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芝村舞4


(砂神時雨@たけきの藩国)
1999年3月。幻獣との戦闘が続き戦火が空を覆わんばかりの熊本に一人の少女がいた。

名を芝村 舞という。
強大な力を各所で揮い当時の日本の半分を掌握しようという芝村一族の末の娘で、弱い自分を恥じて研鑽を重ね万能の天才と呼ばれるほどになり、特に当世随一の情報処理能力を持つようになった少女であった。

気に食わない一族の力を拒否し、入学した市井の戦車学校で、芝村舞は一人の少年とであった。

名を速水 厚志という。
殺すための訓練を行う戦車学校には似合わぬようなほのぼとした表情と優しい顔立ち、細い身体の、どこか抜けた考え方をする少年であった。

芝村舞は、囚われた彼の心を救った。
努力を重ね、正しいことを続ければいつか世界は変わる、世界をすべるのは芝村だと平然と言ってのけ、また、常に自分の言うとおりに行動する彼女は速水 厚志を変えた。

彼は、芝村 舞の理想を体現したのであった。
彼は芝村舞と話すうちに、そのほんわかとした空気の中に時折鋭い表情を見せるようになり、芝村舞に負けぬほどの努力を重ね、最後の最後にただ一撃を加え、世界を救ったのである。

かくして、少女は、熊本の防衛に成功した。
舞の、また、舞の所属する5121対戦車小隊の活躍で熊本は防衛に成功し、幻獣の無視できぬ防衛線となったのである。

時は、過ぎ。
芝村 舞の誇り高き心は、戦場を広島に移し戦う続けることを選んだ。
山岳騎兵に、隠そうとしているが隠しきれていないかわいい物好きで雷電たちに、混じり、世界に挑むまなざしをそのままに、戦闘を続けていた。

その姿は憧れの対象になっていて、トレードマークの黒髪にポニーテールはファンがまねをするようにもなっている。

ついでに、というか、彼女にとっては聞けば否定しようともかなり重要な要素なのだが、愛する青の厚志にもかなりめろめろなのだった。彼が出す手紙の届かない日があればそれだけでもんもんと考え込んでお気に入りの雷電に頭を突っ込んでぐるぐるしてしまうほどである。

芝村 舞は、そんな挑むような目を持った少女である。
彼女に、囚われた心を救われたものは、厚志だけではないのではいか、とまた付記する。
(amur@ビギナーズ王国)


(マイム@玄霧藩国)


(きみこ@FVB)
調理所で肩を並べて料理をしている二人の人物
一人はキリっとしたポニーテールの少女
もう一人はぽややんとした青髪の青年
二人とも胸にはお揃いのレースで縁取られたフリフリエプロンを着けている。
「舞、皮むきお願い」
「うむ」
青年はおたまを持ち調理鍋を世話し、少女は包丁を巧みに操り下拵えをてきぱきとこなしている。
「ふふ」
「…どうした急に微笑んで?」
「うん…いや、言うとまた怒られそうだから止めとく」
「…お前は私をなんだと思っているのだ?、怒らないから言ってみろ」
「うん、こうやって二人で料理していると…」
「ふむ」
「なんか新婚さんみたいだなって」
「な、何を言い出すんだお前は、まったく…お前は何時までたっても…少しは緊張感と言うものを・・・だいたい」
「舞」
「な、なんだ!、顔が赤いのならお互い様だぞ!」
「大根」
「大根?」
「それじゃ皮むきじゃなくてかつらむきだよ」
「…これは大根サラダの分だ」
「もう一品増やすんだ、それじゃあ僕も頑張らないとね」


……
食事を終えくつろぐ二人。
「ごちそうさま」
「うむ、ごちそうさま」
ぺシ、ペシ…ポニーテールが不自然に揺れている
「……」
振り返るとペシペシと子雷電がポニーテールにじゃれついていた
「ふむ、じゃれるのは別に構わんが、先ずは飯を残さずに食べてからにしろ」
「キャン!」
「そうだ、沢山食わんと大きくなれんぞ」
「ふふ」
「…今度はなんだ?」
「うん、今度はお母さんみたいだなって」
「…それではお前がお父さんだな」
「……」
「赤くなってないで何か反応しろ!…よけい恥ずかしくなるだろうが」
「そんなに照れるなら言わなきゃ良いのに」
「ふん、お前にやられっぱなしと言うのは我慢ならんだけだ」
「うん、でも嬉しかったよ」
「…たわけ」
(YOT@ゴロネコ藩国)


(夜狗 樹@FVB)


(沢邑勝海@キノウツン藩国)

小高い丘がある。その丘に一人の少女が立っている。きりりと引き締まった眉と意志の強そうな光を持つ瞳が印象的だ。ポニーテールは風がないため揺れていない。WDを身に纏い超硬度太刀を提げたその姿はさながら戦女神というところだ。
丘を見下ろし睥睨すれば空に悪意が満ちていた。憎悪が、怨嗟が、呪詛が、恐怖が満ちていた。

