エスターク、そしてダイはゴンズを追う。しかし、ゴンズがボブルの塔に入った瞬間、扉は固く閉ざされてしまった。
「くそ、ここまで来て!!」
エスタークの顔にも憤怒の表情が浮かぶ。
一方クロコダインは新たに造った武器を貰う為にロンベルクの家に寄った。
「急な製作の上、前よりも更に強化しなければならなかったからな。それ相応の時間が伴った。」
ロンベルクが少し疲れた顔でクロコダインを見る。その横にはノヴァも立っていた。
「これが、新しく出来た強化版のグレイトアックスです。強度もパワーも前回以上ですよ!」
ノヴァが嬉しそうに語る。不意にクロコダインがノヴァの手を見ると、指が三倍以上に膨らんでいた。
『こいつ、手をここまで腫らしてまで武器の製作を手伝ったのか。有難い。』
心無しか、クロコダインの眼は水に滲んでいた。
「必ず、必ずこのグレイトアックスで、大切な者達を守ってみせる!!!」
クロコダインは大きく手を振りながらロンベルクの家を後にする。
「何だか、クロコダインさんも一皮剥けた感じがしますね。」
ノヴァが、立ち去っていくクロコダインの背を見ながら言う。
一方ポップ達はリンガイアの東を飛び続け、岩山に囲まれた一つの塔を見つける。
「あれが、ボブルの塔、何か嫌な感じがするわ。」
マァムの感じた悪寒は周囲にも伝わっていたが、四人は躊躇いなく塔へ近づく。
「お、ちょうどいいところに穴があるぜ。入ってみるか。」
頂上にぽっかりと開いた穴から四人は侵入した。少し遅れてバーンが塔の頂上にたどり着く。
「この気配は、ドラゴンオーブか……」
物思いに耽るバーンに二人の魔物が近付いてくる。
ボブルの塔に入ろうとする不届き者が一名・・・」
見た目はオークとキメラだが、オークは一般のオークと比べ物にならない闘気を放っていた。
一方キメラも頭に装飾品を付け、明らかに普通のキメラではなかった。
「俺はキメーラと呼ばれているんだ。同族に毛嫌いにされている所をジャミ様に拾われた。」
オークもバーンに槍を突きつけながら近づく。
「貴様の様な侵入者は久しぶりだ、ジャミ様に献上するのもいいが、俺が喰って……」
オークはそれ以上言葉は続かなかった。バーンの手刀によって喉を貫かれていたのだ。
「余が貴様に食い殺されるような事が起こると思うか?」
一瞬で殺されたオークの死骸を見て、キメーラも驚くが、彼の戦意が喪失することはない。
「だったら、俺のブレスをくらいな!」
氷の息をバーンに吐きかけるがバーンはまるで動じない。バーンは指先から小さな火の玉を出し、キメーラの吐くブレスに投げつける。
一瞬で氷は水と化し、キメーラは火に巻き込まれた。
「ぐ、まさかメラゾーマを使うとは…俺も少し面食らったが、こんな傷、べホイミですぐに回復できる。」
行動の速いキメーラはすぐに回復出来たが、彼の寿命が延びた訳ではなかった。」
「今のはメラだ…貴様如き、メラゾーマなど使うまでもない。」
「き、貴様あ!俺を舐めるなー!!!」
キメーラはべギラマを唱える。この一瞬で勝負は決まった。
「カラミティエンド!!」
べギラマを唱えた刹那、バーンのカラミティエンドがキメーラを斬り裂き、キメーラは即死した。
「ふ、カラミティエンドを出すまでもなかったが、圧倒的戦力差で片付けるのもまた一興、中々面白かったぞ。」
バーンは笑いながら穴へ入って行った。
一方上での騒ぎの音を聞きつけた三人は塔の頂上に上がっていた。
「ここから、奴等の場所へ行けそうだな。」
エスタークの眼が血走る。彼の頭にあるのはゲマへの報復しかない。
エスタークは即、穴へ飛び込んで行った。
「ああ、一人で行っちゃ駄目だ!!」
ダイも慌てて後を追う。偶然か必然か、七人はボブルの塔に結集した。
~大神殿~
神殿の広間にハーゴンはアトラスを呼び出す。
「アトラス、地上の人間を殺せとイブール様に仰せつかった。しかしベンガーナに集まる実力者共が邪魔だ。お前が始末しろ。」
「わかりました!!。」
大きな声で返事を返すアトラス、彼はそのままベンガーナへと向かった。
「ラマダは驚異にならんと言っていたが、一応芽は摘み取っておくか。破壊神復活の障害になりそうなのでな。」
ミルドラースの下につくハーゴン、しかし彼の真の野望は破壊神の召還にあった。
