ベンガーナ王国で世界会議が開かれ、ロモス リンガイア カール パプニカの国々が顔を出した。
しかしパプニカでは信頼の置ける王女レオナが不在、カール王国のアバンもいないので会議は困難を極めた。
「どうすればいいのかしら?」
前回はレオナやダイの活躍で各国の王も団結したが良き指導者がいないという事実にマァムも頭を痛めた。
そんな中クルテマッカ七世が発言する。
「ベンガーナはこんなこともあろうかと新たな兵器の導入に着手していたのだ。
それがアバン殿の発案した魔弾銃なるものを基本とした戦闘機と戦車だ!」
「確かに魔法攻撃の出来る軍隊なら、少なからず抵抗は出来るが、向こうは冥竜王ヴェルザーの主力部隊が相手だ。
圧倒的な戦力を持った者がいなければ到底魔界の魔物達には及ばない。」
実際に大魔宮で魔界のモンスターと死闘を演じたヒュンケルには俄仕込みの魔法軍隊が通じるとは思えなかった。
「その点は心配ございません。私どもの軍事力と魔力は某コールには劣りますが大抵の敵は一瞬で崩せます。」
冷や汗を掻きながら話すアキームに自信は感じられない。
「その会議、僕も混ぜてもらおうかな?」
会議室出入り口には信じられない者がいた。
「キルバーン!!?」
「いや、私はキルバーンではございません、黒の核晶もありませんしね。」
物腰が穏やかな所はキルバーンの面影を感じさせる。
「この人形を操っているのは誰?いたらまた私が倒すわ!」
マァムは辺りを見回す。しかし人形の周りには怪しい者はいない。
「こういう場合、考えられる事は一つしかねえ。あの人形後ろが少し出張ってるだろ?
あの人形の中に本体がいる。十中八九ポップは見たくねえだろうがな。」
マトリフは微笑を浮かべながら話す。
「くくく・・・」
人形は怪しげに笑う。
「今日は大事な用があってきたんですよ。」
「大事な用だと?」
「ええ、この人形は戦闘をする為に作ったものではないのですよ。」
「だったら一体何の為に?」
メルルが質問するや否や人形は光り出す。光の中からはマァム メルルには忘れられない人物が出てきた。
「開会宣言じゃん♪」
言い残すとカンクロウは穴を造り入っていく。
「待ちなさい!!」
マァムはカンクロウの後を追い穴の中へ入っていく。
「待て!マァム!!」
ヒュンケル達が動いた時には既に遅く、穴の中からランガーやオーがキング、ゴールデンゴーレム等が湧き出てくる。
メルルは急いで王達を避難させる。
「マァムさんをどうしたんだ!!」
突如穴から出てきた魔物にチウが怒鳴り付ける。
「ああ、いきなり魔界に来た女だな?俺達は地上に乗り込むようにカンクロウさんに言われてるんでね。
女は今頃カンクロウさんに返り討ちにされるか迷い込んだんじゃねえか?」
下卑た笑いを浮かべるゴールデンゴーレムにチウはキレた。
「ふ、ふざけるなあ!!!!」
チウがゴールデンゴーレムに襲い掛かる。
「窮鼠文文拳!!!」
床に沈められたチウに唾を掛けてモンスター達が詰め寄る。
気絶しているチウに獣王遊撃隊が近付く。
「心配ない、これくらい何度も経験しているさ。」
強がって見せるがやはりダメージは大きい。
「無理をするなチウ!」
クロコダインがチウの方向を向いた瞬間、ランガーがクロコダインを蹴り飛ばす。
「く、中々やるな。ならばこれはどうだ?獣王会心撃!!」
「ぐああ!!」
ランガーはカウンター気味に食らったので避けられず直撃した。
「何故こんなにも人数が少ない?一体ヴェルザーは何を考えている?」
ヒュンケルの問いにオーがキングの一匹が答える。
「戦力になりそうな人間がいないと聞いていたからな。これだけで十分だろう?」
「なめられたものだな。」
ヒュンケルは両手を交差した。
「やめてヒュンケル!!その技だけは!!!」
エイミが涙を流して訴える。
「貴方は例え闘えなくともアバンの使途の長兄なのです。ここでグランドクルスを使うのはとても危険な行為よ。」
フローラも必死でヒュンケルを説得するが彼の決意は固い。
「俺は死ぬつもりはない。信じてくれ。」
「ヒュンケル、ヒュンケルーーー!!!」
エイミが叫ぶ。しかしヒュンケルはエイミの叫びを聞き入れない。
「グランドクルス!!!!!!」
「な、なんだこの光は!!」
