「おやおや、また人間がこの村に来なさったんですね。」
一人の気の優しそうな初老の魔族がポップ達に話しかけた。
「一月ほど前にも人間がいらっしゃいましたね、最近魔界に来る人間が増えているんでしょうか?」
その言葉に半死半生だったポップが立ち上がった。
「おいおっさん!その人間って誰だ!もしかしてダイって奴じゃねえだろうな!?」
「おや、知り合いかい?もしそうなら長老達の方が詳しく知っているから、
話を聞いてみるといい。」
四人は早速長老の家に向かった。
「ここが長老の家か、やっぱりでかいな。」
ポップが豪邸の大きさに舌を巻いていると中から、一人の女性が出てきた。
「あれ、人間がこの村に何の様なの?」
「俺達は仲間達を探しに来たんです。それでこの村にダイが来たって事を聞いて・・・」
「ダイ!?」
「ダイ君を知っているのですか?」
アバンの質問に女性は答えた。
「知っているも何も私はダイに命を救われた様な物なのよ。」
女性の言葉に一同は騒然とした。
「とりあえず上がって、と言っても私の家じゃないけど。
私の名前はレイラっていうんだ。」
四人はレイラと共に長老の部屋に来た。
「・・・というわけなのですが。」
一通りの説明も終わり、ダイに関する手掛かりを聞いたが、特に意味はなかった。
「村を救った後、すぐにこの村を去って行ったよ。まだ魔界にいるとは思うがの。」
「どこに行くかとか聞いてなかったのか?」
ポップが詰め寄って話を聞いても答えは同じ、結局長老の家で泊まることになった。
~天界~
「ああ、まさかアルテミスが殺されてしまうなんて・・・」
天界に住む精霊ルビス、彼女は精霊達の中でも特に強い力を持ち、ヴェルザー封印の際にはその能力をふんだんに発揮し、
ヴェルザーを封印した。
大いなる力を持つ彼女は、太古から世界樹の化身として人々に崇められていた。
しかし、その彼女をして同胞アルテミスを殺した男に恐怖した。
復讐の二文字が霞んで消えてしまうほどに。
「ある意味ではその少年とやらはヴェルザー以上に恐ろしい存在かも知れぬ、しかしルビスよ、
魔界にはそれ以上に危険な者がいることを忘れるな。あの怪物が世に放たれた瞬間、三界は跡形もなく消滅するだろう。」
ルビスの背後に立つ年老いた隻眼の男、その姿を見るや、ルビスは敬服していた。
「最高神・・・オーディン様!」
「今回の事件は流石に精霊や地上に居る者達で解決出来る可能性は皆無、
竜の騎士の成長と共に悪も進化し続けている。このままでは、何かの拍子に・・・」
オーディンはそれ以上口を開かなかった。ルビスにもその意図は分かっていた。
そしてその二人を遠くから傍観していた者が一人、
「フフフフ。」
一見安泰に見える天界、だが近い先、この華やかな世界に絶望の炎が降り注ぐ。
~地上~
地上に残った戦士達はベンガーナへ向かった。
かつて大魔王バーンとの戦いの時尽力を尽くすと誓ったクルテマッカ七世に応援を頼むためだった。
レオナがいない今、戦士達の出来る最良の方法とはもう一度地上の連合を造り、いつ来てもおかしくない魔界の生物達に立ち向かうことだった。
「しかし、レオナ姫のいない今、諸国が力を貸すというのは確率としては低すぎると思うが。」
クロコダインの言葉にヒュンケルが答えた。
「らしくないぞクロコダイン、それでも獣王のセリフか?姫が言っていただろう、
大きな奇跡を起こす時に小さな奇跡を起こすことが出来なければどうする、と。
「はは、そうだった。俺も知らぬ間にヤキが回ったか。」
「さあ、ベンガーナが見えてきたぞい。」
何故かバダックが先陣を切っていた。
~魔界~
「地上に出る所はないのかな~、どれくらいここにいるんだろう。」
「少なくとも俺と旅を始めてからは一か月は経っている。」
