。」<br />
詳しい解説をありがとう、国木田。<br /></div>
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<br />
<div>やっと、待ちに待った放課後だ。<br />
俺はハルヒを連れて、部室に向かおうと思った時、教室の外に人影を見つけた。<br />
「キョ、キョンく~ん……。き、来ちゃった…。」<br />
そこでは、みくるさんがドアから顔を出して、俺を呼んでいた。<br />
「あらら!みくるちゃん、一刻も早くキョンに会いたかったのね!?ん~、かわいいわっ!」<br />
ハルヒが早速絡んでいく。<br />
かと思うと、<br />
「じゃ、あたしは有希と古泉くん連れて来るから!!みくるちゃんはキョンと二人で先に行っててね!」<br />
と言い残し、さっさと出て行った。<br /></div>
<br />
<div>カバンを持ち立ち上がる俺。<br />
教室からの視線が痛いぜ……、特に谷口からのな。<br />
「すいません、みくるさん。じゃあ行きましょうか。」<br />
「は、はいっ!」<br />
俺たちは並んで部室に向かった。<br />
谷口の悲痛な叫びは無視だ。<br /></div>
<br />
<br />
<div>「いや~、しかし驚きましたよ。まさか教室に来るなんて……。」<br />
「だ、だって会いたかったんですよ?が、我慢出来なくなっちゃいましたぁ…。」<br />
俺はみくるさんの頭を撫でた。<br />
「俺だって会いたかったですよ、来てくれてありがとうございます。」<br />
顔を赤くして、みくるさんが答える。<br />
「あ……うん、えへへへ。」<br /></div>
<br />
<div>そんなことをしながら部室へ向かう。<br />
道行く人の目?<br />
そんなもん、知るか。<br /></div>
<br />
<div>部室につくと、既に3人はいた。<br />
……いつ抜かれたんだ?<br />
「おっっ………そぉい!!二人とも、イチャつきすぎ!みくるちゃん、お茶っ!!」<br />
「は、はいぃっ!ただいまっ!!」<br />
嗚呼、素晴らしき日常かな。<br />
いつも通りだぜ…。<br />
「しかし…昨日は本当に驚きましたよ。まさか朝比奈さんはともかく、キョンくんまで泣くとは思ってなかったですからね。」<br />
うるさいぞ、古泉。<br />
それは忘れとけ。<br /></div>
<br />
<div>「………恥ずかしいの?」<br />
長門、悪気がないのはわかるが、そういうことは聞くな。<br /></div>
<br />
<div>俺は散々からかわれ、反論に疲れ、グッタリとしていた。<br />
「あの……キョンくん、ごめんなさい。わ、わたしのせいですよね?」<br />
「いやいや、気にしないでください。みくるさんのせいじゃないですから。」<br />
「きゃ~!聞いた?有希、《みくるさん》だってさ。あっついわね~!!」<br />
「………真夏みたい。」<br />
俺とみくるさんは、二人で顔を真っ赤にした。<br />
タチ悪いな、こいつら。<br />
「そ、それより、お弁当作ってきましたから、たっ、食べましょう!?」<br /></div>
<br />
<div>みくるさんが大きな包みを取り出した。<br />
「き、昨日のお迎えの、お礼ですっ!……どんどん食べてください、ね?」<br />
ハルヒと長門が嬉しそうな顔をした。<br />
「もうダメ、我慢出来ないわっ!いっただっきま~す!!」<br />
「………いただきます。」<br />
大きな包みを二人で引っ張って、食べはじめた。<br />
こりゃ、残らないな。<br />
「あの……わたし達はこっちに用意しましたから…ね?」<br />
というわけで、3人で少し小さめの包みの弁当を食べた。<br />
うますぎる、あいつら二人にはもったいない味ですよ。<br /></div>
<br />
<div>食事を終えた俺達は、しばしの休憩をすることに。<br />
「あたし……動けないわ、食べ過ぎちゃった。」<br />
「………同じく。」<br />
あんな量を二人で食ったら当たり前だ。<br />
「おやおや、団長。食事のあとは市内探索をする予定でなかったですか?」<br />
ここぞとばかりに、古泉が反撃をしている。<br />
「あ~、ごめん…古泉くん。3時まで休憩してていいわ…おやすみっ!」<br />
「はぁ?おやすみってなんだよ!?」<br />
と疑問をぶつける前に、何処からかかっぱらってきたであろう、布団を敷き、長門と一緒に横になっていた。<br />
「「やれやれ。」ですね。僕はここに居ますから、二人で少しお話しでもしてきては?」<br />
《やれやれ。》が被ったのはムカつくが、こいつもなかなか気が利くじゃないか。<br />
「ここはお言葉に甘えるぜ。行きましょう、みくるさん。」<br />
と言い、俺は手を引き、部室を出た。<br /></div>
<br />
<div>俺達は、2時間程しか時間がないのを考慮し、屋上に行くことにした。<br />
「ふわぁ……日差しが暖かい、です。」<br />
「ですね、ちょっと座りましょうか。」<br />
俺たちは並んで腰をおろした。<br /></div>
<br />
<div>「あの……キョンくん?」<br />
「はい?」<br />
「あの、そのぅ……昨日ですね、膝枕…してくれたじゃないですかぁ…?」<br />
「しましたねぇ、またして欲しいですか?どうぞ。」<br />
俺は背を壁にもたせかけたまま、足を伸ばし、太股を叩いた。<br />
「あ、いえ!ち、違うんですっ!こ、今度は…その……わたしがしてあげようかなぁって……。」<br />
「……マジっすか?」<br />
