SS暫定まとめwiki~みんなでSSを作ろうぜ~バキスレ DBIF50-6


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「さて・・・」
と、悟空はそれまで呆気に取られてやり取りを見ていたガネットの方を向いた。その顔はクリリンに向けたものとは180度変わった厳しいものである。
「おめえらが何をしに来たのかはまだ良くわかんねえが、これ以上オラの仲間を傷つけるつもりなら容赦しねえぞ」
まだ超サイヤ人になっていないため、その温厚な顔つきから感じられる迫力は薄い。しかしその裏側にある何かに気付いたのか、ガネットはその
言葉に押されるように数歩後退った。
「く・・・聞いてねえぞ。ターゲット以外にこんな連中がいるなんてよ」
しかし気を無理矢理奮い立たせたのか、気勢を上げ始めるガネットを無言で見据えながら、悟空は額に人差し指と中指を揃えて当てた。
「え?」
その直後、目の前から悟空の姿が消えるのを見て、ガネットが思わず間の抜けた声を上げた次の瞬間、

トンッ

気を改めて探る間もなく首の後ろに悟空の手刀が吸い込まれ、ガネットは崩れ落ちた。


「くくっ・・・」
遠くにどこか懐かしい気が現れたのを感じ取ったピッコロの口が、我知らず軽い笑い声を漏らした。
(まったく。もう1年も前に死に別れた、しかも今の敵のレベルからすればまだ到底及ばないであろう人間だというのに、頼もしさを感じてしまうとはな。
つくづく存在の大きい奴だ)
「何がおかしい?」
一進一退の攻防の中、突然笑い出したピッコロを見て、エメローが不審な声で訊いた。
「気にするな、こちらのことだ。それより急に時間が惜しくなったんでな。悪いが早めに片付けさせてもらうぞ」
「ほう」
その言葉を聞いて、エメローは明らかな嘲りを含んだ声で言った。これまでの闘いで相手の実力はある程度推測できている。確かに侮れる相手では
ないが、それでも自分が言葉通りたやすく倒されるほど実力が離れているとも思えなかった。
「はあああぁぁ・・・」
エメローの嘲笑も気にせず、ピッコロは気を練りだした。全身から噴き上がる膨大な気が、やがてその右手に集中していく。彼の最強のエネルギー砲で
ある魔貫光殺砲に似ているが、指先ではなく手首から先全てが気をまとっている所が違っている。



「ふん、大したパワーの集約力だが、そんな単純なエネルギー砲を俺が食らうと思っているのか?」
「思っているさ」
「ならば撃ってみるがいい。俺はただかわして、逆にお前を仕留めるだけだ」
あくまでバカにした口調でせせら笑うエメローを見ながら、しかしピッコロもまたにやりと笑ってみせた。
「言っておくが、これから出す技はパワーが強いとか、スピードが速いとかいうわけじゃない。相手を定めて出す以上、同じ技で返さない限り
絶対に食らう」
そう言うと、ピッコロは何故か気を集中した右手ではなく、左手を軽く引いてからエメローに向けて手の平を真っ直ぐ突き出した。
「魔封波!」
ピッコロの掛け声と共に、突き出された左手を中心として不可解な渦が巻き起こった。
「な、何だこれはああああっ!」
慌てて超スピードで移動しようとするも、既に渦はエメローの身体を捉えていた。
「お・・・おおお・・・おおおおおおおぉぉ~~~~っ・・・・・・」
為す術もなく渦に巻き込まれたエメローの身体が、渦の回るスピードに乗ってどんどん細く引き伸ばされて行く。
「普通はここで壺か何かに封じるが」
と言いながら、ピッコロは前方に突き出した手の平を、ぐっと閉じた。それに合わせて渦もまた消滅する。
「おぉぉ・・・お?」
「ずあっ!」

ドンッ!

突如として不可解なパワーに巻き込まれたショックからまだ立ち直れないエメローを、ピッコロの放ったエネルギー砲が直撃した。
「が・・・・・・」
小規模な爆発が収まったその後には、金属質の身体のあちこちからくすぶった煙を上げて倒れるエメローの姿があった。
「名付けて魔封砲といったところか。実戦で使うのは少し不安があったが、修行した甲斐はあったな」

その頃、ラニとスノウはお互いに笑みを浮かべたまま、目まぐるしく拳と脚とを交差させていた。
どちらもまだ本気を出していないのは、その姿がまだ変わっていないことからも知れる。お互いウォーミングアップの感覚で闘っているのだ。それでも
一つ攻撃がぶつかり合うたびに重い鋼を打ち合わせたような音が響き、パンチや蹴りの風圧が極小規模の台風よろしく周囲の木を震わせている。
そんな中、一際大きな音が鳴ったかと思うと、両者は申し合わせたように退いた。
「やはり少しはできるな。そろそろ本格的にパワーを上げていこうか」
ラニの言葉に笑みを深くしたスノウだったが、不意にその肩がぴくりと動いた。
(打ち出した5人中4人の反応がもうなくなっている。どうやらこの辺りが潮時か)
「ではそろそろ・・・」
と、思わせぶりに構えを取るスノウに、ラニもまた笑みを深くして構えるが、しかし次の瞬間、突然スノウが大きく口を開けたかと思うと、すぐに歯を
噛み締めた。

ドドドドッッッッゴォォォォ!!

