「ながとぅーみー 第一話「粉雪のふる頃に」」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
<div class="main">
<div>雪景色。心の情緒を呼ぶ光景。<br>
ふわりふわりとそれは仄かに明るく舞う。まさに冬の蛍と呼べるだろう。<br>
そんな景色を俺は文芸部室、もといSOS団の本部から見ていた。<br>
「雪、見てるの?」<br>
静かな部屋からか細い抑揚の無い声が聞こえる。<br>
むろん、長門である。<br>
「そうだ」<br>
「そう」<br>
いつもどおりの会話。長門は本から視線を窓の外、正確には窓の外の雪を見ていた。<br>
ユキを見るユキ。おっと、ギャグじゃないぞ。いや、本当に。<br>
実際そういう状況なんだから仕方が無いのさ。<br>
そんなこんなで俺達はしばらくじっとどちらかが止めるまで六花を見続けていた。<br>
「「・・・」」<br>
団長のハルヒや、マイ・スウィート・エンジェルたる朝比奈さん、<br>
なんだかんだで欠かせない古泉、その三人が居ない部室。<br>
俺と、長門―――二人きり。<br>
こうして見ると、長門はとても整った顔立ちをしている。<br>
そして、なんというか守りたくなる、そんな雰囲気をまとっていた。<br>
まぁ、実際は逆で俺が守られているのだが。<br>
「・・・何?」<br>
「別に。ただ、見ていただけさ」<br>
我ながらよくぞ冷静に返答した。<br>
「そう」<br>
なんとなく、我が友達たるオタクが気に入っているゲームのキャラと重なる。<br>
永遠なんちゃら、とか言うゲームだったと思うが、よく覚えていない。<br>
友達曰く、無表情だが人間よりも人間らしいキャラ、らしい。<br>
まぁ、二次元にはあいにくはまっていないので何が素晴らしいかは不明だ。<br>
</div>
<br>
<div>「・・・」<br>
ただ、なんとなく解るような気がする。だって、雪を見る長門の顔は、ほんのりと緩んでいるのだから。<br>
よく見ないと、解らないぐらいではあるが。確かに、いつもよりも表情は柔らかい。<br>
ふと、俺は自分の心情に気づいた。長門を見て、俺は、幸せだと思っているらしい。<br>
当然である。俺は―――長門が好きなんだからな。<br>
「思いついたんだが・・・長門、雪合戦しないか?」<br>
「・・・何故?」<br>
少し、困ったように俺を見る。会った頃よりも、感情がそこに芽生えているのが見て取れる。<br>
思念体に言わせれば邪魔な物なのだろうけど、俺達には必要な物が。いや、長門にも必要な物だ。<br>
「ただ、やりたいだけだ。その代わり、並みの人間程度の力でな」<br>
「そう」<br>
長門は、承諾した。<br>
その結果。<br>
「長門」<br>
「何?」<br>
「人間並みの力とは言ったが、連射力が人間を超えたら無意味だ」<br>
俺は、俺の上に重なった雪から脱出しつつ言った。<br>
まぁ、一気に雪玉を作った長門が人並みの力で、次々投げ込んできて反撃出来ず終了したわけだ。<br>
この様だ。まぁ、もともと雪合戦にルールなんて無いがね。<br>
ガキの頃もよくやったが結局勝ち負けは無く、ただ無邪気に投げ合っていただけだったからな。<br>
そういや、この前妹が石を雪で包んだものを投げ込んできたな。<br>
子供って、怖い。そういう意味では、長門も子供かもしれないな。<br>
「長門、楽しいか?」<br>
「・・・言語化出来るか解らないけど、現状を言うなら・・・私としてはgぷぁs~がrちゃんhがたjkんgytざzlmyご~fuckげ~」<br>
「――――!?」<br>
「言語化に失敗した。気にしないで良い」<br>
思わず吹き出しそうになってしまった。危ない危ない。<br>
ここで笑ったら止まりそうじゃなかったからな。<br>
そりゃもう、泣く子も黙るだろう。欲しかったものが目の前に突然どかんと出てくるように。<br>
</div>
<br>
<div>「そういえば、今日はクリスマスだったな」<br>
「クリスマス?」<br>
「知らないのか。優しい人が子供にプレゼントを配ってくれる日だ」<br>
本当はサンタクロースがプレゼントを配るんだけどな。<br>
