~天界~
「やはり、私の睨んだ通り、”彼”の肉体が宿るというオーブが神殿に出現したか!!」
「流石に生命を司る世界樹の花だけの事はありますね。」
オーディンとルビスは喜々とした表情を浮かべる。
~魔界~
ポップ達が使ったものとは違う旅の扉の近くで、エスタークは一人、当てもなくダークドレアムを探している。
「ダイ、お前の仇は必ず俺が討つ!!」
そんな折、彼は不穏な殺気を感知する。
「誰だ!!近くにいるのは分かっている。出てこい!!!」
「おほほほほ、その様に敵意を向き出しにされてはこちらとしても話し辛くなります。まずは自己紹介といきましょうか?
私の名前はゲマと申します。おほほほほ。」
ゲマと名乗る魔族は一瞬でエスタークの間合に入る。エスタークは剣に手を掛け、臨戦態勢を取る。先に動いた方はエスタークだった。
「何故俺に近づく?」
剣を振い、威嚇しても彼には意味をなさなかった。
「私は貴方に頼みたい事があるのです。」
見るからに異様な笑顔を浮かべゲマは近づく。その笑顔は狂気に満ちていた。
「頼みたい事?」
エスタークの問いかけにゲマは答える様に”あるもの”を見せる。それはエスタークにとって信じられない光景だった。
「ロザリー!!!???」
エスタークは気が動転していた。今までダークドレアムに殺されたと思っていた最愛の妹が目の前にいる。
勿論彼はモシャスによる変装なのではないかと疑った。どうしても彼には目の前で起こっている事態が真実だという事を肯定出来なかった。
「本当にお前なのか?」
エスタークの眼は少し滲み、声は掠れていた。
「お兄様!!私・・・私・・・・」
兄の姿を前にロザリーは涙した。彼女も兄に会えた事が嬉しくて仕方がなかったのだ。
エスタークも妹の健気な姿を見せられ、最早完全に信じ切っていた。
「残念ですが、私の頼みを聞いてもらわなければ、貴方の妹はこの鎌によって首が胴体から離れる訳ですが。」
ロザリーの首元に死神の鎌を突きつけゲマは嘲笑う。
「や、やめろ!!言うことは聞く!いったい何が望みだ!!」
エスタークの問いにゲマは一本の剣を差し出しながら話す。
「これは古の魔界の職人が作った”覇王の剣”という代物でしてね、覇者の剣でさえこの剣をモデルにしたとされています。
攻撃力も大変素晴らしいものです。是非、この剣で勇者ダイを殺して欲しいのですよ。おほほほ。」
ゲマの依頼にエスタークは驚愕した。それはダイが今も生きているという事以上に自分がダイを殺さなければならないという事実に怯えていた。
しかし、ダイを殺さなければロザリーが殺されてしまう。
「お兄様、私の事は心配しないで。人を殺すなんてそんな恐ろしい事をしないで!!」
ロザリーが叫ぶ。しかしエスタークの頭の中にはロザリーが無事でいてくれる事が最優先だった。
「分かった。ゲマ、その剣を渡せ。」
ゲマは笑いながら覇王の剣を渡す。
「向こうにある一筋の光は旅の扉と呼ばれるものです。あの場所から地上に出ることが出来ます。
ダイを地上で抹殺して下さい。おほほほほ。」
エスタークはゲマの嘲笑を背に受けながら旅の扉に向け、走り出した。
「中々芝居が上手くなりましたね、ジャミ。」
「お褒めに預かりまして光栄でございます。」
ロザリーは突如馬人の様な姿になる。
「八千年経って容姿の変わらない生物等居る訳もないのに、簡単に騙されるものですね。おほほほほ。」
ゲマの嘲笑はエスタークには聞こえていなかった。何故なら彼は既に地上に飛び立っていたのだから。
「やはり、私の睨んだ通り、”彼”の肉体が宿るというオーブが神殿に出現したか!!」
「流石に生命を司る世界樹の花だけの事はありますね。」
オーディンとルビスは喜々とした表情を浮かべる。
~魔界~
ポップ達が使ったものとは違う旅の扉の近くで、エスタークは一人、当てもなくダークドレアムを探している。
「ダイ、お前の仇は必ず俺が討つ!!」
そんな折、彼は不穏な殺気を感知する。
「誰だ!!近くにいるのは分かっている。出てこい!!!」
「おほほほほ、その様に敵意を向き出しにされてはこちらとしても話し辛くなります。まずは自己紹介といきましょうか?
