「サイヤ人だと?!」
それまで沈黙したまま聞いていたベジータが驚きの声を上げた。
「俺達以外に、まだサイヤ人の生き残りがいたというのか?!」
「あいつの言葉からすると、そのようです」
トランクスの周りが再びざわめきだした。ベジータ星が破壊され、全滅したはずのサイヤ人。
だがベジータや悟空以外に、まだ生き残りがいたというのか。
「ま、まあいてもおかしくないよな。今までだってターレスとか、ブロリーとかいたんだし」
「そういえばそうだな」
クリリンの言葉に天津飯がうなずく。ベジータは忌々しそうにふん、と鼻を鳴らした。
ターレスとは、以前神聖樹を持って地球を壊滅寸前まで追い込んだ、悟空同様に辺境の星に
送られていたことで生き残ったと思われるサイヤ人であり、ブロリーとは、ベジータ王に恨みを
持つ、同じくサイヤ人の生き残りであるパラガスの息子であり、超サイヤ人となった悟空や
ベジータをも圧倒した、絶大なパワーを持つサイヤ人である。
「取り合えず続きを聞こう」
ピッコロの言葉に異議を挟む者もなく、再び注目がトランクスに集まった。
それまで沈黙したまま聞いていたベジータが驚きの声を上げた。
「俺達以外に、まだサイヤ人の生き残りがいたというのか?!」
「あいつの言葉からすると、そのようです」
トランクスの周りが再びざわめきだした。ベジータ星が破壊され、全滅したはずのサイヤ人。
だがベジータや悟空以外に、まだ生き残りがいたというのか。
「ま、まあいてもおかしくないよな。今までだってターレスとか、ブロリーとかいたんだし」
「そういえばそうだな」
クリリンの言葉に天津飯がうなずく。ベジータは忌々しそうにふん、と鼻を鳴らした。
ターレスとは、以前神聖樹を持って地球を壊滅寸前まで追い込んだ、悟空同様に辺境の星に
送られていたことで生き残ったと思われるサイヤ人であり、ブロリーとは、ベジータ王に恨みを
持つ、同じくサイヤ人の生き残りであるパラガスの息子であり、超サイヤ人となった悟空や
ベジータをも圧倒した、絶大なパワーを持つサイヤ人である。
「取り合えず続きを聞こう」
ピッコロの言葉に異議を挟む者もなく、再び注目がトランクスに集まった。
「その反応からすると違う、とも言い切れんようだな。お前を見る限り『奴ら』と同じタイプの人間としか思えんし、
お前以外にそれらしいパワーをこの星のどこからも感じない。さしずめ『奴ら』の偵察係と言ったところか」
トランクスは異星人の推測を、ただ呆然と聞いていた。
『奴ら』とは悟空やベジータ以外に存在したサイヤ人のことだったのだ。余りにも不意に聞いた「サイヤ人」という
言葉を聞いたショックに、トランクスは否定することも忘れていた。
先程とは逆に異星人が落ち着きを取り戻し、トランクスがうろたえる中、突然異星人の姿が移動し、トランクスに
蹴りを浴びせた。
「ぐうっ!」
咄嗟に両手を交差して受けたものの、時間差で放たれた拳に再度吹き飛ばされる。だがさらに来るはずの
追撃は来なかった。
「妙だな。『奴ら』の仲間にしてはパワーが低過ぎる。手を抜いているのか、それとも『奴ら』が特別なのか・・・」
訝しげに言いながらこちらを見つめる異星人から眼を逸らさず、トランクスは口中に溜まった血を吹き出した。
「こっちも一つ聞かせてもらう。フリーザという名に聞き覚えがあるか?」
「フリーザ?ふん、知らんな。大体こんな離れた別の銀河までやって来ることなど今回が初めてだ。知るはずもあるまい」
「なるほど。つまりお前らも、お前の言うサイヤ人も、別の銀河の住人ということか」
トランクスの言葉に異星人は一瞬、不審そうな顔をした後、
「どうやら『奴ら』の仲間というわけでもなさそうだな。確かに、あんな離れた場所から偵察を送るというのも不自然か」
と一人納得したようにうなずいた。
「だが、どちらにせよ、『奴ら』と関わりのある人間であることには違いない」