クリスマスを知らない人間にサンタクロースが、なんて言ったらまたそれに関して聞かれそうだし置き換える事にした。<br>
それに、長門にはこれぐらいの説明が丁度良いと思う。<br>
「そう・・・なら、私は年中クリスマス」<br>
「ほう・・・何故に?」<br>
「私は、貴方から幸せを沢山貰っている。毎日、貰っている。だからクリスマス」<br>
はは。恥ずかしい事を言ってくれる。って、長門。<br>
「私は、インターフェース。この心を、諦めてる。だから、言える。貴方が、好き」<br>
何故そんなに悲しい顔をしているんだ。<br>
「長門・・・?」<br>
「でも貴方は、涼宮ハルヒと結ばれるべきだから・・・」<br>
無表情の瞳にきらりと涙が光っていた。あの長門が泣いている。<br>
「エラーが発生した・・・これは悲しくて泣いているわけでもなく、涙でもない」<br>
それは強がりだと俺はすぐにわかった。だから、俺はそっと長門を抱きしめた。<br>
「馬鹿。勝手に人の運命を変えるな。俺は、好きな奴と、一緒になりたい。世界なんて関係ない」<br>
「・・・駄目。そんな事したら、世界が、壊れる・・・」<br>
「知らない。お前が俺は好きだからな。お前が一緒なら、それでもいい」<br>
「・・・馬鹿は、貴方・・・そんな事言わないで・・・」<br>
「知ったことじゃない。馬鹿で結構だ」<br>
長門は俺を見上げる。その上目遣いは反則だと俺は思った。<br>
目と目が合ったまま、ぼそりと呟く。<br>
「・・・・・ありがとう」<br>
俺達は、冬の雪が積もった校庭でしばらく抱きしめあっていた。で、何故か雪合戦を再開し、ハルヒが止めに来るまで投げ合っていた。<br>
</div>
<br>
<br>
<br>
<div>
その後、俺達はハルヒから交際の許可をすんなりと貰った。予想外だ。<br>
これには、その場に居合わせた古泉もびっくりしていた。ちなみに朝比奈さんは休みだそうだ。<br>
その日のお茶はハルヒが入れてくれたわけだが、物凄く不味かった。<br>
で、その次に古泉、俺もお茶を入れたのだが普通になってしまった。<br>
最後は長門が入れてくれたわけだが、これが、なかなかいけた。朝比奈さんの次に上手だと俺は思ったね。<br>
まぁ、そんなこんなで晴れて俺達は、恋人同士になった・・・はずだった。<br>
そう、だったのだ。<br>
しかし、既に歯車は狂いだしていたのだ。<br>
これはもちろんハルヒパワーが絡んだ話。<br>
俺と長門、SOS団、そして俺を狙う他の女子達が紡ぎ出すバカ物語である。<br>
うん、バカ物語だ。<br></div>
<br>
<div>
《!WARNING!》次回予告《!WARNING!》<br>
</div>
<br>
<div>
休み時間、阪中さんに呼ばれた俺は突然告白される。<br></div>
<br>
<div>
断っても断ってもしつこく付きまとう阪中さん。<br></div>
<br>
<div>
そして、古泉が明かしたやっぱりっていう真実。やはりハルヒは心の中では認めていなかった。<br>
</div>
<br>
<div>
だが、本人は気付いていないらしく、SOS団総動員で俺を守ると言って来やがった。<br>
</div>
<br>
<div>
そんなお前は頼りにならんと思いつつちゃっかり甘んじてる俺と長門。<br>
</div>
<br>
<div>
学校の女子の99%が俺を好きという状況で、俺は長門を守りきれるか!?<br>
</div>
<br>
<div>次回、<a href=
"http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1925.html">ながとぅーみー第二話「ちょこっとミスだー」</a><br>
</div>
<br>
<br>
<div>
OPテーマ 大槻ケンジ(ry 「踊る赤ちゃん人間」<br>
挿入歌 騒音おばさん 「ひっこしババアテクノ」<br>
EDテーマ Dir en grey 「Ain’t Afraid To Die」<br>
</div>
</div>
<!-- ad -->
<div class="main">
<div>雪景色。心の情緒を呼ぶ光景。<br />
