「ゲラ=ハは2階で待機する、誰か一人が見つけたらゲラ=ハに合図をよこして犯人を追え。
合図は弓矢で行う、夜だから狙いをつけ辛いだろうが2階で音がすればそれが合図になる。」
「そして私はこれから行く光の神殿で光の術法を身につけ、それで合図が送られた方を照らします。」
合図は弓矢で行う、夜だから狙いをつけ辛いだろうが2階で音がすればそれが合図になる。」
「そして私はこれから行く光の神殿で光の術法を身につけ、それで合図が送られた方を照らします。」
「ほぉ、確かに簡単な術を学ぶ時間はある。だが習いたての術じゃあ光が弱いだろう。
目立つように、俺は使者を送って王に街灯を消すように頼んでくる。」
「宿の娘の生死も確認したい、すぐに殺すんじゃないぞ。」
「何故俺を見ている、北斗神拳は秘孔を突いているだけで腕力で殺しているんじゃない。
急所を外せば問題ない、魔物の秘孔は判らんが魔物だったら手加減すれば済むことだ。」
目立つように、俺は使者を送って王に街灯を消すように頼んでくる。」
「宿の娘の生死も確認したい、すぐに殺すんじゃないぞ。」
「何故俺を見ている、北斗神拳は秘孔を突いているだけで腕力で殺しているんじゃない。
急所を外せば問題ない、魔物の秘孔は判らんが魔物だったら手加減すれば済むことだ。」
(それだと腕力頼みになるしコイツの場合はフルパワーじゃなくても地形を変えるからな、
街を破壊して弁償で船がパァになる、ってのだけは勘弁してほしい所だ。なるべく他の奴に当たれよ・・・。)
街を破壊して弁償で船がパァになる、ってのだけは勘弁してほしい所だ。なるべく他の奴に当たれよ・・・。)
そんな祈りごとをしながら着々と支度を済ませる。
各々が支度を終えると、各水路の入口付近を見張りにつく。
ゲラ=ハは爬虫類だけあって潜み、息を殺すことに慣れている。
ケンシロウも、北斗神拳は戦場格闘技と同時に暗殺拳としても機能する、ということで隠密に支障はないらしい。
敢てツッコむと、その割には目立つし、暗殺用の拳法だったら見つからないのが前提なので
あそこまで強い必要性は見当たらない、闘気を出す時の周囲への被害が凄まじすぎるのも問題だ。
まぁ見つかったところで止められる人間なんて滅多に居る訳がないから結局それで問題が解決する。
ベアは鎧の音がうるさいので、目立たずに見張れる場所へ。
各々が支度を終えると、各水路の入口付近を見張りにつく。
ゲラ=ハは爬虫類だけあって潜み、息を殺すことに慣れている。
ケンシロウも、北斗神拳は戦場格闘技と同時に暗殺拳としても機能する、ということで隠密に支障はないらしい。
敢てツッコむと、その割には目立つし、暗殺用の拳法だったら見つからないのが前提なので
あそこまで強い必要性は見当たらない、闘気を出す時の周囲への被害が凄まじすぎるのも問題だ。
まぁ見つかったところで止められる人間なんて滅多に居る訳がないから結局それで問題が解決する。
ベアは鎧の音がうるさいので、目立たずに見張れる場所へ。
ホークは空家付近を見張っていた。
水路には魔物も多い、別の街への移動は考えにくい。
ここへ来る時は低地になっているので、別の街の水路からくれば下り坂を利用できる。
だが、出て行く時は隠密のスキルを持ってなければ不可能だし持ってるなら怪しいという証言は得られない。
取りあえず、この予想が正しければ空家と水路を行き来している筈だ。
水路には魔物も多い、別の街への移動は考えにくい。
ここへ来る時は低地になっているので、別の街の水路からくれば下り坂を利用できる。
だが、出て行く時は隠密のスキルを持ってなければ不可能だし持ってるなら怪しいという証言は得られない。
取りあえず、この予想が正しければ空家と水路を行き来している筈だ。
ガタ、小さな音と同時に人影が蠢く。
当たりだ、影の動きは速い、見失わないようにしなければ。
心配は杞憂だった、空き家は単なる魔物避けにしか使っていなかったのだろう。
すぐ近くに薄汚れた穴があった、あれが水路に繋がっているのだろう。
中に入ったのを確認し、弓を射ると、合図の光術が来るより速く、追跡を再開する。
自分も穴へと入り、影の後を追う。
魔物の姿は見かけなかった、入口付近は奴が片付けたのだろうか?
