第十八話 地上支配のプレリュード
ポップ達は天空への塔の終盤まで差し掛かっていた。四人に至る所に傷があったがプサンはまだ元気だった。
「信じられない。私達と同じペースで登ってるのに息一つ乱れないなんて。」
マァムも既に普通の中年男性とは、最早思っていなかった。
『俺の仮説が正しいならば、このくらい出来て当然だとは思うが・・・一体何故《人間の姿》に?」
ラーハルトは初めて出会った時から感じた”人間には無い”気配の正体が分かりかけていた。
「み、皆さんどうしました?さっきからずっと私を見ていますが・・・」
「いや、何でもねえよ。」
ポップが答える。五人は改めて天空への塔を登り始めた。
~魔界~
「さあ、地上支配を始めるぞ!!!」
ヴェルザーが天に向かって吠える。そしてその奥にはテマリ、我愛羅がいた。
「しかし、兄が死んでも眉一つ動かさんとは・・・我愛羅はやはり末恐ろしいな。」
心なしかテマリは我愛羅から距離を置いている。
「まあ良い、まずはテマリ、お前が軍を動かせ。」
「分かりました。」
先送りになっていた地上侵攻がついに開始された。
ポップ達は天空への塔の終盤まで差し掛かっていた。四人に至る所に傷があったがプサンはまだ元気だった。
「信じられない。私達と同じペースで登ってるのに息一つ乱れないなんて。」
マァムも既に普通の中年男性とは、最早思っていなかった。
『俺の仮説が正しいならば、このくらい出来て当然だとは思うが・・・一体何故《人間の姿》に?」
ラーハルトは初めて出会った時から感じた”人間には無い”気配の正体が分かりかけていた。
「み、皆さんどうしました?さっきからずっと私を見ていますが・・・」
「いや、何でもねえよ。」
ポップが答える。五人は改めて天空への塔を登り始めた。
~魔界~
「さあ、地上支配を始めるぞ!!!」
ヴェルザーが天に向かって吠える。そしてその奥にはテマリ、我愛羅がいた。
「しかし、兄が死んでも眉一つ動かさんとは・・・我愛羅はやはり末恐ろしいな。」
心なしかテマリは我愛羅から距離を置いている。
「まあ良い、まずはテマリ、お前が軍を動かせ。」
「分かりました。」
先送りになっていた地上侵攻がついに開始された。
「ここが、最上階か・・・」
長い道のりを乗り越え、五人はついに最上階に達する事が出来た。
「思い起こせば所々階段が壊れてたりエレベーターを使ったりで大変だったよなあ。」
ヒムが深いため息を吐く。
「皆さん、天空城へはあのエレベーターを使えば到達します。」
プサンの指の指す方向に大きなエレベーターがあり、五人はそれに乗った。
エレベーターは動きだし、そのまま天高く舞い上がった。
~天界~
天界の浮遊大陸に黒い霧状の影が堕ちた。その様子はさながら世界の終りを意味するようなものだった。
「ついに、ついに”この男”が現世に復活したか。わらわの目的が達成する日も近い。」
その黒い影はエレベーターで上昇中の五人も見た。
「な、何だありゃあ!!?」
ヒムが眼を見開き、黒い影を眼で追う。他の四人も同等の思いであった。
そうこうしている内に五人は天空城へ到達する。
「ここが天空城か、しかし一体誰がこんな手紙を渡しに来たんだ?」
ポップが例の手紙を出しながら言う。その手紙をプサンは覗き込むように見る。
五人は天空城の中へ入る。
「しっかし無防備な城だな~、敵とかに攻められたらどうするんだ?」
ヒムやポップはそのあまりの城の警備の無頓着さに舌を巻く。
周りには白い羽のついた天使の様な人間達がいた。その中で一際年を取っている老人がポップに話しかけてきた。
「もし、地上から来た方々ですか?」
老人の質問に四人は頷く。しかしプサンは全く別の反応をしていた。
「いやあ、五百年ぶりですか?変わっていませんね長老。」
『や、やはりこの男は・・・」
やけに老人に親しげに話すプサンを見て、ラーハルトの疑惑は確信に変わる。
しかしそれに対して老人の態度は意外なものだった。
「貴方は地上から呼ばれた方ではないのですか?」