ダイとエスタークは地上に向かい旅を続けていたが、自分自身何故魔界に来たのか分からないダイと魔界から出たことのないエスタークが、
そう簡単に出口を見つけられる筈がなかった。
そしてそんな二人の後をつけている者がいた。
ザボエラの兄にして狡猾な邪教の神官、エビルプリーストである。
そして接近に気付かない程鈍い二人ではない、エビルプリーストの奇襲を察知した。
「しつこいな、なんで俺達に付きまとうんだ!」
ダイの言葉に耳も貸さずエビルプリーストはイオナズンを放った。
「お前たちに生きていられると私の計画が危うくなる、よってお前たちをここで殺すことにした。」
気がつけば辺りは魔界のモンスターで埋め尽くされていた。
「ち、いきなりこれか。」
二人は剣を抜き、構えた。が、次の瞬間敵にとって予想だにしないことが起こった。
モンスター達が一斉に飛び掛かった、がその先に二人はいなかった。
二人は飛翔呪文(トベルーラ)で移動していったのである。
「まあ、無理に追うこともないだろう、どうせダークドレアムが奴等を始末するだろうからな。」
目上の者が近くにいなければ平気で呼び捨てにする所も弟と同じだった。
「まだ飛べるか?ダイ!」
「そっちこそ大丈夫なのか?」
二人は相当な距離を飛び、近くの丘で降りた。
「ここまでくれば、追ってくることもないだろう。」
しかし、その様な逃走も虚しく、二人はさらなる絶望に晒されるのである。
「エビルプリーストめ、世話を焼かせおって。」
「ば、ばかな・・・」
エスタークにとっては恐怖の塊、そして憎むべき相手、ダークドレアムが二人の前に姿を現した。
「く、くそ!!」
エスタークが剣を振り上げた瞬間ダイに突き飛ばされた。
「ダイ、お前。」
ダイとダークドレアムは向かい合っている。
「すまないが、今回は褒美はないぞ。私はお前たちを殺さなければならないのでな。」
「そんなこと、させるか!!」
ダイとダークドレアムは空中で激突した。
一人の気の優しそうな初老の魔族がポップ達に話しかけた。
「一月ほど前にも人間がいらっしゃいましたね、最近魔界に来る人間が増えているんでしょうか?」
その言葉に半死半生だったポップが立ち上がった。
「おいおっさん!その人間って誰だ!もしかしてダイって奴じゃねえだろうな!?」
「おや、知り合いかい?もしそうなら長老達の方が詳しく知っているから、
話を聞いてみるといい。」
四人は早速長老の家に向かった。
「ここが長老の家か、やっぱりでかいな。」
ポップが豪邸の大きさに舌を巻いていると中から、一人の女性が出てきた。
「あれ、人間がこの村に何の様なの?」
「俺達は仲間達を探しに来たんです。それでこの村にダイが来たって事を聞いて・・・」
「ダイ!?」
「ダイ君を知っているのですか?」
アバンの質問に女性は答えた。
「知っているも何も私はダイに命を救われた様な物なのよ。」
女性の言葉に一同は騒然とした。
「とりあえず上がって、と言っても私の家じゃないけど。
私の名前はレイラっていうんだ。」
四人はレイラと共に長老の部屋に来た。
「・・・というわけなのですが。」
一通りの説明も終わり、ダイに関する手掛かりを聞いたが、特に意味はなかった。
「村を救った後、すぐにこの村を去って行ったよ。まだ魔界にいるとは思うがの。」
「どこに行くかとか聞いてなかったのか?」
ポップが詰め寄って話を聞いても答えは同じ、結局長老の家で泊まることになった。
~天界~
「ああ、まさかアルテミスが殺されてしまうなんて・・・」
天界に住む精霊ルビス、彼女は精霊達の中でも特に強い力を持ち、ヴェルザー封印の際にはその能力をふんだんに発揮し、
ヴェルザーを封印した。
大いなる力を持つ彼女は、太古から世界樹の化身として人々に崇められていた。
しかし、その彼女をして同胞アルテミスを殺した男に恐怖した。