「は、はい……。あ、嫌なら別に…」<br />
と言い終わる前に、俺はみくるさんの足に頭を乗っけた。<br />
「メチャクチャ落ち着きますね、気持ちいいっす。」<br />
少し顔を赤らめたみくるさんが答える。<br />
「あ、……よかった。わ、わたしも昨日ね、それでお、落ち着いたんです。」<br />
俺の頭を小さな手が撫でてくる。<br />
気持ちいい……ってか眠くなって来た……。<br />
「あ~、あの…みくるさん。俺……くぁ、寝ちゃったら…ごめん…なさい…。」<br />
薄れてく意識でみくるさんの言葉が聞こえてくる。<br />
「うふふ、寝ちゃっていいですよ。……ゆっくりと、休んでください。」<br /></div>
<br />
<br />
<div>目を覚ます。<br />
景色は赤い、どうやら夕焼けのようだな。<br />
「あ……おはようございます、キョンくん。よく……寝てましたねぇ。」<br />
微笑みながら俺の頭を撫でるみくるさん。<br /></div>
<br />
<div>………と、俺の顔を覗き込むその他3人。<br />
「あんたねぇ……何時だと思ってんの!!」<br />
「僕達に見せたことない表情、楽しませてもらいましたよ。」<br />
「………遅刻。」<br />
口々に言いたいことを言ってきやがる。<br />
「くぁ……、今何時だ?古泉。」<br />
「もう6時前…といったところでしょうか。」<br />
完全に寝坊している。<br />
集合は3時だったか?<br />
「まったく……あんたのマヌケな寝顔も見れたし、何よりみくるちゃんに免じて許してあげるわっ!」<br />
ハルヒが俺の上から声をかけてくる。<br />
「みくるちゃんねぇ、電話かけてきて『キョンくんが寝てますから、い、行けないですぅ。す、すいませんっ!』とか言ってたのよ。感謝しときなさいよ!!」<br />
そうか、みくるさんが…。<br />
「ふわわわっ!す、涼宮さんっ!い、言わないってや、約束したじゃないですかぁ!」<br />
メチャクチャ慌てている。<br />
ゴンッ!<br />
………痛ぇ。<br />
慌てた拍子に、俺の頭がずり落ち、思いっきり地面に打ち付けた。<br />
「あぁ!だ、大丈夫ですかぁっ!?」<br /></div>
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<div>「いててて……あ、大丈夫ですよ。」<br />
と、いろいろと5人で話をしたりして、7時になろうかという所でハルヒが解散を宣言した。<br />
「ちゃんとみくるちゃんを送って行くのよっ!!」<br />
言われなくてもわかってるよ。<br /></div>
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<br />
<div>さぁ、二人きりの帰り道。<br />
やはり手を繋いで歩く。<br />
「まだ……手を繋ぐと、ちょ、ちょっとドキドキしますね?」<br />
その表情にドキドキします。少しいじめてみるか。<br />
「じゃあ、離しますか?」<br />
俺は少し握る力を弱める。<br />
「え……や、やだ!嫌ですっ!ぜっっ…たい離しませんからっ!」<br />
と言って、腕に抱きついてきた。こりゃ幸せだ。<br />
「あははは、冗談ですって。慌てるみくるさんもかわいいですよ。」<br />
と言うと、顔を赤らめて、<br />
「も、もうっ!……キョンくんはいじわるですっ!」<br />
と言っていらっしゃる。<br />
正直、かわいいです。<br /></div>
<br />
<div>俺は話題をいろいろ作りつつ、昨日別れた場所まで来た。<br /></div>
<br />
<div>「き、今日も…あ、ありがとう…ございましたぁ。」<br />
これでお別れか……、嫌だな。<br />
「そ、そういえばですね、みくるさんの家って何処ですか!?ち、近くなら家の前まで……送りますよ?」<br />
これだ。<br />
この発言で、この後まさかこんな展開になるとはな。<br />
「ふえっ!?…………じゃ、じゃあ、お、お願いしちゃいま……す。」<br />
みくるさんの顔が真っ赤だ。<br />
なにか問題あるのか?<br />
家がメチャクチャ狭いとか…。<br />
1分程歩くと、綺麗なマンションの前でみくるさんが止まった。<br />
「こ、ここ……です…。」<br />
……これは参ったな。<br />
長門のマンションに負けず劣らずの作りをしている。<br />
「あ、あ~。意外に早く着いちゃいましたねぇ。……ちょっと残念、かな。」<br />
俺は半分本気でガッカリした顔を見せる。<br />
残り半分は、驚きだ。<br />
みくるさんは、顔をまたもや赤くしている。<br />
「それじゃ、今日は帰りますね?また明日会いましょう!」<br />
と、俺が手を振り、歩きだそうとすると事は起こった。<br /></div>
<br />
<div>「キ、キキキ、キョンくん!い、家!…家にっ、あ、あ、上がって……いき、行きませんかぁっ!?」<br /></div>
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<div>~7章・終~<br /></div>
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<ul>
<li><a href="//www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1344.html"><font color="#666666">8章</font></a></li>
</ul>
</div>