SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ 七クロ 54-1


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「ば、万事休すか……」
「うん、悔しいけど、もう諦めるしか……」

ひゅるるるる

「……何の音だ?」

どっかーん!!

「な、なんだ!?」
「分かりません。何処からかミサイルらしきものが飛んできたようですが……」
「ミサイルだと?何の冗談だ!……まさか、政府軍か?」
「さ、さあ、とにかく凄い砂埃で状況が把握出来ません!」

「ゲホンゲホン」
「う~、一体何だってんだよ。砂嵐でも起こったのか?」
「僕だって分からないよ。でも、どうやら敵も混乱に陥っているようだね。この隙に……」
「おっと、ドサクサに紛れて逃げようとしたって、そうはいかんぞ。これを見ろ」
「お、お兄ちゃん達、逃げて……」
「卑怯な!女の子を人質にするなんて!」
「ハ、同じことを何度も言わせるな。俺らは卑怯なんだよ。
別にそれを恥だとも思っちゃいねえ、なあ?」
「ちげえねえ。要は勝てばいいんだ、勝てば」
「クソッタレが!今から殴りに行ってやるから、てめえらそこを動くなよ!」
「おお、そりゃ怖い。でもな、その前に周りをよーく見てみろ」
「何だと!!」
「待って、林田君!……僕らは既に包囲されている、うかつに動いちゃ駄目だ」
「フフ、そういうこった。さ、状況が理解できたのなら無駄な抵抗を止めな」
「クッ……」
「どうだ、終わったか」
「御覧の通りさ」
「案外、てこずったな」
「ああ、モヒカンと小娘が暴れてな」
「ほお、お前ら相手にか。それは驚いた」
「まあ、それにしたって、勝負は初めから決まっていたさ。何しろ、こいつら
丸腰同然だったからな。全く何を考えてんだか」
「それがサムライとやらの心意気なんだろ。聞けば、こいつらの先祖は大砲に
剣を振りまわして突っ込んでいったとか言うぞ」
「へえ、そりゃ、笑かすな。で、勝ったのか?」
「まさか。大負けさ。皆、ボロ切れのように死んでいったんだと」
「ゲハハハ、そりゃ傑作だぜ。獣並みの頭の悪さだ」
「いやいや、頭の悪さで言ったら虫レベルじゃねえか」
「全くだ。ギャハハハ」
「クソ、調子に乗りやがって!」
「でも、僕らに打つ手は無いし、ここは黙ってた方が……」

「やれやれ、とことん、悲しい人達だわね」

「あ、小娘、何か言ったか?」
「聞こえなかったの?『悲しい人達』と言ったつもりなんだけど」
「何だと!!」
「き、君、あんまり相手を刺激しない方が……」
「……ごめんね、お兄ちゃん。でも、これだけは言わせて。もう、我慢できない!」
「おいおい、俺らが悲しいだって?馬鹿にしてんのか?」
「違うわ、哀れんでいるのよ。あなた達、何故、サムライが死ぬ覚悟で向かって
行ったか理解できる?」
「は、理解できるわけねえだろ。負け犬の気持ちなんか」
「でしょうね。あなた達には何も無いもの。守るもの無ければ、目的も無い。
権力に媚び、金に酔う、そんな目の前の力に身を任せるしか出来ない人達が
サムライの気持ちを理解出来るわけ無いわね」
「……こいつ」
「でもね、サムライはあなた達とは違うの。彼らには志があった。大地に根を張り、
目指すべき空があった。それに比べたら、あなた達なんか、まるで風に吹かれる
だけの砂のようよ」
「……なんだかむかついてきたぜ。隊長、やっちゃってもいいですか?」
「言わせておけ、いくら吠えたところで何も出来ん」
「フン、大方、あなた達は寄り集まって強くなったつもりなんでしょうね。
でもね、所詮、砂はただの砂なのよ。いくら集まったところで砂漠にしか
なれないわ。何も育てられず、渇いてばかりいるね。これが悲しいと言わずに
なんと言えば良いのかしら」
「オイ、偉そうに何言ってんだ。俺は知ってんだんだぞ。お前のジジイが
オアシスを守ろうとしていた時、てめえが周りの奴らと一緒になってジジイを
非難していたのを」
「……確かに、昔の私はそうだった。あなた達の暴力と買収工作に振りまわされて、
村人達と同じようにおじいちゃんをなじっていたわ」
「へ、白状したな。要するにお前だって俺らと似たようなもんじゃねえか。
いくら格好つけたところでな、人は金と力に巻かれて生きるしかねえんだよ。
こいつらを前にしたら誰だって砂粒みたいなものさ」
「そうかもね。私も村人も皆、お金と力に負けてしまったもの。たった一人、
おじいちゃんだけが抵抗していたけど、無理がたたって……」
「まあ、結局、無駄だったわけだ。遺志を継いだお前も俺らに負けたことだしな」
「でもね、桜は咲いたのよ」
「……それがどうした?」
「まだ、たった一本だけど、おじいちゃんが咲かせようとしていた桜は確かに咲いたの」
「だから、それがどうしたと聞いている!」
「分からない?あなた達がどんなに勝ち誇ろうとも、もう私は絶対に負けないって
こと。たとえ私が殺されて砂漠に埋められようとも、きっとそこには別の新しい花が
咲くから」
「……こいつ、とうとう恐怖で頭がおかしくなっちまったみたいだぞ」
「フフフフ」
「ハハハハ」

「……何がおかしい?お前らまでおかしくなったのか?」
「いやね、またしても一本取られてしまったと思いまして。ねえ、林田君」
「ああ、全く、大した姫様だぜ」
「何、余裕ぶっこいているんだ。お前ら、笑ってなんかいる場合じゃねえだろ。
本当に状況を理解しているのか?」
「勿論。あなた達の負けです」
「は、こりゃ正真証明狂っちまったようだな」
「いや、正気だぜ。それよりお前ら本当は怖がっているんじゃねえか?」
「怖い?何をだ」
「勿論、そこにいるお姫様をさ」
「冗談も休み休み言え。なんで俺らがそんな小娘を?」
「へ、分かってないようだから、教えてやる。お前らはビビっているんだよ。
まるで日本刀のように真直ぐ突き進んでくる彼女の意志を。何しろ、これだけの
人数揃えても小娘一人を挫けさせることが出来なかったんだ。そいつがいい証拠だぜ」
「何を!すかしたこと言ってんじゃねえよ、このよそ者が!」
「その通り。俺らはただの通りすがりの不良だ。こんなこと言う資格は
無えよ。正直、お前らと似たようなクズだ。ただな、俺らはお前らとは違う点が
一つだけ出来たんだよ。なあ、神山」
「その通りだ、林田君。なんてったって、今の僕らには『真のサムライ』がいる」
「真のサムライだと?ひょっとしてこの小娘のことを言っているのか?」
「ああ、そうだ」
「お兄ちゃん……」