日本人の平均をはるかに上回るバストはまひろの顎の辺りで力強く圧迫され、柔軟にその形を変える。
「ま、まひろちゃん! 落ち着いて落ち着いて!」
「わー! セラスさん、フワフワー!」
なだめながら引き離そうとするも、まひろはなかなか腕の力を緩めようとしない。
親愛の情を示してくれるのは嬉しいが、事ある毎に抱きつかれるのも考えものだ。
胸だって強く押されれば割と痛い。
個々人のパーソナリティという面まで頭が回らないセラスは早合点気味に思い知った。テレビや本から得た
日本人の国民性に関する知識を改めねば、と。
一方のまひろはこの憐れな英国人女性の内心にはやや無頓着である。
彼女流に表現するところの“フワフワ”を好きなだけ楽しんだかと思うと、まひろは不意に
セラスから身体を離した。
「あ、まずは着替えなきゃね。風邪ひいちゃうよ?」
まひろはハッピーな気分が伝わってくるかのようなステップでタンスに近づくと、しゃがみ込んでおもむろに
中の衣服をゴソゴソと引っかき回し始める。
おそらくセラスに着せる服を吟味しているのだろう。
「ま、まひろちゃん! 落ち着いて落ち着いて!」
「わー! セラスさん、フワフワー!」
なだめながら引き離そうとするも、まひろはなかなか腕の力を緩めようとしない。
親愛の情を示してくれるのは嬉しいが、事ある毎に抱きつかれるのも考えものだ。
胸だって強く押されれば割と痛い。
個々人のパーソナリティという面まで頭が回らないセラスは早合点気味に思い知った。テレビや本から得た
日本人の国民性に関する知識を改めねば、と。
一方のまひろはこの憐れな英国人女性の内心にはやや無頓着である。
彼女流に表現するところの“フワフワ”を好きなだけ楽しんだかと思うと、まひろは不意に
セラスから身体を離した。
「あ、まずは着替えなきゃね。風邪ひいちゃうよ?」
まひろはハッピーな気分が伝わってくるかのようなステップでタンスに近づくと、しゃがみ込んでおもむろに
中の衣服をゴソゴソと引っかき回し始める。
おそらくセラスに着せる服を吟味しているのだろう。
手持無沙汰のセラスは、まひろがあれこれと悩んでいる背中を見つめているのにも飽きたのか、
何の気無しに部屋の中を眺めていた。
広さは六、七畳。高校生一人が暮らすには充分過ぎる程の広さだ。野暮ったくあまりお洒落に見えない
カーテンやベッド、学習机は寄宿舎の備え付けだろう。
(噂には聞いてたけど、本当に狭いんだ……)
少々余計な御世話だが、悪気があっての感想ではないのだろう。
やはり母国イギリスの住環境に慣れていれば、六畳や七畳の広さでも一人用の個室としては
狭苦しく感じてしまうのも無理は無いのかもしれない。
視線はさほど大きくない本棚へと移る。
収納されているのは漫画単行本ばかり。それも大半がジャンプやマガジンに連載されているような少年漫画だ。
もっとも、セラスには作品名や作者や出版社などわかる筈もなく、ただ好奇心をくすぐられるだけである。
(あっ、アレは“MANGA”かな? 日本のコミックって大人でも楽しく読めるっていうけど、
どうなんだろう。ちょっと読んでみたいな……)
当面の居場所を確保出来た安心感からか、そんなつまらない事にも興味が湧いてくる。
その時、読めない文字が書き連ねられた背表紙を眺めるセラスにまひろが声を掛けた。
何の気無しに部屋の中を眺めていた。
広さは六、七畳。高校生一人が暮らすには充分過ぎる程の広さだ。野暮ったくあまりお洒落に見えない
カーテンやベッド、学習机は寄宿舎の備え付けだろう。
(噂には聞いてたけど、本当に狭いんだ……)
少々余計な御世話だが、悪気があっての感想ではないのだろう。
やはり母国イギリスの住環境に慣れていれば、六畳や七畳の広さでも一人用の個室としては
狭苦しく感じてしまうのも無理は無いのかもしれない。
視線はさほど大きくない本棚へと移る。
収納されているのは漫画単行本ばかり。それも大半がジャンプやマガジンに連載されているような少年漫画だ。
もっとも、セラスには作品名や作者や出版社などわかる筈もなく、ただ好奇心をくすぐられるだけである。
(あっ、アレは“MANGA”かな? 日本のコミックって大人でも楽しく読めるっていうけど、
どうなんだろう。ちょっと読んでみたいな……)
当面の居場所を確保出来た安心感からか、そんなつまらない事にも興味が湧いてくる。