ふわりふわりとそれは仄かに明るく舞う。まさに冬の蛍と呼べるだろう。<br />
そんな景色を俺は文芸部室、もといSOS団の本部から見ていた。<br />
「雪、見てるの?」<br />
静かな部屋からか細い抑揚の無い声が聞こえる。<br />
むろん、長門である。<br />
「そうだ」<br />
「そう」<br />
いつもどおりの会話。長門は本から視線を窓の外、正確には窓の外の雪を見ていた。<br />
ユキを見るユキ。おっと、ギャグじゃないぞ。いや、本当に。<br />
実際そういう状況なんだから仕方が無いのさ。<br />
そんなこんなで俺達はしばらくじっとどちらかが止めるまで六花を見続けていた。<br />
「「・・・」」<br />
団長のハルヒや、マイ・スウィート・エンジェルたる朝比奈さん、<br />
なんだかんだで欠かせない古泉、その三人が居ない部室。<br />
俺と、長門―――二人きり。<br />
こうして見ると、長門はとても整った顔立ちをしている。<br />
そして、なんというか守りたくなる、そんな雰囲気をまとっていた。<br />
まぁ、実際は逆で俺が守られているのだが。<br />
「・・・何?」<br />
「別に。ただ、見ていただけさ」<br />
我ながらよくぞ冷静に返答した。<br />
「そう」<br />
なんとなく、我が友達たるオタクが気に入っているゲームのキャラと重なる。<br />
永遠なんちゃら、とか言うゲームだったと思うが、よく覚えていない。<br />
友達曰く、無表情だが人間よりも人間らしいキャラ、らしい。<br />
まぁ、二次元にはあいにくはまっていないので何が素晴らしいかは不明だ。<br /></div>
<br />
<div>「・・・」<br />
ただ、なんとなく解るような気がする。だって、雪を見る長門の顔は、ほんのりと緩んでいるのだから。<br />
よく見ないと、解らないぐらいではあるが。確かに、いつもよりも表情は柔らかい。<br />
ふと、俺は自分の心情に気づいた。長門を見て、俺は、幸せだと思っているらしい。<br />
当然である。俺は―――長門が好きなんだからな。<br />
「思いついたんだが・・・長門、雪合戦しないか?」<br />
「・・・何故?」<br />
少し、困ったように俺を見る。会った頃よりも、感情がそこに芽生えているのが見て取れる。<br />
思念体に言わせれば邪魔な物なのだろうけど、俺達には必要な物が。いや、長門にも必要な物だ。<br />
「ただ、やりたいだけだ。その代わり、並みの人間程度の力でな」<br />
「そう」<br />
長門は、承諾した。<br />
その結果。<br />
「長門」<br />
「何?」<br />
「人間並みの力とは言ったが、連射力が人間を超えたら無意味だ」<br />
俺は、俺の上に重なった雪から脱出しつつ言った。<br />
まぁ、一気に雪玉を作った長門が人並みの力で、次々投げ込んできて反撃出来ず終了したわけだ。<br />
この様だ。まぁ、もともと雪合戦にルールなんて無いがね。<br />
ガキの頃もよくやったが結局勝ち負けは無く、ただ無邪気に投げ合っていただけだったからな。<br />
そういや、この前妹が石を雪で包んだものを投げ込んできたな。<br />
子供って、怖い。そういう意味では、長門も子供かもしれないな。<br />
「長門、楽しいか?」<br />
「・・・言語化出来るか解らないけど、現状を言うなら・・・私としてはgぷぁs~がrちゃんhがたjkんgytざzlmyご~fuckげ~」<br />
「――――!?」<br />
「言語化に失敗した。気にしないで良い」<br />
思わず吹き出しそうになってしまった。危ない危ない。<br />
ここで笑ったら止まりそうじゃなかったからな。<br />
そりゃもう、泣く子も黙るだろう。欲しかったものが目の前に突然どかんと出てくるように。<br /></div>
<br />
<div>「そういえば、今日はクリスマスだったな」<br />
「クリスマス?」<br />
「知らないのか。優しい人が子供にプレゼントを配ってくれる日だ」<br />
本当はサンタクロースがプレゼントを配るんだけどな。<br />
