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五言律詩「送友人」李白」(2016/07/13 (水) 12:49:21) の最新版変更点

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唐詩選国字解<br> 〔青山横北郭 白水遶東城〕 起句に景を述て、今別るる場処より北の方をのぞみ見れば、青山が北郭の方に横ってみへ、白水が東城を遶って流るる。<br> 〔此地一為別 孤蓬万里征〕 今、此の処にて別るるに付いては、断蓬の如く、万里につれもなくひとり行かるる。<br> 〔浮雲遊子意〕 遊子は、旅をするを云ふ。今そこもとの心を思ひやるに、万里独往して、どこへ落つくといふこともなく、浮雲の如く行かるるに付ては、さぞかなしいであらふ。<br> 〔落日故人情〕 この地に止って居る我は、落日の暮方、ものさびしい時分などには、さぞ其元のことを思ひ出してをるであらふ。<br> 〔揮手自茲去 蕭蕭班馬鳴〕 互いに手に手をとりかはしてをるものが、かうふり切て、自茲東西に別かるる義なれば、たがいに乗て出る馬も哀れを知ると見へて、蕭蕭ともの悲しく嘶くを聞くである。班馬は、東西に乗別るる義で、左伝の文字。馬のかなしみを云て、人の悲しみをふくませておいたものである。<br> <br> 唐詩選諺解(唐詩選辨書)<br> 〔青山横北郭 白水遶東城〕 今ま別れる場処から北方をみれば、青山が北郭の方によこたわり、白水が東城をめぐり流るゝ。<br> 〔此地一為別 孤蓬万里征〕 蓬は草の根なく風に随て飄転するなり、今ま此処より別るゝについては、蓬の風に吹きちらさるゝが如く、万里をつれもなく独りゆかるゝ。<br> 〔浮雲遊子意 落日故人情〕 遊子は、居処を定めぬ人。其元の心を思ひやるに、万里を独りゆかれて、どこへ落着と云こともなく、浮雲の如くなれば、さぞものがなしいことであらふ。此地に止ている我れも、落日の日くれ方には、其元のことを思ひ出してをるであらふ。<br> 〔揮手自茲去 蕭蕭班馬鳴〕 手をとりかわしているものが、ふり切て、自茲馬にのり東西に別るゝことなれば馬も哀れを知て、蕭々とものがなしく嘶くである。○班馬は左伝の文字で、東西に乗り別るること。馬の悲みを云て、人の悲をふくませて置なり。<br> <br> <br> 唐詩選解(唐詩國字辨)<br> 〔青山横北郭 白水遶東城〕 今別れる場処から北方をみれば、青山が北郭の方によこたわり、白水が東城をめぐり流るゝ。<br> 〔此地一為別 孤蓬万里征〕 蓬は草の根なく風に随て飄転するなり、今ま此処より別るゝについては、蓬の風に吹きちらさるゝが如く、万里をつれもなく独りゆかるゝ。<br> 〔浮雲遊子意 落日故人情〕 遊子は、居処を定めぬ人。其元の心を思ひやるに、万里を独りゆかれて、どこに落着と云こともなく、浮雲の如くなれば、さぞものがなしいことであらふ。此地に止ている我れも、落日の日くれ方には、其元のことを思ひ出してをるであらふ。<br> 〔揮手自茲去 蕭蕭班馬鳴〕 手をとりかわしているものが、ふり切て、自茲馬にのり東西に別るゝことなれば馬も哀れを知て、蕭々とものがなしく嘶くである。○班馬は左伝の文字で、東西に乗り別るゝこと。馬の悲みを云て、人の悲をふくませて置なり。<br> <br> <br> <br> 唐詩選講釋<br> いかなる山水絶景も、その土地にすまいして平生ながむれば常のことになるから面白くも思はぬ。さて 青山が北の郭に橫につゞき、白水が東城を遶りて流るゝけしきも不断ながむるゆへなんとも思はなんだが、今日友人に別るるになって、ことさら目について、このけしきを見すててそこもとはなぜ旅立なさるとふしんに思います。