その時、読めない文字が書き連ねられた背表紙を眺めるセラスにまひろが声を掛けた。
「はい、コレ! 少し小さいかもしれないけど。あとタオルね」
右手には白のブラウスと紺色のロングスカート、左手にはピンクのバスタオルが乗せられている。
どちらも少し雑なたたみ方なのは持ち主の性格上、致し方無い。
セラスはしばらくの間、受け取った着替えとご機嫌なまひろの全身を見比べ、自分の身体を見下ろした。
身長は175cmに達しようかという自分。目の前の少女はおそらく160cm前後。
加えて、手足の長さ。バスト、ウェスト、ヒップ。
それでも、にへらっと曖昧な笑顔で礼を言う事しか出来ない。
「あ、ありがとね(たぶん、少しどころじゃないと思う……)」
お人好しで気弱な彼女の方が、どちらかと言えば日本人的なのではないだろうか。
どちらも少し雑なたたみ方なのは持ち主の性格上、致し方無い。
セラスはしばらくの間、受け取った着替えとご機嫌なまひろの全身を見比べ、自分の身体を見下ろした。
身長は175cmに達しようかという自分。目の前の少女はおそらく160cm前後。
加えて、手足の長さ。バスト、ウェスト、ヒップ。
それでも、にへらっと曖昧な笑顔で礼を言う事しか出来ない。
「あ、ありがとね(たぶん、少しどころじゃないと思う……)」
お人好しで気弱な彼女の方が、どちらかと言えば日本人的なのではないだろうか。
確実にサイズの合わない、コーラを飲んだらゲップが出るのと同じくらい確実にサイズの合わない
ブラウスとスカートを着るべく、セラスは雨に濡れたHELLSING機関の制服を脱ぎ始める。
それは見ているまひろがドギマギするくらいの堂々とした脱ぎっぷりだ。
特に恥ずかしがったり、隠したりする様子も無い。
元婦人警官としての習慣、女性同士、国民性の違い。まずはこの辺だろう。まひろが驚くのも当然か。
テキパキと制服の上下とインナーを脱ぎ、ブラジャーを外す。
あっという間にパンティ一枚の半裸となったセラス。同性だというのにまひろは彼女の肉体から眼が離せない。
人間を魅了する吸血鬼としての無意識の性質もあるが、セクシーさと健康的な雰囲気を兼ね備えた
スタイルの良さもまた一因になっているからであろう。
確かにウェストや二の腕、太腿等はまひろよりもだいぶ太い。しかし、それはあくまで部分部分に限った
数字の上の話だ。
何せ身長や四肢、体幹の規格が違う。
総体的にその裸体を眺めれば、肥満とは縁遠い均整の取れた美しいスタイルなのだ。
インターナショナルクラスのサイズを誇るバスト。乳房そのものの張りと鍛えた大胸筋によって、
重量と重力に負ける事無く、桜色の先端がやや上を向いた理想的な形状を保っている。
その下に続くウェストは滑らかな曲線を以ってくびれており、腹筋はごくうっすらと六つに
割れているのが見て取れた。
長い手足も筋肉質ではあるが、僅かな脂肪を伴った女性らしい豊かさを失ってはいない。
ブラウスとスカートを着るべく、セラスは雨に濡れたHELLSING機関の制服を脱ぎ始める。
それは見ているまひろがドギマギするくらいの堂々とした脱ぎっぷりだ。
特に恥ずかしがったり、隠したりする様子も無い。
元婦人警官としての習慣、女性同士、国民性の違い。まずはこの辺だろう。まひろが驚くのも当然か。
テキパキと制服の上下とインナーを脱ぎ、ブラジャーを外す。
あっという間にパンティ一枚の半裸となったセラス。同性だというのにまひろは彼女の肉体から眼が離せない。
人間を魅了する吸血鬼としての無意識の性質もあるが、セクシーさと健康的な雰囲気を兼ね備えた
スタイルの良さもまた一因になっているからであろう。
確かにウェストや二の腕、太腿等はまひろよりもだいぶ太い。しかし、それはあくまで部分部分に限った
数字の上の話だ。
何せ身長や四肢、体幹の規格が違う。
総体的にその裸体を眺めれば、肥満とは縁遠い均整の取れた美しいスタイルなのだ。
インターナショナルクラスのサイズを誇るバスト。乳房そのものの張りと鍛えた大胸筋によって、
重量と重力に負ける事無く、桜色の先端がやや上を向いた理想的な形状を保っている。
その下に続くウェストは滑らかな曲線を以ってくびれており、腹筋はごくうっすらと六つに
割れているのが見て取れた。
長い手足も筋肉質ではあるが、僅かな脂肪を伴った女性らしい豊かさを失ってはいない。
「すごーい……」
まひろは顔を真っ赤にしながらも、かなりの近距離で身を乗り出して食い入るようにセミヌードの
