AGITΩ』――『アギトの会』総本山にして最強のアギト、津上 翔一の運営するレストラン。
闇の力が恐れたアギトは、今や立派に実社会に馴染んでいた。
全人口の4分の1がアギトの力に目覚め、『アギトの会』は全世界に広がっていた。
アンノウンの居ない今、その力は人類の脅威になるかと思われたがそこまで人間は愚かではなかった。
全人口の4分の1がアギトの力に目覚め、『アギトの会』は全世界に広がっていた。
アンノウンの居ない今、その力は人類の脅威になるかと思われたがそこまで人間は愚かではなかった。
世界を救ったアギトでありながらレストランを経営する津上を頼る者は後を絶たず、
会員は増え続け最低でも県に一ヶ所は配備されている。
田舎では通会に不便なので市に一ヶ所にしろという要望も多く、配備される日は近い。
会員でないアギトの方が珍しい位だ。
会員は増え続け最低でも県に一ヶ所は配備されている。
田舎では通会に不便なので市に一ヶ所にしろという要望も多く、配備される日は近い。
会員でないアギトの方が珍しい位だ。
一億坪の広大な土地を耕すアギト達、スタミナといい腕力といい常人とは桁外れである彼等が集まれば、
荒れ果てた荒野も瞬く間に肥えた大地として蘇る、時に掘りすぎて原油や温泉が出るトラブルもある位だ。
ここで作られた作物の一部はレストランで使われ、残りは主に飢餓に苦しむ子どもたちの為に配送される。
荒れ果てた荒野も瞬く間に肥えた大地として蘇る、時に掘りすぎて原油や温泉が出るトラブルもある位だ。
ここで作られた作物の一部はレストランで使われ、残りは主に飢餓に苦しむ子どもたちの為に配送される。
ジェット機は未だ存在こそすれ、利用者は着々と減っていた。
自転車、自動二輪、トラック、果ては三輪車までアギトの力で空を飛び時速は350kを超える。
飛行機の類は残された一般人の為、小型高速化が進み大きい物は殆ど見なくなった。
公園の飛行機型の遊具もアギトの力で小型ジェットになる為に廃止された。
自転車、自動二輪、トラック、果ては三輪車までアギトの力で空を飛び時速は350kを超える。
飛行機の類は残された一般人の為、小型高速化が進み大きい物は殆ど見なくなった。
公園の飛行機型の遊具もアギトの力で小型ジェットになる為に廃止された。
最初はアギトの力を恐れる者も多かったが時間がそれを忘れさせた。
時として犯罪者にアギトの力が目覚める事もあったが、
一般のアギトが束になれば瞬時に拘束可能なので無意味だった。
時として犯罪者にアギトの力が目覚める事もあったが、
一般のアギトが束になれば瞬時に拘束可能なので無意味だった。
世界中の地雷を排除するアギト達、もちろんマインローラーもアギトの力で強化されている。
そういった物の操縦免許を持たない者は変身して歩く事で地雷を踏みつぶしていく。
一発二発なら余裕で耐えきれるので踏んだら交替という訳である。
危険な仕事の為に参加はボランティアなのだが、心優しきアギトの参加者は後を絶たない
『アギトの会』の会員となって必ずすべき事は料理の勉強だ。
芽キャベツ入りのショートケーキは避けて通れない道である。
おいしい料理を食べれば誰もが幸せになれる、この美しい精神が世間のアギトへの偏見を覆したのだ。
世界各地の貧困街には必ずと言っていいほどアギトが居る。
そして子供たちにおいしい料理を食べさせ、貧富の差に関係なく笑顔をもたらすのだ。
そういった物の操縦免許を持たない者は変身して歩く事で地雷を踏みつぶしていく。
一発二発なら余裕で耐えきれるので踏んだら交替という訳である。
危険な仕事の為に参加はボランティアなのだが、心優しきアギトの参加者は後を絶たない
『アギトの会』の会員となって必ずすべき事は料理の勉強だ。
芽キャベツ入りのショートケーキは避けて通れない道である。
おいしい料理を食べれば誰もが幸せになれる、この美しい精神が世間のアギトへの偏見を覆したのだ。
世界各地の貧困街には必ずと言っていいほどアギトが居る。
