絶望が支配するこの時代よりも、ほんの少しだけ希望が持てる時代があってもよいので
はないか。
わずかな望みを母が作ったタイムマシンに託し、トランクスは旅立った。
しかし、過去に向かうはずであったトランクスは予期せぬ災難に遭遇する。
「──ん? 小さな気が感じられる……」
直後、凄まじい衝撃がタイムマシンを包み込んだ。
「な、なんだ!?」
あっけなくタイムマシンは大破。超サイヤ人といえども時空相手ではなすすべなく、ト
ランクスは生身で時空の渦に吸い込まれてしまった。
「うっ、うわあぁぁぁぁっ!」
はないか。
わずかな望みを母が作ったタイムマシンに託し、トランクスは旅立った。
しかし、過去に向かうはずであったトランクスは予期せぬ災難に遭遇する。
「──ん? 小さな気が感じられる……」
直後、凄まじい衝撃がタイムマシンを包み込んだ。
「な、なんだ!?」
あっけなくタイムマシンは大破。超サイヤ人といえども時空相手ではなすすべなく、ト
ランクスは生身で時空の渦に吸い込まれてしまった。
「うっ、うわあぁぁぁぁっ!」
──目を覚ますと、まず木目模様の天井が目に映った。
「あっ、起きたよ!」
「よかった、お医者さんごっこカバンのおかげだ」
時空の渦に呑まれたトランクスを救助し、介抱していたのは、眼鏡をかけた少年と、青
い丸々としたロボットだった。
「う……き、君たちは……? あとここはいったい……?」
「ぼくは野比のび太、ここはぼくの家だよ」
「ぼく、ドラえもんです」
「そうか、どうもありがとう。ところで俺はどうしてここに……」
のび太が申し訳なさそうにいった。
「実は、ぼくたちのタイムマシンとお兄さんのタイムマシンがぶつかっちゃったんです」
「え? 君たちもタイムマシンを!?」
ドラえもんがのび太を横目でにらみながら、説明する。
「ぼくのタイムマシンは安全装置があるから他のタイムマシンとぶつかることなんてまず
ないんだけど、のび太君が無茶な運転をするから……」
「なんだと! 君の道具がポンコツだからいけないんじゃないか!」
「ポンコツだって?!」
喧嘩が始まると面倒なので、すかさずなだめるトランクス。
「まあまあ二人とも、とにかく助けてくれたことには感謝するよ。しかし、いつまでもこ
うしているわけにもいかないな……」
「どういうことです?」
身を乗り出すドラえもんとのび太。
二人から邪悪な気は感じられない(といっても、ドラえもんに気はないが)と判断した
トランクスは、身の上を全て打ち明けた。人造人間の殺戮、師匠の死、そしてタイムマシ
ンで過去に向かっていた理由を──。
激怒するドラえもんと、号泣するのび太。
「なんてひどい話なんだ! ぼくは人造人間じゃなくてロボットだけど許せない!」
「うわぁ~ん! ごめんなさい~! そんな大切なタイムマシンを壊してちゃってぇ~!」
「いや、仕方ないよ。わざとじゃないんだし」
二人を心配させないため、気にしない素振りをするトランクスだが、内心おだやかでは
なかった。もしこのまま戻れなければ、心臓病の薬を悟空に渡すことはできず、絶望の時
代を繰り返すはめになる。母とていつまでも人造人間の襲撃から逃れられないだろう。
「そうだっ!」
突如、ドラえもんの頭上に電球が浮かび上がった。驚くトランクスとのび太。
「トランクスさん、ぼくたちがなんとかしましょう!」
「……え?」
「あっ、起きたよ!」
「よかった、お医者さんごっこカバンのおかげだ」
時空の渦に呑まれたトランクスを救助し、介抱していたのは、眼鏡をかけた少年と、青
い丸々としたロボットだった。
「う……き、君たちは……? あとここはいったい……?」
「ぼくは野比のび太、ここはぼくの家だよ」
「ぼく、ドラえもんです」
「そうか、どうもありがとう。ところで俺はどうしてここに……」
のび太が申し訳なさそうにいった。
「実は、ぼくたちのタイムマシンとお兄さんのタイムマシンがぶつかっちゃったんです」
「え? 君たちもタイムマシンを!?」
ドラえもんがのび太を横目でにらみながら、説明する。
「ぼくのタイムマシンは安全装置があるから他のタイムマシンとぶつかることなんてまず
ないんだけど、のび太君が無茶な運転をするから……」
「なんだと! 君の道具がポンコツだからいけないんじゃないか!」
「ポンコツだって?!」
喧嘩が始まると面倒なので、すかさずなだめるトランクス。