かゝるこの面白き土地で一とたび別れをなし、蓬のかれてちる如く遠き萬里にゆかるゝぞ○一二の句対したゆへこゝでは不対のやうにしたなれども自然に対がある<br> 浮雲のぶら/\ゆくごとく、遊子の意はつらからん。落日のさびしきをりから、今はいづくに留ってゐらるゝことと、故人の情はわすれはせぬ<br> すべて華人は別るゝ時たがいに手を握り合て、なごりを惜しむ、そこでにぎりつめていた手を揮りはなし、これより行き去れば、ものあはれになりて東西に班れゆく、馬までいななくと云なれども、実は馬にかこつけてまへがなくぢゃ。<br> <br> <br> 唐詩選講釋(改正)<br> 〔青山横北郭 白水遶東城〕 いかなる山水絶景も、其の土地に住居して平生ながむれば常のことになるから面白くも思はぬ。さて青山が北の郭に橫につゞき、白水が東城を遶りて流る。気色も不断ながむるゆへなんとも思はなんだが、今日友人に別るるになって、ことさら目に付ひて、どうも別れがたいに又<br> 〔此地一為別 孤蓬万里征〕 此のけしきを見捨てて其元はなぜ旅立さるとはふしんに思ひます。かゝる此の面白き土地で一たび別れをなし、蓬かれてちる如く遠き萬里にゆかるゝことぞ○三の句対したゆへこゝでは不対のやうにした。なれども自然に対がある<br> 〔浮雲遊子意〕あてども無く浮雲の如く、今そのもとは萬里へ独往して、落つくと云ふ方なく、行かるゝは、かなしい、遊子は旅をするを云<br> 〔落日故人情〕落日のさびしきをりからには、思ひ出し何くに留って居るゝことと、故人情はわすれはせぬぞ<br> 〔揮手自茲去 蕭蕭班馬鳴〕 すべて華人は別るゝ時はたがいに、手を握り合て、なごりを惜しむ、そこで握つめて居た手を揮はなし、是より行き去れば、ものあはれになりて東西班れゆく、馬までいなゝくと云ふなれども、実は馬にかこつけて、手前/\が泣く。<br>
<p>唐詩選国字解<br /> 〔青山横北郭 白水遶東城〕 起句に景を述て、今別るる場処より北の方をのぞみ見れば、青山が北郭の方に横ってみへ、白水が東城を遶って流るる。<br /> 〔此地一為別 孤蓬万里征〕 今、此の処にて別るるに付いては、断蓬の如く、万里につれもなくひとり行かるる。<br /> 〔浮雲遊子意〕 遊子は、旅をするを云ふ。今そこもとの心を思ひやるに、万里独往して、どこへ落つくといふこともなく、浮雲の如く行かるるに付ては、さぞかなしいであらふ。<br /> 〔落日故人情〕 この地に止って居る我は、落日の暮方、ものさびしい時分などには、さぞ其元のことを思ひ出してをるであらふ。<br /> 〔揮手自茲去 蕭蕭班馬鳴〕 互いに手に手をとりかはしてをるものが、かうふり切て、自茲東西に別かるる義なれば、たがいに乗て出る馬も哀れを知ると見へて、蕭蕭ともの悲しく嘶くを聞くである。班馬は、東西に乗別るる義で、左伝の文字。馬のかなしみを云て、人の悲しみをふくませておいたものである。<br /><br /> 唐詩選諺解(唐詩選辨書)<br /> 〔青山横北郭 白水遶東城〕 今ま別れる場処から北方をみれば、青山が北郭の方によこたわり、白水が東城をめぐり流るゝ。<br /> 〔此地一為別 孤蓬万里征〕 蓬は草の根なく風に随て飄転するなり、今ま此処より別るゝについては、蓬の風に吹きちらさるゝが如く、万里をつれもなく独りゆかるゝ。<br /> 〔浮雲遊子意 落日故人情〕 遊子は、居処を定めぬ人。其元の心を思ひやるに、万里を独りゆかれて、どこへ落着と云こともなく、浮雲の如くなれば、さぞものがなしいことであらふ。此地に止ている我れも、落日の日くれ方には、其元のことを思ひ出してをるであらふ。