「な、何を言いますか、私は・・・」
「違うと申すのならば、即刻城からお引き取り願いたいものですが、ここは天空人とエルフが住む聖域、
地上からの使者以外はこの場所に立ち入ることはさせる訳に参りません。」
プサンは傍にいた天空人達に連れられて外に放り投げられた。
「あれで良かったのか?プサンはあんた達の事よく知ってるみたいだったけど。
それに人間が入っちゃいけないような場所に魔族まで含めた俺達を入れるなんて、何を考えてるんだ?」
ポップの質問に城の神父の様な天空人が答える。
「貴方達は神を超える力を持った大魔王バーンを倒し、地上を破滅の危機から救った。
それ程の実力があればオーディン様の危惧していた”恐怖”が取り除かれるのではないかと思われましたので私共がオーディン様の御命令で、手紙を出しました。」
更に長老が続けて話す。
「今、三界は大きな危機に見舞われている。冥竜王ヴェルザーの復活、そしてバーンには劣るが各地で再び動き出したミルドラース等、
最早群雄割拠といった状況なのだ。それを救えるものは勇者とそして共に激戦を潜り抜けてきた者達しかおらん。
そして貴方方をお呼びした次第である。」
長老の言葉にポップ達は肝を抜かれた。
長い道のりを乗り越え、五人はついに最上階に達する事が出来た。
「思い起こせば所々階段が壊れてたりエレベーターを使ったりで大変だったよなあ。」
ヒムが深いため息を吐く。
「皆さん、天空城へはあのエレベーターを使えば到達します。」
プサンの指の指す方向に大きなエレベーターがあり、五人はそれに乗った。
エレベーターは動きだし、そのまま天高く舞い上がった。
~天界~
天界の浮遊大陸に黒い霧状の影が堕ちた。その様子はさながら世界の終りを意味するようなものだった。
「ついに、ついに”この男”が現世に復活したか。わらわの目的が達成する日も近い。」
その黒い影はエレベーターで上昇中の五人も見た。
「な、何だありゃあ!!?」
ヒムが眼を見開き、黒い影を眼で追う。他の四人も同等の思いであった。
そうこうしている内に五人は天空城へ到達する。
「ここが天空城か、しかし一体誰がこんな手紙を渡しに来たんだ?」
ポップが例の手紙を出しながら言う。その手紙をプサンは覗き込むように見る。
五人は天空城の中へ入る。
「しっかし無防備な城だな~、敵とかに攻められたらどうするんだ?」
ヒムやポップはそのあまりの城の警備の無頓着さに舌を巻く。
周りには白い羽のついた天使の様な人間達がいた。その中で一際年を取っている老人がポップに話しかけてきた。
「もし、地上から来た方々ですか?」
老人の質問に四人は頷く。しかしプサンは全く別の反応をしていた。
「いやあ、五百年ぶりですか?変わっていませんね長老。」
『や、やはりこの男は・・・」
やけに老人に親しげに話すプサンを見て、ラーハルトの疑惑は確信に変わる。
しかしそれに対して老人の態度は意外なものだった。
「貴方は地上から呼ばれた方ではないのですか?」
「な、何を言いますか、私は・・・」
「違うと申すのならば、即刻城からお引き取り願いたいものですが、ここは天空人とエルフが住む聖域、
地上からの使者以外はこの場所に立ち入ることはさせる訳に参りません。」
プサンは傍にいた天空人達に連れられて外に放り投げられた。
「あれで良かったのか?プサンはあんた達の事よく知ってるみたいだったけど。
それに人間が入っちゃいけないような場所に魔族まで含めた俺達を入れるなんて、何を考えてるんだ?」
ポップの質問に城の神父の様な天空人が答える。
「貴方達は神を超える力を持った大魔王バーンを倒し、地上を破滅の危機から救った。
それ程の実力があればオーディン様の危惧していた”恐怖”が取り除かれるのではないかと思われましたので私共がオーディン様の御命令で、手紙を出しました。」
更に長老が続けて話す。
「今、三界は大きな危機に見舞われている。冥竜王ヴェルザーの復活、そしてバーンには劣るが各地で再び動き出したミルドラース等、