瞬く間に魔物達は光に包まれ、消滅した。
「ヒュ、ヒュンケルーー!!!」
エイミが急いでヒュンケルの元へ近づく。幸いヒュンケルは無事だったが無理なグランドクルスの発動で、
両腕と腰にかけて、夥しい程の血を流していた。
気がつけば穴は塞がっていた。
~天界~
「あれ、ここはどこだ?俺、確かダークドレアムに斬られて・・・」
「ようやく目を覚ましましたか?」
ダイが目を開けたそこには理想郷の様な世界だった。
「あなたは誰?」
「私は世界樹の精霊、ルビスと申します。貴方に会って頂きたい方がいるのです。」
ルビスに連れられるままにダイは歩いた。
「ここは天界、今でこそこのような華やかな世界に見えるでしょうけれども”あの方”の予言では、
この天界が滅ぼされるかも知れないと危惧されています。」
「ここが天界!!?それに滅ぼされるかも知れないって。」
「着きました。」
二人の前には隻眼の老人が立っていた。
「私が神、オーディンだ。」
「神!!!」
驚くばかりのダイであった。
「そのように驚かなくともよい。既に君はこの私を遥かに超える力を持っているのだから。」
「一体どうして俺を天界に?」
「私の見た予言に、一人の竜の騎士が奇跡を起こすと出た。この先天地魔界は滅びの一途を辿るか、変革を起こすかの二つに一つしかない。」
オーディンはさらに語気を強める。
「私はバーンにさえ敵わぬ力しか持たぬ、そのうえ太古より生まれた”あの怪物”が解き放たれたら・・・世界は消滅する!!!」
ダイは話のスケールが大きすぎて訳が分からなくなった。
「それってダークドレアムのこと?俺はあいつに負けちゃってるからあいつを倒すなんて出来そうにないけど・・・」
「ダークドレアムも確かに脅威だが、私が言っているのは彼でもない。」
神の力を超えるバーンやダークドレアム、そしてさらに巨大な力を持つ怪物。
あまりにも次元の違う話となる気分である。
「その怪物ってなんなの?あなたは知っているんでしょ。」
「その名だけは口にしたくない。敢えていうなら奴のキーポイントは『忘れさせる』事が出来るということだ。
我々は”神々の過ち”呼んでいるがね。」
神の言葉にダイも固唾を飲み込んだ。
そして”彼”は最高神と勇者の語らいを見て微笑んでいた。
~魔界~
「ここにもいないわ。」
マァムは一人魔界にいた。
「どうしよう、一人で魔界に来ちゃって、皆はどうしているかしら?」
思い悩むマァムを好戦的なモンスター達が襲いかかる。
しかしマァムにとっては大した敵ではなかったのですぐに戦闘は終了したが。
「とりあえずどこか休める場所に行かなくちゃ。話はそれからだわ。」
マァムは一人魔界の道を歩きはじめた。
しかしパプニカでは信頼の置ける王女レオナが不在、カール王国のアバンもいないので会議は困難を極めた。
「どうすればいいのかしら?」
前回はレオナやダイの活躍で各国の王も団結したが良き指導者がいないという事実にマァムも頭を痛めた。
そんな中クルテマッカ七世が発言する。
「ベンガーナはこんなこともあろうかと新たな兵器の導入に着手していたのだ。
それがアバン殿の発案した魔弾銃なるものを基本とした戦闘機と戦車だ!」
「確かに魔法攻撃の出来る軍隊なら、少なからず抵抗は出来るが、向こうは冥竜王ヴェルザーの主力部隊が相手だ。
圧倒的な戦力を持った者がいなければ到底魔界の魔物達には及ばない。」
実際に大魔宮で魔界のモンスターと死闘を演じたヒュンケルには俄仕込みの魔法軍隊が通じるとは思えなかった。
「その点は心配ございません。私どもの軍事力と魔力は某コールには劣りますが大抵の敵は一瞬で崩せます。」
冷や汗を掻きながら話すアキームに自信は感じられない。
「その会議、僕も混ぜてもらおうかな?」
会議室出入り口には信じられない者がいた。
「キルバーン!!?」
「いや、私はキルバーンではございません、黒の核晶もありませんしね。」
物腰が穏やかな所はキルバーンの面影を感じさせる。
「この人形を操っているのは誰?いたらまた私が倒すわ!」
マァムは辺りを見回す。しかし人形の周りには怪しい者はいない。
「こういう場合、考えられる事は一つしかねえ。あの人形後ろが少し出張ってるだろ?