「なるほど、どうやら私は夢を見ているらしいな」

少女、芝村舞がフン、と鼻を鳴らす。
確かにそれは夢であろう。現実にしてはずいぶんと感覚が鈍かった。空は朱く、地は黒く、どこまでも続くそこに彼女の味方はいなかった。
否。いた。
正確にはかつて彼女の味方だった者達が。突撃を命ざれた学生の歩兵がいた。死守を命ざれたベテランのWD兵がいた。轡を並べた戦車がいた。ほかにも数え切れぬほどの仲間達が彼女の足元にいた。丘は数多の肉と鉄の残骸で出来ていた。それは彼女が誓いの為に築き上げた祭壇であった。
そしてそれらはみな、黒い空っぽの眼窩を芝村舞に向けていた。実際にすべての視線を受けているわけではない。しかし想いとでも言おうか、ともかくカタチを持たないすべてのそれらは芝村舞に向けられていた。
それは感じられた。

「ふむ、何かを言い残して迷ったか?すまぬがそなたらの声を聞いてやることは出来ぬ。あいにくとわたしは霊能者ではない」

まっすぐに虚空を見据えて冗談らしいものを言った。当然返ってくる声はない。そこにいるのは幽霊や亡霊などでなく物言わぬ骸達。そこには何も感じられなかった。
言葉通り舞にはそういったモノの声を聞く力は無いが悪感情の有無くらいは判別できる。だが、彼らが発するのは沈黙のような静けさだけだ。すればいったい何のために彼等は夢に入り込んできたのか。ひとつ苦笑する。わたしもずいぶんと変わった芝村になったものだ。
それもこれも・・・そこで気がついた。何かが足りない、と漠然とした不快感は感じていたが、今その正体をはっきりと認識した。

「厚志が・・・おらぬのだな」

口に出して、あたりを見回してみる。四方八方、そのどちらを向いても同じだ。ここには彼女のカダヤはいなかった。

「たわけめ。いつもそばにいるよ、などと言っておきながら夢ごときに入ってこられぬか」

残念そうに、ではなくいかにも不服そうに口をヘの字に曲げる。無茶を言われているように聞こえるが、彼はきっとぽややんと笑って、「じゃあ今度夢使いになるね」とか言うだろう。そしてもし実際にそんなことになろうものなら、この姫様は顔を真っ赤にして全力で叩き出そうとする。たぶん、きっと、恐らくは。
そしてどうしたものか、と思案を始めたところで唐突に、何の前触れもなく彼が現れた。削げ落ちた頬、ぎょろりと剥いた目、血に濡れても映える青い髪。それは速水厚志のように見えた。

「・・・ふむ、何の用か?」
「舞、この世界はもう駄目だよ。リューンの加護も精霊も神々もみんな無くなっちゃった。かわいそうだけど猫も犬も滅びるしかないよ」

悄然とした面持ちで零す姿はまだら。WDを纏っていない為学生服は誰の物とも幾人の物ともつかぬ返り血で染め上げられていた。
そして何より目に光が無かった。

「行こう舞。もうここにいても傷を増やすだけだよ。君だけなら、僕は舞だけならどこまでも守っていける。だから舞、もうこんな戦いは止めて逃げよう。これ以上この丘を高くしちゃいけない。彼らだってこれ以上無駄に死人を出して欲しくないはずだよ」

手が差し出され踏まれた装甲板がガシャリ、と音を立てる。舞はなるほど面白いこういう夢もあるのか、とひとりごちる。今目の前にいるのは紛れも無く速水厚志だ。戦いを挑んだ果てに心折れてしまうかもしれない、そう舞自身が不安に思っていた自分と、厚志の姿。仔細判らず、確証も何も無かったが舞はそういうものである、と思うことにした。
それならばそれでよい、と。
いかなる形であれそれが速水厚志であるならば芝村舞はけして目を逸らさない。カダヤの繋がりは一個体に限ることではない。それが自身の心から生まれたものならばなおさら。芝村舞は笑った。世界の全てを敵に回してでも突き進む、否、それでも勝利すると確信したものの傲岸不遜、天下無敵の極上の笑みだ。

「そなたが何者かは知らぬ。だがこれが私の夢だと言うなら確かにそなたもまた速水厚志なのであろう。ゆえに、感謝を。ほんの少し、良い夢だ。そして、ゆえにそなたには消えてもらう。わたしが隣に立つカダヤはそなたではない。わたしが好きな速水厚志はいかに絶望的な時であろうとともに並び立ち剣を構えることの出来る厚志なのだ。すまぬ、さらばだ」

斬。

一打ちに薙いだ刃は閃く銀光となって首から上を消し飛ばした。やや遅れて何か重いものの落着音。それと同時に反転、世界が底抜けに青い光に侵食、塗りつぶされ裏返る。
青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青青。

鮮烈な、一切の混じりけの無い、あお。

鼻と耳の辺りに妙な感触を感じて目を開けると視界が歪んでいた。だが目の前に誰かがいるのはわかった。

「あつし・・・か?顔がよく見えぬ、どうなっているのだ」

まどろんだままの思考で目元を探ろうとした手が何かに当たって落とした。途端にはっきりとした視界が戻り、視線をおろすと眼鏡が落ちていた。頭上に?を浮かべながら見上げると厚志が笑っている。

「舞って寝顔可愛いけど、眼鏡をかけたらもっと可愛くなるってさっき猫に教わったんだ。うん、やっぱり舞はどんなになっても可愛いよ」

ぽややん、と言った。その3秒後、大地を揺るがせ、大気を震わせるほどの声が轟いた。

こぉのたわけのたわけの、っおおたわけめがァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

今日も二人は仲が良かった。
(東西 天狐@akiharu国)


(豊国 ミルメーク@詩歌藩国)