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裏・クロウガルトの魔法戦士
作者 -- Lunatic Invader -- ゴア
取得元 タイトル記録ミス,http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1060/10603/1060398502
取得日 2005年09月27日
タグ Author:ゴア mc ファンタジー
概要&あらすじ 魔法戦士アリシアは、魔法使いクレストとの戦いに破れ、家畜奴隷へと調教される。その2/10
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ご注意:以後の作品の著作権は、作者(書き込み主)にあります。
裏・クロウガルトの魔法戦士 第2話

                (3)

 クレストとミリアムは街道に戻り、再び歩きだした。
 しばらくは二人とも無言で歩いていたが、小さな丘の頂上に来た時に、クレス
トが再び立ち止まり、ミリアムに何事か耳打ちをした。
 ミリアムは最初目を丸くして聞いていたが、最後はまじめな顔をして肯いた。
 クレストはミリアムに肯くと、坂の麓に向かって声を上げた。
「誰だか知らないが、出て来たらどうだ」

「!」
 アリシアは完全に気配を消していたはずなのに尾行に気付かれたことに驚いて
いた。
(一体、いつ気付いた?)
 束の間逡巡したが、気付かれたとあっては仕方がない。逃げ出す訳にもいかな
い以上、戦う以外に道はなかった。
 アリシアは木の陰から出た。
「魔法使いクレストだな。私はアリシア。冒険者だ」
 アリシアはそう名乗った。
「お前がアリシアか。名前は聞いたことがある。
 なるほど、私を倒して賞金を稼ごうという訳か」
 クレストはそう返事をしながらミリアムの首輪からロープを外した。
 アリシアの方をゆだんなく見据えながら、懐から別のロープを取り出して、ミ
リアムに手渡す。
 アリシアもまた、慎重に身構えながらクレストに近づいていった。
「そうだが、話によっては見逃しても良い。
 お前がこれから行く場所を教えてくれれば、この場はお前を見逃す。
 何処へなりと逃げれば良い」
 無駄を承知で、アリシアはそう切り出した。
 距離が離れすぎていた。クレストはタイミングを計って声を掛けて来たのだ。
 今の距離では魔法も届かない。
「なるほど。それでこそこそと後をつけてきたのか。
 まさか、私が素直に言うことを聞くとは思っていまいな?」
「ならば、今日はお前の賞金で我慢することになる」
「ふふふ、面白い。できるかな!?」
 アリシアの脅しを、クレストは薄笑いで受けた。
 はったりではない。
 この男、クレストは手強い。
 一瞬たりとも油断できる相手ではなかった。
 アリシアはそのことを肌で感じ取っていた。
 背中を冷や汗が一筋流れた。
 クレストの方にも、微塵も油断したり侮った様子は無かった。アリシアについ
ての情報は持っている様だった。持っている剣のことも、魔法を使うことも知ら
れていると思った方が良い。ピアスの護符のことは知られていまいが、魔法に対
する抵抗力が高いという情報は持っているかもしれない。
(どう攻めるか・・・)
 アリシアは、さらにクレストに近づきながら、策を練っていた。
 クレストが、少女ミリアムになにやら短く命令を与えた。
 ミリアムは真剣な表情で肯き、クレストの前に出ると、マントを脱ぎ捨てて首
輪とサンダルだけの全裸になった。
 驚くアリシアに向かって、両手でロープを持ち、身構えながら近づいてくる。
「ご主人様には指一本触れさせないわよ」
 少女は、アリシアを捕らえるつもりの様だった。
「なっ!・・・卑怯な!」
 クレストはミリアムを前面で戦わせるつもりなのだ。もちろんアリシアにミリアム
を傷つける事などできない。
「く・・・」
 距離がまだ遠い。やっと魔法の間合いだ。
 その上ミリアムという盾がいる。
 アリシアにとってかなり不利な状況だった。
「ままよ!」
 アリシアは呪文を唱えながら剣を抜き、一気に間合いを詰めていった。
 ミリアムが前に出た。
 クレストも呪文を唱え始める。
 アリシアの呪文が先に完成した。
「スリープ(眠り)!」
 こんな初歩の呪文で、クレストをどうにか出来ると思っている訳ではない。狙
いはミリアムだった。
 普通の少女であるミリアムは、アリシアの狙い通りこの呪文に抵抗できずにそ
の場に倒れた。
 クレストの呪文が完成した。
「ファイヤー・ボール(火球)!」
「なっ!」
 ずがぁぁぁん!
 アリシアに放たれた炎の玉が炸裂した。
 並みの戦士なら、この一撃で即死する威力だ。
 アリシアは、すんでのところで直撃を避けた。だが爆発のダメージは免れない。
「うわぁっ!」
 灼熱がアリシアを襲う。革鎧から焦げ臭い匂いがたちのぼる。アリシアの剥き
出しになっている素肌が焼かれる。
「くぅ!」
 すぐ死に至る程ではないが、深刻なダメージを受けていた。
 アリシアは慄然とした。
 これまで戦った魔法使い達は、ただの戦士であるということで、どこかでアリ
シアを侮っていた。あるいはアリシアが美しい女であるため、殺さずに奴隷化し
ようと考え、攻撃が徹底を欠いた。アリシアとしてはそこにつけこむ隙があった。
多対一でも、人質がいても勝ってこられたのはそのためだ。
 この相手には、クレストにはそれが無い。いきなり必殺の火球を放って来た相
手は始めてだった。あるいは、アリシアなら耐え切って死なないという計算ずく
だったのか。どちらにしても、恐ろしい男だった。
 やはり、手加減して勝てるような甘い相手ではなさそうだった。
 だが、ここでクレストを殺してしまっては、黒幕の貴族の情報は得られない。
 アリシアはこの段にいたってもまだ迷っていた。
(ここまで強い男なら、そう簡単には死ぬまい。)
 とにかく今は本気で戦うべきだ。やっとアリシアはそう決意した。
 アリシアはさらに呪文を唱えながら走った。
 クレストも後ろに下がりながら呪文を唱えた。
 今度もアリシアの方が早い。
「サイレンス(沈黙の場)!」
 クレストの立っている場所を、無音の空間にする呪文だ。上手くすればクレス
ト自身をも喋れず耳も聞こえない状態にする事もできる。
 本来僧侶の呪文だが、アリシアはあるマジックアイテムを用いる事でこの呪文
を使う事が出来た。
「・・・!」
 クレストは呪文らしき言葉を発したが、それは声にならなかった。
(いける!)
 間合いが詰まっていた。もう剣で切りかかれる。接近戦になればこの勝負は戦
士であるアリシアのものだ。彼女はそう確信した。
 クレストは慌てて無音の範囲から出ようとしていた。
「遅い!」
 (クレストの両腕を切り落とす。ショック死しなければ、交渉ができるだろう)
 アリシアは素早くそう判断した。
 クレストに切りかかろうとした。剣を振りかぶった。
 だが、その瞬間に右足が何者かに捉まれた。

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                       -- Lunatic Invader -- ゴア

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