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「フェイク」(2007/01/14 (日) 08:00:17) の最新版変更点
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今日は恒例の不思議探索の日だ。 いつも通りというべきか、集合した後、<br>
俺のおごりで喫茶店に行くわけだが、今日はなぜだかハルヒが上機嫌だ。<br>
鼻歌まで歌っている。楽しそうだな、おい<br>
「ふんふん~♪」<br>
ったく・・・一人でほいほい歩いていきやがって、・・・おっと<br>
「おいハルヒ、赤信号だぞ」<br></div>
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<div>「ん・・・わ、わかってるわよそれくらい!」<br></div>
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<div>「そうかい。それならいいがな」<br>
全く、危なっかしいやつだな。あいつらしいっちゃあいつらしいけど。<br>
そのまま喫茶店に入り、班分けをした。 朝比奈さん・長門・古泉ペアと俺・ハルヒペアになった。<br>
そういやハルヒとは、あんまり組んだことなかったな。 まぁ、どうせ振り回されて終わるだけ<br>
だろうな・・・。まあ、そんな元気満点のハルヒが良いんだがな。<br>
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「じゃあ、あたし達は北側を探索するから、古泉くんたちは南側お願いね!」<br>
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<div>「了解しました」<br>
「はぁ~い」<br>
「・・・・・・」<br></div>
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<div>「さぁ、行きましょうキョン!」<br>
「ああ・・・」<br>
そう言って、行こうとしたら<br>
「ごゆっくり」<br>
古泉がいつもより倍くらいのスマイルで俺に言ってきた。<br>
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<div>「それはどういう意味だ?」<br>
俺が多少、ムスッとした顔で言ったからだろうか、古泉は苦笑しながら答えた。<br>
「いえ、そのままの意味ですよ。涼宮さんと楽しんできてください」<br>
この探索のどこが楽しいのかわからんが・・・。俺は腰に手を当てて、しばらく天を仰ぎ<br>
ため息をひとつついた。<br></div>
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<div>「やれやれ・・・。わかったよ」<br>
俺がそういうと、古泉はニカッっと白い歯を見せて笑い、では後ほどとか言って歩いていった。<br>
さあ俺も行くか、と思い振り返えったらハルヒの声が聞こえた。<br>
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「こらー!キョン! 早く来なさい!! 30秒以内!」<br>
おっと、団長様がお怒りだ。 <br>
とりあえず、早くハルヒの所に行かないとな と思い、俺は小走りした。<br>
だが、結果的にそれがあだになってしまった・・・。俺は信号を見るのを忘れて、<br>
道路に飛び出していた。 それとほぼ同時にハルヒから声が聞こえた・・・ような気がした。<br>
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<div>「キョン危ない!! 右!!!」<br></div>
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ん? 右・・・? 俺は右を見た。2mほど先には車がいた。 <br>
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その時俺は、あぁ、これからはねられるんだな・・・。<br>
トラックじゃないから軽く済むのかな? いや、関係ないか。体とかひねったら<br>
うまく避けられたりしないかな? とか考えていた。 しかしその考えもむなしく<br>
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<div> ドンッッ!!!!!<br></div>
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俺は映画とかでやる、ワイヤーアクションみたいに見事に吹っ飛んだ。 痛ぇ・・・。<br>
周りの人たちがざわつきはじめていた。<br></div>
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<div>「キョン!! キョン!!!」<br>
ハルヒが向こうから走ってくるのが見える。 <br>
あいつの前でこんな姿・・・情けないな、ははっ・・・<br>
思考できるってことはまだ生きているんだよな・・・体、動くかな。 ・・・・・・むくり・・・・・・<br>
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うお、以外にもすんなり起き上がれた。しかし、かなりクラクラするぜ・・・。<br>
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その場で10回転してから歩いてるような感覚だった。とりあえず歩道まで歩いた。<br>
そして電信柱に寄りかかるように座り込んだ。相当ふらついてただろうな。<br>
俺が起き上がったからか、周りのざわつきが一層増したような気がした。そしてハルヒが来た。<br>
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<div>「キョン!! ごめん、キョン! <br>
あたしが・・・あたしが早く来いなんていったばっかりに・・・うぅ・・・」<br>
ハルヒは今にも涙がこぼれそうなくらい、目に涙が溜まっていた。<br>
「ああ! 頭から血が・・・!」<br></div>
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ハルヒはそういうと、ポーチからハンカチを出して、俺の頭を拭いていた。<br>
お前のせいでこんな姿になっちまったよ! ははは!とジョークの一つでも言って、<br>
とりあえず大丈夫そうってことをアピールして、安心させようとしたがそんな雰囲気ではない。<br>
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「お前せいじゃないさ・・・、俺が注意して見ていなかったからだ・・・。心配すんな」<br>
俺は努めて明るく言った。<br>
しかし、ハルヒは泣きじゃくったままだ。<br>
・・・なんだか瞼がすごく重くなってきた。<br></div>
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<div>「なあハルヒ・・・」<br>
