地球上を覆う莫大な気迫。
人や獣はもちろん、草木や微生物さえも自らに押し寄せた圧倒的な存在感(プレッシャ
ー)を感知していた。もし主に害意があれば、たちまち地上には諸々の悪影響が及んでい
たはずだ。
原因を特定できた者はほんのわずか──地球を代表する歴戦の戦士のみ。
まず彼らは驚いた。超サイヤ人3を体現し、もはや単体でこれ以上のレベルアップはあ
り得ない域に達していた悟空。それにもかかわらず、今彼の気は明らかに魔人ブウ戦での
それを一歩上回っていた。
そして同時に疑問符も浮かび上がる。なぜこれ程の気を発する必要があったのか。
今発せられている悟空の気が、フルパワーであることはおそらくまちがいない。だが、
理由が今ひとつ思い当たらない。修業のためか。だがこれは考えにくい。まだウーブに悟
空の全力と伍する実力があるわけがないし、悟空の修業スタイルから推測しても不自然さ
が残る。
──となると、残る可能性など一つしかない。
新たな強敵である。
人や獣はもちろん、草木や微生物さえも自らに押し寄せた圧倒的な存在感(プレッシャ
ー)を感知していた。もし主に害意があれば、たちまち地上には諸々の悪影響が及んでい
たはずだ。
原因を特定できた者はほんのわずか──地球を代表する歴戦の戦士のみ。
まず彼らは驚いた。超サイヤ人3を体現し、もはや単体でこれ以上のレベルアップはあ
り得ない域に達していた悟空。それにもかかわらず、今彼の気は明らかに魔人ブウ戦での
それを一歩上回っていた。
そして同時に疑問符も浮かび上がる。なぜこれ程の気を発する必要があったのか。
今発せられている悟空の気が、フルパワーであることはおそらくまちがいない。だが、
理由が今ひとつ思い当たらない。修業のためか。だがこれは考えにくい。まだウーブに悟
空の全力と伍する実力があるわけがないし、悟空の修業スタイルから推測しても不自然さ
が残る。
──となると、残る可能性など一つしかない。
新たな強敵である。
カメハウスでは、クリリンが出発の準備に取りかかっていた。
「クリリン、ほんとに行くのか?」
「えぇ。悟空ならわざわざ気を込めて確認しなくても自分のフルパワーくらい分かるはず
ですし、これはまちがいなく只事じゃありません。……臭うんですよ」
「鼻がないのにか?」
「む、武天老師様……」
亀仙人の軽口に苦笑いするクリリン。
「とにかく気をつけい。万が一のことがあったら、二人が悲しむぞ」
「ありがとうございます。俺だって死にたくありませんからね。18号たちが買い物から
戻ったら、心配するなって伝えておいて下さい」
気を開放し、飛び立つクリリン。
悟空の近くに別の気は感じられない。人造人間のような気配を持たない敵なのだろうか。
杞憂ならばそれに越したことはない。だが、クリリンの悪い予感はよく当たる。クリリ
ン自身それを分かっているからこそ、駆けつけずにはいられないのだ。
気を探ると、どうやら仲間たちも動き出したらしい。
フルパワーを発揮した孫悟空、頭から離れぬ不安、存在すら明らかでない敵、集結しつ
つある戦士──避けられぬ開戦の予感。
幕は上がった。
神殿から地上を見守る二つの影。ピッコロとデンデ。ベクトルこそ違うものの、共に優
秀なナメック星人である。
緑色の肌を、大量の汗が伝う。
「ご、悟空さん……」
「あのバカ……!」
二人は全てを見ていた。
「野糞で力みすぎて、気を全部放出するやつがあるか……!」
「クリリン、ほんとに行くのか?」
「えぇ。悟空ならわざわざ気を込めて確認しなくても自分のフルパワーくらい分かるはず
ですし、これはまちがいなく只事じゃありません。……臭うんですよ」
「鼻がないのにか?」
「む、武天老師様……」
亀仙人の軽口に苦笑いするクリリン。
「とにかく気をつけい。万が一のことがあったら、二人が悲しむぞ」
「ありがとうございます。俺だって死にたくありませんからね。18号たちが買い物から
戻ったら、心配するなって伝えておいて下さい」
気を開放し、飛び立つクリリン。
悟空の近くに別の気は感じられない。人造人間のような気配を持たない敵なのだろうか。
杞憂ならばそれに越したことはない。だが、クリリンの悪い予感はよく当たる。クリリ
ン自身それを分かっているからこそ、駆けつけずにはいられないのだ。
気を探ると、どうやら仲間たちも動き出したらしい。
フルパワーを発揮した孫悟空、頭から離れぬ不安、存在すら明らかでない敵、集結しつ
つある戦士──避けられぬ開戦の予感。
幕は上がった。
神殿から地上を見守る二つの影。ピッコロとデンデ。ベクトルこそ違うものの、共に優
秀なナメック星人である。
緑色の肌を、大量の汗が伝う。
「ご、悟空さん……」
「あのバカ……!」
二人は全てを見ていた。
「野糞で力みすぎて、気を全部放出するやつがあるか……!」
お わ り