当たりだ、影の動きは速い、見失わないようにしなければ。
心配は杞憂だった、空き家は単なる魔物避けにしか使っていなかったのだろう。
すぐ近くに薄汚れた穴があった、あれが水路に繋がっているのだろう。
中に入ったのを確認し、弓を射ると、合図の光術が来るより速く、追跡を再開する。
自分も穴へと入り、影の後を追う。
魔物の姿は見かけなかった、入口付近は奴が片付けたのだろうか?
用途は分からないが扉が幾つもある、これだけあればバレてもカモフラージュできる訳か。
こうして追尾し続けていなければ確実に見失っていた、援軍には期待できそうにない。
扉に入るのが見えた、恐らくここに娘がいる。
扉を斧で斬りつけ、目印をつけてから中に入る。
風で閉まって中が見えなくなってもこれで確認できる。
こうして追尾し続けていなければ確実に見失っていた、援軍には期待できそうにない。
扉に入るのが見えた、恐らくここに娘がいる。
扉を斧で斬りつけ、目印をつけてから中に入る。
風で閉まって中が見えなくなってもこれで確認できる。
音で気づかれるだろうが問題はない、この先も隠密行動しようとは思っていないからだ。
ステルススキルを持たないホークが、ここまで気づかれずに追跡出来たのは入り組んだ迷路、
そして遮蔽物に身をひそめることができたからである。
影が部屋を開ける時、扉の先が見えたが通路ではなく部屋になっていた。
もう隠れながら進むことはできないのだ。
ステルススキルを持たないホークが、ここまで気づかれずに追跡出来たのは入り組んだ迷路、
そして遮蔽物に身をひそめることができたからである。
影が部屋を開ける時、扉の先が見えたが通路ではなく部屋になっていた。
もう隠れながら進むことはできないのだ。
なら取るべき道は一つ、強行突破である。
暗闇でも目立つよう深く斬り、扉を開き中へ入る。
暗闇でも目立つよう深く斬り、扉を開き中へ入る。
「さて、と。悪党の面を拝ませてもらおうか。」
血生臭い臭気、殺した死体を処理せずに放置してあるのだろう。
棺桶をかたどった祭壇、縛られた若い女、素人目に見ても分かる黒魔術の類の儀式道具。
そして目の前の男の姿、昼間これで行動すれば確かに怪しいだろう。
真赤なローブ、顔にも邪悪さを演出する為か、
それとも儀式に必要なのか分からないが不気味な化粧をしていた。
血生臭い臭気、殺した死体を処理せずに放置してあるのだろう。
棺桶をかたどった祭壇、縛られた若い女、素人目に見ても分かる黒魔術の類の儀式道具。
そして目の前の男の姿、昼間これで行動すれば確かに怪しいだろう。
真赤なローブ、顔にも邪悪さを演出する為か、
それとも儀式に必要なのか分からないが不気味な化粧をしていた。
「よく来たな…エロールの犬め。味方に期待するのは止めておくんだな。
既に魔物は檻から解き放った、腹を空かしている分…凶暴だぞ。」
どうやら追われているのは解っていたようだ、だがこの部屋で感じる気配は目の前の男の物だけ。
これなら退かなくとも何とかなるだろう。
「ハッ、随分と自信があるみてぇだな。
なんかの罠か?まさかアンタが俺を倒せるとでも思ってるのか?」
既に魔物は檻から解き放った、腹を空かしている分…凶暴だぞ。」
どうやら追われているのは解っていたようだ、だがこの部屋で感じる気配は目の前の男の物だけ。
これなら退かなくとも何とかなるだろう。