と、突然異星人を包む気が大きく膨れ上がった。その顔はまるで両親を殺した仇を見るかのように憎しみに満ちている。
「未だに事情は飲み込めないが、事情なんてどうでもいい。俺はただ、この星をお前達のような奴らから守るだけだ」
静かにそう言うトランクスの身体が膨れ上がり、その身を包む金色のオーラもまた勢いを増した。
人造人間17号を取り込んだセルと戦った時の、超サイヤ人第二形態である。
お前以外にそれらしいパワーをこの星のどこからも感じない。さしずめ『奴ら』の偵察係と言ったところか」
トランクスは異星人の推測を、ただ呆然と聞いていた。
『奴ら』とは悟空やベジータ以外に存在したサイヤ人のことだったのだ。余りにも不意に聞いた「サイヤ人」という
言葉を聞いたショックに、トランクスは否定することも忘れていた。
先程とは逆に異星人が落ち着きを取り戻し、トランクスがうろたえる中、突然異星人の姿が移動し、トランクスに
蹴りを浴びせた。
「ぐうっ!」
咄嗟に両手を交差して受けたものの、時間差で放たれた拳に再度吹き飛ばされる。だがさらに来るはずの
追撃は来なかった。
「妙だな。『奴ら』の仲間にしてはパワーが低過ぎる。手を抜いているのか、それとも『奴ら』が特別なのか・・・」
訝しげに言いながらこちらを見つめる異星人から眼を逸らさず、トランクスは口中に溜まった血を吹き出した。
「こっちも一つ聞かせてもらう。フリーザという名に聞き覚えがあるか?」
「フリーザ?ふん、知らんな。大体こんな離れた別の銀河までやって来ることなど今回が初めてだ。知るはずもあるまい」
「なるほど。つまりお前らも、お前の言うサイヤ人も、別の銀河の住人ということか」
トランクスの言葉に異星人は一瞬、不審そうな顔をした後、
「どうやら『奴ら』の仲間というわけでもなさそうだな。確かに、あんな離れた場所から偵察を送るというのも不自然か」
と一人納得したようにうなずいた。
「だが、どちらにせよ、『奴ら』と関わりのある人間であることには違いない」
と、突然異星人を包む気が大きく膨れ上がった。その顔はまるで両親を殺した仇を見るかのように憎しみに満ちている。
「未だに事情は飲み込めないが、事情なんてどうでもいい。俺はただ、この星をお前達のような奴らから守るだけだ」
静かにそう言うトランクスの身体が膨れ上がり、その身を包む金色のオーラもまた勢いを増した。
人造人間17号を取り込んだセルと戦った時の、超サイヤ人第二形態である。
「はあっ!」
「なっ!」
これまでとは比べものにならないスピードで突っ込んで来たトランクスに異星人が驚愕の声を上げた
次の瞬間、トランクスの拳がその顔に叩き込まれた。さらに吹き飛ぶ身体を肘打ちが打ち落とし、地面に
バウンドした所を蹴り上げる。
「がぁっ・・・!」
空中で体勢を立て直そうとする異星人を捉えつつ、地上で構えるトランクスの両手に膨大なエネルギーが
集約していた。
「消し飛べぇーーーーっ!」
「なっ!」
これまでとは比べものにならないスピードで突っ込んで来たトランクスに異星人が驚愕の声を上げた
次の瞬間、トランクスの拳がその顔に叩き込まれた。さらに吹き飛ぶ身体を肘打ちが打ち落とし、地面に
バウンドした所を蹴り上げる。
「がぁっ・・・!」
空中で体勢を立て直そうとする異星人を捉えつつ、地上で構えるトランクスの両手に膨大なエネルギーが
集約していた。
「消し飛べぇーーーーっ!」
ヴォッ
トランクスの放ったエネルギー砲が、かろうじて防御の体制を取った異星人に直撃した。
核爆発さながらの轟音を立てて視界が光に塗りつぶされる。
「!」
しかし光が薄れ、消えた後には、あのエネルギー波を受け切った異星人の姿があった。
「まさかさらにパワーが上がるとは。防御に全パワーを注ぎ込むのが一瞬でも遅れていたら危なかった」
「しぶといな・・・」
エネルギー砲を受けきられても、トランクスにはまだ余裕があった。今のはまだ全力で打ったわけではないのだ。