復讐の二文字が霞んで消えてしまうほどに。
「ある意味ではその少年とやらはヴェルザー以上に恐ろしい存在かも知れぬ、しかしルビスよ、
魔界にはそれ以上に危険な者がいることを忘れるな。あの怪物が世に放たれた瞬間、三界は跡形もなく消滅するだろう。」
ルビスの背後に立つ年老いた隻眼の男、その姿を見るや、ルビスは敬服していた。
「最高神・・・オーディン様!」
「今回の事件は流石に精霊や地上に居る者達で解決出来る可能性は皆無、
竜の騎士の成長と共に悪も進化し続けている。このままでは、何かの拍子に・・・」
オーディンはそれ以上口を開かなかった。ルビスにもその意図は分かっていた。
そしてその二人を遠くから傍観していた者が一人、
「フフフフ。」
一見安泰に見える天界、だが近い先、この華やかな世界に絶望の炎が降り注ぐ。
~地上~
地上に残った戦士達はベンガーナへ向かった。
かつて大魔王バーンとの戦いの時尽力を尽くすと誓ったクルテマッカ七世に応援を頼むためだった。
レオナがいない今、戦士達の出来る最良の方法とはもう一度地上の連合を造り、いつ来てもおかしくない魔界の生物達に立ち向かうことだった。
「しかし、レオナ姫のいない今、諸国が力を貸すというのは確率としては低すぎると思うが。」
クロコダインの言葉にヒュンケルが答えた。
「らしくないぞクロコダイン、それでも獣王のセリフか?姫が言っていただろう、
大きな奇跡を起こす時に小さな奇跡を起こすことが出来なければどうする、と。
「はは、そうだった。俺も知らぬ間にヤキが回ったか。」
「さあ、ベンガーナが見えてきたぞい。」
何故かバダックが先陣を切っていた。
~魔界~
「地上に出る所はないのかな~、どれくらいここにいるんだろう。」
「少なくとも俺と旅を始めてからは一か月は経っている。」
ダイとエスタークは地上に向かい旅を続けていたが、自分自身何故魔界に来たのか分からないダイと魔界から出たことのないエスタークが、
そう簡単に出口を見つけられる筈がなかった。
そしてそんな二人の後をつけている者がいた。
ザボエラの兄にして狡猾な邪教の神官、エビルプリーストである。
そして接近に気付かない程鈍い二人ではない、エビルプリーストの奇襲を察知した。
「しつこいな、なんで俺達に付きまとうんだ!」
ダイの言葉に耳も貸さずエビルプリーストはイオナズンを放った。
「お前たちに生きていられると私の計画が危うくなる、よってお前たちをここで殺すことにした。」
気がつけば辺りは魔界のモンスターで埋め尽くされていた。
「ち、いきなりこれか。」
二人は剣を抜き、構えた。が、次の瞬間敵にとって予想だにしないことが起こった。
モンスター達が一斉に飛び掛かった、がその先に二人はいなかった。
二人は飛翔呪文(トベルーラ)で移動していったのである。
「まあ、無理に追うこともないだろう、どうせダークドレアムが奴等を始末するだろうからな。」
目上の者が近くにいなければ平気で呼び捨てにする所も弟と同じだった。
「まだ飛べるか?ダイ!」
「そっちこそ大丈夫なのか?」
二人は相当な距離を飛び、近くの丘で降りた。
「ここまでくれば、追ってくることもないだろう。」
しかし、その様な逃走も虚しく、二人はさらなる絶望に晒されるのである。
「エビルプリーストめ、世話を焼かせおって。」
「ば、ばかな・・・」
エスタークにとっては恐怖の塊、そして憎むべき相手、ダークドレアムが二人の前に姿を現した。
「く、くそ!!」
エスタークが剣を振り上げた瞬間ダイに突き飛ばされた。
「ダイ、お前。」
ダイとダークドレアムは向かい合っている。
「すまないが、今回は褒美はないぞ。私はお前たちを殺さなければならないのでな。」
「そんなこと、させるか!!」
ダイとダークドレアムは空中で激突した。