「・・・な、何? ひっく・・・」<br>
それはもうにこやかな顔で言ったさ。いや、これといって意味はないけれど<br>
なぜかそういう顔になったんだよな。<br>
「俺・・・寝ていいか?」<br>
「!!! だ、駄目! 絶対駄目なんだから!! まだ・・・まだあんたに話すことがいっぱい<br>
あるんだから! それに、団長をおいていくき!?」<br></div>
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「なんだよ?・・・話すことって・・・今いってくれよ・・・」<br>
なぜか俺は古泉バリのスマイルだったと思う。<br>
「そ、それは・・・あんたの体の無事が確認できたら言うわよ・・・」<br>
「もったいぶるなよ・・・なぁ?」<br>
ハルヒは困ったような顔をしつつ、頬を赤くしていた。<br>
「あ、あんたの事が・・・その・・・好きなのよ・・・! だから・・・だからいかないでよ! <br>
これからもっと・・・思い出・・・うぅ・・・作ろ・・・うよ。 ひっく・・・」<br>
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ハルヒは俺のことそんな風に思っていてくれたのか。 なんだか嬉しいな・・・ハハ・・・でも、<br>
「ハルヒ、ありがとう。すごい嬉しいよ・・・でも返答は、俺が起きた後で・・・いいか・・・?<br>
すごい・・・すごい眠いんだよ・・・」<br></div>
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「駄目・・・駄目!! 今じゃなきゃ嫌!! 絶対眠っちゃ駄目!!」<br>
「大丈夫だよ・・・お前の瞼の裏にはいつも俺がいるから・・・心配すんな。<br>
目を閉じればいつだって会えるって・・・」<br>
「うぅ・・・バカぁ・・・」<br>
うわ、俺くさい事いってるな・・・。<br>
それにしても眠い・・・これって死ぬのかな・・・。でもなんだろう、<br>
なぜだか分からんが、死ぬって気分じゃないな。もしや死ぬのは苦しいことじゃないのかな?<br>
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<div>「ハルヒ・・・じゃあ・・・おやすm・・・」<br></div>
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「え・・・・・・キョン・・・? ねえってば・・・キョン・・・ウソでしょ? 目を開けなさいよ・・・」<br>
あたしはキョンの事を何度もゆらすが反応が全くない・・・。<br>
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「いや・・・イヤ・・・イヤイヤイヤ・・・キョンが死んだなんて・・・やめて・・・<br>
夢なら覚めてよ・・・うぅぅ・・・誰か・・・助けてよ・・・嘘だと言って・・・ イヤァァアアァァ!!!」<br>
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<div>BAD END... (嘘)<br></div>
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<div>「ぐー・・・ぐー・・・ 」<br>
「ひっく・・・ひっく・・・」<br></div>
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<div>「ぐー・・・・ぐー・・・」<br>
「・・・・・・え?・・・」<br>
何か音が聞こえるわ。いびきみたいな音の様だけど・・・。 <br>
よく聞くと、それはキョンの方から聞こえた。<br></div>
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<div>「この・・・バカキョン・・・」<br></div>
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どうやらキョンは、本当に睡眠しているようだった。 あたしはすごい安心した。<br>
それと同時に、なぜか多少腹がたってきた。 叩き起こしてやるわ!! と、思ったけど<br>
今日の所はゆっくり休ませて上げることにした。 本当に良かった・・・<br>
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<div>その後を軽く語ろうと思う。 <br>
俺はあの後、病院まで運ばれたが、脳に異常も特に見受けられず、<br>
打撲と擦り傷はひどいが、骨折とかも無くて、一週間ほど入院して、退院できた。<br>
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ちなみに、眠かったのは、一瞬にしてあのような出来事になって、脳に極度のストレスと<br>
混乱が生じて、強制スリープモードになったのだろう、みたいな事を言われた。<br>
まあ詳しくは分からんが、障害が残らなくて良かったぜ。<br>
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俺は退院した次の日、いつもより早く家を出て学校へいった。ハルヒはすでに来ていた。<br>
そこで俺は、ハルヒを屋上の手前まで連れて行った。 さあ、言うぞ。<br>
俺はこういう事に関しては不器用だから、うまく言えるだろうか。<br>
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長門じゃないが、うまく言語化できない、齟齬も発生するかも知れない。<br>
・・・んなこと考えてる場合じゃないな。<br>
ちらっとハルヒを見ると顔が赤い。無論俺もだろう。<br></div>
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<div>「あのさ・・・この前のこたえだけど・・・さ」<br>
俺は頭をぽりぽりかきながら言った。<br>
「な、なに・・・」<br></div>
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そうだ、ありのまま・・・ありのままを伝えれば良いんだ!! 何も難しいことは無い!<br>
今の気持ち、それをただ、口にするだけで良いんだ。ただそれだけだ! ・・・行くぞ!<br>
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「俺もお前と同じ気持ちみたいだな・・・。こんな俺でよければ、よろしくたのむ。」<br>
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「・・・あ・・・あったりまえじゃない! これからはずっと一緒なんだからね!!」<br>
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<br>
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<li>fin-</li>
</ul>
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