あの人形の中に本体がいる。十中八九ポップは見たくねえだろうがな。」
マトリフは微笑を浮かべながら話す。
「くくく・・・」
人形は怪しげに笑う。
「今日は大事な用があってきたんですよ。」
「大事な用だと?」
「ええ、この人形は戦闘をする為に作ったものではないのですよ。」
「だったら一体何の為に?」
メルルが質問するや否や人形は光り出す。光の中からはマァム メルルには忘れられない人物が出てきた。
「開会宣言じゃん♪」
言い残すとカンクロウは穴を造り入っていく。
「待ちなさい!!」
マァムはカンクロウの後を追い穴の中へ入っていく。
「待て!マァム!!」
ヒュンケル達が動いた時には既に遅く、穴の中からランガーやオーがキング、ゴールデンゴーレム等が湧き出てくる。
メルルは急いで王達を避難させる。
「マァムさんをどうしたんだ!!」
突如穴から出てきた魔物にチウが怒鳴り付ける。
「ああ、いきなり魔界に来た女だな?俺達は地上に乗り込むようにカンクロウさんに言われてるんでね。
女は今頃カンクロウさんに返り討ちにされるか迷い込んだんじゃねえか?」
下卑た笑いを浮かべるゴールデンゴーレムにチウはキレた。
「ふ、ふざけるなあ!!!!」
チウがゴールデンゴーレムに襲い掛かる。
「窮鼠文文拳!!!」
床に沈められたチウに唾を掛けてモンスター達が詰め寄る。
気絶しているチウに獣王遊撃隊が近付く。
「心配ない、これくらい何度も経験しているさ。」
強がって見せるがやはりダメージは大きい。
「無理をするなチウ!」
クロコダインがチウの方向を向いた瞬間、ランガーがクロコダインを蹴り飛ばす。
「く、中々やるな。ならばこれはどうだ?獣王会心撃!!」
「ぐああ!!」
ランガーはカウンター気味に食らったので避けられず直撃した。
「何故こんなにも人数が少ない?一体ヴェルザーは何を考えている?」
ヒュンケルの問いにオーがキングの一匹が答える。
「戦力になりそうな人間がいないと聞いていたからな。これだけで十分だろう?」
「なめられたものだな。」
ヒュンケルは両手を交差した。
「やめてヒュンケル!!その技だけは!!!」
エイミが涙を流して訴える。
「貴方は例え闘えなくともアバンの使途の長兄なのです。ここでグランドクルスを使うのはとても危険な行為よ。」
フローラも必死でヒュンケルを説得するが彼の決意は固い。
「俺は死ぬつもりはない。信じてくれ。」
「ヒュンケル、ヒュンケルーーー!!!」
エイミが叫ぶ。しかしヒュンケルはエイミの叫びを聞き入れない。
「グランドクルス!!!!!!」
「な、なんだこの光は!!」
瞬く間に魔物達は光に包まれ、消滅した。
「ヒュ、ヒュンケルーー!!!」
エイミが急いでヒュンケルの元へ近づく。幸いヒュンケルは無事だったが無理なグランドクルスの発動で、
両腕と腰にかけて、夥しい程の血を流していた。
気がつけば穴は塞がっていた。
~天界~
「あれ、ここはどこだ?俺、確かダークドレアムに斬られて・・・」
「ようやく目を覚ましましたか?」
ダイが目を開けたそこには理想郷の様な世界だった。
「あなたは誰?」
「私は世界樹の精霊、ルビスと申します。貴方に会って頂きたい方がいるのです。」
ルビスに連れられるままにダイは歩いた。
「ここは天界、今でこそこのような華やかな世界に見えるでしょうけれども”あの方”の予言では、
この天界が滅ぼされるかも知れないと危惧されています。」
「ここが天界!!?それに滅ぼされるかも知れないって。」
「着きました。」
二人の前には隻眼の老人が立っていた。
「私が神、オーディンだ。」
「神!!!」
驚くばかりのダイであった。
「そのように驚かなくともよい。既に君はこの私を遥かに超える力を持っているのだから。」
「一体どうして俺を天界に?」
「私の見た予言に、一人の竜の騎士が奇跡を起こすと出た。この先天地魔界は滅びの一途を辿るか、変革を起こすかの二つに一つしかない。」
オーディンはさらに語気を強める。
「私はバーンにさえ敵わぬ力しか持たぬ、そのうえ太古より生まれた”あの怪物”が解き放たれたら・・・世界は消滅する!!!」
ダイは話のスケールが大きすぎて訳が分からなくなった。
「それってダークドレアムのこと?俺はあいつに負けちゃってるからあいつを倒すなんて出来そうにないけど・・・」
「ダークドレアムも確かに脅威だが、私が言っているのは彼でもない。」
神の力を超えるバーンやダークドレアム、そしてさらに巨大な力を持つ怪物。
あまりにも次元の違う話となる気分である。
「その怪物ってなんなの?あなたは知っているんでしょ。」
「その名だけは口にしたくない。敢えていうなら奴のキーポイントは『忘れさせる』事が出来るということだ。
我々は”神々の過ち”呼んでいるがね。」
神の言葉にダイも固唾を飲み込んだ。
そして”彼”は最高神と勇者の語らいを見て微笑んでいた。
~魔界~
「ここにもいないわ。」
マァムは一人魔界にいた。
「どうしよう、一人で魔界に来ちゃって、皆はどうしているかしら?」
思い悩むマァムを好戦的なモンスター達が襲いかかる。
しかしマァムにとっては大した敵ではなかったのですぐに戦闘は終了したが。
「とりあえずどこか休める場所に行かなくちゃ。話はそれからだわ。」
マァムは一人魔界の道を歩きはじめた。