そして子供たちにおいしい料理を食べさせ、貧富の差に関係なく笑顔をもたらすのだ。
アギト達の作る余りにも美味な食べ物、アギトの異性を娶る人が多い理由はここにもあるのだろう。
性のスタイルでも男のロマンは『裸エプロン』から『アギトエプロン』になりつつある。
マニアックな域に入ると『ギルスエプロン』なる物も存在する。
どちらも変身した状態でエプロンをつけるだけとお手軽に出来るのでカップルに大人気。
女性の好みとしてはチョイ悪っぽいのでギルスという声も上がっている。
性のスタイルでも男のロマンは『裸エプロン』から『アギトエプロン』になりつつある。
マニアックな域に入ると『ギルスエプロン』なる物も存在する。
どちらも変身した状態でエプロンをつけるだけとお手軽に出来るのでカップルに大人気。
女性の好みとしてはチョイ悪っぽいのでギルスという声も上がっている。
また、深刻とされるエネルギー問題もアギト達の活躍で解決した。
バーニングフォーム変身免許を持つ者は熱エネルギーによる発電等を可能とする。
ただしこのフォームは暴走の危険性がある為、免許取得は困難である。
バーニングフォーム変身免許を持つ者は熱エネルギーによる発電等を可能とする。
ただしこのフォームは暴走の危険性がある為、免許取得は困難である。
こうして原子力は地中深くに封印されこの世から姿を消し、核の危険は消滅した。
更にアギトの力による放射性物質の分解等、研究は進んでおりいずれ掘り起こされ処分されるだろう。
更にアギトの力による放射性物質の分解等、研究は進んでおりいずれ掘り起こされ処分されるだろう。
貧困を救い、緑を守り、核の根絶へ向けて活動するアギト達。
その頂点に君臨する津上 翔一、感謝こそされど誰からも恨まれるような存在ではなかった。
その頂点に君臨する津上 翔一、感謝こそされど誰からも恨まれるような存在ではなかった。
ある日、そんな彼が殺害されるという歴史上に残る大事件が発生した。
アギト最強形体、シャイニングフォームに唯一変身可能である事から普段は護衛をつけていないのだ。
犯人はすぐに捕まった、自首したのだ。
加害者の名は『氷川 誠』、かつてG3と呼ばれる強化外骨格を身に纏ってアギトと共に世界を救った英雄。
勇敢な警官として警視庁に名を残し、G-3ユニットの後継ぎであるG-5では教習の教科書にも載っている。
アギト最強形体、シャイニングフォームに唯一変身可能である事から普段は護衛をつけていないのだ。
犯人はすぐに捕まった、自首したのだ。
加害者の名は『氷川 誠』、かつてG3と呼ばれる強化外骨格を身に纏ってアギトと共に世界を救った英雄。
勇敢な警官として警視庁に名を残し、G-3ユニットの後継ぎであるG-5では教習の教科書にも載っている。
取り調べ室で涙ながらに語られる津上と共に戦った日々、誰が聞いても彼と津上の間に確かな絆を感じただろう。
そんな深い繋がりを持った彼が何故、津上 翔一を殺害したのだろうか。
そんな深い繋がりを持った彼が何故、津上 翔一を殺害したのだろうか。
理由は、たった一つだった。
一本のビデオテープ、家庭用の物で撮影された物だ。
投影機に繋がれると、ゆっくりと当時の映像を映し出した。
一本のビデオテープ、家庭用の物で撮影された物だ。
投影機に繋がれると、ゆっくりと当時の映像を映し出した。
『津上さん、何時になったら私は『アギトの会』の正メンバーになれるんです? あの時入れてくれるって!』
『いや、ゴッメン! やっぱアレ、なしって事で!』
『何故です! いつまで私は補欠なんですか! アギトとして世界をよりよい方向へ導こうと警察も止めたのに!』
『だって……氷川さんアギトじゃな……』
『いや、ゴッメン! やっぱアレ、なしって事で!』
『何故です! いつまで私は補欠なんですか! アギトとして世界をよりよい方向へ導こうと警察も止めたのに!』
『だって……氷川さんアギトじゃな……』
銃声が響き、画面が血に染まって映像は途絶えた―― 完