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「虫歯と歯医者-下校編」(2021/11/21 (日) 00:49:01) の最新版変更点
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<div class="main">
<div>泣く子とハルヒには勝てないんだろうなと思いながら俺はハルヒと一緒に坂道を下った。<br />
時代劇で領民に無理難題を押し付ける悪旗本役の募集があったらハルヒを真っ先に推薦したいね。<br />
悪代官役でもOKだ。</div>
<br />
<div>さて並んで下校する高校生男女二人連れの俺とハルヒ<br />
字面だけなら青春の熱き血潮が爆走中といったところだがそうは問屋が卸さないだろう。<br />
俺達の前後左右を歩く北高生達に俺達がどう見えるかと質問しても<br />
例のヤバイ女とその手下の変な二人連れという答えしかかえってこない筈だからだ。<br />
じゃぁ俺達のことを知らない人ならどうなのかというと<br />
まわりに北高生以外の通行人がいやしないとあっては変な二人連れ以外のなにものでもない。<br />
と自分でだした結論になんとなく理不尽さを感じつつハルヒの様子を伺うと<br />
「全くキョンったら高校生にもなって歯医者が怖いだなんて団長として恥ずかしいわ」<br />
などと相変わらずの妄言三昧だ。<br />
それもこれも全部ハルヒお前のことだろがと内心でツッコミを入れ<br />
さらなる理不尽さを感じつつ、ハルヒに歯医者の場所を聞いてみた。<br />
「古泉君から貰った地図だとこの坂を下りた先を曲がってちょっと歩いたところらしいわ」<br />
あぁこれかちょっと微妙な距離だな、歩いていけないこともないが。</div>
<br />
<div>坂を下りたところで俺はあることに気が付きその先のスーパーに寄ろうと提案した<br />
「スーパー?歯医者なんだからお菓子やジュースは駄目にきまってるわよ」<br />
当たり前だそんな子供みたいなことをいうな、おっともうスーパーだ。どうする外で待ってるか?<br />
「一緒にいくわアンタがジュースとか買わないように見張らないと」</div>
<br />
<div>えーと確かこっちの辺でと、ハルヒこっちだこっち<br />
「歯医者なんだからガムとかは駄目よ、一体何を買う気なの」<br />
あぁまさにその歯医者だ、昼休みに歯磨きをしてなくてな<br />
歯ブラシセットを買うから歯を磨かせてくれ<br />
流石に歯に汚れがついた状態で歯医者にいけないからな。<br />
「えっ歯磨き?歯ブラシきセット……」<br />
口臭で百年の恋もさめるともいうから年頃の女子なら昼に歯磨きをする習慣があるだろうが<br />
あいにくと男子の俺にはそんな習慣がなくってな。<br />
ハルヒには悪いが公園かどこかで歯磨きするからその間まっててくれ<br />
「そっそうだったの……恋が……」<br />
なんだろうハルヒの返事がおかしい、歯磨きの話をしてからだよな……<br />
そういえば昼休みのハルヒは不思議を求めて校内をうろつくか<br />
学食でぎりぎりまで粘って健啖ぶりを発揮しているかで<br />
歯磨きセットを持っているところをみてないな<br />
ひょっとしてハルヒは昼休みに歯を磨く習慣がないのか?</div>
<br />
<div>「……あたしも歯ブラシセットを買わなくっちゃ、もっもちろん昼休みには磨いたけど」<br />
(おいおいハルヒよ、口がとんがってるし目が泳いでるぞ、嘘がわかりやすいなコイツは)<br />
「そっそのあと団活のとき部室でお菓子を食べたのよ、ほんのちょっとだけなんだけど……」<br />
(おいハルヒどこ見てしゃべってんだ?こっちをみて話せ)<br />
「いつも使ってるセットを教室においてきちゃったのよ」<br />
(昼休みに教室にいるがお前いつも手ぶらでじゃねーかよ)<br />
「あっあたしが歯医者に付き合ってあげるんだから……そうよ!<br />
当然歯ブラシセットはあんたのおごりよ!」<br />
まぁ又機嫌を損ねてまた痛みがぶり返してもいかん歯磨きセットくらいはお安い御用だ。<br />
それに普段見ることのないハルヒの困った顔も見れらし、安いもんだ。。</div>
<br />
<div>さてとどれにするか、俺は青のセットだな、でハルヒは何色がいいんだ?<br />
この一番安いセットだけだぞ<br />
「キョンが選んでよ、任せるわ」</div>
<br />
<div>さてどれだ女子高生なら普通に考えればピンクだが<br />
あいつのことだ普通のはいやとかいうんだろうな<br />
じゃぁこの黄色いや正確にはパステルイエローのこれだな、これでいいかハルヒ?<br />
「えっあたしは黄色なの」<br />
んっ黄色はいやなのか、似合ってると思うがなぁ、じゃぁ何色がいいんだ?<br />
「べっ別に……アンタが選んだのならそれでいいわ」</div>
<br />
<div>しきりに口元に手をやり口臭を気にしてるらしいハルヒに気がつかないフリをして<br />
俺達は会計をすませスーパーを出た。</div>
<br />
<div>「ねぇキョン、ちょと聞いていい」<br />
んっハルヒなにをだ?<br />
「ほかの人の歯ブラシだったら何色を選ぶの?」<br />