<br /> 〔揮手自茲去 蕭蕭班馬鳴〕 手をとりかわしているものが、ふり切て、自茲馬にのり東西に別るゝことなれば馬も哀れを知て、蕭々とものがなしく嘶くである。○班馬は左伝の文字で、東西に乗り別るること。馬の悲みを云て、人の悲をふくませて置なり。<br /><br /><br /> 唐詩選解(唐詩國字辨)<br /> 〔青山横北郭 白水遶東城〕 今別れる場処から北方をみれば、青山が北郭の方によこたわり、白水が東城をめぐり流るゝ。<br /> 〔此地一為別 孤蓬万里征〕 蓬は草の根なく風に随て飄転するなり、今ま此処より別るゝについては、蓬の風に吹きちらさるゝが如く、万里をつれもなく独りゆかるゝ。<br /> 〔浮雲遊子意 落日故人情〕 遊子は、居処を定めぬ人。其元の心を思ひやるに、万里を独りゆかれて、どこに落着と云こともなく、浮雲の如くなれば、さぞものがなしいことであらふ。此地に止ている我れも、落日の日くれ方には、其元のことを思ひ出してをるであらふ。<br /> 〔揮手自茲去 蕭蕭班馬鳴〕 手をとりかわしているものが、ふり切て、自茲馬にのり東西に別るゝことなれば馬も哀れを知て、蕭々とものがなしく嘶くである。○班馬は左伝の文字で、東西に乗り別るゝこと。馬の悲みを云て、人の悲をふくませて置なり。<br /><br /><br /><br /> 唐詩選講釋<br /> いかなる山水絶景も、その土地にすまいして平生ながむれば常のことになるから面白くも思はぬ。さて 青山が北の郭に橫につゞき、白水が東城を遶りて流るゝけしきも不断ながむるゆへなんとも思はなんだが、今日友人に別るるになって、ことさら目について、このけしきを見すててそこもとはなぜ旅立なさるとふしんに思います。かゝるこの面白き土地で一とたび別れをなし、蓬のかれてちる如く遠き萬里にゆかるゝぞ○一二の句対したゆへこゝでは不対のやうにしたなれども自然に対がある<br /> 浮雲のぶら/\ゆくごとく、遊子の意はつらからん。落日のさびしきをりから、今はいづくに留ってゐらるゝことと、故人の情はわすれはせぬ<br /> すべて華人は別るゝ時たがいに手を握り合て、なごりを惜しむ、そこでにぎりつめていた手を揮りはなし、これより行き去れば、ものあはれになりて東西に班れゆく、馬までいななくと云なれども、実は馬にかこつけてまへがなくぢゃ。<br /><br /><br /> 唐詩選講釋(改正)<br /> 〔青山横北郭 白水遶東城〕 いかなる山水絶景も、其の土地に住居して平生ながむれば常のことになるから面白くも思はぬ。さて青山が北の郭に橫につゞき、白水が東城を遶りて流る。気色も不断ながむるゆへなんとも思はなんだが、今日友人に別るるになって、ことさら目に付ひて、どうも別れがたいに又<br /> 〔此地一為別 孤蓬万里征〕 此のけしきを見捨てて其元はなぜ旅立さるとはふしんに思ひます。かゝる此の面白き土地で一たび別れをなし、蓬かれてちる如く遠き萬里にゆかるゝことぞ○三の句対したゆへこゝでは不対のやうにした。なれども自然に対がある<br /> 〔浮雲遊子意〕あてども無く浮雲の如く、今そのもとは萬里へ独往して、落つくと云ふ方なく、行かるゝは、かなしい、遊子は旅をするを云<br /> 〔落日故人情〕落日のさびしきをりからには、思ひ出し何くに留って居るゝことと、故人情はわすれはせぬぞ<br /> 〔揮手自茲去 蕭蕭班馬鳴〕 すべて華人は別るゝ時はたがいに、手を握り合て、なごりを惜しむ、そこで握つめて居た手を揮はなし、是より行き去れば、ものあはれになりて東西班れゆく、馬までいなゝくと云ふなれども、実は馬にかこつけて、手前/\が泣く。</p>

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