ベンガーナでは更に敵の攻撃を警戒する様に警備を固め始めていた。
「またラマダの様な巨大なモンスターが来ないとも限りません。どうにかして新たな戦力が欲しい所ですが・・・」
会議もやはり行き詰っていた所へ、クロコダインがガルーダと共に戻ってきた。
「新しい武器は貰えましたか?」
チウが足早にクロコダインの元に駆け寄る。
「グレイトアックスが更に強化されている。これなら魔界の敵が来ても何とか闘えるだろう。」
ベンガーナに残っている中で主力になるのはアバンやフローラ、良くて三賢者といった状況だったのでこの報告は吉報だった。
「クロコダイン、無理はするな。」
「ヒュンケル、お前こそ長年の戦いでろくに体が動かないではないか。この前の様な無理はするな!」
クロコダインは必要に応じては自分の命すら武器にする友を心配する。その事が彼に対して失礼だと思っていても。
そんな中アキームが会議室の扉を開け、大声で叫ぶ。
「大変です!!ラマダとは違う一つ目の巨人が現れました!!!!」
一同は驚愕の色を隠せなかった。
「早速、グレイトアックスの活躍する時が来たか。」
クロコダインは城の外に出る。それにつられて全員会議室から出た。ただ一人、アバンを除いて。
「先刻から気になっていたのですが、何者なんですか?あなたは。」
アバンの背後に魔物が立っている。
アバンが振り向くと同時に魔物はアバンに殴りかかる。
「挨拶はこんなものでいいな。俺はバズズ、ハーゴン様の命令で貴様等を殺しに来た。」
ハーゴンはアトラスだけではなく、バズズにもベンガーナ襲撃を仕掛けていた。
「ハーゴン?そいつはヴェルザーと何か関係があるのですか?」
「ヴェルザーじゃねえ、俺が仕えているのはハーゴン様と大魔王ミルドラース様だ!!」
~天界~
天地魔界を支えている世界樹の守り神は天界に赴いた。
「わたわた、やっぱりこれもオーディン様の見た”予言”かな?大事になる前に止めないと!!」
~地上~
「なんだ~お前!!」
アトラスがクロコダインに向けて棍棒を落とす。しかし、間一髪、クロコダインは棍棒を受け止める。
「俺は、決して負けるわけにはいかん!!!!」
クロコダインが咆哮した。
「くそ、ここまで来て!!」
エスタークの顔にも憤怒の表情が浮かぶ。
一方クロコダインは新たに造った武器を貰う為にロンベルクの家に寄った。
「急な製作の上、前よりも更に強化しなければならなかったからな。それ相応の時間が伴った。」
ロンベルクが少し疲れた顔でクロコダインを見る。その横にはノヴァも立っていた。
「これが、新しく出来た強化版のグレイトアックスです。強度もパワーも前回以上ですよ!」
ノヴァが嬉しそうに語る。不意にクロコダインがノヴァの手を見ると、指が三倍以上に膨らんでいた。
『こいつ、手をここまで腫らしてまで武器の製作を手伝ったのか。有難い。』
心無しか、クロコダインの眼は水に滲んでいた。
「必ず、必ずこのグレイトアックスで、大切な者達を守ってみせる!!!」
クロコダインは大きく手を振りながらロンベルクの家を後にする。
「何だか、クロコダインさんも一皮剥けた感じがしますね。」
ノヴァが、立ち去っていくクロコダインの背を見ながら言う。
一方ポップ達はリンガイアの東を飛び続け、岩山に囲まれた一つの塔を見つける。
「あれが、ボブルの塔、何か嫌な感じがするわ。」
マァムの感じた悪寒は周囲にも伝わっていたが、四人は躊躇いなく塔へ近づく。
「お、ちょうどいいところに穴があるぜ。入ってみるか。」
頂上にぽっかりと開いた穴から四人は侵入した。少し遅れてバーンが塔の頂上にたどり着く。
「この気配は、ドラゴンオーブか……」
物思いに耽るバーンに二人の魔物が近付いてくる。
ボブルの塔に入ろうとする不届き者が一名・・・」
見た目はオークとキメラだが、オークは一般のオークと比べ物にならない闘気を放っていた。
一方キメラも頭に装飾品を付け、明らかに普通のキメラではなかった。
「俺はキメーラと呼ばれているんだ。同族に毛嫌いにされている所をジャミ様に拾われた。」
オークもバーンに槍を突きつけながら近づく。
「貴様の様な侵入者は久しぶりだ、ジャミ様に献上するのもいいが、俺が喰って……」
オークはそれ以上言葉は続かなかった。バーンの手刀によって喉を貫かれていたのだ。