なんだそりゃ他の人って誰だ?<br />
「例えばみくるちゃんよ、何色なの?」<br />
朝比奈さんねぇ、まぁピンクだなとスーパーの棚を思い浮かべながら答えた。<br />
「じゃぁ有希は」<br />
長門は白かな名前もユキだしな、そんな気がしないか?<br />
「あたしが黄色でみくるちゃんがピンクで有希が白・・・」<br />
あ~古泉なら黒だな、これで団員全員だ。っん?どうした。<br />
「別に、なんでもないわよ」<br />
そうか、じゃぁ公園にいこうぜ。</div>
<br />
<div>公園の水飲み場で一緒に歯を磨く高校生男女の二人連れ、中々シュールな光景だ<br />
歯を磨いている俺たちを傍からみたらひとはどう思うのだろうか?<br />
デート中に公園で一緒に歯を磨くカップルなどいる筈も無く<br />
これが文化祭の時の自主映画の撮影中ならキスシーンの準備中といったところだが<br />
周囲にスタッフも誰もいない二人きりの俺達では話にならない。<br />
やはり変な二人連れといったところが妥当な線なのか?</div>
<br />
<div>手早く二回めの歯磨きを終え口を漱いだ俺はおい垂らすなよといいつつ<br />
そばのベンチに腰掛けてハルヒが終わるのをまった。<br />
ハルヒはやけになったのか三回目の歯磨きに突入している、おいハルヒやりすぎると逆効果だぞ<br />
「ふぉれふらぃわがってるふぁよ」<br />
おいおいハルヒ歯磨きしながらしゃべるな、小学生かお前は。<br />
あっそうだ自転車とってくる、すぐ戻るからちょっと待ってろ。<br />
「ふぁあくひなさいよ」<br />
だからしゃべるか磨くかどっちかにしろよ。</div>
<br />
<div>自転車をとり公園にとって返すとハルヒはまだ歯を磨いていた。<br />
ハルヒお前の歯は親の敵かなにかなのか?<br />
「ふぉそいふぁよ」<br />
一体何回目の歯磨きなんだと思いながらそろそろ行こうぜと声をかけた。</div>
<br />
<div>ハルヒが口を漱ぎやっと歯磨きが終了したようだ。<br />
「……キョン、この歯ブラシおそろいね」<br />
あぁそうだな、大事に使えよ。<br />
「うん、大事にする」<br />
満面の笑みを浮かべそう答えたハルヒに俺はなんだかドキドキした。</div>
</div>
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<div>泣く子とハルヒには勝てないんだろうなと思いながら俺はハルヒと一緒に坂道を下った。<br />
時代劇で領民に無理難題を押し付ける悪旗本役の募集があったらハルヒを真っ先に推薦したいね。<br />
悪代官役でもOKだ。</div>
<br />
<div>さて並んで下校する高校生男女二人連れの俺とハルヒ<br />
字面だけなら青春の熱き血潮が爆走中といったところだがそうは問屋が卸さないだろう。<br />
俺達の前後左右を歩く北高生達に俺達がどう見えるかと質問しても<br />
例のヤバイ女とその手下の変な二人連れという答えしかかえってこない筈だからだ。<br />
じゃぁ俺達のことを知らない人ならどうなのかというと<br />
まわりに北高生以外の通行人がいやしないとあっては変な二人連れ以外のなにものでもない。<br />
と自分でだした結論になんとなく理不尽さを感じつつハルヒの様子を伺うと<br />
「全くキョンったら高校生にもなって歯医者が怖いだなんて団長として恥ずかしいわ」<br />
などと相変わらずの妄言三昧だ。<br />
それもこれも全部ハルヒお前のことだろがと内心でツッコミを入れ<br />
さらなる理不尽さを感じつつ、ハルヒに歯医者の場所を聞いてみた。<br />
「古泉君から貰った地図だとこの坂を下りた先を曲がってちょっと歩いたところらしいわ」<br />
あぁこれかちょっと微妙な距離だな、歩いていけないこともないが。</div>
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<div>坂を下りたところで俺はあることに気が付きその先のスーパーに寄ろうと提案した<br />
「スーパー?歯医者なんだからお菓子やジュースは駄目にきまってるわよ」<br />
当たり前だそんな子供みたいなことをいうな、おっともうスーパーだ。どうする外で待ってるか?<br />
「一緒にいくわアンタがジュースとか買わないように見張らないと」</div>
<br />
<div>えーと確かこっちの辺でと、ハルヒこっちだこっち<br />
「歯医者なんだからガムとかは駄目よ、一体何を買う気なの」<br />
あぁまさにその歯医者だ、昼休みに歯磨きをしてなくてな<br />
歯ブラシセットを買うから歯を磨かせてくれ<br />
流石に歯に汚れがついた状態で歯医者にいけないからな。<br />
「えっ歯磨き?歯ブラシきセット……」<br />
口臭で百年の恋もさめるともいうから年頃の女子なら昼に歯磨きをする習慣があるだろうが<br />
あいにくと男子の俺にはそんな習慣がなくってな。<br />
ハルヒには悪いが公園かどこかで歯磨きするからその間まっててくれ<br />
「そっそうだったの……恋が……」<br />
なんだろうハルヒの返事がおかしい、歯磨きの話をしてからだよな……<br />
そういえば昼休みのハルヒは不思議を求めて校内をうろつくか<br />