「やはりサイヤ人というのは油断出来んな。例えこんな星の住人でも」
わずかに距離を空けた位置に降りながら、異星人はトランクスを睨みつつ言った。
トランクスの方は無言で構える。次で決めると、その構えが伝えていた。
「だがやはり、『奴ら』とは比べものにはならん。これなら俺でも何とかなる」
ニヤリと笑うその姿が突然変形した。頭の黒い部分の周りが鋭角な角となって斜めに伸び、顔全体が
マスクのように覆われる。肩の黒い部分が延長して肩当てのような形になり、胸の黒い部分を中心に胸、
腹もまた鎧のように変形する。それに合わせるように身体全体が一回り大きく膨れ上がった。
かつてフリーザの兄、クウラが見せた「もう一段階の変身」を、この異星人も出来たのだ。
核爆発さながらの轟音を立てて視界が光に塗りつぶされる。
「!」
しかし光が薄れ、消えた後には、あのエネルギー波を受け切った異星人の姿があった。
「まさかさらにパワーが上がるとは。防御に全パワーを注ぎ込むのが一瞬でも遅れていたら危なかった」
「しぶといな・・・」
エネルギー砲を受けきられても、トランクスにはまだ余裕があった。今のはまだ全力で打ったわけではないのだ。
「やはりサイヤ人というのは油断出来んな。例えこんな星の住人でも」
わずかに距離を空けた位置に降りながら、異星人はトランクスを睨みつつ言った。
トランクスの方は無言で構える。次で決めると、その構えが伝えていた。
「だがやはり、『奴ら』とは比べものにはならん。これなら俺でも何とかなる」
ニヤリと笑うその姿が突然変形した。頭の黒い部分の周りが鋭角な角となって斜めに伸び、顔全体が
マスクのように覆われる。肩の黒い部分が延長して肩当てのような形になり、胸の黒い部分を中心に胸、
腹もまた鎧のように変形する。それに合わせるように身体全体が一回り大きく膨れ上がった。
かつてフリーザの兄、クウラが見せた「もう一段階の変身」を、この異星人も出来たのだ。
「何だと?!」
「何だ、知らなかったのか?どうやらフリーザとやらはこの戦闘形態になれなかったようだな」
言葉と同時に異星人の姿が消えた。
「!!」
「遅い!」
後ろを振り向いたトランクスの顔面を、異星人の肘が打ち抜いた。さらに先程トランクスのした攻撃を
なぞって空中に蹴り飛ばす。
「ぐっ・・・・・・うっ・・・・・・」
「くたばれ」
静かな、それだけに殺気のこもった言葉と共に、トランクスの放ったものとは比較にならない巨大な
エネルギー砲が放たれた。
「うっ・・・・・・ああああああぁぁぁぁーーっ!!」
光の消えた後、上空にトランクスの姿がないのを確かめると、異星人はそれまでの姿に戻った。
「さて、『奴ら』が来るまでに出来るだけ手を加えんとな」
そう言いながら宇宙船の中へと姿を消す異星人を見たのを最後に、ボロボロになりながらもかろうじて
爆発の光に紛れて姿を隠したトランクスの意識が途切れた。
「何だ、知らなかったのか?どうやらフリーザとやらはこの戦闘形態になれなかったようだな」
言葉と同時に異星人の姿が消えた。
「!!」
「遅い!」
後ろを振り向いたトランクスの顔面を、異星人の肘が打ち抜いた。さらに先程トランクスのした攻撃を
なぞって空中に蹴り飛ばす。
「ぐっ・・・・・・うっ・・・・・・」
「くたばれ」
静かな、それだけに殺気のこもった言葉と共に、トランクスの放ったものとは比較にならない巨大な
エネルギー砲が放たれた。
「うっ・・・・・・ああああああぁぁぁぁーーっ!!」
光の消えた後、上空にトランクスの姿がないのを確かめると、異星人はそれまでの姿に戻った。
「さて、『奴ら』が来るまでに出来るだけ手を加えんとな」
そう言いながら宇宙船の中へと姿を消す異星人を見たのを最後に、ボロボロになりながらもかろうじて
爆発の光に紛れて姿を隠したトランクスの意識が途切れた。