「まあまあ二人とも、とにかく助けてくれたことには感謝するよ。しかし、いつまでもこ
うしているわけにもいかないな……」
「どういうことです?」
身を乗り出すドラえもんとのび太。
二人から邪悪な気は感じられない(といっても、ドラえもんに気はないが)と判断した
トランクスは、身の上を全て打ち明けた。人造人間の殺戮、師匠の死、そしてタイムマシ
ンで過去に向かっていた理由を──。
激怒するドラえもんと、号泣するのび太。
「なんてひどい話なんだ! ぼくは人造人間じゃなくてロボットだけど許せない!」
「うわぁ~ん! ごめんなさい~! そんな大切なタイムマシンを壊してちゃってぇ~!」
「いや、仕方ないよ。わざとじゃないんだし」
二人を心配させないため、気にしない素振りをするトランクスだが、内心おだやかでは
なかった。もしこのまま戻れなければ、心臓病の薬を悟空に渡すことはできず、絶望の時
代を繰り返すはめになる。母とていつまでも人造人間の襲撃から逃れられないだろう。
「そうだっ!」
突如、ドラえもんの頭上に電球が浮かび上がった。驚くトランクスとのび太。
「トランクスさん、ぼくたちがなんとかしましょう!」
「……え?」
トランクスが乗っていたものとちがい、ドラえもんのタイムマシンは全くの無傷だった。
三人はタイムマシンの空間移動と時間移動の機能を併用し、無事トランクス出身の地球の
未来に戻ることができた。
恐るべき人造人間、17号と18号は狂時機で時間を止めている間にスモールライトで
縮小させ、デラックスライトを浴びて超サイヤ人2になったトランクスによってあっけな
く消滅させた。
ついでにまだ悟空が生きていた時代に向かいフリーザを倒し、心臓病の薬も渡した。助
っ人に向かったトランクスはさすがに自分があまり活躍してはまずいと本能的に悟ったの
か、適当に手を抜きながらも犠牲を防ぎ、みごと悟飯が完全体セルを撃破した。
父にジャストホンネを飲ませ、うとましがりながらも心の奥底では母と自分を愛してい
てくれたことを知ることができ、トランクスはうっすら涙を流した。
元の時代でもセルを始末すると、ドラえもんたちは未来の道具を駆使して瞬く間に都を
再建させ、人造人間に殺された者も全員蘇らせた。
いよいよトランクスとドラえもんたちとの別れの時が来た。
「ありがとう、二人とも。でもなんだか釈然としないんだよな……本当にこれでいいのか
という気持ちが取れない……」
「じゃあこれで」
のび太はワスレンボーをトランクスの頭に当てた。トランクスから二人の記憶は消え去
った。
「ん? 君たちはいったい……? おっとまずい、今日は父さんの修業につき合う約束だ
った!」
意気揚々と、猛スピードで飛び立つトランクス。
三人はタイムマシンの空間移動と時間移動の機能を併用し、無事トランクス出身の地球の
未来に戻ることができた。
恐るべき人造人間、17号と18号は狂時機で時間を止めている間にスモールライトで
縮小させ、デラックスライトを浴びて超サイヤ人2になったトランクスによってあっけな
く消滅させた。
ついでにまだ悟空が生きていた時代に向かいフリーザを倒し、心臓病の薬も渡した。助
っ人に向かったトランクスはさすがに自分があまり活躍してはまずいと本能的に悟ったの
か、適当に手を抜きながらも犠牲を防ぎ、みごと悟飯が完全体セルを撃破した。
父にジャストホンネを飲ませ、うとましがりながらも心の奥底では母と自分を愛してい
てくれたことを知ることができ、トランクスはうっすら涙を流した。
元の時代でもセルを始末すると、ドラえもんたちは未来の道具を駆使して瞬く間に都を
再建させ、人造人間に殺された者も全員蘇らせた。
いよいよトランクスとドラえもんたちとの別れの時が来た。
「ありがとう、二人とも。でもなんだか釈然としないんだよな……本当にこれでいいのか
という気持ちが取れない……」
「じゃあこれで」
のび太はワスレンボーをトランクスの頭に当てた。トランクスから二人の記憶は消え去
った。
「ん? 君たちはいったい……? おっとまずい、今日は父さんの修業につき合う約束だ
った!」
意気揚々と、猛スピードで飛び立つトランクス。
つらい未来を生きてきたトランクス──そしてブルマたちにやっと真の平和が訪れた。
そしてその平和は今後も大切にされていくだろう。トランクスがいる限り……。
そしてその平和は今後も大切にされていくだろう。トランクスがいる限り……。