最早群雄割拠といった状況なのだ。それを救えるものは勇者とそして共に激戦を潜り抜けてきた者達しかおらん。
そして貴方方をお呼びした次第である。」
長老の言葉にポップ達は肝を抜かれた。
一方テマリは既に地上に出て来ていた。
「さて、ここら辺でいいかな。デルパ!!!」
呪文を唱えるとかつてザボエラが使っていた数十個ある魔獣の球から大量の魔界のモンスターが地上に出現した。
「まずは地上の主力が集まってるベンガーナに魔物達を送ってやろうか。」
モンスターの軍勢はベンガーナへ向けて侵攻した。
不意にモンスターが現れ、近くの人間達は逃げ惑う。
「クククク、恐怖におののく哀れな羊共か。こうして見ると実に愉快だヒャハハハ!!」
下卑た笑い方でエビルプリーストが笑う。
「さて、ヴェルザー勢も動き出した。私もそろそろ計画を実行するかな。」
エビルプリーストは地上から姿を消す。そして入れ替わりに”あの男”が地上を歩いていた。
「ヴェルザーめ、一気に地上を落とすつもりか。まあ良い、しかし先程から感じている気配はどう考えてもアイツしかいないな。
ふ、とりあえず役者は揃ったといった所か。」
各地で動きがある中、ダークドレアムが動く気配はまるでなく、彼はただただ状況を傍観していた。
魔界のモンスターの軍勢はついにベンガーナへ到達した。
「まさか、いきなりこれ程の大軍が来るなんて。」
予想だにしない展開にさすがのアバンも困惑していた。
モンスター達はベンガーナ城目掛けて攻撃を仕掛ける。
「行きましょう!ここにいては殺されてしまいます。」
アバン達は全員城から出てモンスター達の前に出た。
「こういう時の為の帝国空軍だ、今すぐに用意せい!!!」
クルテマッカ七世が城の兵士に号令を出した。
メルルとヒュンケルは非戦闘員である国民達を避難させていた。
「ああ、ポップさん達がいない時に来るなんて。」
一方ヒュンケルはこの一大事に自分が戦えない自分に虫唾が走った。
「くそ、この体がもう少し、動いてくれれば!!」
こうしてベンガーナで地上の人類と魔界のモンスターが戦う事になったのだ。
そしてこの日から三界は破滅へと加速していく。
「さて、ここら辺でいいかな。デルパ!!!」
呪文を唱えるとかつてザボエラが使っていた数十個ある魔獣の球から大量の魔界のモンスターが地上に出現した。
「まずは地上の主力が集まってるベンガーナに魔物達を送ってやろうか。」
モンスターの軍勢はベンガーナへ向けて侵攻した。
不意にモンスターが現れ、近くの人間達は逃げ惑う。
「クククク、恐怖におののく哀れな羊共か。こうして見ると実に愉快だヒャハハハ!!」
下卑た笑い方でエビルプリーストが笑う。
「さて、ヴェルザー勢も動き出した。私もそろそろ計画を実行するかな。」
エビルプリーストは地上から姿を消す。そして入れ替わりに”あの男”が地上を歩いていた。
「ヴェルザーめ、一気に地上を落とすつもりか。まあ良い、しかし先程から感じている気配はどう考えてもアイツしかいないな。
ふ、とりあえず役者は揃ったといった所か。」
各地で動きがある中、ダークドレアムが動く気配はまるでなく、彼はただただ状況を傍観していた。
魔界のモンスターの軍勢はついにベンガーナへ到達した。
「まさか、いきなりこれ程の大軍が来るなんて。」
予想だにしない展開にさすがのアバンも困惑していた。
モンスター達はベンガーナ城目掛けて攻撃を仕掛ける。
「行きましょう!ここにいては殺されてしまいます。」
アバン達は全員城から出てモンスター達の前に出た。
「こういう時の為の帝国空軍だ、今すぐに用意せい!!!」
クルテマッカ七世が城の兵士に号令を出した。
メルルとヒュンケルは非戦闘員である国民達を避難させていた。
「ああ、ポップさん達がいない時に来るなんて。」
一方ヒュンケルはこの一大事に自分が戦えない自分に虫唾が走った。
「くそ、この体がもう少し、動いてくれれば!!」
こうしてベンガーナで地上の人類と魔界のモンスターが戦う事になったのだ。
そしてこの日から三界は破滅へと加速していく。