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裏・クロウガルトの魔法戦士 第1話
(1)
大陸に、鳥の名で呼ばれる地方があった。
その中の、クロウガルトと呼ばれる台地に、風が吹いていた。
夜であった。
月明かりに照らされた街道を、一組の男女が歩いていた。
男の方はフードつきのマントをまとった青年だった。年は20代後半だろうか。
線の細い美男子ととれる容貌だが、何処か硬質で、冷ややかなものを感じさせる
目を持っていた。マントの下に着たローブは、魔術師が好んで身に着けるものだ
った。
女の方は14、5才の美少女だった。青年と同じフードつきのマントをまとっ
ているが、フードは後ろに下ろしていた。明るい栗色の髪が、風に揺れていた。
風が舞い、少女のマントを翻した。マントの下から、はっとするほど白い肌が
あらわになった。
ほっそりとした太股、股間の薄いかげり、小ぶりだが形の良い乳房まで、マン
トの下からのぞいた。
少女は、マントの下には、何も身に着けていなかった。少女が身に着けている
のは、マントとサンダル、そして、革製の家畜用の首輪だけだった。首輪には革
のロープがつないであり、その先は青年の手に握られていた。
家畜奴隷の姿だった。
家畜奴隷は非合法の存在だった。奴隷制は、ここクロウガルトでももう何年も
の昔に廃止され、その売買は厳しく取り締まられていた。しかし、それはあくま
でも表向きの話で、取り締まる側の貴族自身の間でも奴隷、特に性交用の家畜奴
隷はその貴重さゆえに高値で取り引きされていた。
この美少女もそうした家畜奴隷の一人なのであろう。専門家の手によって完全
な調教を施されたものと見え、少女は屈辱的な姿で引き立てられながらも、従順
に青年に従っていた。その頬は微かに上気し、瞳は僅かに濡れ、口元にはうっす
らと微笑さえ浮かべていた。性交用の家畜奴隷にとっては、全裸に首輪こそが正
装であり、マントなどは命令によって身に着けているだけの邪魔ものにすぎない
のだった。事実この少女は、マントが捲れて裸体があらわになっても全く慌てる
様子も無いどころか直そうとすらせず、青年に命じられて、始めてマントの前を
合わせていた。
「少し、冷えるな」
一人呟いた青年は、街道を外れて木陰に入り、木の根元に立つとマントとロー
ブをはだけてズボンの前を開けた。少女が当然の様に青年の前に跪き、目を閉じ
て口を大きく開けた。青年は苦笑し、少女の頬を撫ぜた。
「駄目だよミリアム。下がっていなさい」
ミリアムと呼ばれた少女は、命令に従って脇に下がったが、甘えた声で不満を
訴えた。
「えー、飲ませていただけないんですかぁ」
「駄目だ。お前を買い手に引き渡す時に、小便臭い口ではまずいからな」
「ああん、飲みたかったのにぃ、ご主人様のおしっこ」
少女は本気で不満そうに頬を膨らませていた。青年は完璧に仕上がった家畜奴
隷の姿に声を出さずに笑った。
「ほら、じゃあさせてくれ」
「あ、はい、ご主人様」
ミリアムはいそいそと青年のズボンから一物を取り出し、手を添えて下に向け
た。すぐにその先端からじょろじょろと放尿が始まった。青年は微笑みながらミ
リアムの頭を撫ぜた。ミリアムは完全に出おわると一物を軽く振り、自分の左手
の指と掌で丁寧に拭ってから、右手でズボンの中に戻した。濡れた左手を口元に
持って行き、青年を見上げて瞳で媚びた。青年が苦笑しながら肯くと、「あはっ」
と笑って左手についた青年の小便を嬉しそうに舐め始めた。
「あふっ、美味しい・・・」
もはやミリアムの心には人間としてのプライドはかけらも残っていない様だっ
た。手についた他人の小便を舐めるという惨め極まる行為を、この少女は本当に
心の底から楽しんでいた。熱心な舌の動きとうっとりした表情がそれを証明して
いた。
「ご主人様、あたしを買って下さる方も、おしっこ飲ませて下さいますか?」
「ああ、ミリアムがちゃんとお願いすればな」
「あは、嬉しい。
ご主人様、あたしちゃんとお願いします。
『ミリアムはおしっこが大好きな、卑しい恥知らずの家畜です。』って。
『卑しいミリアムに、おしっこいっぱい飲ませて下さい』って」
「あはは、そうだ。それで良い」
青年に頬を撫ぜられ、幸せそうに喉を鳴らすミリアムだった。
(2)
笑いあう2人を、物陰からうかがう人影があった。
女だった。
彼女は、2人が町を出た時から後をつけていた。
女は、1匹狼の冒険者、魔法戦士アリシアだった。
冒険者というのは通称であって、実際のアリシアは、いわゆる賞金稼ぎだった。
主に人身売買組織に属する犯罪者を追いかけ、倒した犯罪者の賞金を得て暮らし
を立てていた。
今アリシアが追っている、この青年も人身売買組織にかかわる人間だった。
青年の名はクレストといった。魔法使いで、奴隷調教師だ。
クレストの賞金は2万Gだった。人身売買の罪によるものだ。アリシアの得て
いる情報では、いわゆる若手調教師のなかでも随一の魔法の腕を持つ男と言われ、
有能ゆえの敵も多く、賞金を掛けられたのも人身売買組織の内部でのいざこざに
よるものらしかった。
最近は仲間と組むことはなく、一人で仕事をしているということだった。
自分自身1匹狼で生きているアリシアには、組織を外れて生きる事が、どれほ
どの実力と精神力を要求するか良く分かっていた。
相当に手強い相手と見るべきだった。
とはいえ、アリシアは、今回このクレストを倒すために追っているのではなか
った。
クレストが、自分の調教した少女を売るために、黒幕の一人である貴族と接触
するという情報があった。アリシアは、その貴族が誰なのかを知るために、こう
してクレストをつけていたのだった。
一人でも多くの女を救う事を使命と考えているアリシアだった。本当なら、今
クレストを倒し、連れられている家畜奴隷少女を助け出したかった。
あの少女は助けられる事など望んではいまいが。アリシアは、嬉々として男の
排泄に奉仕する少女ミリアムの姿に、口惜しさと物悲しさを覚えていた。本人の
資質にもよるが、あそこまで積極的に服従し奉仕する奴隷というのはそう簡単に
『仕上げられる』ものではない。クレストは、確かに1流の調教師だ。
今夜、クレストとミリアムを見逃し、諦めるのは、十数人の少女を救うためだ。
アリシアは、そう自分を納得させていた。
しばらく前にアリシアが救ったある町の少女達が、再びさらわれてしまったの
だ。
半ば予想できた事ではあった。組織としてはやりかけた仕事を、一度の失敗で
諦めてしまうつもりはなかったのだ。また、調教途中であった少女達の中には、
自ら進んで組織に身を捧げたものもいたという。
クレストは、その中の何人かの調教を依頼されてるはずだった。今連れている
ミリアムを売り、恐らくは数人の少女を受け取る。
その少女達が本格的に調教される前に、クレストを倒す。黒幕の貴族はその後
で追い詰め、ミリアムも何れかならず助け出す。
それがアリシアの計画だった。
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予告していた、裏版です。
多分5話~7話くらいで完結の予定です。
-- Lunatic Invader -- ゴア
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堕落姫乃眸.
最終更新:2008年02月06日 18:35