それに合わせて複数の、恐らくは筒を発射した方向全てから爆発音が響いたかと思うと、四方から爆煙がラニ達に向けて押し寄せてきた。
「チィッ!」
一瞬視界をふさがれたものの、ラニは冷静に相手の気を探った。しかし、
「消えた・・・・・・?まさか、逃げた?逃げただと?!」
即座に気による上昇気流を作り出し、視界を取り戻したものの、ラニの見える範囲にスノウはおろか、彼の乗ってきた宇宙船の姿も存在しなかった。
「ぐ・・・・・・おおおおお~~っ!!」
中途半端に手を合わせただけの状態で相手に逃げられた怒りから、ラニは相手もいないのに超サイヤ人となって、余波だけで周囲全てを吹き飛ばす
爆発的な気を上に向けて放った。
「こんなすっきりしない闘いで気が治まるか!もう私の我慢も限界だ」
明らかにイライラの募った表情で叫ぶと、ラニは何を思ったのか突然どこかへと飛び立った。

(くく、確かに相当な実力だが、勝てない相手ではないな。ザード将軍が調整を終えるまであともう少し。お前達を倒すのはそれからだ)
ラニの放つエネルギー砲を遠くに見ながら、草木に隠れつつ進むスノウだったが、不意にその身体が止まった。
(だが奴らはともかくとして、あの場にいた連中は何だ?ウェザー星から受けた最後の報告では奴らは3人のはずだが、他にも手下がいたということか)
しばらく思案に顔をしかめていたスノウだったが、やがてその口が邪悪な笑みに歪んだ。
(まあどうでも構わんか。いずれにせよ奴らに関係する者は皆殺しだ)


その頃、悟空とクリリンはいきなり爆発したガネットの起こした爆風をやり過ごし、後に残されたクレーターを呆然と眺めていた。
「ひでえ・・・。悟空に負けたからかどうか知らねえが、これじゃ完全な使い捨てじゃねえか」
つぶやくクリリンも、その隣に立つ悟空も怒りの混じった苦い顔をしていた。
「許せねえ。こんなことする奴は、人間じゃねえ」
悟空はまだターブル達やスノウに会っているわけではない。しかし目の前の一事だけでも、相手が憎むべき『悪』であることはわかる。スノウは
確かにターブル達に自分の星を滅ぼされた被害者ではあるが、決してそれだけではないのだ。
「お父さん!」
と、その時上空から声がかけられた。
「おお、悟飯」
「来てくれたんですね」
言いながら悟飯はふわりと悟空の目の前に着地した。その眼には薄い涙の膜が張っている。セルゲーム以来、あるいはもう自分が死ぬまで
会えないのではないかと思われた父親と再会したのだから無理もない。
トランクスとピッコロもすぐに来るだろうと思われたその時、遠くで途轍もない気が膨れ上がると同時に、天に向けてエネルギー砲が放たれた。
「すげえ気だ。あれがターブルって奴か?」
「ち、違います。あれは多分、ラニっていうターブルの仲間の・・・」
「!!こっちに来る!」
悟空の言葉通り、エネルギー砲の撃たれた方角から巨大な気がやって来るのをその場の全員が感じた。
「くっ・・・・・・」
「何のつもりだ」
遅れて来たトランクスとピッコロが着地するのとほぼ同時に、オーラの塊がラニの姿となって一同の前に着地する。
その顔は明らかに不機嫌なものだったが、不意にそれが変わった。その眼は悟空を捉えている。
「ターレス・・・ではなさそうだな。何者だ?」
「オラはこの地球に送られたサイヤ人、孫悟空だ」
「ソンゴクウ?サイヤ人にしては変わった名前だな。まあいい、要するにお前もこの星側の人間ということだろう。ならばある意味都合がいい」
そう言うと、ラニは笑みを浮かべながら改めてその場の一同を見渡した。


「実はさっきスノウとかいう奴に逃げられてな。折角の戦闘が中途半端に終わって物足りないから、お前達の1人に代役を務めてもらうことにした」
「何だと?!」
「なに、殺しはせんさ。下手にお前達の誰かを殺せば、ターブル様の罰を受けることになるからな。これはあくまで余興だ。何なら全員でかかって
来ても構わんぞ」
突然の意外な申し出に、一同を困惑が襲った。しかし、その中でただ一人、困惑から逃れていた者が声を上げた。
「なら、オラがやろうか」
「え?ち、ちょっと待って下さい悟空さん」
慌てて引き止めながら、トランクスはラニに聞こえないように小声で話した。
「悟空さんの実力を過小評価するわけじゃありませんが、あの人を相手に勝算はあるんですか?」
「いや、勝てるかはわかんねえけど、殺さねえって言ってるから大丈夫だろ?」
「そんな言葉が信用出来るような相手じゃないでしょう!」
思わず引き止める腕を放しそうになり、慌てて体勢を取り戻しながら、トランクスは器用に小声で叫んで突っ込んだ。
「大丈夫大丈夫。いざとなりゃおめえや悟飯がいるだろ?それよりオラ、相手の実力を直に知っておきてえんだ。その方が修行に気も入るからな」
それでも悟空は少し未練がありそうな顔で黙っていたが、やがて確認するようにつぶやいた。
笑顔でそう言って来る悟空に、さすがにトランクスも引き止め続けるわけにもいかず手を離した。
「相談は終わったか?」
「ああ。おめえの相手はオラがする」
スノウを相手に消化不良だった戦闘を再開できる期待からか、軽い笑みを浮かべて言ってくるラニに、悟空もまた笑顔で向き合った。




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