セラスを見つめていた。
何故か両の拳は胸の前で力強く握られている。
「え!? な、何……?」
流石に砂被り席状態で凝視されては、ある程度開けっ広げなセラスも怯まずにはいられない。
ビクリとまひろから身体を離し、反射的に両腕で胸を覆い隠した。
だが、まひろはそんなものはお構い無しで観賞を続けている。
終いには右手の親指と人差し指で丸を形作り、そこからセラスの胸を覗き込むという珍妙な真似を始めた。
「むむむ! 97、98、99、100、101……――け、計測不能!」
計測不能だか何だか知らないが、セラスの方は理解不能だ。
この少々変わった日本人少女は何がしたいのか。
「すごいね! “まひろアイ”でも測れないなんて初めてだよ!?」
「はぁ……あ、ありがとう……」
たぶん褒められている。そういう事にしておこう。
セラスを見つめていた。
何故か両の拳は胸の前で力強く握られている。
「え!? な、何……?」
流石に砂被り席状態で凝視されては、ある程度開けっ広げなセラスも怯まずにはいられない。
ビクリとまひろから身体を離し、反射的に両腕で胸を覆い隠した。
だが、まひろはそんなものはお構い無しで観賞を続けている。
終いには右手の親指と人差し指で丸を形作り、そこからセラスの胸を覗き込むという珍妙な真似を始めた。
「むむむ! 97、98、99、100、101……――け、計測不能!」
計測不能だか何だか知らないが、セラスの方は理解不能だ。
この少々変わった日本人少女は何がしたいのか。
「すごいね! “まひろアイ”でも測れないなんて初めてだよ!?」
「はぁ……あ、ありがとう……」
たぶん褒められている。そういう事にしておこう。
(まひろちゃんってもしかして同性愛者なのかな。でも、それとはちょっと違う感じもするし……)
ようやく着替えが終わったのは、セラスがそう悩み始めた頃だった。
そして、案の定と言うべきか、まひろの私服はセラスにとってただの拘束具にしかなっていない。
長袖のブラウスは七分袖となり、肩周りの違和感と動きにくさが尋常ではない。
前のボタンもその半分近くが留められず、不本意ながら胸元をVの字に大きく開けざるを得ない。
やっとの思いで留めたボタンとボタンの間ははち切れんばかりに開き、白い素肌が顔を覗かせている。
スカートに至ってはホックを留めるどころか、ジッパーすらも途中までしか上げられない。
ロングスカートなのに脛まで丸見え、などとは書くまでも無いか。
「うぅ、まだ苦しい……。ボタンもう一個外そ……」
セラスは泣く泣く、深い谷間を露にさせる憎きVの切れ込みをもう一段階深くする。
その様子を見ているまひろの顔は、何とも残念そうな表情でいっぱいだ。
「あやや、やっぱり小さすぎたのかなぁ」
普通は着せる前に気づくのだが。
「ん~、じゃあねぇ……――」
まひろは再びタンスに向かうと、もう一組の衣服を手にしてセラスに尋ねた。
「――こっちのおっきいTシャツとスェットのズボンにする?」
それを眼にし、耳にしたセラスの胸元でボタンがひとつ、プチリと弾け飛ぶ。
ようやく着替えが終わったのは、セラスがそう悩み始めた頃だった。
そして、案の定と言うべきか、まひろの私服はセラスにとってただの拘束具にしかなっていない。
長袖のブラウスは七分袖となり、肩周りの違和感と動きにくさが尋常ではない。
前のボタンもその半分近くが留められず、不本意ながら胸元をVの字に大きく開けざるを得ない。
やっとの思いで留めたボタンとボタンの間ははち切れんばかりに開き、白い素肌が顔を覗かせている。
スカートに至ってはホックを留めるどころか、ジッパーすらも途中までしか上げられない。
ロングスカートなのに脛まで丸見え、などとは書くまでも無いか。
「うぅ、まだ苦しい……。ボタンもう一個外そ……」
セラスは泣く泣く、深い谷間を露にさせる憎きVの切れ込みをもう一段階深くする。
その様子を見ているまひろの顔は、何とも残念そうな表情でいっぱいだ。
「あやや、やっぱり小さすぎたのかなぁ」
普通は着せる前に気づくのだが。
「ん~、じゃあねぇ……――」
まひろは再びタンスに向かうと、もう一組の衣服を手にしてセラスに尋ねた。
「――こっちのおっきいTシャツとスェットのズボンにする?」
それを眼にし、耳にしたセラスの胸元でボタンがひとつ、プチリと弾け飛ぶ。
「そっちを先に出してよぉおおおおおおおおおお!!!!」