「ハッ、随分と自信があるみてぇだな。
なんかの罠か?まさかアンタが俺を倒せるとでも思ってるのか?」
眼の前の男からは邪悪な気配、敵意と醜悪な精神しか感じられず殺意は感じられなかった。
恐らく罠か何かを用意しているか、隠密に適した魔物か暗殺者でも居るのだろう。
眼の前に居る男から滲み出る余裕や殺意の無さから、ホークはそう受け取った、
すると、男はボウガンを取り出しすかさずホークへ撃ちだした。
恐らく罠か何かを用意しているか、隠密に適した魔物か暗殺者でも居るのだろう。
眼の前に居る男から滲み出る余裕や殺意の無さから、ホークはそう受け取った、
すると、男はボウガンを取り出しすかさずホークへ撃ちだした。
罠におびき出す為だろう、体重に反応する罠を目の前に仕掛けているのか?
安直な考えだ、少し考えれば分かること。
男は前に出ない、ならば今の自分の距離から男までの間合いを踏まなければいい話だ。
安直な考えだ、少し考えれば分かること。
男は前に出ない、ならば今の自分の距離から男までの間合いを踏まなければいい話だ。
矢をかわして跳躍する。
だがジャンプだけで届く距離ではない、
トマホークを使わなかったのは斧を投げてもかわされる可能のある間合いだからだ。
部屋は広いが柱が幾つかあるこの部屋で刺さってしまえば投げる物がなくなる。
だがジャンプしたところで届かなくては罠を踏んでしまうので意味がない。
そう、届かなくては。
だがジャンプだけで届く距離ではない、
トマホークを使わなかったのは斧を投げてもかわされる可能のある間合いだからだ。
部屋は広いが柱が幾つかあるこの部屋で刺さってしまえば投げる物がなくなる。
だがジャンプしたところで届かなくては罠を踏んでしまうので意味がない。
そう、届かなくては。
空中での姿勢制御をマスターした者は、鷹のように滑空して低距離を飛行できる技術を生み出した。
本来は剣士の使う技だが、剣と片手斧は重さの比率が似ているので使えないこともない。
その剣技は「ホークブレード」と呼ばれ、足場の安定しない戦場で特に重宝した。
空中での加速、そして急降下しての一撃に目の前の男の頭は真っ二つに割れた。
着地も男の後ろへと廻り込んでいる、思ったとおり後退位置に罠はない。
本来は剣士の使う技だが、剣と片手斧は重さの比率が似ているので使えないこともない。
その剣技は「ホークブレード」と呼ばれ、足場の安定しない戦場で特に重宝した。
空中での加速、そして急降下しての一撃に目の前の男の頭は真っ二つに割れた。
着地も男の後ろへと廻り込んでいる、思ったとおり後退位置に罠はない。
「ほぉーれ見ろ、アイツ等を待つ必要なんて・・・」
そこまで言いかけて黙るホーク。
どういう原理かサッパリ解らないが、男は生きていた。
脳がボタボタと地面に崩れ落ちている。
だが、立ち尽くして笑っていた。
「うへへへ・・・そんなに驚くな、慌てなくてもこの体は死ぬ。
それより、誰も俺が殺すなんて言ってない。
お前は、これから奴に殺されるんだ。」
そう言って祭壇を指さす。
本物の棺桶だったのか、中からの衝撃で蓋が吹っ飛ぶ。
そこまで言いかけて黙るホーク。
どういう原理かサッパリ解らないが、男は生きていた。
脳がボタボタと地面に崩れ落ちている。
だが、立ち尽くして笑っていた。
「うへへへ・・・そんなに驚くな、慌てなくてもこの体は死ぬ。