学食でぎりぎりまで粘って健啖ぶりを発揮しているかで<br />
歯磨きセットを持っているところをみてないな<br />
ひょっとしてハルヒは昼休みに歯を磨く習慣がないのか?</div>
<br />
<div>「……あたしも歯ブラシセットを買わなくっちゃ、もっもちろん昼休みには磨いたけど」<br />
(おいおいハルヒよ、口がとんがってるし目が泳いでるぞ、嘘がわかりやすいなコイツは)<br />
「そっそのあと団活のとき部室でお菓子を食べたのよ、ほんのちょっとだけなんだけど……」<br />
(おいハルヒどこ見てしゃべってんだ?こっちをみて話せ)<br />
「いつも使ってるセットを教室においてきちゃったのよ」<br />
(昼休みに教室にいるがお前いつも手ぶらでじゃねーかよ)<br />
「あっあたしが歯医者に付き合ってあげるんだから……そうよ!<br />
当然歯ブラシセットはあんたのおごりよ!」<br />
まぁ又機嫌を損ねてまた痛みがぶり返してもいかん歯磨きセットくらいはお安い御用だ。<br />
それに普段見ることのないハルヒの困った顔も見れらし、安いもんだ。。</div>
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<div>さてとどれにするか、俺は青のセットだな、でハルヒは何色がいいんだ?<br />
この一番安いセットだけだぞ<br />
「キョンが選んでよ、任せるわ」</div>
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<div>さてどれだ女子高生なら普通に考えればピンクだが<br />
あいつのことだ普通のはいやとかいうんだろうな<br />
じゃぁこの黄色いや正確にはパステルイエローのこれだな、これでいいかハルヒ?<br />
「えっあたしは黄色なの」<br />
んっ黄色はいやなのか、似合ってると思うがなぁ、じゃぁ何色がいいんだ?<br />
「べっ別に……アンタが選んだのならそれでいいわ」</div>
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<div>しきりに口元に手をやり口臭を気にしてるらしいハルヒに気がつかないフリをして<br />
俺達は会計をすませスーパーを出た。</div>
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<div>「ねぇキョン、ちょと聞いていい」<br />
んっハルヒなにをだ?<br />
「ほかの人の歯ブラシだったら何色を選ぶの?」<br />
なんだそりゃ他の人って誰だ?<br />
「例えばみくるちゃんよ、何色なの?」<br />
朝比奈さんねぇ、まぁピンクだなとスーパーの棚を思い浮かべながら答えた。<br />
「じゃぁ有希は」<br />
長門は白かな名前もユキだしな、そんな気がしないか?<br />
「あたしが黄色でみくるちゃんがピンクで有希が白・・・」<br />
あ~古泉なら黒だな、これで団員全員だ。っん?どうした。<br />
「別に、なんでもないわよ」<br />
そうか、じゃぁ公園にいこうぜ。</div>
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<div>公園の水飲み場で一緒に歯を磨く高校生男女の二人連れ、中々シュールな光景だ<br />
歯を磨いている俺たちを傍からみたらひとはどう思うのだろうか?<br />
デート中に公園で一緒に歯を磨くカップルなどいる筈も無く<br />
これが文化祭の時の自主映画の撮影中ならキスシーンの準備中といったところだが<br />
周囲にスタッフも誰もいない二人きりの俺達では話にならない。<br />
やはり変な二人連れといったところが妥当な線なのか?</div>
<br />
<div>手早く二回めの歯磨きを終え口を漱いだ俺はおい垂らすなよといいつつ<br />
そばのベンチに腰掛けてハルヒが終わるのをまった。<br />
ハルヒはやけになったのか三回目の歯磨きに突入している、おいハルヒやりすぎると逆効果だぞ<br />
「ふぉれふらぃわがってるふぁよ」<br />
おいおいハルヒ歯磨きしながらしゃべるな、小学生かお前は。<br />
あっそうだ自転車とってくる、すぐ戻るからちょっと待ってろ。<br />
「ふぁあくひなさいよ」<br />
だからしゃべるか磨くかどっちかにしろよ。</div>
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<div>自転車をとり公園にとって返すとハルヒはまだ歯を磨いていた。<br />
ハルヒお前の歯は親の敵かなにかなのか?<br />
「ふぉそいふぁよ」<br />
一体何回目の歯磨きなんだと思いながらそろそろ行こうぜと声をかけた。</div>
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<div>ハルヒが口を漱ぎやっと歯磨きが終了したようだ。<br />
「……キョン、この歯ブラシおそろいね」<br />
あぁそうだな、大事に使えよ。<br />
「うん、大事にする」<br />
満面の笑みを浮かべそう答えたハルヒに俺はなんだかドキドキした。</div>
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