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「古泉イツキの憂鬱」(2007/01/12 (金) 02:06:03) の最新版変更点
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もしもシリーズ<br>
もしもハルヒと古泉の立場が逆だったら<br>
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その横顔は、あらためて見るとムカつくくらいに整っている。いい男だ。<br>
長門は言った、「進化の可能性」と。朝比奈さんによると「時間の歪み」で、<br>
ハルヒに至っては「ホモ」扱いだ。<br>
では俺にとってはどうなのか。古泉イツキの存在を、俺はどう認識しているのか。<br>
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<div>~中略~<br></div>
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思い出せ、朝比奈さんはなんと言ったか。その予言を。<br>
それから長門が最後に俺に伝えたメッセージ。ハルヒが渡してきた漫画本。<br>
白雪姫、スリーピング・ビューティ、くそみそテクニック。<br>
いくら俺でもsleeping
beautyの邦訳を何というのかは知っている。<br>
これらを統合して考えてみると…<br>
なんてアブノーマルなんだ。アブノーマルすぎるぜ。<br>
朝比奈さん、長門、そしてハルヒ。そんなウホッぽい展開を俺は認めたくない。<br>
絶対にない。<br>
俺の理性がそう主張する。しかし人間は理性のみによって生きる存在にあらず。<br>
長門ならそれを「ノイズ」と言うかもしれない。<br>
俺は古泉の手を振りほどいて、ブレザーの肩をつかんで振り向かせた。<br>
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<div>「どうかしましたか?」<br>
「俺、実は短髪萌えなんだ」<br>
「え?」<br>
「いつだったか見せてもらったお前の野球部時代の坊主頭は<br>
そりゃもう反則なまでに似合ってたぞ」<br>
「それは…光栄ですね。まさかあなたにお褒めの言葉を頂けるとは…」<br>
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ただでさえ細い目がさらに細くなった。言葉を続けようとした古泉に、<br>
俺は強引に唇を重ねた。<br>
こういう時は目を閉じるのが作法なので俺はそれに則った。<br>
ゆえに、古泉がどんな顔をしているのかは知らない。<br>
驚きに目を見開いているのか、俺に合わせて目を閉じているのか。<br>
今にもぶん殴ろうと手を振りかざしているのか、俺に知るすべはない。<br>
ただ一つ気になる点といえば、こいつ、やたらと舌を絡ませてきやがる。<br>
俺の中で、少し前から感じていたこの奇妙な気持ち。<br>
いままで感じたことのなかった、古泉に対しての感情。<br>
そうか、そうだったんだ。<br>
がちゃり―― 新世界のドアが開く音が確かに聞こえた。<br>
俺は肩にかけた手に力をこめる。しばらく離したくないね。<br>
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<div>~そして翌日~<br></div>
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窓際、一番後ろの席に、古泉はすでに座っていた。何だろうね、あれ。<br>
頬杖をつき、外を見ている古泉の頭。<br>
男にしては長髪気味だった古泉の頭は、まるで収穫後の麦畑のように<br>
綺麗に刈り揃えられていた。<br></div>
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<div>「よう、元気か」<br>
俺は机に鞄を置いた。<br>
「それはもう。昨日、素敵な夢を見ましてね。」<br>
古泉は気持ち悪いほどの満面の笑みで答える。それは奇遇なことがあったもんだ。<br>
「おかげで興奮して眠れませんでしたよ。今日ほどあなたに会うのが<br>
楽しみだった日もないですね」<br>
「そうかい」<br></div>
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硬い椅子にどっかと腰を下ろし、俺は古泉の顔をうかがった。<br>
うっとうしそうだった前髪が消え去っていて、実にさっぱりしている。<br>
こいつがうすら笑いを浮かべているのはいつものことだが、俺をじっと見つめる<br>
その瞳からは、いつもよりずっと粘着質な視線が発射されている。<br>
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<div>「古泉」<br>
「なんでしょう?」<br>
微笑みを絶やさないこの同級生に、俺は言ってやった。<br>
「やらないか」<br></div>
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<div>-fin-<br></div>
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