私の名前はゲマと申します。おほほほほ。」
ゲマと名乗る魔族は一瞬でエスタークの間合に入る。エスタークは剣に手を掛け、臨戦態勢を取る。先に動いた方はエスタークだった。
「何故俺に近づく?」
剣を振い、威嚇しても彼には意味をなさなかった。
「私は貴方に頼みたい事があるのです。」
見るからに異様な笑顔を浮かべゲマは近づく。その笑顔は狂気に満ちていた。
「頼みたい事?」
エスタークの問いかけにゲマは答える様に”あるもの”を見せる。それはエスタークにとって信じられない光景だった。
「ロザリー!!!???」
エスタークは気が動転していた。今までダークドレアムに殺されたと思っていた最愛の妹が目の前にいる。
勿論彼はモシャスによる変装なのではないかと疑った。どうしても彼には目の前で起こっている事態が真実だという事を肯定出来なかった。
「本当にお前なのか?」
エスタークの眼は少し滲み、声は掠れていた。
「お兄様!!私・・・私・・・・」
兄の姿を前にロザリーは涙した。彼女も兄に会えた事が嬉しくて仕方がなかったのだ。
エスタークも妹の健気な姿を見せられ、最早完全に信じ切っていた。
「残念ですが、私の頼みを聞いてもらわなければ、貴方の妹はこの鎌によって首が胴体から離れる訳ですが。」
ロザリーの首元に死神の鎌を突きつけゲマは嘲笑う。
「や、やめろ!!言うことは聞く!いったい何が望みだ!!」
エスタークの問いにゲマは一本の剣を差し出しながら話す。
「これは古の魔界の職人が作った”覇王の剣”という代物でしてね、覇者の剣でさえこの剣をモデルにしたとされています。
攻撃力も大変素晴らしいものです。是非、この剣で勇者ダイを殺して欲しいのですよ。おほほほ。」
ゲマの依頼にエスタークは驚愕した。それはダイが今も生きているという事以上に自分がダイを殺さなければならないという事実に怯えていた。
しかし、ダイを殺さなければロザリーが殺されてしまう。
「お兄様、私の事は心配しないで。人を殺すなんてそんな恐ろしい事をしないで!!」
ロザリーが叫ぶ。しかしエスタークの頭の中にはロザリーが無事でいてくれる事が最優先だった。
「分かった。ゲマ、その剣を渡せ。」
ゲマは笑いながら覇王の剣を渡す。
「向こうにある一筋の光は旅の扉と呼ばれるものです。あの場所から地上に出ることが出来ます。
ダイを地上で抹殺して下さい。おほほほほ。」
エスタークはゲマの嘲笑を背に受けながら旅の扉に向け、走り出した。
「中々芝居が上手くなりましたね、ジャミ。」
「お褒めに預かりまして光栄でございます。」
ロザリーは突如馬人の様な姿になる。
「八千年経って容姿の変わらない生物等居る訳もないのに、簡単に騙されるものですね。おほほほほ。」
ゲマの嘲笑はエスタークには聞こえていなかった。何故なら彼は既に地上に飛び立っていたのだから。
地上に到着したエスタークは早速飛翔呪文でダイを探す。
右手には先程ゲマに手渡された覇王の剣を持っていた。
「ダイ、俺はお前には恨みはない、だがお前を殺さなければロザリーはゲマとやらに殺されるんだ。」
エスタークは下唇を噛み歯がゆい気持ちで辺りを見回した。
偶然にもテラン周辺に辿りついていた彼はダイを見つけてしまう。
エスタークはダイの前に降りる。
「あ、エスターク!!無事だったんだ。良かったー!どうやってここまで来れたの!?」
ダイは特に警戒心も持たずエスタークに近づく。その瞬間をエスタークは逃さなかった。
エスタークは覇王の剣を振り上げ、ダイに斬りかかる。ダイは間一髪避ける事に成功する。
「ど、どうしたんだよ!!?」
ダイの質問に答える素振りも見せずエスタークは斬りかかる。
『ダイ、本当に生きていたのか・・・良かった。だが俺はお前を殺さなければならない。
許してくれ!!!ダイ!!!!!」
エスタークは表情も変えずに斬りかかり、ダイはそれを上手くかわす。
『何でいきなりエスタークが襲いかかって来るんだ!?」
一切の事情を知らないダイはただただ戸惑うばかりだった。
ダイも剣を抜き身構える。
エスタークも攻撃の手を止め、迎撃態勢に入る。
「大地斬!!」
「ふふふ、微かにだが覚えているぞ、初めて出会った時もお前はその技で俺との戦いを始めたんだ。」
エスタークの声は少し震えている。
エスタークとダイは真っ向からぶつかった。
二人は剣を交差したまま動かなかった。
エスタークの剣は大地斬の衝撃にも軽く耐えられる程の強度を誇っていた。
二人はその場から離れ、そのまま向かい合う。
二人とも剣を相手に向けたまま動こうとはしない。