「余が貴様に食い殺されるような事が起こると思うか?」
一瞬で殺されたオークの死骸を見て、キメーラも驚くが、彼の戦意が喪失することはない。
「だったら、俺のブレスをくらいな!」
氷の息をバーンに吐きかけるがバーンはまるで動じない。バーンは指先から小さな火の玉を出し、キメーラの吐くブレスに投げつける。
一瞬で氷は水と化し、キメーラは火に巻き込まれた。
「ぐ、まさかメラゾーマを使うとは…俺も少し面食らったが、こんな傷、べホイミですぐに回復できる。」
行動の速いキメーラはすぐに回復出来たが、彼の寿命が延びた訳ではなかった。」
「今のはメラだ…貴様如き、メラゾーマなど使うまでもない。」
「き、貴様あ!俺を舐めるなー!!!」
キメーラはべギラマを唱える。この一瞬で勝負は決まった。
「カラミティエンド!!」
べギラマを唱えた刹那、バーンのカラミティエンドがキメーラを斬り裂き、キメーラは即死した。
「ふ、カラミティエンドを出すまでもなかったが、圧倒的戦力差で片付けるのもまた一興、中々面白かったぞ。」
バーンは笑いながら穴へ入って行った。
一方上での騒ぎの音を聞きつけた三人は塔の頂上に上がっていた。
「ここから、奴等の場所へ行けそうだな。」
エスタークの眼が血走る。彼の頭にあるのはゲマへの報復しかない。
エスタークは即、穴へ飛び込んで行った。
「ああ、一人で行っちゃ駄目だ!!」
ダイも慌てて後を追う。偶然か必然か、七人はボブルの塔に結集した。
~大神殿~
神殿の広間にハーゴンはアトラスを呼び出す。
「アトラス、地上の人間を殺せとイブール様に仰せつかった。しかしベンガーナに集まる実力者共が邪魔だ。お前が始末しろ。」
「わかりました!!。」
大きな声で返事を返すアトラス、彼はそのままベンガーナへと向かった。
「ラマダは驚異にならんと言っていたが、一応芽は摘み取っておくか。破壊神復活の障害になりそうなのでな。」
ミルドラースの下につくハーゴン、しかし彼の真の野望は破壊神の召還にあった。
ベンガーナでは更に敵の攻撃を警戒する様に警備を固め始めていた。
「またラマダの様な巨大なモンスターが来ないとも限りません。どうにかして新たな戦力が欲しい所ですが・・・」
会議もやはり行き詰っていた所へ、クロコダインがガルーダと共に戻ってきた。
「新しい武器は貰えましたか?」
チウが足早にクロコダインの元に駆け寄る。
「グレイトアックスが更に強化されている。これなら魔界の敵が来ても何とか闘えるだろう。」
ベンガーナに残っている中で主力になるのはアバンやフローラ、良くて三賢者といった状況だったのでこの報告は吉報だった。
「クロコダイン、無理はするな。」
「ヒュンケル、お前こそ長年の戦いでろくに体が動かないではないか。この前の様な無理はするな!」
クロコダインは必要に応じては自分の命すら武器にする友を心配する。その事が彼に対して失礼だと思っていても。
そんな中アキームが会議室の扉を開け、大声で叫ぶ。
「大変です!!ラマダとは違う一つ目の巨人が現れました!!!!」
一同は驚愕の色を隠せなかった。
「早速、グレイトアックスの活躍する時が来たか。」
クロコダインは城の外に出る。それにつられて全員会議室から出た。ただ一人、アバンを除いて。
「先刻から気になっていたのですが、何者なんですか?あなたは。」
アバンの背後に魔物が立っている。
アバンが振り向くと同時に魔物はアバンに殴りかかる。
「挨拶はこんなものでいいな。俺はバズズ、ハーゴン様の命令で貴様等を殺しに来た。」
ハーゴンはアトラスだけではなく、バズズにもベンガーナ襲撃を仕掛けていた。
「ハーゴン?そいつはヴェルザーと何か関係があるのですか?」
「ヴェルザーじゃねえ、俺が仕えているのはハーゴン様と大魔王ミルドラース様だ!!」
~天界~
天地魔界を支えている世界樹の守り神は天界に赴いた。
「わたわた、やっぱりこれもオーディン様の見た”予言”かな?大事になる前に止めないと!!」
~地上~
「なんだ~お前!!」
アトラスがクロコダインに向けて棍棒を落とす。しかし、間一髪、クロコダインは棍棒を受け止める。
「俺は、決して負けるわけにはいかん!!!!」
クロコダインが咆哮した。