クリスマスを知らない人間にサンタクロースが、なんて言ったらまたそれに関して聞かれそうだし置き換える事にした。<br />
それに、長門にはこれぐらいの説明が丁度良いと思う。<br />
「そう・・・なら、私は年中クリスマス」<br />
「ほう・・・何故に?」<br />
「私は、貴方から幸せを沢山貰っている。毎日、貰っている。だからクリスマス」<br />
はは。恥ずかしい事を言ってくれる。って、長門。<br />
「私は、インターフェース。この心を、諦めてる。だから、言える。貴方が、好き」<br />
何故そんなに悲しい顔をしているんだ。<br />
「長門・・・?」<br />
「でも貴方は、涼宮ハルヒと結ばれるべきだから・・・」<br />
無表情の瞳にきらりと涙が光っていた。あの長門が泣いている。<br />
「エラーが発生した・・・これは悲しくて泣いているわけでもなく、涙でもない」<br />
それは強がりだと俺はすぐにわかった。だから、俺はそっと長門を抱きしめた。<br />
「馬鹿。勝手に人の運命を変えるな。俺は、好きな奴と、一緒になりたい。世界なんて関係ない」<br />
「・・・駄目。そんな事したら、世界が、壊れる・・・」<br />
「知らない。お前が俺は好きだからな。お前が一緒なら、それでもいい」<br />
「・・・馬鹿は、貴方・・・そんな事言わないで・・・」<br />
「知ったことじゃない。馬鹿で結構だ」<br />
長門は俺を見上げる。その上目遣いは反則だと俺は思った。<br />
目と目が合ったまま、ぼそりと呟く。<br />
「・・・・・ありがとう」<br />
俺達は、冬の雪が積もった校庭でしばらく抱きしめあっていた。で、何故か雪合戦を再開し、ハルヒが止めに来るまで投げ合っていた。<br /></div>
<br />
<br />
<br />
<div>その後、俺達はハルヒから交際の許可をすんなりと貰った。予想外だ。<br />
これには、その場に居合わせた古泉もびっくりしていた。ちなみに朝比奈さんは休みだそうだ。<br />
その日のお茶はハルヒが入れてくれたわけだが、物凄く不味かった。<br />
で、その次に古泉、俺もお茶を入れたのだが普通になってしまった。<br />
最後は長門が入れてくれたわけだが、これが、なかなかいけた。朝比奈さんの次に上手だと俺は思ったね。<br />
まぁ、そんなこんなで晴れて俺達は、恋人同士になった・・・はずだった。<br />
そう、だったのだ。<br />
しかし、既に歯車は狂いだしていたのだ。<br />
これはもちろんハルヒパワーが絡んだ話。<br />
俺と長門、SOS団、そして俺を狙う他の女子達が紡ぎ出すバカ物語である。<br />
うん、バカ物語だ。<br /></div>
<br />
<div>《!WARNING!》次回予告《!WARNING!》<br /></div>
<br />
<div>休み時間、阪中さんに呼ばれた俺は突然告白される。<br /></div>
<br />
<div>断っても断ってもしつこく付きまとう阪中さん。<br /></div>
<br />
<div>そして、古泉が明かしたやっぱりっていう真実。やはりハルヒは心の中では認めていなかった。<br /></div>
<br />
<div>だが、本人は気付いていないらしく、SOS団総動員で俺を守ると言って来やがった。<br /></div>
<br />
<div>そんなお前は頼りにならんと思いつつちゃっかり甘んじてる俺と長門。<br /></div>
<br />
<div>学校の女子の99%が俺を好きという状況で、俺は長門を守りきれるか!?<br /></div>
<br />
<div>次回、<a href="//www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1925.html">ながとぅーみー第二話「ちょこっとミスだー」</a><br /></div>
<br />
<br />
<div>OPテーマ 大槻ケンジ(ry 「踊る赤ちゃん人間」<br />
挿入歌 騒音おばさん 「ひっこしババアテクノ」<br />
EDテーマ Dir en grey 「Ain’t Afraid To Die」<br /></div>
</div>