それより、誰も俺が殺すなんて言ってない。
お前は、これから奴に殺されるんだ。」
そう言って祭壇を指さす。
本物の棺桶だったのか、中からの衝撃で蓋が吹っ飛ぶ。
「これから死ぬのに、何も分からぬまま冥府に行っても不憫だろう。
奴は生前は腕利きの拳士でな、強い者には強い魂が宿る。
アレを復活させる為に生贄を捧げていた訳だ・・・。
一般人の魂で、奴の強靭な魂魄を造り上げるのは不可能だった。
だが、ここで殺害した奴とは別の魂も使って目立たずに造り上げることができたのだ・・・肉体も再使用してな。
そして残念なことに仕上げは貴様だ、俺を殺す時に生じた闘気に反応し、目覚めた。
肉体や魂は造れても、それだけでは闘争心で戦う奴の強さを完全にはできない・・・。
たった一撃で目覚めるとは思わなかったぞ、さて長話はここまでだ、後は勝手にやるんだな。」
奴は生前は腕利きの拳士でな、強い者には強い魂が宿る。
アレを復活させる為に生贄を捧げていた訳だ・・・。
一般人の魂で、奴の強靭な魂魄を造り上げるのは不可能だった。
だが、ここで殺害した奴とは別の魂も使って目立たずに造り上げることができたのだ・・・肉体も再使用してな。
そして残念なことに仕上げは貴様だ、俺を殺す時に生じた闘気に反応し、目覚めた。
肉体や魂は造れても、それだけでは闘争心で戦う奴の強さを完全にはできない・・・。
たった一撃で目覚めるとは思わなかったぞ、さて長話はここまでだ、後は勝手にやるんだな。」
何やら分からないが、棺桶の中身について勝手にベラベラと喋り終えると真赤な衣服を残して男は消滅した。
一番の罠は奴自身だったわけか、どんな化け物がでてくるのだろうか。
斧を構える、気配を探ってみるが何も感じない。
空気だけが不自然に蠢く、下水道の中は温かいとは言い難い気温だった。
だが、絶対零度とも思える冷たい空気が背後を横切っている。
一番の罠は奴自身だったわけか、どんな化け物がでてくるのだろうか。
斧を構える、気配を探ってみるが何も感じない。
空気だけが不自然に蠢く、下水道の中は温かいとは言い難い気温だった。
だが、絶対零度とも思える冷たい空気が背後を横切っている。
後ろを振り向くと、全裸の男が一人。
ホークを無視して床に落ちている男のローブを身につける。
冷たい殺気が全身を覆っていた、男の白髪が揺らめくたび背筋に寒気を感じる。
何時、どうやって自分の背後に回り込んだのか、そして今再び背後を取られれば間違いなく死ぬ。
男の一挙一動が、優れた日本刀を一振りしたかのように空気を裂いていく。
ホークを無視して床に落ちている男のローブを身につける。
冷たい殺気が全身を覆っていた、男の白髪が揺らめくたび背筋に寒気を感じる。
何時、どうやって自分の背後に回り込んだのか、そして今再び背後を取られれば間違いなく死ぬ。
男の一挙一動が、優れた日本刀を一振りしたかのように空気を裂いていく。
「少し・・・動き辛いが、ウォーミングアップの相手が貴様なら問題なさそうだな。
今の奴が無駄話だけで言ってなかったが、俺の名前はシン。
奴の言う通り、今すぐ死ぬ貴様に教えたところでなんの意味もない・・・。」
今の奴が無駄話だけで言ってなかったが、俺の名前はシン。
奴の言う通り、今すぐ死ぬ貴様に教えたところでなんの意味もない・・・。」
男は名を名乗ると、冷たい笑みを浮かべながらホークに向かって歩き出した。