否、正確には動けなかったのだ。一歩踏み出した瞬間に相手を斬る。二人は動いていなくとも”先”を取り合っていた。
二人の間に涼やかな風が吹く。刻一刻と時間は過ぎ・・・先に動いたのはダイ、彼は海波斬を放つ。
エスタークはその技に入る一瞬の隙を逃さず突いてくる。
しかしダイのセンスも半端ではない。攻撃を紙一重でかわし、更に攻撃を返す。
二人の闘いは実力が限りなく近いが、それ故に攻めあぐねていた。
それでも、片や相手を殺す気で闘うエスタークとそうではないダイとではそのせめぎ合いも崩れる事になる。
今度はエスタークがダイに斬りかかり、ダイはまたそれをかわす。するとエスタークは突然近くにあった木を切り倒す。
一瞬ダイが木に視線を向けていると、エスタークはダイに火炎斬りで斬りかかる。
見事にダイに直撃し、更に木が倒れこむ。ダイは下敷きになったかの様に見えた。
「すまない。だが、こうするしかなかったんだ・・・」
エスタークは倒れた木を背にした。
「やっぱり・・・理由があったんだね?」
エスタークが振り向く、その先にはダイが立っている。
「ば、バカな!!」
ダイは間一髪木が倒れこむのを避けていた。(例え当たっていても無事だとは思うが。)
「なんで俺と闘おうとしたのか教えてくれないか!?」
しかしエスタークも後には引けなかった。闘気を解放させダイに襲いかかる。
それに応じてダイも竜闘気を解放させた。
ダイVSエスターク、二人の戦いに間もなく終わりが近付こうとしている。
右手には先程ゲマに手渡された覇王の剣を持っていた。
「ダイ、俺はお前には恨みはない、だがお前を殺さなければロザリーはゲマとやらに殺されるんだ。」
エスタークは下唇を噛み歯がゆい気持ちで辺りを見回した。
偶然にもテラン周辺に辿りついていた彼はダイを見つけてしまう。
エスタークはダイの前に降りる。
「あ、エスターク!!無事だったんだ。良かったー!どうやってここまで来れたの!?」
ダイは特に警戒心も持たずエスタークに近づく。その瞬間をエスタークは逃さなかった。
エスタークは覇王の剣を振り上げ、ダイに斬りかかる。ダイは間一髪避ける事に成功する。
「ど、どうしたんだよ!!?」
ダイの質問に答える素振りも見せずエスタークは斬りかかる。
『ダイ、本当に生きていたのか・・・良かった。だが俺はお前を殺さなければならない。
許してくれ!!!ダイ!!!!!」
エスタークは表情も変えずに斬りかかり、ダイはそれを上手くかわす。
『何でいきなりエスタークが襲いかかって来るんだ!?」
一切の事情を知らないダイはただただ戸惑うばかりだった。
ダイも剣を抜き身構える。
エスタークも攻撃の手を止め、迎撃態勢に入る。
「大地斬!!」
「ふふふ、微かにだが覚えているぞ、初めて出会った時もお前はその技で俺との戦いを始めたんだ。」
エスタークの声は少し震えている。
エスタークとダイは真っ向からぶつかった。
二人は剣を交差したまま動かなかった。
エスタークの剣は大地斬の衝撃にも軽く耐えられる程の強度を誇っていた。
二人はその場から離れ、そのまま向かい合う。
二人とも剣を相手に向けたまま動こうとはしない。
否、正確には動けなかったのだ。一歩踏み出した瞬間に相手を斬る。二人は動いていなくとも”先”を取り合っていた。
二人の間に涼やかな風が吹く。刻一刻と時間は過ぎ・・・先に動いたのはダイ、彼は海波斬を放つ。
エスタークはその技に入る一瞬の隙を逃さず突いてくる。
しかしダイのセンスも半端ではない。攻撃を紙一重でかわし、更に攻撃を返す。
二人の闘いは実力が限りなく近いが、それ故に攻めあぐねていた。
それでも、片や相手を殺す気で闘うエスタークとそうではないダイとではそのせめぎ合いも崩れる事になる。
今度はエスタークがダイに斬りかかり、ダイはまたそれをかわす。するとエスタークは突然近くにあった木を切り倒す。
一瞬ダイが木に視線を向けていると、エスタークはダイに火炎斬りで斬りかかる。
見事にダイに直撃し、更に木が倒れこむ。ダイは下敷きになったかの様に見えた。
「すまない。だが、こうするしかなかったんだ・・・」
エスタークは倒れた木を背にした。
「やっぱり・・・理由があったんだね?」
エスタークが振り向く、その先にはダイが立っている。
「ば、バカな!!」
ダイは間一髪木が倒れこむのを避けていた。(例え当たっていても無事だとは思うが。)
「なんで俺と闘おうとしたのか教えてくれないか!?」
しかしエスタークも後には引けなかった。闘気を解放させダイに襲いかかる。
それに応じてダイも竜闘気を解放させた。
ダイVSエスターク、二人の戦いに間もなく終わりが近付こうとしている。